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東京から北へ向かう新幹線の終点は八戸(はちのへ)です。しかし現在、新青森、そして新函館まで新幹線を伸ばす工事が着々と進んでおり、札幌までの環境影響評価が完了しています。。
1971(昭和46)年に定められた国の整備計画では、東京-新青森間「東北新幹線」、新青森-札幌間「北海道新幹線」というふうに、両者は別々の名前で呼ばれていました。しかしこの2つの路線は、東京と青森、青森と札幌を結ぶことだけが目的ではありません。
東京と札幌を結びつける安全・確実・高速な新幹線。それは首都圏から東北を経て北海道に至る沿線人口2,300万人を互いに強いパートナーシップで結びつける次世代の「コミュニケーション・インフラ」です。
そんな想いから、当サイトでは東京-札幌間をひとつの新幹線と位置づけ、天の川に見立てた「東北&ほっかいどう銀河新幹線」という愛称と呼ぶことにしました。織姫と彦星が天の川に想いを馳せたように、首都圏・東北・北海道、異なる3つの地域の人たちの想いを今よりもっと強く結びつける流れに育つことを期待して…。
かつて整備新幹線の最高速度は260km/hとされ、東京-札幌間は6時間近くかかると言われていた時期がありました。しかしフランスのTGVをはじめとする世界の高速列車は年々スピードアップが進み、世界でもっとも厳しい環境基準をクリアしなければならない新幹線でも日進月歩の技術開発が進み、現在JR東日本では営業列車での360km/h運転を目指して研究を進められています(*1)。
もし330km/h超の高速走行が実現すれば、東京-札幌間は3時間40分台で結ぶことが可能です。この速度で走っても、二酸化炭素排出量は航空機のわずか1/10、マイカーの1/13。エネルギー費用も航空機の1/6にとどまります(*3)。
飛行機と違い、沿線に停車駅を設けられる新幹線なら、ダイヤ上のくふうで沿線各都市相互を1時間おきといった高頻度に結ぶことも可能になり、首都圏・東北・北海道の行き来が飛躍的に便利になります。
便利で、確実で、快適で、しかもクリーン、おまけに低コスト。将来的な運賃値下げの可能性も十二分に秘めた、環境の時代にふさわしい都市間高速交通モード、それが新幹線です。
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世界一の営業最高速度を目指して試験中の超高速新幹線・FASTECH360S(E954系) 2005/07/30(Sat) 23:55 仙台駅にて (試9931B) |
(*1) 1997年には山陽新幹線で当時世界最速であった300km/h運転が始まり、東北新幹線も275km/h運転が行われている。目を世界に転じれば、フランスではTGV地中海線の一部区間で320km/h(2001年)、ドイツではフランクフルト-ケルン間の高速新線で330km/h(2002年)の営業運転が既に行われている(※)。2007年にはスペインのマドリッド-バルセロナ間で350km/hの営業運転が開始される予定であり、我が国でもJR東日本が360km/hでの営業運転を究極目標として高速試験車両の開発を進めている。
(※)TGV地中海線では今後予定されるTGVのスピードアップに備え、上下線とも30~50km程度の距離について営業最高速度を320km/hに引き上げ、長期にわたる320km./h営業運転でのメンテナンス体制やコスト等の検証を行っている。一方、ドイツのフランクフルト-ケルン間高速新線ではICE3が最高300km/hで営業運転を行っているが、遅れた場合に限り、遅れを取り戻すため330km/hまで加速することが許されている。
(*2)「東北&ほっかいどう銀河新幹線」といえば、新幹線のために建設された青函トンネルも忘れることができない。海底をつないで北海道と本州を陸続きにしたこのトンネル、6,140億円をかけて完成したにもかかわらず、前後の新幹線の開業の目処が立たないため、さらに710億円を投じて「暫定使用」である在来線に供されているのが現状である。1964(昭和39)年の着工から1988(昭和63)年3月の供用開始まで、実に24年を要した大プロジェクトは、「暫定使用」が続いた17年を経て、2005(平成17)年5月の北海道新幹線新青森-新函館間着工でようやく本来の目的である新幹線に生まれ変わる道が開かれた。
(*3)航空機については、北海道新幹線建設促進期成会「北海道新幹線の開業効果について」(2000)をもとに当サイトで試算。航空機は羽田-新千歳の実情にあわせ搭乗率65%、実際の運航便数比に応じてボーイング777/747/767の各機種を混用すると仮定した。ジェット燃料は2005年時点の相場で計算(2000年時点では新幹線電力代の5倍程度)。一方、新幹線については、東北新幹線及び津軽海峡線各工事誌、北海道新幹線環境影響評価準備書をもとに当サイトで運転曲線を作成の上、試算。500系車輌(編成出力18,240kw)を50ヘルツで使用、乗車率65%、16両編成、最高330km/h、2駅(大宮・仙台)停車、半径4,000mの曲線では車体傾斜により330km/hで通過とした場合、所要時間は3時間48分となるので、この場合の電力代を算定した。電力単価はJR東日本の平均単価を採用。