「じゃあどっちから始めようか？」
「別に、どっちでもいいけど。普通のしりとりじゃ俺、つまんないと思う」
「ええと、じゃあ答えは食べ物限定ってことにしよう、ね？　それじゃ私から。ア、で『合挽き肉』」
「ク。『クレープ』」
「プかー、難しいね。（プリンは駄目だから……）『○リッツ』」

（ぐぅー、と聞き覚えのある音）

「あれ？　今のって」
「何でもない！　ツ、『津軽りんご』」
「ご？　ゴ、ゴ、『ゴルゴンゾーラ』……あ、世界三大ブルーチーズのことなんだけど」
「知ってる。次、『ラスク』」
「ク……ええと『串焼き』」
「『絹漉し豆腐』」
「フ、『○ァンタ』！」

（きゅー、と切なげな音）

「……」「……」
「……ぷっ」
「（リョーマ、むすっとして）続けるよ。次、『タルタルソース』」
「ス、『すき焼き』」
「『きなこ餅』」
「チ……チ、『茶碗蒸し』」

（ぐきゅるきゅる。とリョーマのお腹、大きく鳴る）

「……ぶっ、あははっ、ごめ、ごめんリョーマ。やっぱり無理、私の負け！　ああ、私までお腹空いてきちゃった。食べ物しりとりにしたのは失敗だったね」
「ちぇ」
「今度家で茶碗蒸し作ってあげるから、怒らないでね」
「いいってば」

　勝敗結果：
　主人公には勝てませんでした。



（リョーマ、成長期だもんね）
（うるさい）



お終い。