COOL連載開始コメント集

我らが許斐大先生の記念すべき初本誌連載作品「COOL」。
その連載第一回掲載号を通じてより深く許斐先生を知って頂きたい、許斐は時代と寝るタイプの男前だというのを強く強く主張したい。

以下、画像は全て週刊少年ジャンプ1997年40号より



表紙…ちなみにこの絵、カラーは単行本未収録です

2巻中表紙に線画のみ収録
第一回(単行本1巻収録の「指令1.ラジカセを持つ男」)が丸々掲載されています。
何が凄いって内容も勿論ですがそのボリューム。漫画部分52Pでそのうちカラー3P、二色カラー24P
この号全454Pなんですが。2回目も25P掲載でしたし、ここまで来ると新人潰しの儀式としか思えないぞ。




前ハシラ
(1P目掲載)
>増刊で、本誌で超人気の期待作!!
 一挙52Pで待望の新連載!!
>エライ事発生!?の女子高生。彼女が手にしたチラシには…!?


(2・3P目掲載/一巻表紙絵を2P見開きにした扉絵)
>新学期はニューヒーローと一緒!!
 興奮満載!!
 感動てんこ盛り 新連載第1弾!!
>覚えておけ! 奴の名がCOOL!!
 この世で一番熱くて冷たい男!!

>底知れぬ情熱と野望を胸に秘める男

うわぁ…ウソじゃないだけに重いだよ





後ハシラ
>少女の父への想いに熱く燃えたCOOLの心!!
 ただしやり方はどこまでもCOOL!!





ファンレター募集ハシラ
>☆広い部屋引っ越して のびのび仕事中!!の許斐剛先生の作品掲載は 『ジャンプ』だけ!!応援たのむぜ!!

尚、このハシラ2色カラーのページにありましたのでカラー忠実に引用しました。この赤字強調の意味わからん。





次回予告

>次週第41号ではCOOLのもとに国際的芸術家から依頼が!!
 来週もCOOL COOL COOL!!


「COOLというフレーズ流行らせたるわ!」という編集の気合を感じます。別ページの次号ジャンプ予告ページには気が早いことに >話題騒然!!とありましたが実際このCOOL掲載時、神尾の「リズムに乗るぜ♪」以上のインパクトがあった記憶が…。
少なくとも私の周囲では「幕張は超えた、漫画太郎レベルの新人デビューだよ!」と話題騒然。





巻末コメント

>林田健司さんのCOOLを聴きながら熱筆しています。気合いの入った笑える話をどんどん描いていきますのでよかったら応援ヨロシク!それじゃまた来週…(剛)

自画像に萌え死ぬ。



髪型花京院入ってる

それはさておき、編集側は>感動てんこ盛り、 なのに対し許斐先生ご自身は>笑える話、と仰っています。 シリアス?ギャグ?どっちなのでしょうか。




アンケートハガキ

オレンジで囲った部分がCOOLに関する質問部分。今と比べ少ないですね。
10年前も質問内容ほぼ一緒

☆今週から始まった許斐剛先生の『COOL<レンタル・ボディガード>』についてお聞きします。
1、主人公COOLの印象を教えてください。(3つまで)
(1)かっこいい (2)かっこわるい (3)好き (4)嫌い (5)目立つ (6)地味
(7)明るい (8)暗い (9)気取ってる (10)にくめない
(11)魅力がある (12)魅力がない (13)親しみがある (14)親しみがない
(15)その他
2、漫画を読んで、どんな印象をうけましたか?(3つまで)
(1)明るい (2)暗い (3)泣ける (4)感動できる (5)感動できない
(6)絵と内容があっている (7)絵と内容があっていない
(8)都合が良すぎる (9)自然に読める (10)共感できる (11)共感できない
(12)その他
3、あなたは『COOL』にどのような展開を期待しますか?(ひとつだけ)
(1)COOLの過去がわかる 
(2)仲間のレンタルボディガードが次々と現れる
(3)COOLにライバルのボディガードが登場する
(4)COOLが巨大な悪の組織と徹底的に闘う
(5)COOLが普通の人々を助ける
(6)笑子の友達との交流
(7)COOLと笑子のギャグっぽい掛け合いを中心
(8)COOLがプロの殺し屋や武闘家と戦う
(9)その他


どうやら、路線決めてなかったみたいですな…。




オマケで時代背景

時は97年。週刊ジャンプは95年の最盛期(発行部数650万部↑。ドラゴンボールが25号で最終回)を過ぎ、 96年にはSLAM DUNK幽遊白書終了と落ち目になっておりました。看板連載といえばほぼ、るろうに剣心のみ。 とにかくヤバい時代でした。

ちなみにこの40号の時点で、他の連載は
ワンピース…第6話(ゾロ仲間になったとこ)
遊戯王…第47話(まだ社長出てません)
封神演義…第57回(魔家四将と戦ってます)
って感じでした。まだ人気定着する前ですね。
さりげに一番盛り上がってたのがジョジョ5部(ブチャラティがボス裏切った)。

「努力・友情・勝利」にあてはまらないながらも、増刊、本誌読切とで順調に下積みを経、人気を博した COOLが連載になるのは必然と言えましょう!
尚、許斐先生ご自身も単発掲載に比べて連載には相当な意気込みでいらっしゃったようです。


>父は厳しい人で漫画家になるといえば絶対反対されると思い、
>地位を勝ち取ってから言うしかない、と黙っていました。
>「ボディガード」で初の連載仕事を得た時に父の会社に電話をかけ
>「子供向け雑誌で絵を描く仕事が決まった」と言ったら喜んでくれ、
>それからは応援してくれるようになりました。


2004年7月2日毎日新聞朝刊、毎日スポーツ人賞受賞インタビューより
(ちなみに「まんがたうん」で全文読むことが出来ます。)


いい話です…が、COOLは打ち切りされたんですよね…。でも絶対面白いよ!読んで!!



参考資料
集英社
●週刊少年ジャンプ 1997年40号(9月15日発行)
●ジャンプコミックス 「COOL RENTAL BODYGUARD」 第一巻
 1998年2月9日 第一版発行
ミリオン出版
●コミック・ゴン第1号 1997年11月発行
毎日新聞社
●2004年7月2日 毎日新聞朝刊