その日の授業中、突然おなかがいたくなったボクは
ひとり保健室でねていた。
いつもあんまりこんなことないのに、お弁当のおかずがいたんでいたのかな。
そういえばさいきんちょっと体の調子もよくない。
せいりもずっと止まったままだし、おっぱいも張って
えっちをするときいたい。
ボクのからだはふつうとちがうんだから
よけい健康管理には気をくばらなくちゃ。
ずっとしずかにねていてもおなかの痛みはちっともおさまらない。
どうしよう、盲腸とか…もっとたいへんな病気だったら。
おさななじみのとおるくんの顔がうかぶ。
いつでもボクのことしんぱいしてくれて、
ふたなりのボクをきもちわるがらずに
だっこしてくれるとおるくん。
しんじゃうなんていやだよ。
ボク、まだとおるくんのおよめさんになってないのに。
ばちゃっ、と音がしてじんわりお尻にぬれた感触がひろがる。
えっ? ボク、おもらししちゃったの?
びっくりしてパンツをぬぐ。
ぐいぐいとおなかにしぼるような痛みがきて、
ボクはおもわずうめきごえをあげてしまった。
シーツをぬらす液体はうすい赤色にそまっていた。
「…ええっ!!?」
自分のはずかしい部分をのぞきこんだボクは
パニックになりかけた。
ふくらんでぱっくり口をあけたおまんこの
おくに見えるピンク色の大きなかたまり−−−
ぽやぽやと生えた髪の毛。
あかちゃんのあたまだ。
…ボク、いま、あかちゃんを産んでるの!?
そのとたん、それまでふしぎだったいろんなことが
いっぺんに解決した。
そんなにたべていないのにおなかが出てきたのも、
せいりがとまったのも…
まさかじぶんに妊娠能力があるなんて思わなかったから、
これっぽっちもそんなことうたがってなかった。
ばかだね、ボク。
だいすきなとおるくんのあかちゃんがうまれるんだ。
うれしい。うれしい。神さま、ありがとう。
もうそれから、痛みはちっともくるしいものじゃなくなった。
うれしくて、わくわくして、おしりとあそこの間が
裂けるのもちっとも気にならないくらい。
(んっ…んんんんんんーーーーーーーー!!!!!!!)
ボクはまくらのはしをちからいっぱい噛みながら
あかちゃんを押し出した。
ずるううっ!!!
おおきなおおきなモノがからだの中からすべりだす。
「んあ…おあぁー、おあぁーーー」
…春のねこみたいな、聞き慣れない声が高くあがる。
ひたいにいっぱいの汗をぬぐいながらボクはようよう
上半身をおこす。
「…わかば……おまえ…!!?」
戸口に視線をむけると、目をまんまるにしたとおるくんが立っていた。
「とおるくん…あのね、ボク、おかあさんになったの…」
ボクはそうっとシーツをめくり、うまれたてのあかちゃんを
パパにみせてあげた。
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