| その日、サマルトリアの王城をひとりの少年が訪れた。 唐黍の毛のようにふわふわと柔らかな金髪。神鳥の紋が織り込まれた衣はあざやかな新緑の 色をしている。男性を感じさせないその貌には、まだあどけなさすら漂う。 すべてが、ひとり旅立ったあの日と同じの---トンヌラ王子だった。 「おお…トンヌラよ、よくぞ戻った」 突然の出奔、そして突然の帰還にも関わらず王は破顔して彼を出迎えた。 「父様……お許しください。僕は、国のためになにひとつ力になれませんでした」 「なにを申すか、左様なことをいつ望んだ? 無事な姿で戻って来てくれた、それだけで充分ではないか」 ぶじな……すがた。 王子がちいさく反芻した言葉に気づいたのは、ただひとりの衛兵だけだった。 「そうですわ、お兄様。お兄様さえ何事もなくお戻りになられたなら、わたくしは幸せ」 可憐な姫君はそう言って頬を染める。王子の許嫁として城に迎えられ、彼を 兄のように慕う姫。彼女に向けられるトンヌラの視線は優しくも、何故か一抹の 憂いを含んでいた。 「ルルも余も、お主の帰還を信じて待っておったぞ。この上は一刻も早く 婚礼の式を挙げるがよかろう」 王の言葉に、乙女は恥じらいと期待を帯びた表情で未来の夫を見やった。 だが少年はうつむき、視線に応えようとはしない。 「何とした?照れずともよいではないか---」 いそいそとふたりの手を握らせようとした刹那…高く、少年の声が謁見の間に響いた。 「嘘吐き」 その場にいたおそらく全員が、己の耳を疑った。この場にはあまりに似つかわしくない 口調と言葉。なにか別の言葉と聞き違えたに違いない。だが、いったい何と? |
![]() |
|
その戸惑いを打ち消す様に、王子は繰り返した。 「あなたたちは、嘘吐きだ」 その眼は真っ直ぐに父を、妹を見据えていた。 「お兄…様?」 しかし、トンヌラの表情はもう揺るがない。 「……信じて、待っていた? 僕が何も言わずにいなくなった時、探そうともしなかったじゃない。 呑気ものだからどこかで道草食ってるんだろう、なんて冗談言うだけで、なにもしてくれなかったじゃない。うそつき!! 僕みたいな気味の悪い片輪者、死んでしまえと思ってたくせに!!!」 「トンヌラ、なにを……!?」 ---王には信じられなかった。これがあのおっとりとした王子の口から出る言葉なのか。 王だけではない。トンヌラを知る者は皆、大人しく『出来た』王子の激情にただ困惑していた。 世継ぎの男子としては少々頼りない所が有る、との陰口をきかれることこそあったが、過去に一度たりとも声を荒げたりはしなかったというのに。 彼らの顔色から察した王子は、ひどく痛々しい笑みを浮かべた。 「やっぱり、あの人の言ったとおりだ…… 僕はこんなできそこないだから、せめて皆に嫌われないようにしようって……いい子でいようってがんばってた。 だけど、もう嫌だ。あなたたちのために、のんきで人のいい王子様でいるのはいやなんだ」 振り絞るような声は、かすかに震えていた。 ずっと自分を偽って。完全な男子にはなりえない劣等感が安気な性格を装わせ、道化者の芝居に逃げ込ませていた。 『お兄様はね、わりと呑気者なの』 『うちの王子様、親しみがあるのはいいんだけどねえ。あの頼りなさが今少し……』 どんな言葉を聞かされても、ただ笑って。それがあたりまえになってしまったから、父王に見捨てられたと知った時も涙は出なかった。 「でもね、安心して。僕のたったひとつの親孝行だよ。 望みどおり、サマルトリア王子トンヌラは---死んだから」 トンヌラが小さく呪文を呟くと、今まで彼を包んでいた目に見えない霧は雫となって足下に滴り落ちた。 水の羽衣の魔力がかつての「王子様」を幻として見せていたのだ。 ---ざわ。 真の姿をあらわにしたトンヌラに、兵達の間から異様なざわめきが起きる。 「……これがほんとうの僕。今の僕は、竜王の妻なんだ」 王子の装束を脱ぎ捨てた姿は裸よりも艶めかしく淫靡な---服とも言えぬ、奴隷の如き拘束具だった。 骨張った手が包む様に支えているのは、ぼってりと並の娘よりも大きなむき出しの乳房。 家畜の如く首に巻かれたベルトからは鎖が繋がり、ちっぽけなペニスを支えている。 「サマルトリア王子」とあまりにもかけ離れた姿。その顔かたちは変わらないが、どこかに淫蕩さを秘めた表情は性の技巧を仕込まれ尽くした 牝のものに他ならなかった。 「王子様はもういない…僕は、ただひとりのあるじに仕える女だ」 純潔な姫は声をあげることも忘れ、変わり果てた許嫁から目を剃らせずにいた。 「あのひとは僕に、僕の生まれた意味を教えてくれた。 他の誰にも代われない、僕だけの使命を与えてくれた。 国より、家族より、僕自身の命より、今はあの人が大切なんだ」 特別に同席を許されていた乳母は、「彼女」の乳房の状態を見て息をのんだ。それは赤子を産み、母乳を与えている女特有の特徴を示していたのだ。 「竜王の妻と……!? おお…それでは、まさか……そのようなことが……!!」 王は断絶した筈のロンダルキア王家と邪神の噂を思い出していた。肉体を得て現世に現れた邪神など、流説に過ぎぬと聞き流していたが…… 「っ……裏切り者めが……!!」 目の前の者が忠誠を誓うべき主国の王位継承者ではなく、侵略国の王妃--禍々しき邪神を産んだ女と理解してか。 或は妖しげな装束に抗い難い肉の衝動を覚えたか。衛兵たちは口々に叫びをあげて飛びかかった。 つややかな唇が僅かに動き、短い呪文を唱える。 びしり、と空気が凍り付いた。 床を分厚く覆う氷の層が彼らの足をその場に縛り付ける。 「おお…!」 失われし古代の氷結魔法ヒャダインの威力を目にして、宮廷魔導師達は言葉を失った。 「ごめんね」 ダイアモンドダストに髪を飾られた魔妃の微笑みは、あくまで儚げに美しかった。 「あの人は無抵抗な人間達を斬り刻んで喜ぶ魔物じゃない。どうか無駄な血は流さないで…… 父様に国を思う心が有るのなら、速やかな降伏を勧めるよ」 トンヌラの身体がふわりと床を離れる。ルーラの呪文と共に、その背中に光の翼が広がった。 「さようなら父様、もう会うことはないでしょう」 王子は衛兵の陰に隠れ、怯え切った表情の義妹をみた。 見知らぬ、けれど確実に危険な獣を目にした村娘のような、戸惑いと怯えが綯い交ぜとなった表情。 ……それでいい。いつだってキミは純粋で、残酷なほど正直だ。 彼女にだけほんの一瞬寂しげに微笑みかけると、闇の妃は虚空にその姿を消した。 「……早かったな」 呪法に結ばれ飛び戻った部屋で、夫は腕組みをしたまま待っていた。 「ただいま戻りました」 それだけ応える。彼に隠し事など出来る筈も無い。 「何も言わず出て行くのは悪い癖だぜ」 「…………最後です。これでもう、僕には本当に行くところがなくなりましたから」 「折角の里帰りだ、つもる話もあったんじゃないか?泊まってくれば良かったろう」 からかうように笑う。行き先も告げぬ外出だったが、ズィータには全て見透かされていたようだ。 「最初から言っていただろう?お前はもう城に戻ることはできないと」 「はい」 分かっていた筈だ。それなのに、ほんの僅かな期待を抱いていた自分が確かに居た。 僕はもしかしたら夫を裏切り、そのまま祖国に留まってしまうかもしれない---淡い不安は現実となることなく潰えた。 「………………」 「泣くな」 ズィータの言葉にふと気づく。トンヌラの頬を、自分でも知らぬうちに涙が伝っていた。 「は、はい……」 それでも、止め処なく流れる涙は王妃の白い指を濡らす。 「泣くなと言っている」 ズィータの声に苛立ちが混じる。 「はい、泣きません、泣きま…………」 言葉とは裏腹に、トンヌラの喉から嗚咽が漏れ始めた。やがてその声は大きくなり、王妃は子供のように声をあげて泣き出した。 「うあっ……ああああっ……!!!とうさま……とうさまああああ……!!!」 ち、と聞こえよがしの舌打ちをするズィータ。彼は妻の慟哭を暫し黙って聞いていたが--- 「そうか、命令に従えないか……!」 乱暴に腕を掴み、有無を言わさず廊下へと引きずり出した。トンヌラはしゃくりあげながら塔の階段を登らされて行く。 ロンダルキア城で最も高い……すなわち世界でもっとも天に近い塔の屋上に出ると、退屈げに寝転んでいた骸骨兵が慌てて姿勢を正す。 王は無言で顎をしゃくり、怠慢な物見を階下へと追いやった。 「トンヌラ、見ろ」 ズィータはトンヌラの髪を掴み、石壁から下界を覗かせた。 雪雲の間に間に、見渡す限りの白い台地が広がる。足の下に浮かぶ薄雲から雪が絶え間なく舞い落ちていくのが見えた。 (ぁ……) 生身で放り出されれば人間はたちまち凍死してしまうであろうに、静かなその景色はとても美しかった。 背中に重みと、ひんやりとした布の感触がのしかかる。背後から覆い被さったズィータはトンヌラの耳に口をつけて言い聞かせるように言葉を続けた。 「これが俺の国。お前はここより他に行く場所は無い…… 死ぬまで、いや、死んでも俺から逃げることは出来ねぇんだ」 拘束衣の金具よりもしなやかな掌が乳房を掴む。大きくて力強いのに、血の流れを感じさせないほどに冷たい。 「お前は俺のモノだからな」 「ひゃうっ……!」 囁きと共に甘く耳朶を吸われ、身体がびくんと跳ねる。 石積みに上半身をもたせかけられたトンヌラの前でズィータは服をはだけた。 「えっ……ここで……?」 「命令をきかない罰だ」 「いやっ…いたぃよっ!!」 母乳で張り切った乳房を揉みしだかれ、トンヌラは抗議の声をあげた。 「痛いようにしてるんだ、お仕置きだからな」 「ッッ……!!!!」 無造作に乳輪をつままれて、シャワーのように母乳が吹き出す。 「毎日ガキ共に吸われ続けて、まだこんなに出るか」 「いたいです…やっ……お乳……しぼらない、でっ……ああ……!」 先程とは違う涙が頬を濡らす。調教された肉体にとって、主から与えられる痛苦はもはや快感と変わらぬものだった。 しぶく母乳は自身の胸元からなめらかな腹、ズィータの顔にも白いしるしを描く。 「くだらねえ事を考えるな。サマルトリア王子は死んだ。俺が殺してやった」 「ィヤアーーーーーー!」 腫れ上がった乳首に歯を立ててきつく吸うと、細い悲鳴がトンヌラの唇から漏れた。 がしゃん。 開いた両脚のあいだに、魔力でその身を戒めていた貞操帯が音を立てて落ちた。 余人の侵入を拒むディルドは早々と、透き通った粘液に根元まで濡れそぼっている。 「ふン……いやらしい肉壷だ。玩具じゃ物足りねえか?」 「ぁ……えっ!?」 ズィータの顔が太腿の間に埋もれ、そこだけ幼い少年の特徴を示すペニスを口に含む。 牝肉への愛撫を予期していたトンヌラは、思わぬ刺激に全身を震わせた。 「ズィータ様……っ!?っや、そんな……こと……っ!ぁ、あああぁっ」 羞恥に耳まで染まりながら、必死に主の頭を退けようと身をよじらせるトンヌラ。しかしズィータの舌は若茎に絡み付き、執拗にそこを吸い続ける。 「らっ……めええぇぇぇぇぇぇぇ!!」 身を包む快楽に舌がもつれ、あられもない叫びを響かせる。常ならば自分が主に対してする、口での奉仕。 主従が逆転したかのような倒錯的感覚がさらに快感を後押しした。 「らめ……おちんぽ……っ、すわないれっ!らめらよおぉぉぉ!!!」 唾液と先走りが泡立ち、淫らな音を響かせる。久しく顧みられることのなかったその器官はひどく敏感になっていた。 「ガキどもと大して違わないくせに……んッ…生意気に……固くなるんだな」 「ひゃあああっ!!おちんぽすいながら、しゃべっちゃ、やあぁぁぁぁぁ!!! おちんぽきもちぃのおぉぉ!!」 今はみずから主の頭を抱え込み、局所に押し付ける。言葉とは裏腹に全身が更なる愛撫を求めていた。 もっと。もっと僕をめちゃくちゃにして。肉親も、過去も、故郷も忘れられるくらいに壊して。 「ひゃ…あうぅっ!!らめっ…、やめえぇぇええ!!おく、おくちの、なかに、れちゃううぅ!!!」 「出せよ---全部飲んでやる」 ぢゅううぅぅっ…………っ!!! 「ゃあーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーっ!!!!!」 ひときわ強く、体内すべての精をしぼりとろうとするかのように吸い上げる。トンヌラは身も世もない叫びをあげ夫の口内に射精した。 同時に双の乳頭から、触れてもいないのに母乳が勢い良く吹き出す。 ズィータはわずかに喉を鳴らし、両性をもつ妻の受胎能力なき精子を飲みくだしていった。 「ぁ……いやぁ……ああ……あ……………………」 力なく石壁に身を預け、ずるずると座り込むトンヌラ。ちいさな男性器ははや力つき、死んだ蛞蝓のように石床を這った。 「もうお仕舞いか?」 「はい……」 口元を指で拭って尋ねる夫に、トンヌラはさらに赤面した。 「気持ちよかったか」 「ええ、とても」 素直に頷く。 「そうか、ならもう止めにしよう」 ズィータは意地の悪い笑みを浮かべ、背を向けるそぶりを見せた。 「あ……!あの、あの……」 縋る様な目でその袖をつかむ。あまりに明け透けな誘いだが、さりとてこのまま放置されては収まらない。 「……まだ、僕の女を召し上がっていただいていません」 上目遣いに訴える。ズィータは大仰に眉をひそめ、溜息をついて見せた。 「ふたなりってのは本当に貪欲だな。チンポが満足したら、今度はマンコに欲しいと?見下げ果てた淫乱だ」 母乳に濡れ、甘い匂いのする乳首を爪弾く。トンヌラは切な気に息をつめたが、かろうじて堪えた。 「いじわる……いわないで…… …………おね……がいです、してください………………」 羞恥に耐え、蚊の鳴くような声でせがむトンヌラ。主にうながされるまでもなく妃はみずから肉の襞を指で開いてみせた。 したたる蜜は紅色の華をねっとりと潤わせ、内股から足首にまで伝う。冷えた空気の中でそこはほんのりと湯気を立てていた。 「…僕……ズィータ様に犯してほしくて…こんなになってしまっているんです……。 ほ、ほら」 軽く割れ目に指を差し入れてかき混ぜる。はっきりした粘着音と噴き出す汐で、おさまらない発情を訴えていた。 「あきれた奴だ、そんなに欲しいか」 ズィータは妻の痴態に満足げに頷くと、素早くその体を抱きすくめた。 「わかったか?お前はもう俺なしじゃいられない身体なんだ」 下腹部に触れる逞しい昂りに、トンヌラはうっとりと溜息をついて頷く。 「ええ…僕は、あなたのための肉人形です」 「そうだ…お前の女は、こうされるためだけについてる」 竜王は妃の腰を抱き、立ち姿勢のまま楔を深く打ち込んだ。 「ぅあああんっ……!!」 トンヌラは歓びに声を掠らせ、強くズィータの胸にしがみつく。細い足は石床を離れ、つながった一点のみがその身体を支えるかたちになった。 「ぁあっ……深いっ……!!ズィータ様、の……僕の子宮に、届いて……っ!!」 激しく突き上げられながらも、トンヌラは心が静かに満たされていくのを感じていた。 隷属じゃない。僕はこの人を愛してる。だから、ここにいるんだ。 石壁にやわらかな背中が擦れて傷をつくっても、トンヌラは構わず声をあげ続けた。 ズィータはむっちりした妃の太腿を抱え、窮屈なかたちに身体を折り曲げさせた。 「あ……っ」 目の前に、ぬめぬめと光る男性器を飲み込む己の肉壷がつきつけられる。 「いやです……こんな……は、はずかし……い…………っ」 ゆるやかな挿抜で、わざとその行為を認識させるような動き。自分でも目を疑るほどにごつい肉の棒が難なくその部分に飲み込まれ、また半ば引き抜かれていく。 そのたび赤い花弁がめくれあがり愛液の泡立つ様子が、あまりに生々しく淫らで。 「も……やめ……」 恥じらいに思わず瞼をふせるトンヌラに、主の叱咤が飛ぶ。 「ちゃんと見ろ、命令だ」 「………………は……はい………………うっ……」 「言ってみろ、俺とお前はなにをしている?」 顔をあげたトンヌラの視界に夫の顔がうつった。 (ぁ) 悪戯を企む少年のように、すこしの意地悪とそれに増して楽しげな表情。 それは妻の前でも滅多に見せない、無邪気とさえ言える貌だった。 ……かわいいひと。 ふと頭をよぎる言葉は、もちろん口には出さない。 「せっくす……です…… あ……膣に……ペニスを……挿れられ、て………………」 「ああ?何ボソボソ言ってやがる。声が小せぇんだよ!」 「あぅっ!!ごめんなさい……っ」 ひねりあげられるペニスの痛みも、今は最高に快い。 「せっくす……交尾……お、おま、おまんこ、です……! ぼくは、ごしゅじんさまに、おまんこされてますうっ……!! たくさん子宮に精子をいただいて、孕ませていただいている最中です……ッ!!! 」 「そうだとも」 嬉しそうに笑うズィータに、トンヌラはまた改めて恋をした。 貴男は僕の居場所。僕だけの竜の王子さま。すこし怖くても、乱暴なときがあっても、大好き。 だって、竜ってそういうものでしょう? 自分から主に舌を絡め、濃厚なキスを交わす。 「……ッ」 胸元に手を差し入れ戸惑いがちに乳首をまさぐると、ズィータはふっと眉を寄せた。 (僕と同じところが、同じように気持ちいいんだ……) 胸を満たす満足感。トンヌラは腰をうねらせ、最も深い部分へと彼を導く。その脚は知らず知らずのうちに男の身体をがっしりと抱え込んでいた。 「ください……僕のおなかにズィータ様の子だねを---たっぷり、溢れるまで注いでくださいっ……!!!」 子宮の入り口にぴったりと押し付けられる熱の塊。それは心なしか、いつもより更に強く脈を打っていて。 「受け取れ、一滴たりとも零すんじゃねぇぞ……ッ!!」 「はいっ……ぅあ、ああぁぁああぁぁぁああッッッッ…………!!!!!!」 荒々しい抱擁の果てに、トンヌラの胎内には夥しく白い華が散った。 「お前……やりやがったな」 「ご、ごめんなさい……」 我に返ったトンヌラはいちどきに青ざめた。 ズィータの背には、無我夢中で立てた爪の跡が赤いしるしとなって残っていたのだ。 「ホイミかけます、動かないで…」 「もういい、面倒臭ぇ」 短く言い捨て、ズィータはそそくさと前を合わせる。怒らせてしまったかな、とトンヌラはうなだれた。 実際は下僕に隙を見せてしまったことが悔しく、またばつが悪いだけに過ぎなかったのだが。 「今夜はまた仕置きだな……覚悟してろ」 彼の言葉にぞくぞくとした期待と快感が走る。ちくん、と熟した子宮が疼くのを感じた。 なんて淫らな身体だ。ほら、僕には王子に戻る資格なんてない。 だから僕はもうどこへも行かない。 「はい……ズィータ様」 ロンダルキアの王妃は、心からの微笑を浮かべて夫に応えた。 ■Back■ |
|