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ボクの身体は、生まれつき他の子たちとはちょっと違ってた。 おちんちんのふくろがなくって、そのかわり女の子みたいな割れ目があって、 でもお医者さんが男の子だっていったからボクは男の子になった。 ちっちゃいころはよかったけど、学校に入ってだんだんとそれ以外でも困ることがでてきた。 かけっこをしても、サッカーをしても、ボクはほかの男の子たちみたいに体力がなくて ぐずでのろまだと言われつづけた。掃除のときも、つくえをふたついっぺんに運ぶことができなくて女の子たちにも笑われた。 いっしょうけんめい勉強して成績はいちばんになったけど、学年があがるにつれてボクはますます男の子から置いて 行かれるようになった。 そのうちにおっぱいがふくらんできて、それがもとでみんなにいじめられるようになった。お昼休みに屋上へつれていかれて、 パンツをぬがされて、返してもらうためにクラスの男子全員がみてる前でオナニーをさせられた。 ほとんどの子はもうおちんちんから白いのが出るようになってて、ボクがいつまでもいかないとみんなに頭からそれをかけられた。 ボクは授業がはじまってから、できるだけ人けのない体育館うらの水道で泣きながら髪の毛をあらった。パンツを返してもらえ なくて、シャツのすそをおもいきりひっぱってお尻をかくしながら。 ボクはそれから学校へも行けなくなってしまった。
パパはおかしな機械をいじったり、むずかしい本とにらめっこしてるばかりでボクのことなんか気にかけてくれなかった。 そのうちに悪いものも食べてないのにおなかがいたい日があって、次の日、パンツが血でまっかになっていた。 本で読んでそれがどういうことか知っていたからパニックにはならなかったけど、すごくすごくびっくりして、こころぼそくて、 かなしくなった。ふつうの女の子みたいにともだちどうしで相談もできないし、ずっと昔に出て行ってしまったママにも話せない。 かみさま、どうしてボクはこんな身体をしているの?ボクは、どうして「男の子」なの? ボクの問いにはだれも答えてくれない。きっとボクはとても悪い子なんだろう。だから神様の声も聞こえないんだ。
そんなふうに悩んでいたころーーーケンと出会ったんだ。
ちょっとみると、彼もボクのクラスメイトたちと変わらない男の子だった。だけどケンにはふしぎなちからがあった。 手もふれずに物をうごかしたり、傷を一瞬でなおしてしまったり。 そして彼は人と違う自分のちからを隠したり恥じたりしていなかった。ケンのちからを悪魔とか化け物とか言うひとたちも いたけど、いつだって彼は笑って言うんだ。「へへ、うらやましいだろ?」ーーーって。 ほんとうに、すごいと思った。ボクは彼みたいにはなれない。でも、彼のことを手伝いたい。せめて彼のちからになりたい。 そう思ったから、ボクはケンといっしょに行くことをきめたんだ。ゴミ箱に隠れてた、あたまでっかちのひよわ少年。 そんなふうに見られてたってかまわない。ううん、ケンにはむしろそう思っててほしいんだ。 さいきん、やっとわかった。ボクのからだもこころも女の子にちかいんだっていうことが。 …だけど、ボクにおちんちんがはえてるのはほんとうのことなんだから…。
だから、いまは。 キミの「おともだち」でいられることだけがしあわせだよ。
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