公共施設 最初は一人の前で小便させられたのが始まりだった。とは言っても普通にトイレにに行く時、付いてくるだけだったから、そんなに違和感は無かった。行きたくなったら水谷か田島か、都合が良い方に声掛けて、オレが出してる間、見られるだけだ。少し便器から離れてしないといけないというのが、関係無い人間に見られそうで気になったが、概ね一番奥のを使って、隣であいつらが一緒にしている振りをしてくれていたから、そんなには見られていないと思う。手が空いている時や、二人ともどうしても無理な時は、花井とか三橋が見た。 何が面白いのか分からなくて、それを最初に言われた時は、露骨に不審そうな目で見てしまった。恥ずかしい、というよりも、不思議さが勝っていた。別段性器を見られるのは今更だった。オレは泉曰くとびっきりの淫乱で、栄口曰くかわいそうなヤツで、西広曰く付き合うってことを知らないらしく、皆から求められるままに付き合っていたら、気が付けば全員と関係していた。それで揉めそうになったから、全員と付き合えばいいだろ、と言って、今オレは野球部の管理下に有るから。 阿部がオレ達のものだって確認するためだよ、と田島は右手の甲にキスしながら言った。阿部がオレらのなら、おしっこだってそうだよ、と水谷は頭を撫でながら言った。二人の言葉に、それもそうか、と納得して、その日からしゃあ、と流れる小便を見られてきた。一番最初は無人のトイレで二人に監視された。ジッパーを下ろし、くい、と普段は被っている皮を下ろして、透明に近い液体を流していく。終わると、良くできました、と個室に連れ込まれて、右手を水谷にぺろりと舐められながら、出したままのチンコを咥えられた。小便付いてる、と田島に言っても、阿部のならいいよ、ご褒美だし、と返されたから、そのまま任せた。 オレは野球が好きでこの野球部が好きで皆が好きだった。だから誰と付き合っても良かったし、それでエロいことをした所で、男同士ならいけないことだとは思わなかった。気持ちいいだけで子供なんか出来ないし、彼女が出来て変に揉めるよりは寧ろ良い、と思った。誰としてもキスは甘くて、触れられれば快感で、挿れられるのも最初は痛かったけれど、気を遣ってくれたし、慣れればまるでもう一個性器が出来たみたいに感じられて、得だった。それにみんな、付き合うとなると今まで以上に違う顔を見せてくれて、それが一番嬉しかった。三橋が所有欲が強くて奪う様に求めてくるとか、沖がギリギリの所で結構押してくるとか、そういった意外なイメージを持てるのが楽しかった。 そうした相手になら何されても何を見せても良い、と考えるのは前からだったので、そこまでは素直に応じた。阿部があんまりエロい顔してるから勃った、と言われて、そのまま田島のを口でしたり、阿部君のオシッコ飲みたいと、三橋にこっそり言われて飲ませたり、こんなことは普通のことだった。 次はもっと大勢の前で出して、と言われた時は、誰だ、と言ってオレ達だよと言われたのでまた直ぐ従った。野球部のヤツらなら構わない。その頃告白してきた浜田も、皆に聞いたら、浜田ならいいよって言ったから、良い。この十人には、オレの全てを差し出していたから。最初は部室で下半身だけ脱いで、用意されたバケツに向かって出した。ギラギラした視線で誰も何も言わず、ただじいっと、オレが黄色がかった液体を出すのを眺めていた。流石に恥ずかしかったかもしれない。何故なら、その視線にチンコが少しずつ勃っていって、尻の奥が少し疼いた気がしたからだ。感じるんだと浜田が嬉しそうに言っていて、阿部だからな、と泉が自慢していた。 出すのは部室でだけじゃなかった。三橋の家でもやったし、公園のトイレとか、学校のトイレとか、二、三人単位に見られることもよくあった。それに、服を着たまま出さなきゃいけないこともよくあった。その方が普段の阿部が漏らしてるみたいで可愛い、と言ってくれた。漏らすことには抵抗感が有ったが、濡れたユニフォームの股間を揉んで、やらしい、と言われるのは悪い気分では無かった。栄口は中学のガクランを着せて漏らさせて、そのまま小便を吸って重い布地に吸い付いて、急に好きだよと言ってきたことも有る。 こうなってくると、前は汚いと思っていた小便も、実際にはそんなに汚くない、精液と大差無いものに思えてくるから、慣れとは大切だ。出して放っておいた小便は臭すぎるけれど、出した直後のは、セックスの小道具ぐらいに見えてくる。逆に相手のを飲めと言われても、素直に飲めた。水谷は学校用の服を着たオレの顔面に掛けるのが好きみたいだが、そうして小便まみれにされて、舐めてよと勃起したチンコで顔を叩かれると、身体の芯が熱くなった。 けれども、流石に赤の他人の前で出すのには抵抗が有った。オレは誰とでもじゃなくて、お前らだから良いんだ、と言った。他人にバレたら不味いだろ、とも。それには花井も頷いた。巣山は、お前がオレら以外と付き合わないって知ってるよ、と言ってくれた。それでも皆、オレのことが好きだからと漏らす様頼んできた。ゲンミツにバレないようにする、と田島は言った。何でもするから、と浜田は頭を下げた。どうしたら阿部は納得するの、と西広は聞いた。 オレは結局、全員の一生と引き替えにそれを許した。死んでも好きでいる、と皆言ってくれて、唇に誓いのキスをした。その代わり、オレはずっとアイツらのものになった。 平成二十年戊子十二月二十四日公開 |
続くのか続かないのか。