| 犯罪恋愛 これから行うことが、犯罪だということも、屈託ない笑顔で笑う阿部を傷付けるということも分かっている。けれども、オレはそれを止められない。お盆で園児も先生も少ない時期であること。阿部が昼寝の時間に一人起き出してきたこと。鍵付きの宿直室の当番が、今日はオレであること。この三つの偶然が重なったということで、オレは、これが神様から与えられたラッキーチャンスであると確信していた。 オレが誘えば、阿部は素直に宿直室へ着いてくる。当然だ。この子は酷くオレになついてくれ、他の先生や生徒にはつっけんどんなのに、オレにだけは、ニコ、と笑ってくれている。それは本来なら、ただこちらも笑い返すだけのものだった。それなのに、今、その笑顔を見て、オレのジーンズは微かに盛り上がってしまっている。まずい、止めろと、理性が片隅で騒ぐ。それなのに、宿直室の扉は簡単に開いて、鍵は簡単に閉められた。 「阿部はオレのこと好き?」 「はないにーちゃん? だいすきー!」 聞けば、先に部屋に入った阿部が、振り向いて答える。屈託ない笑顔に、良心は疼いてくれなかった。疼くのは下半身ばかりだ。フローリングの床に阿部と座れば、ニコニコとしている。 「じゃあな、今から阿部に、ご褒美をあげる」 「ごほーび! なに、お菓子?」 「んー。気持ち良くなること、かな」 「きもちよくなる? わーい!」 ぱちぱちと、手を叩いてはしゃぐ阿部。 「ただな、一個阿部には約束して欲しいんだ」 「なに?」 「今からやることは、お父さんにもお母さんにも、友達にも先生にも、誰にも言っちゃダメだ。先生と阿部との、二人だけのヒミツな」 「オレ、ヒミツ、守る!」 オレはそれを聞くと、阿部の唇にキスした。お昼ご飯ののりたまご飯の味がしたその口は、園児のもので。こんなキスは何回もしている筈なのに、それが阿部と思うだけで、ただのスキンシップではない、欲情を感じてしまう。 「オレも、ちゅー」 阿部からもちゅーがくる。キスとさえ呼べない拙い口付けは、やはり特別だった。 タオルケットを引き、横にさせる。眠くないとむずがりそうになるのを、今度は本気のキスで黙らせる。吸い付く様にして、開いた口に、舌をねじ込む。ミートボールのかけら、スパゲティの切れ端、そんな味しかしないのに、オレはもうキツくなって、ジッパーを下ろす。既に勃起は痛いぐらいだった。 「ふぁ、はない、にーちゃ?」 「どうだった?」 「へん……あたまが、へん」 阿部の瞳に涙が滲んでいる。その顔に堪らず、オレは短パンを下ろした。真っ白いブリーフにはあべたかや、と名前が書かれている。股間の辺りには薄黄色い染みが付いていた。 「なんで、ぬがすの」 「きもちいいこと、するからだよ」 「オレ、じぶんでぬげるよ。もうねんちょうさんだもん」 「いや、今日は先生が脱がす」 息が荒くなっているのが分かる。阿部はそれに首をかしげたようだが、ふうん、とそれっきり横になっている。パンツに顔を近付ける。尿が乾いた匂いが微かにする。けれどもそれが阿部のだと思うと、いやらしいとさえ感じてくる。園児には当然なのに。 ゴムに指をかけ、一気に下ろす。プルン、と中から出てきたのは、可愛らしい朝顔の蕾だった。まだ排泄器官でしかないそこを、しかしオレは、性器として触る。柔らかい。 「おしっこは、まだ、したくない」 「違うよ。おしっこの為に触るんじゃない」 もう引き返せない。股間に顔を埋めた。毛の一本も生えていない、クルミみたいな玉を、ちゅ、と吸う。特に反応はない。心臓の鼓動が激しくなる。坊主頭から汗がたらりと垂れる。オレはそのまま、舌をツウと阿部のペニスに這わせた。そのまま先端までいくと、パクっと含む。 「や、にーちゃ、たべないでっ」 阿部が暴れるので、脇腹を両手で押さえた。足は身体でだ。うう、と泣きそうになるのが分かる。けれども身体が止まらない。夢にまで見た阿部のペニスは、しょっぱかった。小便臭かった。甘くもなければ良い匂いもしない。ただの幼稚園児のチンコだ。それなのに、花井は一生懸命舌先を包皮の中にねじ込んでいた。溜まっているカスは苦い。けれども阿部の味だと思うと夢中で追い求めた。小便臭さが広がる。それも阿部の味だと思えば、脳内がカアっと熱せられる。 「やだああああああっ」 甲高い叫び声が、それに水を注ぐ。顔を上げれば、真っ赤になって阿部が泣きじゃくっている。癇癪を起こしたような、ぼろぼろと落ちる涙に、引きつる声。オレは慌てて、今度は押さえるようにキスをした。余り騒がれては、誰か来るかもしれない。それではいけない。意識を別に向けようと、包皮ごと雁首を擦る。未成熟な身体でも、快感は得られるはずだ。酸欠寸前までキスをして、目頭を舐める。抱き締めて、更に鼻の中まで舌でべろべろ舐めてやる。 ひっくひっくと、えづきこそ止まらないが。涙と声とは一応止まった。 「阿部、さっき約言ったろ?」 落ち着いた頃を見計らい、耳元でゆっくりと話し掛けてやる。ぽんぽんと背中を叩きながら、右手は股間を弄くる。 「きもちいいことを、するんだよ」 「でもにいちゃ、おちんちん、たべちゃ」 「食べない食べない。あれは、きもちよくするために必要なんだ」 「ほんと……?」 涙ながらに掠れた声で尋ねられて。思いっきりの笑顔を返す。 「ああ、きもちよくするためだ」 「じゃあ、いい」 「もう泣かない? 騒がない?」 「なかない!」 正直な所、股間はもう限界に近かった、愛らしい泣き顔や声に晒される上、キツいからと前だけくつろげば、阿部のぷにぷにした足に、先が当たる。早くしないと、欲望のままに何もしない尻穴に無理矢理挿れてしまいそうだ。阿部のペニスはもう諦めないといけない。 「じゃあ、今度はうつぶせになって」 オレは阿部の尻を弄ることにした。小さい尻はつるつるで、柔らかそうで。そっと触れば、園児の滑らかすぎる肌が、ゾク、と背筋を振るわせる。 「いまからな、もっときもちいことをする為の、準備をする。ちょっと痛いかもしれないけど」 「なかない、さわがない!」 「よく出来ました」 阿部の頭を撫でてやれば、クスクスと、楽しそうな声が漏れる。だがその下半身は裸で、無防備に小さな尻を向けているのだ。 オレは更に阿部を四つん這いにさせた。阿部の歳なら、まだトイレでズボンを全部下ろす子も普通だから、尻は見慣れているし、そうまで裸に違和感はないだろう。だが、裸で四つん這いというのは流石に経験がないらしく、不安そうに振り返ってくる。それも、頭をもう一度撫でると、見るのをやめた。尻たぶを掴み、開く。阿部の尻穴は綺麗な桜色で。毛の一本もないそこは、外気によってヒクヒクと仄かに動き、まるでオレを待っているみたいだ。 そうっと舌を伸ばし、突く。すると腰が軽く揺れそうで、オレは思わず尻を掴んでしまった。阿部はどうやら脅えたらしく、動きが止まる。だがそれが都合良くて、そのままオレは更に顔を近付け、ペロンと表面を舐めた。いける。思ったよりオレの病気は進行していて、気になるはずの味も匂いも、どちらも興奮こそすれ萎えはしない。あとはもう、女性器を舐めるみたいに、最初は優しく、次第に激しく舐めるだけだ。周囲を優しく舐って、緩んだら、舌を差し込む。 「うひゃあ、くすぐった、い」 ジュプリと音がして、尻の中を探る。仄かに香ってくる匂いが、淫らだ。そうしてレロレロと出し入れしていると、次第に阿部の声も変わってくる。 「んっ……にいちゃぁ、なんか、おしり、ムズムズするっ……」 その甘えた様な声に、オレは限界だった。それでも無理矢理突っ込まないだけの理性は持っている。舌を抜き。尻と尻との間に、先走りでぬるぬるの自分のを挟む。小さく真っ白な尻に、淫水を知るオレの赤黒いペニスが挟まっているのは、視覚の暴力だ。そうして、前後に動かせば、素股みたいにきゅうと両方から締め付けられる。何より、可愛い尻穴を表面だけとは言えチンコが擦っていくのが堪らない。この穴にもうすぐねじ込める、そう思った瞬間、阿部の尻から背中にかけて。思いっきり出してしまった。なるべく一ヶ所に出そうと、尻の割れ目に押し付けたが、それでも一部は背中にまで飛んでしまう。 阿部はよく分からない様で、そんなに反応は示さなかったが、たっぷりと出した精液を、そのまま尻穴に塗りたくると、ん、と声を漏らす。 「どうだ?」 「なんか……へん」 「さっきの方がいい?」 「よくわかんなっ……ぁ!」 そうして最初は浅く指先で擽るだけだったが、精液で汚れた尻にオレの股間は早くも我慢が出来なくなって、まだ精液が残ってるのに、ビン、と勃っていた。このままだと次こそは慣らさずにブチ込んでしまうかもしれない。おれはそう感じて、少し強引に勧めることにした。敢えて何も声をかけず、指を挿れたのだ。 阿部は小さく呻いたものの、泣いたりせずに、そのままじっとしていた。だからオレは、ずぶりずぶりと、挿れた指を埋めていく。保育士だから爪は常に切りそろえてある。怪我をさせる心配はない。そうしてオレは、先ずは前立腺とやらを探してみることにした。 「きもちよかったら、言えよ」 「ぼうっとして……よくわかんない」 「ここは?」 「ちが、う」 「じゃあココは?」 「そこもちが……っ、ひあっ!」 一本でももう阿部の尻はキツキツで、動かすにも締め付けられるばかりだったが、ある一点を掠めると、途端に声が響く。 「ココ? きもちいい?」 「なんかっ、おちんちんが、へん、だよ」 触ってみれば、確かに未熟な性も芯を持っている。 そこを中心として指で弄れば、少しずつ、阿部の尻は戒めを緩めていった。くちりくちりと粘つく水音が立つ。指先だけだというのに、温かくて柔らかな内壁に包まれるのは快感で、ましてこれが性器なら、どんなにか気持ち良いのだろう。 「あ、ふぁ、ああっ」 阿部のペニスはやがてもう少し硬くなると、ピクン、と震えた。それと共に聞こえる甲高く甘美な声は、未精通の少年と雖も、確かに射精を味わえることを示している。あどけない顔が涎も涙も垂れ流しで、初めての感覚に酔い痴れている様は、僅かな罪悪感によっていっそう強められた興奮を、オレに与える。 「に……ちゃ」 「阿部……」 ゆっくりと指を抜けば、精液に濡れる阿部の尻穴は、いやらしく光りながらヒクついている。普段は排泄の場であるそこが、今はどうしようもなく淫らで、愛おしい。 「好きだっ……」 そう言えばこの罪悪が少しは許される気がして、オレは覆い被さりながら、何度も耳許に囁いた。 そして、亀頭を押し当て一気に貫く。未熟な身体は、それ故柔軟だった。イって弛緩していたことも手伝って、意外な程ズルリと飲み込んでしまった。 「はっ……!」 けれども幼い身体にはやはり大きすぎた。阿部は息をするのも辛そうに、微かな息でオレを見つめている。真っ正面からその視線を受け取った。ツウ、と静かに涙が落ちている。子供らしくない泣き方に、本当に辛いのだろうと思う。 「阿部……好きだ、だから」 「はな、い、にっ……ちゃん」 締め付けは良いよりは寧ろ痛く、指で弄りながら乱れる阿部を眺めていた時の方が、いっそ興奮していた。それでも、一つになれた。指でそうっと入り口を撫でる。張った皮膚は限界で、けれども血は出ていないらしい。傷付けなくて良かったと思う。 落ち着くまで頭や頬を撫でてやる。掌に収まりそうに錯覚してしまう、小さな顔。頭。キスをすれば母親の作った弁当の味。どれもこれも、目の前の存在がまだまだ幼く庇護されるべき存在であることを教えている。それなのに、今、二十以上も年の離れた、しかも同性の性器を、本来なら排泄にしか使われない器官に挿入されている。初めての経験。 そう思った途端、股間に血が集まるのが分かった。自分は、確実に、阿部の初めての人間なんだ。阿部の一生の中で、初めて交わった人間になる。 「動くぞ」 「ひっ……あ、あっ」 耐えきれずに動いてしまった。ゆっくりと、ゆっくりと。そろそろと抜けば、阿部の涙が増える。それをペロリペロリと舐めれば、余計に溢れていく。 「痛い、か?」 無言で頷く。それでも大声で泣き叫ばないのは、先程の約束をまだ守っているからか。少しでも痛みをごまかしてやりたくて、オレは阿部の性器に復た触れた。 「ふやぁ、あ、んっ」 すると、少しだけ後ろの締め付けが緩まった気がした。それとも弄ったのは関係無くて、オレのペニスに慣れてきたのかもしれない。とにかく、前後に動かせる様になっていく。 そうなれば、酷い締め付けもあからさまな快楽をもたらしてくる。今まで経験したどんな相手よりも、脳に響く感覚。自制心が失われていく。 「ひぅ、んっ!」 阿部の身は何度も痙攣した。けれども吐精することがない身体には、終わりがない。オレは指先で阿部のを弄り続けた。唐辛子みたいな未熟な性器を、クリクリとこねくり、或いは揉んでやる。はぁはぁと互いに荒い息で、夢中でキスをした。次第に余裕が無くなっていく。頭が快楽でいっぱいになり、童貞みたいにひたすら股間にだけ意識がいく。 「阿部、あべぇっ」 「はな、い、にいちゃっ!」 そして、阿部が何度目か分からない位に達した時、オレもイってしまった。精液が発射されるのが分かるぐらいに、勢いよく出してしまう。意識がツウン、と遠くなった。 「ふっ……あ、あ、やらぁっ」 そのまま腰を止めて余韻に浸っていると、腹に温かいものがかかる。それと共に、泣き声が意識に入り込む。閉じていた目を開ければ、阿部がちっちゃい紅葉みたいな手で、顔を隠していた。 「どうした……って」 「うわあああんっ!」 阿部は見事に漏らしていた。度重なる快感に耐えられなかったのかもしれない。オレの腹に水が辺り、濡れてしまっている。 「落ち着けって! 別に怒らねェからっ」 「う、うあ、うっ!」 「さっき約束しただろ?! 泣かないし騒がないって!」 混乱した阿部は、わんわんと泣きだしていた。漏らすのは構わないが、騒がれるのは宜しくない。オレは必死に言った。すると、はっと気付いた顔をして、自分の手で口を覆う。阿部は本当に良く出来た子だ。 ご褒美として頭を撫でてやりながら、先ずはそうっと下半身を抜く。んっ、と阿部は反応こそすれ、痛がりはしない。 「よく頑張ったな。偉いぞ」 「んー」 チュ、とおでこにキスすれば、泣いた烏がもう笑い、それと共にとろんとした目つきになる。 「……眠いの?」 「んっ」 「じゃ、寝ていいぞ」 元々今は昼寝の時間だ。オレは優しく笑いながら、ポンポン、と頭を叩く。返事とも何とも付かない声を、阿部は出した。そのままコテンと寝付き、オレが尻の様子を見ようとする頃には、もう寝息が聞こえてきた。 小さな穴は少し腫れていた。赤くなったそこは痛々しく、射精して冷えた頭に、その光景は辛い現実を突きつける。やってしまった。尻穴に指を入れ、掻き出せば、どろりと自分の精液が出てくる。まだ小学生にもなっていない相手に、自分は精液を注いでしまったのだ。頭の中は、自己嫌悪と色情とが奇妙にない混ぜになっている。それでも身体は驚く程自然に動き、濡れたタオルで阿部を拭うと、薬を塗ってやり、パンツとズボンとを穿かせた。 後始末をして、阿部を抱き抱える。小さな身体はすんなりと持ち上がった。その重さが、易々と持ち上げられる軽さが、良心を痛める。 「ごめんな……」 それでも、眠っている彼に落とすキスは、甘い甘い唇へのものだった。 平成二十年戊子十二月二十五日訂改訂 |
壱式さんでの絵チャにて(絵チャでは間に合いませんでしたが)