Secret Relation < **Kagura's House**

Secret Relation


...01

静寂を打ち破るように雨が突然窓を激しく叩き始め、不気味な光が時折カーテンの隙間から差し込んでくる。

真っ暗な部屋でベッドに横になりながら、そろそろヤツが来る頃かな。と、ドアに意識を注いでいると、程なくしてコッソリと誰かが部屋に忍び込んでくる気配がした。


「智也ぁ……もう、寝ちゃった?」


か細い声と共に部屋に忍び込んできた人物は、ドアを閉めてからそろりそろりとでも暗闇の中を迷うことなくベッドに向かって歩いてくる。

……来たな。

俺はその声の主に気づかぬフリをして、口角を上げたままドア側に背を向けるように寝返りを打った。

「ねぇ……智也?」

「…………」

「智也……起きて?」

ベッドの脇までたどり着いたその人物は、小さく囁きながら身を屈めて俺を覗き込んでくる。

頼りない声とその様子に、込み上げてくる笑いを押さえ込みながらそれでも寝たふりを決め込んでいると、不意に体を激しく揺さぶられた。

「ねぇ、智也ってば……起きてよぉ」

先ほどより少し大きくなった声。 若干、余裕の無さが窺える。

これ以上放っておくと泣き出しそうだな……。

俺は吹き出しそうなのを必死で堪え、あたかも今起こされたような素振りで頭を擡げた。

「……んだよ、真由。寝てんのに起こすなよ」

「あ〜、その声……寝てなかったでしょぉ!」

「はっ? 寝てたっつうの。で、ナニ? こんな真夜中に義弟(おとうと)の部屋になんぞやって来て……夜這いかよ」

「やっ、もぉ。そんなんじゃないもん。智也だってわかっているでしょう?」

「ん〜……何を?」

真由がなぜ俺の部屋にやって来たのかは充分すぎるほどわかっていたけれど、あえて意地悪くそんな言葉を向けてみる。

好きな子ほど苛めたくなるってやつ? ……俺って結構ガキっぽいかもしれない。

「もぉ……どうしてそんな意地悪な事を言うかなぁ。怖いの! 雷が鳴りそうで……眠れない」

「ふ〜ん。雷ねぇ……でも、まだ鳴ってねえけど?」

「鳴ってないけど……光ってたもん」

「光ってたもんって、お前さぁ……いくつだよ」

「先月、17歳になりましたケド……」

「17にもなってさぁ、な〜にが雷が怖いだよ。そろそろ一人で寝ろよ」

「だって、怖いんだもん。一緒に……寝て?」

ベッド脇に手をついて、俺を覗き込みながらそう言って不安そうに首を傾げる真由の姿。

暗くて表情は良くわからないけれど、不安がっているのは良くわかる。

それが今にも轟音を轟かせようと待ち構えている雷のせいだということも。



真由は幼い頃にちょっとした事故に遭い、その事が原因で雷が鳴る夜はどうしても一人で眠れない。

思春期を迎えた頃に一人で眠る努力をしたことも一時期はあったけれど、ある時を境に昔のようにまた一緒に眠るようになっていた。

ただ、ガキの頃は一緒に眠るだけで済んだんだけど……今の俺たちの関係では、それだけでは済まされないんだよな。

だって、今の俺たちは……

「いいけど、襲うぞ?」

「やっ! だっ、ダメだよ。お義父さんもお母さんも下で寝てるんだよ? バレちゃうってぇ」

「真由が声を我慢すりゃいいじゃん。大体、一緒に寝るだけで俺が耐えられると思ってんの?」

その問いかけに、真由が一瞬黙り込む。

そして若干落胆したようにポツリと小さく呟いた。

「…………思えません」

「なら、食われること決定だな」

「それはヤダ」

「ふ〜ん……あ、そ。じゃあ、頑張って一人で寝てクダサイ」

「やっ。それは、もっとやだぁ……ねぇ、ホントに怖いんだってばぁ!」

次第に涙声になってくる真由の声。

この声を聞くと無条件に俺は弱くなる。

「あぁ、もう! 泣きそうな声すんなよ……わかったって。ほら、こっち来いよ」

俺は軽くため息をついて真由の手を取ると、掛け布団をあげると同時にクイッとそれを引き寄せる。

真由の華奢な体が俺の腕の中に納まり、ふわっと自分と同じシャンプーの香りが鼻をくすぐった。

「……ったく、ガキ」

「ぬぅ。弟にガキって言われたくなぃ〜」

「その弟に頼ってきてんの誰だっけ?」

「…………知らないなぁ」

腕の中でホッとしたような表情を浮かべながら、そう言ってとぼけて見せる真由のおでこを指先で軽く弾いてから、チュッと軽く音を立てて彼女の唇を啄ばむ。

そして間近にある彼女の端整な顔立ちを暫く見つめると、満足げなため息が俺の口から漏れた。

ま、なんだかんだ言いつつも、はなから真由を部屋に帰す気なんてないんだけどさ。

「あ〜ぁ。俺も弱いよなぁ。すぐに真由の言うこと、聞いちゃうもんな」

「そぉかなぁ? なんか、最近は智也に意地悪な事ばっかり言われてる気がするけど」

「あれ、なにかご不満でも?」

「そういうわけじゃないけど……前のほうが優しかった気がするんだもん」

「なに、それ。聞き捨てならねえな。今も充分優しいだろ? 現にこうして一緒に寝てんじゃん」

「でも、前は雷の時はすぐに駆けつけてくれたよ? 一人で寝ろなんて意地悪な事、絶対に言わなかったし」

「別に、今だって真由が来なけりゃすぐに駆けつけてやるけど? 真由が先に俺の所へ来ちゃうんじゃん」

「わ〜、なんかそれ……俺様発言〜」

「ば〜か、ちげーよ。オトコの余裕発言だっつうの」

なにそれ、意味わかんない。と、可愛らしく頬を膨らます真由の姿に小さく笑いながら、俺はまた彼女の体を引き寄せる。

だって、こんな風に真由に触れる事が出来るなんて永遠にないと思っていたから。

ずっと“弟”を演じ続け、思いを封じ込めて生きていかなくてはいけないと思っていたから。

こうして真由の全てを手に入れられた今の俺は、怖いものなんて何もない。 余裕だって出てくるってもんだろ?

「……と、言うことで。イタダキマス」

「なっ?! えっ!! ちょっ、ちょっと智也?!」

引き寄せると同時に真由の首筋に唇を落とすと、ちょっと待った。と言うように、真由の手が俺の体を軽く押し戻す。

そう来るとは思っていたけれど、なんとなく気分を削がれた気がして若干俺の声のトーンが落ちた。

「なんだよ……食うって言ったじゃん」

「食うって……ダメだって言ったでしょ? 今日は金曜日じゃないんだし、下にいるんだよ?」

「だから? さっきも言ったろ、俺が大人しく一緒に寝られるかって。据え膳食わぬは男の恥ってね。声、我慢しろよ?」

「ちょっ。意味がわかんないぃ〜っ!! もうっ、私はただ一緒に寝てっ……きゃぁっ!!」

最大限声を抑えながら訴える真由を遮るように、突然、部屋の中に閃光が走り、立て続けに、ドドーン!! と、大きな地響きを立てながら雷鳴が響き渡った。

反射的に真由の体がビクッと震え、ギュッと俺にしがみついてくる。

それと同時にニヤリとあがる俺の口角……

「な〜んだ、真由もその気なんじゃん。俺に抱きついてきちゃって?」

「ちっ、違うもんっ!! 今…今、かかっ、雷が鳴ったから……」

「じゃあ、俺がその雷の音を聞こえなくしてやろうか?」

「ぇ……んっ」

俺は真由の耳元に唇を寄せて囁き、彼女の反応を待たずして唇を塞いだ。

柔らかく、触れ心地の良い真由の唇。

軽く啄ばむたびに少しずつ彼女の唇が艶っぽく濡れていき、湿った音が漏れ始める。

「んっ…ふっ…ダメっ……智也……」

「ダメでも無理……も、止めらんない」

「そ、んな……バレちゃう……ぁんっ!」

真由の唇を啄ばみながら、抵抗する彼女の指の間をすり抜けて素早くパジャマのボタンを外す。

露になった形の良い胸の膨らみに手を添わせ、硬くなり始めている胸の蕾をキュッと指先で軽く摘むと、艶っぽい声を響かせながら真由の体が俄かに仰け反った。

「真由がそんな色っぽい声を出さなきゃ大丈夫だって。ま、恐怖を取り除くとっておきの特効薬だと思って諦めろ」

「んぁっ……そんな……無理ぃ……」

「素直になれって、真由。俺が欲しくて堪んないんだろ? 我慢しなくていいよ。ほら、ココ……もうこんなに濡れてるし?」

俺は意地悪く笑いながら真由のパジャマのズボンの中に手を忍び込ませ、下着の上からそっと指の腹で秘部を撫でる。

じんわりと湿り気を帯びているそこは、撫でた跡を残すようにミゾに沿って窪んでいった。

「あっ……やっ……ホント、ダメだってぇ」

「ん〜? ダメじゃねえじゃん。正直に言えよ、俺が欲しいって」

「言え……ないっ……んっ」

甘い吐息交じりの声を出しながら、必死に理性と戦う真由。

だけど彼女の身体はもうすでに、俺を求めて疼きはじめている。

あと、もう一押し……

俺は気持ちの高ぶりを抑えながら、彼女の体から下着と一緒にズボンを剥ぎ取ると、露になった秘部を直接撫で上げてそのままゆっくりと指を彼女のナカに沈み込ませた。

「やっ……ダメっ……ダメぇ……」

掠れた声で小さく囁き、首を横に振りながら股の間にある俺の手を力なく真由が握る。

その姿がまた俺の欲情を煽り、益々真由を求めて体が疼いた。

「ダメ? 俺は真由が欲しい……このままお前を抱きたい」

少し体を起こして真正面に彼女の顔を捉えてからそう甘く囁き、今度は激しく唇を奪う。

角度を変えながら唇を吸い、半ば強引に舌を絡め合わせる。

「んっ……とも、や……んっ……んっ……」

「まゆ……俺が欲しいだろ? 俺はすげぇシタイ……真由のナカに入りたい……なあ、真由?」

熱いキスの合間にそう囁きながら、ゆっくりと彼女のナカを指で攻めていく。

体が仰け反ると同時に俺の手を握っていた真由の手が離れていき、快感の波に呑み込まれぬようにと今度は腕をギュッと握った。

「いやっ……いやん、智也ぁ。声、出ちゃう……もんっ」

「こんな雨じゃ、少しぐらい声を出してもバレねえよ……だから早くこのナカに入らせてよ」

俺は真由の体に圧し掛かり、脚の間に体を割り込ませる。

一旦指を真由のナカから引き抜き、代わりに充分過ぎるほど反り返った自身を擦り付けるように下半身を彼女の秘部に押し付けた。

「ほら……俺のも、もうこんなになってんだって。収拾……つけてよ、真由のナカで」

「あン……でも……」

「マジ。もう、よゆーねえし、限界。一緒に気持ちよくなれねえなら、真由の口で慰めてよ」

どうする? と、耳元で囁いてから、真由の唇を再び塞ぐ。

暫く胸を優しく揉みしだきながら濃厚なキスに専念していると、唇を離した彼女が潤んだ瞳で可愛らしく俺を見上げてきた。

甘えるような彼女からの視線。

それは俺を誘っているような表情(かお)にも見えた。

「智也……好き?」

「好き。大好き……お前を誰にも渡したくねえし、触れさせたくねぇ。真由は俺だけのモンだから」

「私も、智也のこと大好き……智也とこうしている時間も好き。だから、その……激しくしないなら……」

危うく聞き逃しそうなほど小さく囁くような真由の最後の言葉。

その言葉を聞いて、俺の口の端がニヤリとあがる。

もうこれは、オーケーサインが出たも同じ。

「そーれは、約束出来ねえな。シテる時のお前って可愛すぎるし、今も散々焦らされたし? あんま優しくしてやる自信がない」

「なっ?! そんな……じゃあ、ダ……」

「ダメなんて言わせねえ。もう、限界だって言ったろ。真由だって俺と一緒に気持ちよくなりたいんだろ? 素直に言えって、なあ真由?」

俺は意地悪く囁きながら素早く着ていたものを全て脱ぎ捨てると、手早く自身の準備を済ませて再び真由の体に覆い被さる。

合わさった肌から直に体温が伝わり、俺の体をより熱くさせた。

「真由、もういいだろ? あんま焦らすなよ……」

「焦らしているつもりはないけど……ん、ぁっ……」

「充分、焦らしてんじゃん。いいって言わねえし……俺はすっげぇナカに入りたいのにさ」

彼女の熱い蜜で潤った秘部に自身をあてがい、焦らすように入り口付近をさまよっていると、真由がすがるような目で俺を見てくる。

「やぁ……智也ぁ」

「ん、ナニ? そんな可愛らしい声を出して」

「そんな、意地悪しないで……」

「別に、意地悪してるつもりはねえけど? 逆に俺がオアズケで意地悪されちゃってんだけど」

そう言ってニヤリと口角をあげると、真由が困ったような表情を見せる。

どう言えばいいのかって顔。 

もう、真由の心は決まっている。 理性よりも俺との欲望の方が勝ったな。

俺は少し顔を寄せて、どうして欲しい? と、息を吹きかけるように真由の耳元で囁く。

一瞬彼女はそれに身を震わせてから、甘えるように俺を見上げた。

「んっ……ちゃんと、して?」

「ちゃんとって、優しく出来なくてもいいってこと?」

「むぅ……また意地悪な事を言う〜。それはダメだけど……智也と一緒に……もう、やだぁ。わかってよぉ!」

「あははっ! もう、お前マジで可愛すぎ。なんでそんな可愛いの? たまんねえよ、マジで。めちゃくちゃにしたくなる」

「めっ、めちゃくちゃっ!? そっ、それは……ちょっと……」

「ぶはっ! 冗談に決まってんだろ。俺だってそれくらいの理性は残ってるっつうの。めちゃくちゃにするのは金曜日までお楽しみに取っておくから、今日は真由のお望み通り優しくする。だから言って? 俺が欲しいって」

コツンとおでこを合わせて、視線を絡ませながら甘えるように小声で囁く。

本当に、コイツの事が愛しくてたまらない。

何があっても絶対に誰にも渡したくない……真由だけは。

真由は両腕を俺の首の後ろにまわし、スッと恥ずかしそうに俺から視線を逸らす。

そして躊躇いながらもハッキリとその言葉を口にした。

「智也が……欲しい……」

「俺が欲しい? ……どれくらい?」

ぷっくりとした真由の唇を啄ばみながら、ゆっくりと自身を真由のナカに押し進めていく。

熱い蜜で潤った内壁を押し分けながら進むこの空間は、何度味わっても極上だ。

俺は至福の一時を感じながら、時間をかけてゆっくりと腰を落とす。

「いっぱい……いっぱい、欲しい……」

「いっぱい? ……奥まで入れて欲しい?」

「ん……奥まで……入れて? ぁっ…んっ……気持ちい、よ……とも、や。もっと……お願い……」

「すげ……色っぽい表情(かお)……いいよ、奥まで入れてあげる……最高に気持ちよくしてやるから……声、我慢しろよ?」

俺はなるべく真由の声が漏れないようにと唇を塞いで舌を奥深くで絡めると同時に、一気に彼女のナカを突き上げた。

「はっ……んっ、あぁ!!」

途端に弓なりに仰け反る真由の体。

僅かに離れた唇の隙間から、彼女の甘い吐息交じりの声が漏れた。

「っくっ!! 声、我慢しろって……」

「む……りぃっ……ぁっ、ぁっ……ダメ…智也……そこ、ダメなのっ、ダメっ……声が出ちゃうぅっ」

「ぁっ…はぁっ…知ってるよ? ココ、真由の気持ちいい所だもんな。ガンガン俺を締め付けてくる……すげぇ、気持ちいいっ……」

ゆっくりとでもリズミカルに律動を送りながら、真由の弱い部分ばかりを攻めて彼女を追い込む。

多分、真由はもう何も聞こえない。

俺の声しか、俺の鼓動しか……俺しか感じられないくらい。

「ともやっ…ともやぁっ……も、もぅっ…ダメぇっ」

「あぁ……ハァッ……ヤベ、すげっ、締まるっ……クッ…ぁっ、俺も……いいよ、一緒にイこう? ちゃんと掴まっておけよ、真由っ」

俺は真由の膝を抱えて覆い被さると、更に腰を落として奥を攻め立てる。

窓を激しく叩く雨音に二人の交わる水音が溶け込んで、俺と真由の甘い吐息がその中でかき消されていった。

頭が真っ白になっていく。 快感で肌が痺れ始める。

「真由……真由っ……」

そう、何度も彼女の名前を耳元で囁き、無心に快楽の局地を目指す。

俺の下で激しく体を揺さぶられている真由は、声を出さないようにと必死に俺の首にしがみつき、首筋に唇をあてている。

もう、果てはすぐそこまで来ていた。

「真由っ……ぁっ……いっ、イクッ……ぁっ、くぁっ!!」

「…………っ!!」

彼女の強い締め付けと、背中に食い込んできた爪の痛みと、首筋にチクッとした小さな刺激を感じながら、俺は小さな声と共に欲望を吐き出した。



「……おまえ、俺の首に痕をつけたろ」

まだ火照りの残る体をベッドに横たえて、自分の腕の上にある真由の顔をジト目で睨みながらそうぼやく。

睨まれた真由は若干バツが悪そうに視線を泳がせて、もごもごと口先だけを動かした。

「だっ、だってぇ……声が出ちゃいそうだったんだもん」

「俺はつけたくてもつけないように我慢してるっつうのに? 真由は簡単に俺の首に痕をつけるんだな。どうしてくれんだよ、コレ」

きっと紅くハッキリと残っているであろうその痕を指差して、コツンと軽く真由の頭に拳を乗せる。

真由は申し訳なさそうな顔で、俺の顔を見上げてきた。

「そんな事を言われても、無意識にしちゃったんだもん……ごめんね?」

「ごめんね、じゃねえよ。ったく……俺にもつけさせろっつうの!」

「だっ、ダメダメダメぇっ!! それだけは絶対にダメ。ほら、智也なら大丈夫だって……過去に色々と遊び人の噂もあったし」

「今は遊び人じゃねえし……そのことについてあんま触れて欲しくねえ」

確かに少し前までの俺は、遊び人だと言われても仕方がないほど女関係では荒れていた。

それを否定するつもりもないし、弁解するつもりもないけど、真由にはその事に触れて欲しくなかった。

だってあの頃の俺は、真由を手に入れられないもどかしさで狂っていたから。

真由にその事を指摘されると色んな意味で傷を抉られた気分になって心が痛む。

「ぁ〜ぅ〜……ごめん。だけど、ソレ……ついていたら、嫌?」

「別に、お前がつけたんだからコレ自体は嫌じゃねえけど、変な噂が流れんのが嫌なんだよ! 今までこんなのつけさせたことねえし、俺に本気の女が出来たんじゃねえかって色々詮索されたら厄介だろうが」

「そう…だよね。どうしよう? バレちゃうかなぁ……」

「つけたあとで悩むなっつうの」

「だってぇ。智也がそう言うから心配になっちゃうじゃない。ごめんね? ホント、どうしよう」

「許さない。だから、もう一回ね」

「え? えっ?! なっ、なんでそうなるのっ!!?」

「なんでって、また元気になったから。今度は俺が、見えないところにいっぱい印をつけてやる。このカラダは俺のモンだってな」

「はっ、はぃっ?! 意味わからないって!! 誰も見ないんだから、印をつける必要なんてないでしょーっ。もう、智也っ?!」

「はいはい、わかった、わかった。だから、黙れ……親にバレんぞ?」

「ぅっ……」

「誰にも見せねえけど、いっぱいつけとくんだよ。俺が見て満足出来るようにな?」

「もぉ……智也ぁ」

「あははっ! ホント可愛いな。好きだよ、真由……今までの分も含め、いっぱいいっぱい愛してやるから、いっぱいいっぱい愛されとけ」



小さい頃から泣き虫で、義姉のクセに義弟の俺に頼ってばっかの真由。

笑った顔が眩しくて、ずっとずっと変わらない可愛い真由。

変わったのは、俺らの関係。

誰にも知られてはならない─────Secret Relation−秘密の関係−

他人が知ったら軽蔑されるかもしれない。

罵られるかもしれない。

親子の縁だって切られてしまうかもしれないほど、許されない関係だということはわかっている。

だけど、それでも構わないって思えるほど俺は真由に溺れている。

だからずっとこの先も、俺はこの部屋で真由の事を愛し続ける─────誰に何を言われようとも。



「─────なあ、真由? 俺が言ったとおり、もう、怖くなくなったろ?」

「……え、なんの話?」

「バーカ。雷だよ、雷」

「あ……すっかりその事を忘れてた。そういえば、鳴ってないね? あの一回だけで過ぎちゃったのかな」

「鳴ってたっつうの、あのあとも。お前が聞こえていなかっただけ。そんなにヨカッタ? 俺とのセックス」

「なっ!? そっ……その言い方!!」

「ククッ。間違ってねえだろ? ったく。何のために俺の部屋に来たんだっつうの。なぁ?」

「もっ、もっ、もう、知らない! 智也のエッチぃ!!!」

「はいはい、騒がない、騒がない。コッチに集中しろよ、真由……じゃなきゃ、また何も考えられないくらい弱いトコ攻めちゃうよ?」

- END -

2010-02-04 加筆修正



携帯用に書いていた作品なので、若干PC用に書き直しました^_^;
少しは色濃くなったでしょうか……。
そして、都合よく切れる場所を探しながら書いていたら、いつの間にか最後まで書いてしまって
面倒くさくなったので(待て)そのまま一ページ表記に変更。。。
改訂版を少しでもお楽しみいただけたら幸いです〜。

P.S
以前の作品は、携帯サイト「こんでんす☆みるく」にて公開中です。
興味のある方は読み比べてみてください(^_^;)
あまり変わり映えしないかもですが……少しはマシになってるといいな(滝汗)

神楽茉莉