〜隆志&優里〜 「あっ・・・やっ・・・隆志っ・・・もぅダメっ・・・いっちゃうっ!!」 「まだまだっ・・・」 荒く響くお互いの息遣い、激しく軋むベッドのスプリング、繋がる部分からくちゅくちゅっと漏れる卑猥な水音。 その全てが私の脳を刺激し、身体を熱く火照らせる。 私は激しく腰を打ち付けてくるヤツの背中に無意識に爪を立てて、快感の波に攫われないようにしがみ付く。 もう、今日は何度イカされたかしら。 数え切れない程の快感の波に、私の身体は限界に近かった。 「あっ・・あっ・・・ホントっ・・・もう無理っ!・・・いっちゃうぅんっ!!」 「イカせて・・っやるよっ・・・でもまだっ・・・離してやんねぇけど?」 弱い部分を攻めながら、隆志は口の端をニヤリと上げる。 ムカツクっ・・・こういう時だけ大きく出るんだからっ! なんて憎まれ口も喉の奥に戻るぐらい、大きな痺れが自分を襲う。 「ひゃぁぁんっ!!」 「・・・っつっ!」 悲鳴に近い鼻から抜ける甘い声と、大きく仰け反る自分の身体。 隆志にまわした指先に力が入り、一瞬ヤツの顔が苦痛に歪む。 大きな締め付けを何とか持ちこたえた隆志は、ゆるゆると腰を動かしながら、若干睨むような視線を送ってくる。 「ぁんっ・・・・・・なっ・・・何よ・・・その顔はぁ・・・。」 「お前・・・やりやがったな。そんなにヨカッタか?今の。」 最後いやらしく目を細めてそんな事を言ってくるもんだから、俄かに自分の眉が寄る。 「はぁ?何の話をしてるのよっ・・・んっ!ダメ、隆志・・・も、キツイっ!」 「まだ離してやらねぇって言っただろうが。俺、まだイってねぇし?」 もう、2回も3回もイってんだから・・・そろそろ勘弁してよ。本当に壊れちゃうじゃない。 そんな事を思いながらも、再び徐々に押し寄せてくる快感の波が自分の思考を犯していく。 隆志はまだひくつきの残る中を楽しむように出入りを繰り返し、私の首筋や胸元に唇を落とす。 「んっ!・・・やだっ・・・痕残さないでよ?・・・明日も仕事なんだからっ・・・やんっ・・・。」 「・・・仕返し。大量につけてやるから、覚悟しろ。」 「なっ・・にが仕返しよっ・・・ダメっ・・・あぁんっ!ダメダメっ!!」 「クスクス。何がダメだ?どっちだよ、キスマーク?それとも、もうイカせて欲しい?もっと激しくいこうか?」 意地悪く囁きながら、隆志は時折強く吸い上げ痕を残していく。 「いや、ん!もぅ・・・壊れちゃうってばぁっ・・・やっ、やっ・・・あぁぁあんっ!」 「っくっ!流石に・・・そろそろ限界かも・・・お前・・・締めすぎなんだっつぅの!」 「知らないわよ、そんな事!・・・あぁぁんっ・・隆志っ!ん、そこっ・・いいっ!!」 「ここ?・・・りょーかいっ・・・っく・・すげっ・・・・締まる・・・優里っ!」 隆志の腰にまわした手を引き寄せ、自分の感じる場所へ導くとヤツも身体を折って私に覆い被さり、そこを激しく擦り、突き上げてくる。 重なる肌が触れ合って、途端に熱を帯びてくる。 「隆志っ・・・たかしぃっ・・・いいっ・・・いいっんっ!!」 「いいよ、優里・・・すげぇ、最高・・・優里っ・・・愛してる。」 「あんっ、あぁんっ・・・あたしっ・・・も、やぁぁんっ!!」 「ぅあっくっ!・・・ゆうりっ!!」 唇を塞ぎ、奥深くで舌を絡め合わせながら、隆志は私の奥深くに激しく打ち込み、切なそうな色っぽい表情を見せながら一緒になって果てた。 暫くベッドの上でキスをしながら戯れていると、隆志がゆっくりと半身を起こして私の身体をのぞき見る。 「クスクス・・・満足。」 「・・・・・何がよ。って、ちょっと!あれだけ痕残さないでって言ったのに、何よコレ!!」 私の身体に残る紅い痕を一つ一つ指で辿っていく隆志の指を弾いてヤツを睨みつける。 「仕返しだっつっただろうが。」 「はぁ?だから、仕返しって何なのよ。」 「これ・・・すげぇ痛いんですけど?」 少し満足そうな表情でため息を漏らしてから、隆志が徐に背中を見せる。 「・・・・・ぁ。」 隆志の背中に残る紅く細長い傷跡。 きっと先程自分がつけたであろう爪あとを見て、思わず自分の口から声が漏れる。 でも、決して「ごめんね。」なんて可愛らしい言葉は出ないけど。 「まぁ?コレも男の勲章っつったら勲章だけど。それだけ、優里が感じてたっつぅ事だもんな?」 「しっ、知らないわよ、そんな傷・・・私がつけたモノじゃないんじゃない?」 「お前以外の女を抱いてないのに、他に誰につけられんだよ。つけられた瞬間、お前の中が締まると同時に背中痛かったし。どう考えてもお前しかいねぇだろ。」 「・・・・・気のせいだ。」 「・・・・・な、訳ねぇし。」 隆志は、クスクス。とおかしそうに笑い、再び私の方に向き直ると火照りの引きはじめた身体を抱きしめてくる。 「ま、お前のは俺のモノだと象徴するように見せびらかしとけよ。俺はさすがに背中を見せびらかす訳にもいかねぇし?」 「はぁ?誰があんたのモノだって言ったのよ・・・私は誰のモノでもないっつぅの!」 「はいはい、分かった分かった。」 素直じゃない私の、そんな憎まれ口も理解してるかのように、笑いながら隆志は自分のつけた紅い痕を確かめるように私の身体に一つずつ口づけていく。 何か、随分と最近私の事を見透かされてるようで気に食わない。 気に食わないけど・・・。 隆志の背中に腕をまわし、ヤツの身体に残る残滓を指先でなぞりながら、満足してる自分がいたりする。 |