*君の あなたの 微笑に 暫く律動を送られていると、私の中から新たな快感が生まれてくる。 「あっやっ・・きょっ恭一さんっ・・・また、何かっ・・・変になっちゃ・・。」 「んっ・・・いいよ。すごく締め付けてくるからっ・・・俺も、もうそろそろ・・・。」 耳元から先生の切なそうな、色っぽい声が聞こえてくる。 その声を聞いただけで私の胸がきゅん。となってしまう。 「はぁっん!・・・んんんっ!!」 「千鶴っ・・・ごめんね、ちょっとだけ・・・。」 そう言って抱きしめた腕に力を込めると、先生の動きが少し早くなる。 お互いの汗ばんだ肌が触れ合い、どちらのモノか分からない汗の滴が私の額を伝って落ちる。 「あっあっ・・ダメッ!んっぁ・・・恭一ぃぃっ!!」 「ちづっ・・くっ!!」 ベッドが少し軋み、私の意識が白い霧に覆われると同時に先生がすばやく私の中から抜け出すと、私のお腹の上に温かい感触が広がる。 先生は色っぽく息を吐いて、私の額にかかる髪をかきあげながら、額にちゅっ。とキスをくれた。 「千鶴、ちょっと待ってね。今、綺麗に拭いてあげるから。」 先生はそう言って、ベッド脇にあったティッシュケースからティッシュを数枚引っ張り出すと、私の身体を綺麗に拭い取ってくれる。 どうやら出血していたらしく、拭きながら、痛かったね、ごめんね。って先生が呟く。 「痛さよりも幸せな方が大きいから大丈夫。」って微笑んだら、先生も嬉しそうに微笑んでくれた。 それからタオルで最後拭きとってから先生は私の身体をぎゅっ。ときつく抱きしめてくる。 「先生・・・誕生日おめでとう。それから、私を大人にしてくれてありがとう。」 「お礼を言うのは俺の方だよ?ありがとう、千鶴。最高の誕生日プレゼント・・・ほんとうにありがとう。」 「これで本当に先生の彼女になれた気がする。すっごく幸せ。」 「はぁ・・・千鶴が卒業まではって我慢してたのになぁ。もう我慢は無理そう。」 先生は私の身体を抱きしめながら、大袈裟にため息を付く。 「あぁ!それって、私とこうなった事後悔してるって事?」 「クスクス。違うって。それだけよかったから、これから先もっと千鶴を求めそうで怖いって事。知らないよ?こうなっちゃったら、もう我慢できないからね?」 「我慢しなくていいもん。」 「千鶴のえっち。」 「なっ?!そっそういう意味じゃなくって!!」 真っ赤になって否定する私の顔を見ながら、先生はクスクス。と笑うと、 「俺はそういう千鶴も好き。」 って言って、鼻を摘む。 「もぅ、先生は!!誕生日ケーキ食べさせてあげない。」 「えぇ!千鶴一人でケーキ食べちゃうの?」 「食べちゃう。先生が意地悪言うんだもん。」 「意地悪なんて一言も言ってないでしょ?」 「じゃぁ、一口だけあげる。」 「一口だけ?」 「そ、一口だけぇ。後はぜ〜んぶ私が食べちゃう。」 「じゃぁ俺は、ケーキの代わりにもう一回千鶴食べちゃおうっかなぁ。」 「えっえっ!うっ嘘?!もっもう一回?」 本気でたじろぐ私に先生はおかしそうに声を立てて笑う。 「あははっ。冗談だよ。でも、そんなに驚く事ないでしょ?さっきも言ったでしょ、千鶴を求めそうで怖いって・・・ずっと我慢してきた分、これから覚悟しといてもらわないとね。けど、今日はさすがにそんな事は言わないから。だから、もう少しだけ抱きしめさせて?」 「・・・先生。」 「ダメ?」 その言葉に、ううん。って首を横に振ると、先生は、よかった。って再びぎゅっ。と腕に力を入れる。 「――――千鶴、大好きだよ。ずっと傍にいるからね。」 「うん、私も先生が大好き。ずっと・・・ずっと傍にいてね。」 私は先生の胸に顔をうずめながら、そっと瞳を閉じる。 ――――今日は先生の誕生日。そして、私が大人になった記念の日。 私達はバースデーケーキを食べるまで、ケーキよりも甘い時間を過ごしていた。
+ + Fin + +
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