〜*〜 Special day 〜*〜




私が彼と付き合いはじめて3ヶ月が経つ。

クールで2枚目な彼は口数も少なく、表情からも心情が読み取れない。

だけど、私はそんな彼に恋をした。

彼に告白をして、OKがもらえた時点で両思いだと浮かれていた私…

だけど、ここに来て一抹の不安が心を過る。

だって…付き合いはじめて3ヶ月。

告白をしてOKをもらえた時にキスは交わしたけれど、それ以降の進展がまるでナシ。

普通ね、付き合ったら最初にキス、それからハグやキスでお互いの気持ちを高めて行って、最終的には一つになる。

そういうモノじゃないのかなぁ、恋愛って。

セオリーどおりすぎる?この考え。

あ!もしかして、私に興味ないとか??

それとも……ストイック?

いや、別に。付き合ったからと言って必ずエッチをしなきゃならないってわけじゃないけど…だけど、やっぱり寂しいよね?何にもないと。

お互い、23歳と20歳という大人の男と女でもあるわけだし…何にもないって言うのもおかしな話だよね?

そう思うのって私だけ?

こう思う私ってフシダラな女なのかなぁ……



「ねぇ…恭介って…正常?」

「は?」

突然の私からの質問に、彼は訝しげに眉を寄せ、リビングのソファに座って雑誌を読んでいた視線を隣りに座る私に向ける。

「あの…女に興味ないのかなぁ…なんて思って」

「ないわけねぇだろ。俺だって男なんだし」

何バカな事言ってんだよ。とでも言いたそうな視線を向けてから、また雑誌に興味を移す。

「もしかして、禁欲主義者?」

「はぁ?……だから、何が言いたいんだよ、お前は」

今度は雑誌から視線を上げる事なく、彼はめんどくさそうに返事を返す。

……そんなめんどくさそうに返事しなくてもいいのにぃ。

「だからー、その…私に興味がないのかなぁって…」

「あぁ…抱いて欲しいって言ってるわけ?」

「うわっ!そ、そんなハッキリと!!……ん…でも、そんな感じ。付き合って3ヶ月も経ってるのに、何の進展もないんだもん…そういうのに興味がないのか、それとも私自身に興味がないのか…どっちにしたって何にもないのって不安になる」

言いながら、どんどん自分の頬が赤く染まってくるのが分かって、次第に自分の声が小さくなっていく。

うわー…なに、大胆発言しちゃってるんだろう、私。

それに対して恭介は、雑誌に視線を落としたまま口元を少し上げて、意味ありげな横顔を私に見せる。

「ふ〜ん。不安にね…っつうか。そろそろ奈々香の欲求不満度が限界に来たって話なんじゃねぇの?」

「なっ?!そっ、そんな言い方ってないよ。付き合ってるなら愛されたいって思うのが普通でしょ?それをそんな風に言うのなんて酷いよ!!」

なんか…もの凄く悲しくなってきた。

だって、雑誌から視線を動かす事なく、そんな言い方するんだもん。バカにされてるみたいじゃない。

私は彼の綺麗すぎる横顔を、むぅっ!と睨みつけてから、唇を噛みしめ膝を抱え込んで顔を埋める。

すると、隣りの恭介は、フッと小さく笑ったような息を吐いて雑誌を閉じると、私の顎を掴んで自分に向けさせた。

「な…にぃ?」

「なに泣いてんだよ」

「泣いてなんてないもん」

薄っすらと瞳に涙を溜めて、ぷくっと頬を膨らませると、恭介はおかしそうに笑いながら、親指で目元を拭う。

たまにしか見せてもらえないけれど、この笑顔が好きだったりする私。

やっぱりカッコイイなぁ。なんて、この状況でもその笑顔に見惚れてしまったりする。

「そんなに奈々香は俺に抱いて欲しいのか?」

「んも〜!どうしてそういう言い方するの?それって私だけみたいじゃないぃ!」

「誰がお前だけって言ったよ。俺は女に興味があるって言っただろ?まぁ…今はお前だけに興味があるかな」

「じゃ、じゃあどうして何にもしてくれないの?」

「別に。お前が誘って来なかったから」

誘って来なかったから……って。

普通付き合いたてで女からそんな事を誘いますか?

いや、誘う人も中にはいるかもしれないけれど…私には到底無理難題ですが。

「そ…んな。誘うだなんて無理だよ…」

「今、誘ってきてんじゃねぇか。色っぽい女の顔をして…もっと早くそう言って誘ってくれば、もっと早く抱いてやったのに?」

そう言って、ちょっと意地悪い笑みを見せてから、軽くちゅっと唇を重ねてくる。

「もっと早くって…どうして私からなの?恭介からは誘ってくれないの?」

「まあな。何でも俺からやってちゃ面白くねぇじゃん。俺はそうやって女の顔をして誘う姿にそそられんの」

恭介は少し距離を縮めると、そう、少し掠れた声を耳に響かせる。

恭介の方がよっぽど色っぽいと思うんだけど…

真っ黒な瞳に吸い込まれそうになりながら、ぼーっと彼の目を見つめる。

「ほら、もっと誘えば?じゃなきゃ、抱いてやんねぇぞ?」

「そんなぁ…無理だもん。どうやって誘えって言うの?私、恭介みたいにそんないっぱい経験があるわけじゃないもん…誘い方なんて分からない」

「お前、気に障る言い方しやがって…まあ、いいや。お前の経験数よりは遥かに上回ってる事は確かだし?否定はしねぇよ」

そう言って恭介はクスクス、と小さく笑う。



………ちょっとは否定して欲しかったかも。



だけど、やっぱりそうだよね、いっぱい経験してるよね。

だってカッコいいもん恭介って。

女の子の方が放っておかないよね…きっと今まで沢山綺麗な人と付き合ってきたんだろうな。

だからなのかな…私って童顔だし、ナイスバディじゃないし…魅力ないのかな。

恭介が抱きたくなるような魅力…持ってないのかなぁ。



「お前さぁ、折角俺がその気になってきてんのに、シケた面すんなよ…萎えんだろ?」

「だってぇ…」

「ああ、もう分かった。お前から誘えだなんて無理難題言わねぇよ。だから泣くな」

「うぅ〜」

「ったく、お前には参るわ。今までの女みてーにスレてねぇし、教科書通りの付き合い方をしようとしてくる…お前といると、なんか調子狂う」

それって、遠まわしに私とは付き合ってられないって言ってるの?

誘う事すら出来ない私は恭介には必要ないって言いたいの?

そんな事を考えていると、どんどん気持ちが重たくなってくる。

「ごめんね、恭介。私と恭介じゃつり合わないよね。もっと他に……」

「勘違いしてんじゃねぇよ、バーカ。誰がつり合わないって言ったよ。そういう事は俺が決めるから、お前は余計な心配すんじゃねぇよ」

「だって…」

再び自分の膝の方へと頭が傾いて行く私に対して、恭介は、はぁ。とため息をついてから思い切ったように口を開く。

「だから!お前といると返って新鮮だっつってんの。今まではやたらめったらスレた女ばっかでよ、頭ん中は俺とヤる事しか考えてねぇし。愛だの恋だのは二の次で、自分の快楽だけを求めてたバカばっかりだった。だから、お前といると調子狂うんだよ…悪い意味でじゃなくてだぞ?言ってる意味、分かるか?」

「ん……」



……なんとなく。



「本当はすぐにでも抱きたかったよ。けど、なんかお前だけは安易に手を出しちゃいけない気がしたんだ。すげーぞ、お前。俺が付き合って3ヶ月も我慢するなんてよ…今までじゃ、ぜってぇありえねえ」

「嘘。我慢…してたの?」

「あぁ、してたよ。本当はすぐにでも全部俺のモノにしたかったんだけどな」

「だったら、どうして?」

「だから言っただろうが。お前だけは安易に手を出しちゃいけない気がしたって…軽い気持ちで抱きたくなかったんだよ。お前が求めてくるまでは絶対俺からは手は出さないって決めてた。お前が俺に抱かれてもいいって思えるくらい、俺に惚れたら抱こうって思ってたんだよ」

そんな風に私の事を考えてくれてたの?

大事に…思っててくれたんだ。

それが分かっただけでも、心の中がふんわりと温かくなってくる。

「でも、だったらどうしてさっきみたいな意地悪を言うの?」

「あぁ、誘えよってか?」

「うん、そう」

「それぐらい言わせろっつうの。なにせ、教科書通りのおじょーさまに3ヶ月もオアズケを食らわされたんだからな。意地の悪い事も言いたくなんだろうが」

「うぅ…ごめんなさい」

「なんで謝るんだよ。謝るならお前からキスぐらいして来いよ。それぐらいは奈々香からでもできんだろ?」

「あ、う、うん…あの…じゃ、じゃあ…目を瞑って?」

真っ赤になりつつ、戸惑いながら恭介を見上げると、それを見た彼が、ぶぅっと噴出す。



………なぜ噴出す。



「ったく。ホント…お前だけは。俺、よく今まで我慢できてたよなぁ」

「えっ?え、えっ??…わっ、きゃっ!!」

恭介が何故噴出すのか、訳が分からないまま首を傾げていると、彼はクククッ。と笑ったまま私の体をぎゅっと抱き寄せる。

「もう待ってらんね…我慢も限界」

「え…あの、きょっ…?!」

私の声は最後まで発する事が出来ずに、そのまま彼の唇で塞がれてしまった。

貪るような熱くて深いキス。

今までに恭介からこんなにも情熱的なキスをされた事はなかった。

だから、私の体温が一気に上昇し始める。

「んっ…んっ…」

ソファに体を倒されて、息つく暇もないくらいの激しいキス。

すぅっ。と空気を求めて少し唇をずらすと、それを塞ぐようにまた彼の唇が重なってくる。



あ…もう、ダメ…窒息死しそう。



そう思った瞬間、彼の唇がやんわりと離れる。

「奈々香、3ヶ月間溜まったモンはこれぐらいじゃねぇからな?覚悟して受け取れよ?」

唇が僅かに触れたまま、彼はそう呟いてニヤリと目で笑う。

だけど、私は今のキスだけで意識が朦朧としちゃって、荒く息をついたまま視線だけを絡ませる。

「どれだけこの時を待ってたか、どれだけお前を抱きたかったか…今日、この体に思い知らせてやるよ。そして、俺から離れなくしてやる…俺しか考えられないように」

「きょうすっ……」

私の口からやっと出てきた言葉を奪い取って、恭介は再び唇を塞ぐと慣れた手付きで私の服を脱がして行く。

私はもう、彼のなすがままになっていた。

彼から浴びせられるキスも、肌の上を滑る彼の手も、指も、唇も、全てが熱くて私の思考回路を奪っていったから。

「ぁんっ…んっ…恭介っ…」

「可愛い声出すじゃんか…もっと聞かせろよ、その色っぽい声を」

「でもっ…んんっ…」

敢えてそういう事を言われたら、すごく恥ずかしくなってきて、慌てて手の甲で口元を覆うと、恭介はそれを阻止する。

「聞かせろって言っただろ…なんで我慢すんだよ」

「だってぇ…はずかし…もんっ」

「ま、そう言ってられんのも今の内だけどな…もっと鳴かせてやるよ。いい声でな」

フッと、恭介は意地悪な笑みを浮かべて、私に見せ付けるように下腹部から鎖骨にかけて舌を這わせる。

その何とも言えない色っぽくて艶っぽい彼の表情に、俄かに自分の頬が赤く染まるのがわかる。

ど…しよ。今までに感じた事がないくらい、心臓がバクバクと高鳴って、体の中心が熱くなってきてるよ。

恭介は私の様子を楽しむように、時折視線をこちらに向けては、ワザと見えるように舌を大きく出して肌を舐める。



え…エロい。



私はそれが凄く恥ずかしくて見てられなくて、目を瞑って身を捩る。

それを見て、またクスクスと小さく笑って彼は愛撫を続ける。

だけど、恭介が言うように次第に恥ずかしいだなんて言えなくなってきた。

肌が火照り、自分の息が上がり出すと、自然と口から大きな甘い声が漏れ始める。

私はそんな自分に戸惑いながらも、それを抑える事は出来なかった。

「あっ…いやっ…あっ…きょ…すけっ……あぁんっ」

「いや、じゃねぇだろ?そういう時は、いいとか気持ちいいとか言えよ…奈々香?」

満足そうに笑みを浮かべる彼…なんか今日は恭介、意地悪だぁ。



…そんな事、急に言われても……



「ま。お前の場合、急には無理だよな。まぁいいさ。これから馴らしてってやるから」

「恭…介…あっ!やっ…んっ…ぃやんっ…」

恭介は、またもやニヤっとした笑みを見せると、今度は突然足を大きく押し広げると、秘部に唇を当て、チュッと音を立てて溢れ出た蜜を吸い上げる。

その行為にびっくりした私は、慌てて上体を起こすと彼の両肩をグイッと押す。

だけど、その体はビクともしなくて、彼は視線だけを私に向けてニヤリと目を細める。

秘部に生暖かいモノが蠢き、時折中に這入っては刺激を与えてくる。

その何とも言えない感触に、身を捩り彼の肩をグッと掴む。

恭介は舌で刺激を与えながら、更に指をも使って私を高波に連れ出そうとする。

なんのBGMも流れていない静かな部屋には、くちゅっくちゅっと卑猥な水音だけが響き渡る。

それを耳で感じとると更に体温が上昇し、頭の中が白く霧がかってくる。

「恭介っ…あぁんっ…ダメっ…あっ…あっ…いあぁんっ!!」

中を蠢く彼の指が激しくなり、それと同時に体全体に痺れが走り出す。

もうすぐ頭の中がスパークする…その直前で、彼は指の動きを止めるとそっと耳元に囁いてきた。

「まだイカせてやらねえよ。俺も一緒に気持ちよくしてもらわなきゃなぁ?」

「きょ…すけ…」

恭介は一旦体を起こすと、自分の着ているものを脱ぎ去り、私の体に覆い被さってきた。

私がその綺麗過ぎる恭介の肉体に見惚れていると、何だ?とでも言いたそうな彼の表情が目に映る。

「あの…恭介の体、綺麗だなぁって思って」

「俺よかお前の方がよっぽど綺麗だろ。男に綺麗だの可愛いだのって言葉は褒め言葉になんねぇぞ?」

「だって…私なんてナイスバディじゃないし…恭介の綺麗な体が羨ましい」

「お前ね…奈々香が俺みたいな体だったらキモイだろーが。それにお前はいい体してるよ…肌は白いし程よく胸もあるし?俺好みの身体だ。」

「本当に?」

「あぁ。だから抱くんだろ?まぁ、これからもっと俺好みの身体になるように、開拓してってやるよ」



ちょっぴり一抹の不安が頭を過った気がしますが?



恭介の意味深な笑みに、一瞬そんな事が頭を過る。

彼は、さて。と、呟くと、軽く唇にキスをしてからそっと耳元に唇を寄せて囁いてくる。

「奈々香、そろそろ這入るぞ?」

「え…あ…う、うん……んっ?!」

秘部に彼自身があてがわれ、ゆっくりと中に這入ってくると、その存在の大きさに思わず眉間にシワが寄って顎が上がる。

「っく…っぁ…キツっ…おまっ…一応経験あんだよな?」

「ある…けどっ…んっ…きょ…介」

「奈々香…痛いのか?」

「ううん…だい…丈夫…」

「すげ…締まる…お前、反則だろ…コレ」

恭介は根元部分まで自身を埋めると、ふぅ。と息を一つ吐いて、私の額にかかった髪を優しく避ける。

「ど…して?」

「気持ちよすぎ…3ヶ月もヤッてなくて溜まってんのに、こんなんじゃ持たねぇぞ、俺」

「え…」

「はぁ…ヤバイわ、俺」

「えっ?!」



やっヤバイって?何がヤバイって言うの??



私が恭介の言葉に細かく瞬きをして首を傾げると、クスっと小さく笑ってまた耳元に唇を寄せてくる。




――――お前に溺れそう




その声が凄く色っぽくて思わず頬が熱くなり、肌が粟立つ。

私は紅くなった頬を隠すように、彼の首に腕をまわすときゅっと力を入れる。

耳朶を甘噛し、首筋に唇を這わせながら、恭介が律動を送り始めた。

途端に切ない刺激が私を襲い、頭が真っ白になって甘い声だけが自分の口から漏れる。

「あっ…あぁんっ…あぁんっ…恭介っ…」

「ヤバイ…マジ即イキそ…すげーいいよ、お前ん中。今までにないくらい最高に気持ちいい」

「恭介っ…もっ…わたしっ…あんっ…あんっ…あぁんっ」

先程指で追い詰められて、限界が近かった私の身体が再び急激に痺れはじめる。

「も…イク?…つーか、俺もそんな持たねぇ…奈々香…イカせてやるよ、俺と一緒に」

恭介は私の膝を抱えて更に奥に沈めると、激しく律動を送ってくる。

私の身体が大きく揺さぶられ、自分の口から漏れる甘い声と耳元にかかる彼の荒い息遣いが、同じリズムで吐き出される。

身体が打ち合う乾いた音と、繋がる部分から漏れる卑猥な水音。

それらを耳で感じ取りながら、私は大きな高波へとさらわれる予兆に、自分を見失わないように彼にまわした腕に力を込める。

「恭介っ…きょ…すけっ…あっ…あぁんっ…あぁぁぁんっ!!!」

「ななっ…かっ!!」

グッと身体が仰け反り、目の前がスパークするのとほぼ同時に、彼の熱いモノが中で弾け飛んだのを感じた。




私たちは暫くそのままの状態で身体が落ち着くのを荒く息をつきながら待っていた。

その間に、恭介は唇に一つキスをしてから、耳元から首筋へ首筋から胸元へと唇を這わせて、時折強く吸い上げて紅い痕を残して行く。



「もう、お前は完全に俺のモノだからな」



……そう優しく囁きながら。



「恭介…すごく幸せだよ、私。恭介と一つになれて…本当に嬉しい」

「あぁ、俺も幸せだ。奈々香……愛してる」

「きょ…すけ」

優しい眼差しを向けられて、今まで言ってもらった事がなかった言葉に思わず大きく目を見開く。

「なんだよ、その驚いたような表情はよ」

「だって…愛してるだなんて…言ってもらった事がなかったんだもん」

「あぁ。俺も今まで一度も使った事ねえよ」

「え…一度もって?」

「お前以外に言ってねぇって事。初めてお前をこの腕に抱けた時に言おうって思ってた。俺はこんな性格だから、あんま表に出さないけどよ…付き合う前から、お前は俺にとって特別な存在だったんだ…誰にも渡したくないぐらいにな。俺が愛してるだなんて言葉を使うのはお前が最初であって最後だろうな」

「それって……」

その続きは恭介の唇に奪われてしまった。

啄ばむような優しいキスと、初めて知った彼の深い愛に自分の瞳から一筋の涙が零れ落ちた。

私は唇を離すと、ニッコリと自分の持っている最高の笑顔で彼に向かって囁いた。



――――私も、恭介を愛してる




++ FIN ++




H17.10.7 神楽茉莉


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