*Love Fight ――――シーンと静まり返り、薄明かりになった部屋。 俺の腕の中で、恥ずかしそうに頬を赤らめながら視線を落とす美菜の姿。 彼女の柔らかい肌の感触が直に伝わってきて自分の心臓の鼓動が早くなる。 海水浴に行った時でさえ限界だったんだ・・・この日をどれだけ待ち望んだ事か。 『俺色』に染める日――――美菜を変えてしまう日を。 腕の中の美菜は、やっぱり不安そうな表情を見せる・・・怖いんだろうな。初めてなんだし。 それよりも何よりも彼女は女の子なんだ。男の俺よりも怖い気持ちは大きい筈。 俺だって怖い。美菜を壊してしまうんじゃないかって――――それ以上にちゃんと出来る んだろうか・・・この俺に。 だけど、俺が不安を前面に押し出してしまえば美菜をより一層不安にさせてしまう。 だから俺は至って平然とした態度を装う事に徹する。 震えそうな声を押し殺し、不安な目をした美菜に囁く。 「・・・・・怖い?美菜。」 「ん・・・少し。だけど・・・長瀬君だから・・・大丈夫。」 俺だから?・・・・本当にいいの?この俺で・・・。 ――――ここに来てそんな言葉が脳裏を過る。 「美菜・・・・・本当にいいの?」 「・・・・・ん。」 そう尋ねると彼女は小さく頷き、俺の首に腕をまわしてくる。 覚悟を決めたような、そんな決意が伝わってくる彼女の腕。 相当な決心な筈・・・だからこそ乱暴になんて出来ない。出来る限り優しく・・・・・。 俺はゆっくりと唇を重ねた――――美菜が不安にならないように、怖がらないように。 逸る気持ちを抑えながら・・・。 キスが深くなるにつれ徐々に美菜の体から力が抜けていくのが分かる。 ゆっくりゆっくりと美菜の口内を弄り、そのまま唇を彼女の首筋に這わす。 「んっ・・・・・ぁ。」 彼女の口から漏れた甘い声にぞくぞくっとした感覚が体を走り、暴走しそうな自分を抑えるのに 必死だった。 もっと優しく――――大好きな、大切な彼女だからこそ・・・。 「かわいい下着・・・・。」 暗がりだから色までは分からないけど、リボンとレースが付いた彼女らしい下着。 「あっ・・・コレ今日買ったの。」 「今日の為に?」 「う・・・ん。」 そう嬉しそうにはにかんで真っ赤になって目線を逸らす美菜。 そんな彼女が堪らなく愛しく思える。俺の為に、今日の為に用意してくれた物。 俺は嬉しくてたまんなくて、彼女の頬にキスを落とす。 「脱がすのもったいない・・・。」 そう言は言ったものの脱がさなければ何も始まらない訳で・・・後ろ髪を引かれる思いで彼女の 唇を塞ぎながら、そっと下着を抜き取る。 生まれたままの姿になった彼女の身体に、ごくっ。と喉が鳴る。 薄明かりに照らされた白い肌があまりにも綺麗すぎて。 「・・・・・綺麗だよ、美菜。」 思わず口から出た言葉。恥ずかしがって腕で隠そうとするけれど・・・。 分かってる?そんな仕草さえ、俺を刺激するんだよ? 美菜は気づいていないだろうけど、さっきからずっと心臓が高鳴って痛いくらい。 いつだってそう・・・美菜といる時はいつだって。 唇を重ねる度、美菜に触れる度心臓が張り裂けそうなくらいに高鳴って平静さを装うのに必死なんだ。 だけど触れずにはいられない―――俺はゆっくりと時間をかけて美菜の全身に唇を這わす。 時折、ちゅっ。と吸い上げて紅い痕を残していきながら。 誰のモノでもない・・・俺だけの美菜。 唇を美菜の首筋に戻しながら、彼女の敏感な部分に指で触れてみる。 多分・・・ここだよな・・・。 そっと中に這入ってみると、美菜のソコはもう蜜で薄っすらと潤っていた。 彼女の中はすごく熱くて、蜜が指に絡み付いてくる。 「痛い?」と聞くと「痛くない。」と返事をしながら恥ずかしそうに両手で顔を隠す美菜。 そんな仕草を見せる美菜が本当に可愛くて、俺の顔から笑みがこぼれる。 キスをしながら指を動かすと美菜の口から甘美な声が漏れ始める。 感じてくれてるんだ。――――そんな事を思うと俺の身体の中の何かが熱くなってきた。 美菜の胸の蕾を口に含みながら、指先の感触を感じるとピクッピクッと彼女の中が俺の指を締め付けて くる。 もうそろそろいいのかな・・・どうもタイミングが分からない。 だけど、そうこうしてる内に俺が持たなくなりそうだ。 俺は美菜に、ちょっと待ってね。と囁くと用意していたモノを自身に装着させる。 一瞬頭を擡げさせた美菜が即座に元の位置に戻すのが横目に映る。 ・・・・・見られたよね、今の。ショックだろうなぁ・・・エグイもんね、コレ。 俺は苦笑を漏らしつつ、美菜の元へと戻る。 「美菜・・・・・いい?」 「うへっ?・・・はっ・・はいっ!」 俺が聞くと即座に答えた彼女だけど・・・きっと戸惑ってるよね。 美菜の顔を見ればすぐ分かる。 だけど、ごめんね。もう、待てそうにないから。 「美菜、痛かったら言ってね。」 「う・・・ぅん。」 半ば強引に推し進める形で美菜の返事を聞きながら、彼女の入り口へとあてがい指で押し広げながら徐々に中へ と入っていく。 苦しそうに目を固く閉じる美菜。痛いという顔ではないけれど・・・やっぱり辛そうで。 俺は美菜の身体に刺激を与えながらゆっくりと自身を彼女の中に進めて行く。 とてつもなく心地よい感触が俺を包み込む。 ・・・・・凄い・・・気持ちよすぎる。 「すっごく・・・美菜の中、気持ちいいよ?」 そう囁くと、辛い筈なのに彼女が嬉しそうに俺に向かって微笑む。 あぁ・・・何か凄く幸せな気分だ。 ゆっくりと動き始めると、しばらくしてから美菜の中が俺を刺激し始める。 途中からはもうダメだった・・・自然に美菜の身体を揺らすリズムが早くなっていく。 「好きだよ、美菜。」 そう囁くのが精一杯だった。 俺は美菜の唇に貪り付きながら、頭の中が真っ白になるまで彼女の身体を強く揺さぶった。 腕の中にすっぽりと納まってしまう美菜の身体を抱きしめながら、俺は幸福感で満たされていた。 ずっと欲しくても壊してしまいそうで、怖かった。 だけど、ずっとずっと大切にしておきたい彼女と一つになれた今日。 まだ身体に残っている余韻を消したくなくて、味わっていたかったからそっと彼女に囁く。 「・・・・・このまま寝よっか?」 一瞬驚いたような表情を見せた美菜だけど、すぐにはにかみながら、うん。と頷き俺の胸に顔を うずめてくる。 美菜の肌の温もりが直に感じ取れて、すごく安心できた。 大切な美菜・・・大好きな美菜。 これからもずっと一緒にいたい――――これからもずっと傍にいるからね。 俺は美菜の温もりを感じながら、そっと瞼を閉じた。 + + 修吾Side Fin + +
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