*Love Fight






  修吾の葛藤 




――――マジかよ。

着替え終わって出てきた美菜の様子が何か変だって事は分かってたけど、頑なに隠し続けるから 腑に落ちないままやり過ごしたのだけれど・・・・・。

今、自分の目の前に映し出される美菜の姿――――明らかに胸の形が・・・・・。

「美菜の様子がおかしかったのはコレのせい?」

そう尋ねると彼女は真っ赤な顔になって、腕で隠そうとする。

反射的にそれを阻止する俺の手――――・・・ヤバイかも。そんな言葉が脳裏を過る。

「きゃっ!長瀬君っ!!やっやぁ。みっ見ないで・・・。」

真っ赤な顔で訴える美菜だけど、こんな状況で見るな。と言う方が無理な話。

それでなくても昼間の水着姿で触発されてるっていうのに・・・・・。

「ブラを忘れる美菜が悪いんでしょ?」

と意地悪く出た言葉に、無茶苦茶なぁ。とかわいい答えが返ってくる。

俺は気が付いたら美菜の腕を引き寄せ、自分の唇を彼女の唇に吸い寄せられるように重ねていた。

貪るような少々強引なキス――――美菜の戸惑っている様子が唇から伝わってくる。

こんなキスをしたのは初めてだから、きっとびっくりしてるんだろうな・・・俺だって自分自身 びっくりしてるよ。

いつだって美菜とキスをする時は強引にならないように、傷つけないように大切に唇を重ねてきた つもりだったけど・・・今は無理だ。

無我夢中。そんな言葉が当てはまるように俺は無心に美菜の唇に自分の唇を重ね、彼女の口内を 味わっていた。

俺は力の抜けた美菜の腕から手を離すと、頬を伝い首筋を通って胸を包み込む。

柔らかい感触が俺の掌に伝わる。

「・・・・・んっ!!」

塞いでいる彼女の唇から抵抗するような声が漏れるけど・・・止められない。

ダメだ、これ以上・・・・・分かっているのに俺の手が自然に服の裾から中に入って直接彼女の 肌に触れる。

美菜の肌はしっとりとしていて、触り心地がとてもよかった。

優しく胸を揉みあげ、きゅっと胸の蕾を摘むと美菜の体がびくっと反応を示す。

そんな反応も俺を刺激し、さらに加速していく。

胸を刺激しながら、唇を美菜の頬にちゅっ。としてから首筋に移すと、一度耳元まで這わして そのまま胸元まで移動すると、ぞくぞくっとしたように彼女の体が震える。

「ひゃっ!・・・・・ぁっ・・・ん。」

美菜の口から甘い声が漏れ、俺の中で何かが外れそうな気がしてくる。

服に忍ばせていた手でキャミソールをたくし上げると途端に美菜の形のいい胸が露になる。

「・・・・・綺麗。」

そんな言葉が俺の口から漏れる。本当に綺麗だった・・・肌の色といい、胸の形といい・・・ 水着の時も思ったけど、白い透き通るような肌が何とも艶っぽくて色っぽくって。

「あっや・・ぁ。恥ずかしいから・・・。」

そう言ってまた腕で胸を隠そうとするから、咄嗟に腕を掴む。

いや・・・マジまずいこの体勢。マズイんだけど・・・理性よりも上回る俺の欲望。

「ダメ。見せてよ・・・と言うより見たい。」

「やだぁ。・・・だ、だって・・外・・だもん。」

「誰もいないよ?」

「・・・・・・いなくても、嫌かも・・・って、ひゃっ!!!」

真っ赤になって俯く美菜に、クスッ。と笑いかけると俺は徐に彼女の胸を口に含み、先端の蕾を コロコロと舌で転がしながらキュッと吸い上げた。

本当は笑う余裕なんてなかった・・・収集つかなくなりそうな欲望を抑えるのに必死で。

「あっ・・・・やっぁ。」

途端に美菜の口から漏れる甘美な声。

いっそこのまま――――そんな思いが俺を支配し始める。

だけど、ダメだ・・・こんな所で初めて美菜を抱くなんて。

大切なんだ。俺にとって大事な存在だから・・・余計にこんな場所でなんて簡単にできない。

いや、したくない。

俺は顔をゆっくりと上げ、下に伸びて行きそうな手を握り締め自分を落ち着かせるように目を閉じる。



***** ***** ***** ***** *****




「・・・・・ごめんな、美菜。やっぱりゆっくり進んでいくのは無理だわ、俺。」

今だって限界なんだ・・・気を抜いたら絶対止まらない。

俺は美菜を抱きしめた――――強く・・強く。

「しばらくこのままでいさせて。」

そう呟くと彼女も同じように俺の体に腕をまわしてきた。

抱き心地のよい、ふんわりした感触が俺を包む。

純粋で何色にも染まっていない美菜を壊したくない。大切にしていきたいんだ。

この先もずっと・・・・・・なのに。

俺って矛盾してるよな――――そう思うと苦笑が漏れた。

このままの美菜でいさせたいのに、『俺色』に染めようとする俺。

だけどもう限界だから。次はもう・・・・止められない。

帰り道、美菜と桂木さんが後ろで何やらコソコソと話している。

どうせさっきの事を聞かれてるんだろうな。

俺に襲われたかどうかとか・・・後ろを見なくても真っ赤な顔をして話してるのが分かる。

どうせ今回の事も直人達2人が知った上で仕向けた事だろうけど・・・ったく、こいつらは。 毎回毎回いい趣味をしてやがるよ。

俺は直人と他愛もない話でふざけあいながら、時折後ろを伺い見る。

途切れ途切れながら、少しだけ聞こえた会話――『・・・覚悟決めてるもん。―――― ・・・私も長瀬君の事好きだし。』

その言葉に思わず顔から笑みが漏れる。

俺だって美菜の事を好きだから・・・だから――――近い内に必ず。

こんなに愛しくて大切な美菜・・・・・君は分かってるのかな。俺がどれだけ美菜を大切に思って いるのか。

――分かってなくてもいい。俺の気持ちは変わらないのだから。

美菜の方を振り向き微笑みながら手を差し出すと、はにかみながら彼女は 自分の手を重ねてきた。



+ + 『修吾の葛藤』Fin + +




神楽のちょこっとあとがき

わぁっ。何なんでしょう、このお話(赤面)
ちょっと書いてみたくなりまして・・・はい。すいません(笑)
大半本編を抜粋です。(手抜き〜 苦笑)
初めて修吾Sideでお話書いてみました。凄い葛藤ですね(汗)
修吾君、矛盾してますよぉ〜。(ツッコミはご遠慮を だははっ。笑)




top