俺は召喚士だった。 学校を卒業してそれなりの年月も経っているので、まあ、初心者でもない。 そして今日は上位にチャレンジしようと心に決めていた。 いや……かなりのギャンブルだという事は理解している。 だが今日まで本来なら手に取りたくも無いような無い分厚い本を読み、研究に研究を重ねてきた。 だから……大丈夫。 ……じゃないかな……。 とここにきて多少気弱になりつつも、俺は蝋燭に火を灯した。 GB syokudai.jpg G2 clodo.gif 350 WAIT 今呼び出そうとしているのは、上位精霊の「ナジュ」だった。 何故彼かと言うと、実は一度見かけたことがあったからだった。 それは小さい頃の話で、向こうはちっとも覚えちゃいないだろうが、俺にとっては未だに鮮明な記憶だった。 そしてあの時出会った精霊は誰だろうと気にして調べているうち、気付いたら召喚士になっていたという訳だった。 そう言うと何だか特級召喚士さんのエピソードを思い出すが、向こうは最上位、挙句妖魔、しかもラジャタルであるからして、魔方陣の構造一つ理解するのでも俺の比ではない程苦労しただろう。 それに妖魔王を呼び出すとは、いくら召喚呪文も魔方陣も自信があったところですごい度胸だった。 少なくとも俺は怖くて出来ない。 そんな事を考えつつ、俺は(俺にとっては)複雑な構造の魔方陣を、チョークで床に書いていた。 間違った日には怒って大変な目に遭わされるから、たまに前述のようにどうでもいい事を考えたりはしていたものの、注意に注意を重ねた。 そしてやっと書き上がると、とりあえず緊張をほぐすために軽くストレッチまがいの事をしてから、いよいよ召喚呪文に取り掛かった。 恐らく召喚士以外の者が聞いたら「何だかもぐもぐ言ってんなあ」という具合の呪文を延々と唱えた。 WAIT G2 none ひたすら長い呪文をやっと締めると、魔方陣から総毛立つような魔物の気配が漂い始めた。 心臓が激しく鳴った。 GO open2.scn