夜が明けるまでそばにいたいワケ
ラジオ番組の最終回。
レギュラーである村上・酒井だけでなく、今日はレギュラー以外の3人もスタジオに集合。
歴代のスタッフも顔を揃え、スタジオはいつもと違う様相を呈している。
放送中も、リスナーからのメッセージが続々と寄せられている。
メンバーだけでなくファンにとっても、何年も続いたこの枠に対する思い入れは強いようだ。
リスナーからのリクエスト曲、ナマ歌、ひとりひとりからの挨拶が済み、放送終了。
スタジオ内に拍手が巻き起こる。
「お疲れさまでしたぁ〜!」
全員で頭を下げ、集まったスタッフに感謝の意を伝える。
それが一段落がついた頃、村上が安岡に頭を下げた。
「安岡さん、お疲れさまでしたぁ〜。このたびは申し訳ありませ〜ん、ヘンな時間に電話いたしまして〜。」
「いえいえ〜、正直ビックリしましたけど、そういうのはとっくに慣れてますので〜。」
「そうですか〜、たびたびすいませ〜ん。」
「いえいえ〜。」
両者ペコペコと頭を下げながら他人行儀に挨拶する。
「てつ、SOUL聴きながらずっと踊ってたんでしょ?ホントよくやるよね〜。」
「若いって証拠だよ。」
「ど〜こがっ?!よく言うよ、ったく。
・・・でもさ、踊る阿呆(あほう)に見る阿呆って言うけど、黒沢さんも北山さんも、てつが踊り続けてるのを飽きずによく見てられるよね〜。」
「ああ、村上のダンス?」
安岡の言葉に、隣にいた黒沢が反応する。
「そうそう。ずっと踊ってたんでしょ?」
「踊ってたね〜!もうね、あれはダンスというより憑依だよ、憑依。」
「黒沢、お前、人を『南斗五車星』みたいに言うな。」
「それは『風のヒューイ』でしょうにっ!」
村上のボケにすかさず酒井がツッコミ。
さすが慣れたものである。