ご覧になる前にご忠告
*四代目はナルトのパパ設定です
*あり得ないほど四代目が息子ラヴです。
*むしろ常識をM78星雲あたりに置き去りにしてきたような、そんな人です。
*模造設定入りまくりです。
*カカシが苦労しまくりです
それでも読んでやらぁという心意気の方はズズィとスクロールを。
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:DearMyDaddy?:
−悪夢地獄変−
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それは程よく暖かな昼下がりのこと。 連日の激務による徹夜に耐え抜き、ようやっと得られた三十分の仮眠から覚めた四代目火影は、教え子の姿を目に止めるなり、こう言ってのけた。 「やぁ、おはようカカシ君。ところでちょっと相談なんだけど、今この場で速やかに悔いなく差別なく死んでくれないかな?」 ――――カカシは笑った。 ――――四代目も笑った。 しかし四代目の瞳に陽炎のごとく揺れているのは、紛れもなく本気の炎だった。 「い、いったい全体どういうつもりなんですか……センセェ……ッ!」 ――――≪ドキッ!里中横断命がけの鬼ごっこ〜捕まえたら首ちょん切っちゃうぞ!〜≫から二時間後。 里を一望できる高台の上で、やっと落ち着いたらしい四代目を前に、カカシは息を荒げて理由を問うた。 カカシの手にはまだしっかりとクナイが握られている。再び四代目が豹変するのを恐れているからだ。 対する四代目も、軽く息を荒げながら、それでも落ち着いた――どことなく沈んだ声で、話し始めた。 「実は――――ナル君がねぇ、夢にでてきたんだよ」 あぁ、なるほど。 カカシはその一言で疑問をすべて氷解、理解した。 歴代火影の中でも名君の誉れ高い四代目。 しかし、彼は愛息子のことになると頭のネジがすべて外れ、空いたネジ穴の中にトウモロコシ突っ込んだようななんとも言えない暴走機関車へと変貌する。 毎度毎度被害にあうのは、もっとも彼ら親子の近くにいるカカシや三代目だ。 それ以外の人間には、仕事に私情をはさまず上の人間にもずばずばものを言い、しかし決して角を立てない人物としてとられている。 この話を聞くたび、カカシは桜を思い出す。 ――――あー。桜って遠くから見てると本当に綺麗だけど、近づくと毛虫多いは、死体埋まってるはで結構大変だよねー。 「聞いてる?カカシ君」 首筋にクナイが押し当てられる。カカシはそれを片手で押しのけた。 「聞いてますよ、センセ。それで――――ええと、ナルトが夢に出てきたんでしたっけ?」 「んっ。私の世界一可愛くておりこうさんで神様からの贈り物って言うか、むしろあの子自身が神様?仏様?お釈迦様?――――そんなナル君が夢に出てきたんだよ……」 悪夢だった……と、四代目は再び沈んだ顔をする。 いつもだったら、夢にナルトが出てくれば――と、言うか彼の夢にはもれなくナルトか今は亡き妻くらいしか出て来ていないような気がする――はしゃいでカカシ達に自慢するはずだ。 それがどうした事だろう。 今の四代目は、愛しい愛しい息子が出てきたというのに、蹲って地面にのの字なんて書きながら落ち込んでいる。 これは大層な悪夢だったのだろう(あくまで、四代目にとっては) カカシは上司兼師匠の肩をポンポンと叩くと、 「――――聞かせてください。悪夢の全容と……それにともなう俺の追いかけられた訳を」 「夢にね、ナル君が出てきたんだよ。十四くらいに成長した」 かわいかった……と、夢色の吐息をついてあらぬ方向を見つめる四代目。 はたから見れば完全にヤバイ薬をキメたジャンキーのようである。 カカシは「はぁ」と間の抜けた相槌を打った。 「髪や輪郭は私に似てるんだけど、目元は奥さんそっくりでっ!そりゃまぁ、かわいい声で"父ちゃん"なんて呼んでくれるんだよ!!」 嬉恥ずかし乙女の様な歓声を上げて、四代目は地面を転がる。 どうでもいいが、手当たり次第に木にぶつかりまくるのはやめて欲しい。 次々薙ぎ倒されてゆく木々に驚き、森の動物達は逃げ惑う。 九尾の災から辛くも守り抜いた森を、こんな事で破壊するなと言いたい。 しかし下手にツッコめば即座にクナイが飛んでくるのは目に見えているので、カカシは大人しく発作が収まるのを待つことにした。 ――――四代目が暴走をはじめて二十分後。 四代目は帰還した。 体のあちこちには蜘蛛の巣や木の葉がくっついており、なぜか右手にクナイ、左手には小さな切り株を握っている。 カカシは四代目の上から下を一瞥すると、手にした"イチャパラ"を懐にしまいこみ、 「じゃ、話続けましょうか」 何でもなかったかのように話は再開された。 常人には理解できないような展開の唐突さだが、カカシは慣れたものだった。 流す所は流して、ツッコむべきところはツッコむ。 現状を理解、把握し即座に対応する能力に長けていなければ、四代目の下で働くことなど到底不可能だ。 カカシも、今持てる限りの力をすべて話を進めるために費やした。 「えーと、ナルトが成長した姿で夢にでてきたまでは聞きました」 「あぁ、そう。そうだよ、ナル君が、夢に出てきたんだ」 手にしていた切り株を椅子代わりに座り込み、四代目は続ける。 夢の中のナルトは、その可愛らしい(四代目主観)顔をわずかに顰め、大事な話とお願いがあると切り出した。 「私はね、ナル君のお願いなら、何でも聞いてあげるつもりだ。世界が欲しいって言うなら、全世界に喧嘩を売る覚悟だよ」 無論そのときは君も道連れ、と朗らかに宣告されて、カカシは言葉に詰まった。 口調には、まったく冗談の色がなかった。本気の証拠だ。この男はやると言ったら、やる。 カカシは首筋に冷たい汗を這わせながら、四代目の発言を黙殺した。 四代目も特に反応を期待していなかったのか、話を続ける。 「ナル君は隣に君――――カカシ君を連れてきていたよ」 そして、ナルトは四代目を真っ直ぐ見つめ、真剣極まりない声で、一言。 「"俺、カカシと結婚する!"って……」 言ったんだ……。 哀愁溢れる四代目の声が、どこからか吹く風に流され、消えてゆく。 目の前で舞う木の葉を見つめがら、カカシは声を失っていた。 心情も意識も真っ白に塗りつぶされて、フリーズする。 真っ白になった心のキャンバスに、一言『なんでやねん!』という言葉が浮かび上がった。 「ありえないよね。ねぇ、ありえないよね!なんでよりによってカカシ君?なんでよりによって男?なんで私の可愛い可愛いナルトが男なんかに――――カカシ君なんかに盗られなきゃならないのさあぁ!!」 "なんか"で悪うございました。 奇しくも四代目の絶叫に、カカシは正気を取り戻す。 四代目は、また地面を転がっていた。 ただし今度は嬉しさではなく、悔しさに頭を抱えて転がっている。 カカシは崖っぷちギリギリを転がり続ける四代目を見ながら、もう出会ってから何度目になるかしれない疑問を抱いた。 ――――この人の脳の配線、なんでこんなに混線してるんだろう。 ゴロゴロ転がりまくる四代目を眼下に見つめながら、カカシは大仰に溜息を吐いて肩をすくめる。 「……センセ。いったい何がどういう繋がりをもってしてそういう発想に至ったかは知りませんが、夢だったんでショ、結局。」 「……でもリアルだったんだ、凄く」 転がる事はやめず呟く四代目。もはや高台の上には草木の姿など見当たらず、ただ茶色い地肌がむき出しになっている。 さっきまでの森林破壊よりはまだマシか……とカカシは考えた。 「リアルだった。滅茶苦茶リアルだった!顔を真っ赤にしたナル君の毛穴まではっきり思い出せるほどリアルだった!!」 「うわー、引く」 言葉どおり、カカシは四代目から後退った。しかし、地面を縦横無尽に転がり続ける四代目はすぐにカカシとの距離を縮める。 カカシは足にぶつかりそうな四代目を何度も飛び越え、 「だいたいですね、被害妄想もいい加減にしといてくださいヨ。あれですよ、センセはなんだか俺を変態に仕立て上げたいみたいに見えますよ?いくら俺でも四歳児に欲情はしません。――――まぁ、確かにナルトを可愛いと思った事はありますよ。このまま成長していったら、そりゃあもう震い付きたくなるようなコになるだろうなぁとか。光源氏ってこんな心境だったのかなぁとか、考えた事はあり――――」 怒気。否、殺気。 瞬間的に感じた冷たい気の刃に、カカシはとっさに後ろへ飛んだ。 今まで自分がいた場所に、無数の手裏剣が的確に突き刺さっている。 カカシは息を呑む。殺気の出所は、今まで地面を転がっていたはずの四代目からだった。 立ち上がってはいるものの、俯いているのと逆光のせいで表情は見えない。 だが、四代目の体から立ち昇る殺意は陽炎のようにその影を揺らしている。 カカシは悟った。 言い過ぎた――――そして気付くのが遅すぎた。 四代目が、幽鬼のようにゆらりと揺らめきながら面を上げる。 冷酷すぎるほど冷静に、四代目は――――かつて"木の葉の黄色い閃光"と呼ばれていた頃の顔で、極言した。 「災いの芽は早めに摘んでおかなきゃ」 ――――生物の本能のままに。何より生き延びるために。呟きを最後まで聞く前に、カカシは疾風となる。 捕まれば死。逃げ延びても地獄。 後々、悪夢としてカカシを苦しめる事となるDeadoOrALiVeの第二幕は、こうして切って落とされた――――。 |
あとがき
五周年連続更新企画作品。
ちょっぴり。こころもち、カカナル要素投入(笑)
格好いい四代目をお捜しの方、ごめんなさい。
私、こういう四代目しか書けなくなってるみたいです。
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