怒涛の学園祭
〜前日〜
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―――天高く馬肥ゆる秋。 街中で言えば間違いなく殺気だった乙女たちから死の制裁を受けそうな言葉がよく似合う今日この頃。 クロード達の通う学校、星海学園では世の例に漏れず学園祭が開かれる事となった。 普段は閉じられている学校の門もその日は完全オープン。 誰もが自由に出入りできるようになっている。 生徒たちも何週間も前から楽しみにしている。 そのために今日まで勉強や倶楽部の時間を削って準備してきたのだ。 ・・・その中に教師や最上級生まで居るのはどうかと思うが。 まあ、とにかく、小・中・高等部総てが三日間をあげてのお祭り、「翔星祭」が幕をあげる・・・ 「よし、こんなもんかな?」 クロードは持っていた花瓶をテーブルにセットし終え満足そうに頷いた。 いけられているのは淡いピンクのつぼみをつけた薔薇とひそやかに咲くカスミソウ。 園芸部の好意により提供してもらったものである。 「レナ〜、こっち終わったよ〜」 「そう、じゃあ、しばらく休憩してて」 奥の臨時に設置された調理場から顔を出したレナはそう言うとすぐに引っ込んでいってしまった。 クロード達のクラスの催し物は学園祭の定番、喫茶店。 他にも出展しているクラスが結構ある。 が、このクラスが他のクラスと違うところは、出される料理全てが手作りで、内装もかなり乙女チックだというところか。 しかもそれが半端じゃない。 窓にはレースのカーテンが取り付けられ、真っ白な木製のテーブルや椅子。 そのテーブル総てに淡いピンク色したレース仕立てのクロスと小さな花瓶。 あちこちには熊やら兎やらのぬいぐるみが置かれている。 ピンクと白の洪水で目がおかしくなりそう。 乙女チックもここまで来ればたいしたもんだ。 ちなみに内装のキャスティングは総てレナを筆頭にクラスの女子が担当したといえば納得していただけるだろうか? (入るのって絶対中学生以下の女の子だけだろうな〜) クロードは飾り立てられた部屋を見て思った。 男性で一人この中に入れる勇気のあるものが居れば賞賛したい。 「それじゃ、ちょっと散歩してくるね」 そう言いながら、クロードは戦場と化しているクラスを出て行った。 クラスを出てはみたものの、周りのクラスもさして代わり映えしない。 明日の準備に追われている。 あたりのクラスからはわいわいと忙しそうな、でも楽しそうな声が廊下まで響いてきてる。 おもわずうきうきとした気分が伝染してきそうだ。 (明日、楽しみだなぁ) クロードはうっすらと頬を綻ばせた。 ―――その翌日が大変な騒動になるとも知らずに・・・ |
あとがき
中途半端なところで次に続く(爆)
次はディアスとかアシュトンとかちゃんと出します。ええ、ちゃんと。
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