恋愛談義

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「ねぇ、レナ、最近クロードと上手くいってますの?」



宵闇の迫り始めた夕食前。
セリーヌは部屋に入るなり切り出した。
「な、なななななななな何を突然!!??」
わたわたと慌てるレナにセリーヌは、
「落ち着きなさいな、そんなどもらなくてもよろしいでしょう?」
「ヘッ、あ、いや、だって・・・」
ごもごもと口の中で言って俯くレナ。
尖った耳の端まで真っ赤に染まっている。
そんな可愛らしい様子をみてセリーヌは微笑し、それからゆっくりと息を吐いた。


「あのぅ、いきなりどうしたんですか・・・?」
ようやく顔を上げ、レナは言った。
まだ目の端がうっすらと赤い。
「ちょっと、色々とありましてね・・・」
「ディアスの事ですか?」
言うとセリーヌは肩を落とし、特大の溜息をついた。
「そのとおりですわ」
「あのぅ、ディアスが何かしたんですか?」
幼馴染として訊いておかねばなるまい。
もし何か変なことしたんなら今日最高レベルになったプレスの餌食にしてやろう。
そんな物騒な事を考えていたレナだったが、次の答えは予想外だった。
「何もないから不満なんですわ」
「・・・ふへ?」
思わず首をしめられた鶏みたいな声を出す。
何も無いから不満とは?
「二人っきりになっても手も握らない、キスもしない。これって付き合ってるって言うのかしら?」
「それ、わかります!!」
意気込んでいったレナは、セリーヌのびっくりした顔に、はっと我に帰った。
やっと元通りになった顔色が又赤くなる。

「えと、だって、クロードも・・・同じ・・・だし、手握ったのだって・・・その、戦闘から逃げたとき以来・・・二ヶ月も・・・」
もじもじと組んだ手を擦りながら、小声で告白する。
後の方になるともう小声すぎて、何を言っているのかわからなかった。
「クロードも奥手ですわねぇ〜」
呆れたような、感心したような声音だった。
「じゃあキスもまだ?」
「キス位しました!!・・・あっ」
口を手で覆ってみたが時既に遅し。
にやにやとセリーヌの目が笑っている。
「ま、やる事はやってますのね」
「せ、セリーヌさんのほうこそちゃんと、その、え・・・と・・・」
「キス位ならしましたわ」
残念ながらその先はまだですけど。
しれっとそう言い放つ。
「ねぇ、レナ。ディアスは私の事本当に好きなのかしら?」
セリーヌの目が不安に揺れる。
「告白したのも私から、キスを誘ったのも私から。ひょっとしてディアスはしょうがなく私と付き合っているだけじゃないのかしら・・・」
強気なセリーヌの見せた初めての弱気。
普段の彼女を知るものにはやや信じられない光景だ。

その様子を黙ってみていたレナはやがて、
「・・・そんな事ないと思います」
きっぱりと言った。
「私、昔からディアスの事知っています。そりゃ、しばらく離れていたから知らないこともあるけど、ディアスは昔とちっとも変わってません」
「・・・そう?」
「はい。きっとディアスはセリーヌさんのことが大事なんです。凄く大事で、なくしたくなくて、壊したくなくて。だから触れられないんだと思います」
力強い言葉でレナは続ける。
「ずっと人と関わる事を避けていたから、どうやって接すればいいか分からないだけです。下手に触れば、傷つけるかもしれないからって・・・」
「私はそんなに軟じゃありませんわ」
「そうですよね。じゃあ、もうちょっと待っててあげて下さい。きっと、分かってくると思うから・・・」
「そう・・・そうね」
セリーヌは笑うと、
「ありがとう。おかげで気が楽になりましたわ」
「いえいえ。これくらいだったらいくらでも相談にのりますから」
「それにしても、本当によくディアスの事をわかってますわね」
「だって私、ディアスの『妹』ですから」
得意げに胸をそらすレナ。
しばらく見詰め合っていた二人は、やがて同時に吹き出した。
「さ、じゃあ次はレナの番ですわよ。クロードとの事、きっちり聞かせてもらいますからね!」
「ええ、そんなぁ!?」
―――女同士のおしゃべりは、夕食の呼び出しが掛かるまで止らなかった。





「「へっくしょん!!」」
同時にくしゃみをして、クロードとディアスは顔を見合わせた。
「・・・風邪か?」
「う〜ん、そうみたい・・・」
ぐすりと鼻をすすり上げると、
「さ、ディアスもう一勝負!!」
「望むところだ」
たちまち森の中に響く剣劇の音。
くしゃみの原因がよもやそれぞれの恋人とは・・・
―――知らぬは恋人≪ダンナ≫ばかりなり

あとがき

13000自爆企画
クロレナ&ディセリ・・・のつもり。
だう、ダーリンズ(笑)の出番が少ないよう・・・
SO2男性陣(ボーマン氏除く)って絶対奥手なイメージがあるんですよね。
手を出しそうで出さない。
でもそれってよ〜ク考えるとヘタレっぽくないか?
あううぅぅぅ〜〜〜・・・

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