恋愛の定義

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「人はどうして恋をするのでしょうねぇ・・・」
グラスに残ったワインを飲み干しながらセリーヌは言った。


「・・・どうしたんだ、突然」
「いえ、ちょっと考えていた事ですわ」
ディアスに聞き返され、セリーヌはぼんやりとした目を向けた。
酔いが回り始めているのか、その頬はうっすらと赤い。



「恋をしたところでいったい何の利益があるのかしらと思いまして」
「愚問だな」
ショートグラスにウィスキーを注ぎながらディアスが言う。



「考えたところで答えの出る問題ではないだろう」
「あら、貴方も私と同じ事を考えた事がありまして?」
探るような目でディアスを見つめる。



「そんな下らん事、考えようとも思わんな」
ディアスが視線をそらす。
「くだらない事、では無いと思いますけど」
自らの手でワインをグラスへ注ぐ。
赤い液体が揺らめき、光を反射してテーブルの上に幻影を作る。



「だって、人は必ず恋に落ちるもの。ではどうして恋になど落ちるのかしら?なぜ神は人に恋などと言う感情を与えたのかしら?そしてそれに意味などあるのかしら?・・・考えれば考えるほど興味深い問題ですわ」
「それで?考えて、答えは出たのか?」
ディアスが飲み干したグラスをもてあそびながら言う。
グラスをテーブルに置くと、溶けかけた氷がからりと鳴った。



「まだですわ」
とろりと笑うと、グラスを置いてディアスに近付き、そのまま膝の上に乗る。
「これから見つけますの。ご協力頂けるかしら?」
「構わない」

互いにくすくすと笑いながら目を閉じる。

ライトの淡い光を浴び、作られた影が重なる。




―――重なった恋人の唇は、甘い蠱惑の味がした。

あとがき

とにかくディセリが書きたくなっただけ。
そのためかなり短いです。
まさにショート・ショート。
ネタだしから書上げまで一時間とかかっていません。
大人な雰囲気が出したかったのですが・・・
だめかー。
だめだろーなー、これじゃ(汗)

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