バトルしましょ☆
〜女性陣編〜

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「じゃー、この辺で自由行動にしようか」
ファンシティ入り口。
クロードが振り返りながら確認する。
ナールからファンシティのパス、N・P・I・Dをもらったクロード達は
只という事を幸いに、今日一日独自のお休みを設けたのだ。
すなわち、『今日一日世界の命運なんてすっぱり忘れてリフレッシュしよう!』と言うこと。
『いいのかそれで!この切羽詰った状況ですっぱり忘れてていいんかい!!』
などという突っ込みもごもっともだが、そこはクロードたちも一応(?)普通の人間。
息抜きや休息だって必要である。
まぁ、本当に休めるかどうかははなはだ疑問なのだが・・・



「クロード!」
早速行動を起こしたのはパーティの中でも一番積極的なプリシスだった。
「なんだい?」
「一緒にファンシティまわんない?あたし一人じゃ迷っちゃいそうだしー」
クロードの腕にまとわりつきながらきらきらと期待に満ちたまなざしを向ける。
「そうだね・・・」
視線を受けながら少し思案する。
本当は闘技場にでも行って見ようかと思っていたが、プリシスに迷子になられるのも困る。
(それにプリシスは妹みたいなものだしな)
・・・残念ながら彼女の日々の努力はあまり報われていないらしい。
「そうだね、じゃあ一緒に・・・」
「クロード!」
ぐぃぃ!っといきなり首根っこを引っつかまれ後ろに倒れこむ。
「な、何?レナ」
「へっ、あ、あの・・・」
とっさにしてしまった自分の行動にレナは顔を赤くした。
「えーっとね、あのぉ、そう!買い物!お買い物付き合ってほしいの!」
どこの世界に遊園地に来てまで遊ばずに買い物をする物好きがいるだろう。
だが、そんな事に気が付かないクロードは、
「そうだね、荷物持ちは必要だろうし・・・。プリシス!」
あっさり納得すると、くるりとプリシスの方を振り向き、
「そういう訳だから、他の誰か誘ってくれないかな」
「えー!!」
当然プリシスは納得行かない様子で、
「あたしが先にクロード誘ったのにぃ!」
クロードの腕に纏わりついたまま離れようとしない。
「プリシス・・・今度ちゃんと埋め合わせするから・・・」
「いや!今じゃなきゃ絶対にいや!!」
進言するも駄々っ子となったプリシスは聞く耳を持たない。
「絶対いっしょに行く―――!!」



そんな三人を遠くから見守る・・・というか、観察している人影一つ。
(ああもう、ハッキリしてよ!)
熱血女記者、チサト=マディソンその人である。
(『勇者一行の休日密着取材!』って銘打って記事にしようと思ってるのに〜!
さっさと決めてくれないと入園時間終わっちゃうわ!)
書きかけのメモ帳が手の中でぐしゃりと潰れた。
自分が間に入ってこの無益な争いを止めようとは思わないらしい。
(いっそのこと『激写!!光の勇者を巡る三角関係!?』とかに代えてやろうかしら)
・・・仲間をネタにしてあなたの良心は痛まないのですか?
いつまでも進展せぬ三人に、本気で記事差し替えてやろーかとチサトが思い始めた、その時である。



「ねぇクロード」
今まで気配も感じさせていなかったセリーヌが、いとも優美にクロードの腕へ手をかけた。

「今日は私とデートしません?」
「えっ!」
「なっ!」
「ちょっと!」
全員が目を剥く。


「デ、デートって・・・」
「もちろん行ってくださるわよね?」
にこりと笑いながら腕を絡める。
当然さっきから言い争っているレナとプリシスは面白くない。
「だめぇ!クロードは私と行くんだから!!」
「クロードは私とお買い物に行くんです!だからセリーヌさんと一緒なんてだめですっ!」
其々叫ぶ。
だが、セリーヌの方が一枚上手だった。


「プリシス、貴方中に入ると迷子になりそうだからクロードと一緒に行きたいんですわよね?」
「そ、そうだよ」
本当はデートしたいからなんだけど・・・
喉まで出た言葉をぐっと抑える。
「レナはお買い物の荷物持ちが欲しいんですわよね?」
「え、ええ・・・」
本当はクロードとプリシスを二人だけにしたくないだけなんだけど・・・
云えない言葉が頭の中で反響する。



するとセリーヌはさっきと同じ様ににこりと笑うと、
「ならレナとプリシス。二人がいっしょに行動すればよいのですわ」

「えええっ〜〜〜!!!」

予期せぬ云葉に二人は同時に声を上げた。
それはそうだ。
ついさっきまで言い争っていたのにどうして・・・?
二人の顔色を読み取るかのようにセリーヌは続けた。



「レナがお買い物を済ませたあとその荷物を宿に預けて、それからプリシスと一緒に園内を回ればよろしいんじゃなくて?」
確かにそれなら二人の要望はとおる。
正にグッドアイデア。
「で、でも・・・」
まだ何か言いたそうな二人を尻目に、
「さぁ、クロード参りましょう」
「は、はぁ・・・」
クロードは半場押し切られるような形で、セリーヌと共にファンシティの門を潜った。

「そんなぁ・・・」
後に残されたのは呆然と二人の背中を見送る乙女二人と、
(よぉっし!密着取材開始よ!!)
仕事に燃える熱血記者だけであった。


本日の教訓(?)
押し切った方が勝ち!・・・かな?

あとがき

クロード情けない・・・そんなんでいいのかよ主人公。
テンポ悪く仕上がっちゃいましたね・・・
本当はチサトさん一人勝ち!にしようと思ったんですが、
セリーヌさん一人勝ち!になっちゃいましたね。
オペラさんが出ていないのはやっぱりエルとラブラブ(笑)の方がいいから。

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