明光

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大好きな人がいます。
言葉じゃ言えない位、
大好きな人。
取り込まれた闇から救い出してくれた。
誰も掴まない手を、笑顔を共に握り締めてくれた。
壊れ堕ちそうな躯を抱きしめてくれた。


そんな、僕の光・・・・・・






「レ〜オン」
振ってきたのんきな声に、レオンは読んでいた本から視線をはずし、顔を上げた。
「何だ、クロードお兄ちゃんか」
そこには、隣から屈みこむようにして立っているクロードがいた。
「何だ、はないだろ?」
「・・・何か用なの?」
再び本に視線を戻す。
「いや、別にこれといって用事はないんだけど・・・」
苦笑しながらクロードは、レオンの隣に腰掛けた。
「座っていいとは言ってないよ」
「木陰に座るのに、誰かの許可が要るのかい?」
「別に要らないけど・・・」
「じゃ、いいじゃないか」
「・・・勝手にしてよ」
「そうする♪」
諦めたレオンは、それから黙り込んでしまった。

さわさわと髪を跳ね上げる風。
暖かな陽気。
何処かで鳥の鳴く声も聞こえる。

最近過ごした事もないような、のんびりした時間。

「・・・なぁ、レオン」
クロードが口を開いた。
反応はない。
「お前、無理してないか?」
その言葉に、レオンの指はピクリと震えた。
「ほら、さっきの戦闘の時さ、怪我してたのに、何にも言わなかったろ?」
言葉を選ぶように、ゆっくりと喋る。
「あの、怪我したときは、レナに治してもらった方が・・・」
「なんでそんな事言うの」
「えっ?」
「どうしていちいちそんな事言わなきゃいけないの?別に、怪我したって放っておいてくれればいいじゃないか。
なんで、なんで・・・」
声が、震える。
「僕にかまうんだよ・・・」
「レオン・・・」
ひざを抱え、本に突っ伏してしまった。
幼い肩が小刻みに揺れる。
「・・・どうしてかな」
クロードはレオンの肩に、そっと手を置いた。
置いた瞬間、びくりと肩は震えたが、その手を取り払おうとはしなかった。
「多分、君は僕と同じだからだよ」
その言葉に、レオンははっと顔を上げた。
そこには、やさしい表情のクロードがいた。


少し前まで、周りの期待にこたえようと必死だった。
『英雄の息子』は甘えてはいけない。倒れてはいけない。
そして、その通りに演じてみせる。
強い強迫観念。それに逆らう事も出来ない弱さ。
いつしか殻を作る事を覚えた。
けれど、ヒビの入った殼ではうまく護りきるなんて出来くて・・・

そんな時、レナ達と出会った。
初めて感じた戸惑い。
『どうして』
―――どうして"僕"に優しくしてくれるんだろう?
戸惑いはやがて安堵に変わる。
少しずつ、けれど確実に殻は零れ落ちていった。


「痛かったら痛いって、そういえばいい。我慢する事なんてないんだよ」
この子はまだ、甘えるということを知らないだけ。
「だって、そのために僕らが要るんだからさ」
「お兄ちゃん・・・」
今はまだ、ゆっくりとこの子の殻を壊してゆこう・・・

「じゃ、僕向こう行くね。読書中邪魔してごめん」
そう言い残し、立ち去ってゆくクロードの背中にレオンは、
「・・・・・・ありがとう」
聞こえぬほどの声でそういった。







―――大好きな人がいます。
言葉じゃ言えない位、
大好きな人。
いつかこの旅が終わったら、ちゃんと伝えようと思う。

ありがとう。
貴方がいたから、
僕はここに立っていられます・・・

あとがき

キリ番222番有難うございます。

って、リク内容完ッ璧無視!?
クロレオっつーより、クロードとレオンが出てるっていうだけ!?
内容も訳分からん!
何よりタイトルセンスまったく無し!(いっそ無題で通そうかと思ったほど)

ホントにこんなんでよかったらお納めください・・・。

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