Be my Baby?
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ハァ・・・ うっすらと開かれた唇から熱い息が漏れる。 形のよい顎を伝い、汗が落ちる。 ハァ・・・ 焦点の定まらぬ眼が朧げな視線を空に送る。 ハァ・・・ ハァ・・・ ハァ・・・ 限界を超えた体は思うように動かない。 覚えのある気だるさが躯を襲う。 荒い息を繰り返す少年を、青髪の青年はただ見つめつづけていた・・・ と、ここまで見て何か誤解してはいけない。 「ディ、ディアス・・・ちょっと休憩しよう・・・」 「仕方が無いな」 二人はただ剣術の稽古をしていただけなのだから。 「ふぇ〜〜〜・・・」 近くの木の陰にへたり込んだクロードは大仰に息を吐いた。 「まだ始めて30分だぞ」 ディアスが呆れるように言う。 「ディアスは手加減なしじゃないか」 「当然だ、稽古とはいえ手を抜くわけには行かない」 「ディアスってば変なとこで生真面目だよね」 くすくすと楽しそうに声を漏らすクロードを見て、ディアスは内心の動揺を隠すのに必死だった。 いつからだろう。 不覚にも気が付いてしまった自分の気持ち。 最初はただ、幼馴染に引っ付いている人間というだけだったのに。 『あいつは時々俺より孤独に見える』 そのことに気が付いてからか。 目の前の存在を特別な目で見るようになったのは・・・ 自分の想いに気が付いてしばらく経ち、ディアスはもう一つの事に気付いた。 それは幼馴染が、自分と同じ目でクロードを見ている事実に、だ。 さらに周りを見れば、なんとほとんどの人間が自分達と同じだった。 つまり・・・クロードは歩く誘蛾灯なのだ。 その危うげな魅力(?)に味方どころか、敵の十賢者にまでファンはいるらしい。 だが、持ち前の鈍感さ&天然っぷりが幸いしてか、 クロード自身は今のところ周りの想いに気付きもしない。 それが非常に歯がゆくもあり、又、安心できる状態でもあった。 自分の気持ちに気付いて以来、ディアスはなるべくクロードと二人っきりになれるようにしている。 まずは意識してもらわなければ意味が無い。 それがディアスの『精一杯』だった。 だがその成果はどうだ。 人気の無い森の中に誘っても、嫌な顔一つせずついて来る。 無防備だ あまりにも無防備すぎる。 (これがボーマンだったらどうするんだ!!) ものすごく失礼なようだが、彼のボーマンに対する認識とはそんなものなのである。 「ディアス?」 きょとん、とこちらを覗き込んでくるクロードに、 ディアスは一瞬首を絞めたくなるような危険な衝動に駆られた。 「ディアスってば!」 いらいらする。 「どうしたんだ?」 もどかしい。 「・・・ねぇ」 どうしてなんだ・・・ 「やっぱり」 どうして 「疲れちゃった?」 ――――――こんなに狂おしいほどの想いは伝わらない? 「ディ・・・ア・・・!」 ――――気が付けば、二人は唇を重ね合わせていた。 二人の周りだけ時が止まる。 そよぐ風だけが時の経過を伝えていた。 永遠とも取れる刹那。 ディアスがやっと離れた。 クロードの顔は火を噴きそうなほど赤い。 その表情にディアスは微笑を浮かべた。 「・・・じょ、」 しばらくの沈黙の後、クロードは驚愕すべき言葉を吐いた。 「冗談が過ぎるぞ、ディアス!い、いくら僕がスキだらけだからってからかうこと無いだろ!! 僕だって女の子じゃないんだから、これぐらいの事で驚いたりするもんかい!!」 ・・・からかわれたと思い込んで、喚き立てるクロードの隣では、 (・・・だったら毎日でもキスしたろかい) 涙に暮れるディアスの姿があった・・・ |
あとがき
他の人より遅くなってしまいましたが、キリ番50番有難うございます。
・・・なんですか、こりは。
天然クロード通り越して、犯罪級ニブチンクロード・・・
しかもシリアスかギャグかわかんないし・・・
言葉のボキャブラリーも少ない。
そしていつも通りタイトルセンスまったく無し。
・・・ああ、もうこれ以上語るの嫌だ。
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