うらのおと ご訪問御礼

おとなのための男同士の恋愛小咄
18 歳未満の方はお戻りください






おれらも 50 を越しましたが、まだここの看板やってていいですか、てか、いつまでやらせんねん


瀬那「いつもお忙しいなかご訪問いただき、まことにありがとうございます。いつの間にやらおれらも五十路になってしまいましたが、今後ともどうぞよろしくお願いいたします」

里哉「ご訪問ありがとうございます。ていうか、なんで四十代思いっくそ飛び越えて、五十代になってしもてんの、おれら……」

瀬那「そりゃ、おとなの事情ってやつで。でもま、イレギュラーでしょ。次回更新時にはたぶん、元のアラフォーに戻ると思うで」

里哉「ほんまけ」

瀬那「そんなわけで今回のご訪問御礼は、特例として、五十代バージョンの里哉とおれとでお届けします。やー、歳とって、おれらもいろいろ変わりましたねー。未来編ではその辺、ばすっと省略されてたんで、ちょっと語ってみる? 五十代になって、アラフォー時代のおれらとは大きく変わったとことか。なんかある? 里哉」

里哉「うーん。役職?」

瀬那「それについては本編で紹介済みやな。あんたもエライ人になったもんやねー」

里哉「こんなことになるとか、全然思てへんかったよ、おれ…… もっと向いてはる人たくさんいてはったのに。市橋さんとか」

瀬那「あんたの場合、美原さんの強力プッシュがあったからな。あれに反対する人はいてへんでしょ」

里哉「てか、美原マネージャーの時代、もっと長く続くと思てた、おれ」

瀬那「ま、美原さんはじめ、みなさまのご期待に添うように、きりきり働いてくださーい」

里哉「ん。あんたも」

瀬那「おれの役職は、普通に妥当。洞口部長の定年で順繰りに繰り上がっただけの、年功序列やからな。で、お問い合わせの多かった美原さんについてー。未来編で登場シーンのなかった美原さんは、いったい何をしてはるの、ってあたりですがー」

里哉「はい。美原さんは現在、社内で、社長の次にエライ人になってはります」

瀬那「代替わりしたいまの社長はお飾りみたいなもんやから、実質上、うちのトップやな」

里哉「フロアではおれのサブになってくれてはるんやけど。もっと正確に言うと、サブっていうよか、お目付役……」

瀬那「あんたは一生、美原さんの手下ってわけやな」

里哉「手下って言うな。似たようなもんやけど」

瀬那「他に大きく変わったところと言うとー」

里哉「……見た目……?」

瀬那「やー。おれらも歳とったね」

里哉「精神的に成長してる気は全然せーへんのになー」

瀬那「あんたの額は成長してるで」

里哉「そこ、成長って言うな!」

瀬那「広なってきたでこも、これはこれで可愛い。前髪も短なって、額にキスしやすなったな」

里哉「……そういう問題なんか……?」

瀬那「おれのほうの髪の毛は、白くなりつつある最中。元が真っ黒やったから、けっこ目立つかな。そんなわけで、若いころより全体的に髪を短くしました。ど?」

里哉「ん。なんかええ感じと思う。おれ、いまのあんたの髪の毛も好っきゃよ。できたら染めたりせんとってな」

瀬那「可愛い我が儘言うやっちゃなー」

里哉「……可愛い、のか……?」

瀬那「あとは普通に腹が出てきたりとかしてます。な」

里哉「おれらふたりとも、身体鍛えてへんからな……」

瀬那「大して太ったわけやないのに、腹だけ出てくるっつーのはどういうわけなんかね」

里哉「自然の摂理っしょ」

瀬那「あんたなんか痩せてるまんまやのに、なんでこう腹だけ……」

里哉「触らんとって……」

瀬那「あと、変わったところと言えば、三十代のころより確実に勃ちが悪くなりましてですねー」

里哉「……そんなことも話すんですか……」

瀬那「や、みなさまがいちばんご興味のあるとこは、ここやないかと」

里哉「……そうなのか……」

瀬那「回数減ったよな」

里哉「んー。そ、かな」

瀬那「インサートの回数は確実に減った。これについては主にあんたのほうの理由やけど」

里哉「次の日の響き具合が半端やなくなってきたからな、おれ……」

瀬那「そんなわけで最近は大体バニラ。頂点まで結構時間かかるようになったから、それはそれで楽しめる。な、里哉ジュニア?」

里哉「……そこも触らんとって……」

瀬那「こやって撫でるぐらいでは、簡単に反応せーへんようになったよな」

里哉「あっ、ちょっ! 触んな言うてるやんけ!」

瀬那「でも、あんたの勘所はもう大体わかってるから、あおってから焦らすのが楽しい」

里哉「あんたはそういうやっちゃよ…… 回数自体は減ってるけど、しつこさは年々増してる感じする……」

瀬那「しつこい言うな。長く楽しめるテクがついてきたということにしときなさい。そもそも、完勃ちするまでに結構時間かかるようになってきてるっつー、幾分哀しい理由もありますが」

里哉「あー、そういうのは、なんていうか…… ぶっちゃけ、触ってるうちにめんどくなってきて、そのままやめてしもたりすることもあったりするよな……」

瀬那「いちゃいちゃしてるだけで、結構楽しいけどな、おれは」

里哉「そりゃお互いさま」

瀬那「なんか新しい刺激が欲しかったりするか?」

里哉「これ以上奇をてらうようなのはやめてください…… おれももう体力ないのよー」

瀬那「おれも若いころほど無茶はきかんから、その辺もお互いさまやな。里哉、こっそりソロ活動やってたりする?」

里哉「……やってる言うたら、あんた、怒んねやろ」

瀬那「せやって、もったいないやんけ。少ない機会は共有して有効活用すべし」

里哉「少ない機会…… なんていうか、その辺、ほんま歳感じる。その気になる機会はそれなりにあんのに、身体がついてこーへんかったりするときが増えてきてるっつーか……」

瀬那「どっちかだけがイって、それで終わりっつーこともちょこちょこあるもんな」

里哉「あー、あるな、そういうのも……」

瀬那「不満か?」

里哉「……あんたがおれに?」

瀬那「や、それはない」

里哉「おれもあらへんよ。基本的になんて言うか……触れ合ってるだけで気持ちええっていうか…… それでもあんた、獣になるときは獣やけど」

瀬那「それもお互いさま。てか、せやな、どっちかだけがやけに盛るときってのはあるよな。盛る回数はどっちのほうが多いかな…… 半々ぐらい? おれのほうが多め?」

里哉「うーん……あんたのほうが若干多め……? おれ、仕事で体力削られまくって、それどころやなくなってる日が、あんたに比べたら、多いからな……」

瀬那「ものっそ物理的理由やな」

里哉「おう。物理的理由ですよ。精神的には半々ぐらいと思うねんけど…… そーでもない……?」

瀬那「物理的には無理やけど、精神的にはおれが欲しいってことか? じゃ、あれか、里哉はもう、ハグとキスで事足りる感じやったり?」

里哉「うーん。普段は確かにそんな感じ」

瀬那「それ以上のことはもう要らんか? 枯れた?」

里哉「枯れたて言うな…… もう要らんとかはあらへんよ。やっぱときどきは……がっつりやりましょーよ……」

瀬那「えーねー。もちょっと色っぽく言うてみて、それ」

里哉「……あとで。ふたりだけになったときにな」

瀬那「相変わらず、人前では恥ずかしがりなことで」

里哉「つか、歳くってますます恥ずかしいわ! あー、おほん。そんな感じで暮らしとりますです。はい」

瀬那「平穏無事な生活送ってるよなー、おれらも。ほんま刺激がない日々ですこと」

里哉「この歳になってから、もう刺激は要りません…… あんたは欲しーのか?」

瀬那「刺激がないのが良い刺激ってこともある」

里哉「意味がわかりません」

瀬那「あんたとずっと一緒に暮らしてるってだけで、おれは満足ってことよ」

里哉「それも当然お互いさま。愛してますよ」

瀬那「もちろんおれもですよ。せやけど、この歳になってもこのサイトの看板はることになるとか、初登場のときは夢にも思わんかったね」

里哉「初登場時、30 歳かー。それから作中時間、20 年以上経ってんねんもんな……」

瀬那「おれ、最初期構想段階では、当て馬設定やったからな。第一稿執筆途中に、あんたがおれにぽやんとなってくれたおかげで、設定立て直してもろて、あんたの相方にさせてもろて、えーらい出世させてもらいましたよ。感謝な、里哉」

里哉「どういたしまして。ていうか、最初期構想のまんま、おれの相方がシオやったとしたら、いろんな意味でここまで続いてへんのとちゃうかとか」

瀬那「あー、そーね。てか、そしたら、おれとシバとがうまくいく話とかもあったかもしれへんねんな…… あ、ちょっと残念かも……」

里哉「……残念……?」

瀬那「あー。……ごめん、ちょっと本音が出た…… わ、待て、怒んな!」

里哉「もうええし。小柴くんがあんたにとって特別なんは、もうようよう知ってるし」

瀬那「拗ねるなよー。おれはあんたとこうやって一緒にいられんのがいちばんなんやて」

里哉「そーですか。もちろんおれもですよ。でもまー、おれらの話自体も、こんなに続く予定ではなかったという話ですが」

瀬那「つまるところ、ここまでたどり着いたのも全部、ずうっとおれらの登場をプッシュし続けてくださった、みなさまのおかげ」

里哉「そういうことです。ありがとうございます、みなさま」

瀬那「今後ともご贔屓に、どうぞよろしくお願いいたします」

里哉「お願いいたします。今後ともご贔屓に……? て、まだおれらの話は続く予定なんか?」

瀬那「萌えの神さまだけがご存じです」

里哉「おれ、もうしんどい目にあいたないよ……」

瀬那「その辺も萌えの神さま次第やな」

里哉「おれ、通りすがりの脇役希望。そんな感じで、次にお会いするときには、えーと……またアラフォーに戻ってんのか……」

瀬那「そーなるんちゃうかなーと。ま、あちこち時間旅行しながら、前に進んでいこうやないの」

里哉「それって、一生?」

瀬那「もちろん一生」

里哉「一緒に?」

瀬那「もちろん一緒に。この先もずうっとおつきあいを頼みますぜ、里哉ちゃん」

里哉「こちらこそ。最期の瞬間まで、一緒にお願いしますよ」

瀬那「了解ですよ。てなわけで幕引きですよー。今回のお仕事はこれで終わり、っと。さ、里哉ちゃん、こっからはプライベートってことで、寝室にしけ込んで、愛を確かめ合いましょーか。てか、やらして」

里哉「……なんで急激に生き生きしてんの、あんた…… 獣の日なんか、今日……?」

瀬那「五十代バージョン形態になってるあいだに、やれるだけやる。たぶんもう、こんな機会は多ない。いまのうちに」

里哉「……なんか今回、ものごっつぃメタな調子で話が進んでるな……」

瀬那「勃ちの悪いあんたの身体を、思う存分味わわせてくれ。あと、ハリのなくなったあんたの肌も」

里哉「……その言われようは、なんかすっげー嫌…… もうちょっとええ言い方してくれよー」

瀬那「おれと一緒に歳とってくれたあんたが愛しい」

里哉「……そ、れは……うん。おれも、ですよ……」

瀬那「あんたが全部欲しいよ、おれ。一緒に過ごした時間分、全部」

里哉「……やるよ、全部」

瀬那「ふたりだけになったら、色っぽく誘ってくれる約束、果たせよ、里哉」

里哉「ん。めいっぱい、がんばりますとも」

瀬那「おう。期待してますぜ?」

里哉「……なんか、ラブラブ? おれら」

瀬那「永遠にラブラブがおれらの任務ですよ」

里哉「任務かー。おれらいったい何歳になったら引退できんのかね……」

瀬那「このサイトに定年があると思うか?」

里哉「就業規則を見せてもろたことはないな…… えー? そろそろ若い子ぉらにバトンタッチする頃合いちゃうんー」

瀬那「若い奴らもそれなりにいてるはずなんやけどなー。なかなか代替わりできんな。けど、まー、おれはこの位置、結構気に入ってますよ」

里哉「なんで」

瀬那「あっちこっちに出演できて、おいしいから。おかげであんたといちゃいちゃできる機会も多いし」

里哉「……代替わりする気なんか、そもそもさらさらあらへんやろ、おまえ……」

瀬那「なんのことかなー。さ、ラブラブ任務をさくさくっと遂行しに行くで、里哉」

里哉「……そーか。おれがいつまで経っても引退できひんのは、一義的にあんたが原因なんやな……」

瀬那「あんたとおれとはセット販売やから、諦めてくれ」

里哉「誰が決めてん、それ」

瀬那「おれ」

里哉「……瀬那、おれ、思うんやけど、勇退する勇気も、この歳の人間として、そろそろ必要なことやないかなーとか…… おまえー、おれの意向もちょっとは聞けよー、おいー」

    ――暗転――


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