うらのおと ご訪問御礼

おとなのための男同士の恋愛小咄
18 歳未満の方はお戻りください






出張組を泣かせちゃうぞ♪


■ 20 代社会人組代表単品編

根岸「ご訪問御礼第 10 回記念ーーーーー!!!!! どんどんぱふぱふひゅーひゅーいぇー!」

名護「やかましい。フライングするな、根岸。まずはご挨拶やろ」

根岸「そうは言うても。こんな晴れの舞台、もう次いつあるかわからへんやん。おれらの出演って何年ぶり? 連載終了してからもうそろそろ 5 年ほど経ってんちゃうん。エンディングで時間凍結されたままもう 5 年近くー!」

名護「みなさま、相変わらずのあほ主人公ですみません。このあほのことはほっといてやってください。いつもご訪問いただきありがとうございます。おれたちへのプッシュもありがとうございます。おかげさまでこうして久しぶりに顔出しする機会も与えてもらい、感謝の念に堪えません」

根岸「……相変わらず、かたい……かたすぎるよ、名護…… こういうときはもっとばばーんと派手すぎるぐらいに盛り上げてちょうどええねん。おれらもう次いつ出てこられるかわからへんねんしー!」

名護「次の機会ねー。もうあらへんのとちゃうかな」

根岸「いきなり水差すなっ! おれらのらぶらぶ続編に対するリクエストもたんまり届いてんねんぞ。今ごろふたりでいちゃいちゃ暮らしてると思うんですけど、ぜひその様子を見てみたいですーとかいう嬉しいご要望までー!」

名護「ありがたい話やな。そういうわけで第 10 回記念です。今回は特例として、あのだらだら延々続いているシリーズ外のタイトルからの出張編です。そんなわけで、単品作品から出張要請されたのは、なんとおれらが初めてでございます。ありがたく思え、根岸」

根岸「そりゃ、それについてはありがたいと思うけど…… けど、そもそもおれら、いつまで経っても単品組から抜けられへんのはなんでやねんー。後続組でシリーズ化してる話かってあるやん。せやのになんでおれらはー!」

名護「おかげでおれらはありがたくも永遠の 28 歳。まあ、そういう存在がおってもかまへんやろ」

根岸「いちばん人気組とかもう 9 話目まで話進んでんのに…… 番外編とかもあるから、あの人らの話だけでもう 10 話軽く超えたりしてんのに…… なんでおれらはいつまで経っても単品組ー!」

名護「比べる相手が間違うてる。向こうに来てるリクエストとこっちに来てるリクエストは桁が違います」

根岸「……名護はおれといちゃいちゃしたないんか?」

名護「なんでそないなんねん」

根岸「続編化が進んだら、いちゃいちゃできる機会が増えんねんで。おれ、名護と、あーんなこともこーんなこともやりたい思てんのにー。名護はおれといちゃいちゃすんの、嫌なんか?」

名護「続編化が進んだら、しょーもないことで喧嘩させられたり、浮気されたり、過去のトラウマとか泥沼的家族背景とかほじくり返されて、痛い目にあう機会が山のように増えるで。根岸はそういうの希望か?」

根岸「あー。このおれに、過去のトラウマとか泥沼的家族背景とかがあるとでも?」

名護「……ないわな。要らんこと言うた。忘れろ」

根岸「……それとも、名護のほうにあるってこと?」

名護「ほじくるな」

根岸「悪かった。あー、でもなー。せめて名前呼びするとこまで話進めてほしいやん。エンディングまでたどりついてんのに双方苗字呼びって、おれらだけやん」

名護「希少価値があって良かろう。おかげで、おれら二人については、名前と苗字、どっちで呼んだらいいかわかりませんとかいう問い合わせがない。わかりやすいのもええことやろ」

根岸「おれにはときどき、海司って呼んでくれはる嬉しいメッセージが届きます。せやからおまえも名前で呼んでくれよー」

名護「なんでそんな浮ついたことせなあかんねん。根岸は根岸やろ」

根岸「海司って呼んでくれたら、名護のこともチカって呼んだるよ」

名護「やめてくれ……」

根岸「なんでー? 嬉しないー?」

名護「嬉しくない。おれは根岸に名護って呼ばれるの好きなんだよ。せやから……」

根岸「おれはチカって呼びたい」

名護「呼ばれたくない」

根岸「えー? じゃあ、誓志。な、それではあかん?」

名護「呼びたかったら呼べ。返事はせん」

根岸「えー? なんでー? こうおれたちにももうちょっと、桃色時間があってもええやんー」

名護「あ、そろそろ制限時間やな」

根岸「……何、それ」

名護「今回、10 回記念やから、このあとにも出演組が待ってて、あとがつかえてんだよ。おれらの時間はそろそろタイムリミット。バトンタッチするで。それではみなさま、今後もどうぞ当サイトをご贔屓に、よろしくお願いいたします」

根岸「え? ちょ、ちょっと待って。えー? ほぼ 5 年ぶりの登場で、おれらの見せ場こんだけかよー」

名護「ほい、退出退出」

根岸「うわーん。せめてキスぐらいさせろー」

名護「あとでする」

根岸「たっぷりさせろー」

名護「たっぷりする。ほれ、行け、根岸」

根岸「うん…… えー? もうちょっとー。せめてあと 10 行ー」

名護「早よ行け。未練がましい」

根岸「おれのことも覚えててくださいー。みなさまの根岸、根岸海司をお忘れなくー」

名護「しつこい! 早よ行かんかい!」

根岸「うわーん。蹴るなー」

    ――退場――



■歳の差やる気なし組代表戯編

鈴木「えっと…… おれら、もう出てもええんかな…… えと、みなさま、こんにちは」

嵯峨「さっさと出てさっさと礼してさっさと帰ろう」

鈴木「利孝、あのな…… おれらの人気のなさは、あんたのそのまったく空気の読めへんサービス精神皆無の態度にあるとおれは思う」

嵯峨「ぼくにそんな無理なこと求めないでよ。そもそもぼくに空気を読む能力があったとしたら、ぼくは木元について関西になんか来ていないし、きみと会う機会もなかったよ」

鈴木「なんやねん、その居直りっぷりは…… おれはあんたが関西に来てくれて、あんたに会うことができて良かったよ。なんちゅーか、もうちょっと、なんか、こう……」

嵯峨「ぼくもきみと会えて良かったよ、和彦」

鈴木「そ…… う、うん。おれもあんたに会えて良かった! そんで、これからもずっと一緒に……!」

嵯峨「はい、終わり。帰ろか」

鈴木「……はい……? ちょ、ちょっと待てよ、利孝。せめてもうちょっとなんか、こう、仲の良い二人を演出したりとかそういう……」

嵯峨「ぼくにできないことを求めないでよ。帰るよ」

鈴木「はい…… て、えー? ちょっと待って。おれ、根岸さん以上に扱い悪くない?」

嵯峨「やる気なし組代表だから、ぼくらは。これぐらいでいいでしょ」

鈴木「うわ……すみません、根岸さん、おれ、あとで一緒に泣かせてください……」

嵯峨「あそこは名護くんが内弁慶なだけだから。あんなふうに見せておいて、今ごろは舞台裏で桃色時間中だよ」

鈴木「そ…… うわーん。おれの扱い、酷すぎませんかー? おれのこともっと可愛がれよ、利孝ー。て、待てー。おれおいてさっさとひとりで帰るなー」

    ――退場――



■40 代社会人組代表 Sweet Home 編

久賀「よしゃ、出番出番ー!」

飯島「お久しぶりでございます、みなさま」

園部「記念すべき第 10 回ご訪問御礼、トリを務めますのは我ら 40 代コンビでございます」

園部・飯島「よろしくお願いいたします」

久賀「……なんでやねん……」

園部「なんでって、何がよ」

久賀「おかしいやんけー! 今回、ほかは全部、カップルセットで出てきてるやんけ。根岸くんとこには知野さんもユウヤも出てきてへんし、鈴木くんのとこにも木元さんも平塚さんも出てへんやんけー。なんで当然のようにここに顔出してんねん、園部」

園部「相変わらずエラそうな顔しよってからに。おれの存在なしにあんたら二人の関係はない。ある意味、おれこそがあんたらの代表」

久賀「……だいたい、この立ち位置がありえへんやろう…… なんで園部が真ん中やねん。おまけがいちばんエラっそうな顔すなっ」

園部「それはしょーがない。おれは真の主役やからな。つか、あんたのほうがおまけ。小見出し見てみ。なんて書いてある?」

久賀「…… 40 代社会人組代表……?」

園部「そゆこと。まだまだ 30 代なりたてのあんたには入られへん領域。やー、飯島のおまけであんたもこの場に顔出せて、良かったなー」

久賀「……え……なんで…… うわーん、なんでこんなことになってんのよ、悟さんー!」

飯島「いや、おれも、園部に誘われるまま、どういうコンセプトなんかようわからんままここに来ただけで」

久賀「ご訪問御礼の場では、羽目外すぐらいいちゃいちゃしてもかまへんっていう話やったから、おれ、ここ来んの、むっちゃ楽しみにしとったのに、なんで……」

園部「おまえ、それ、根本がおかしいやろ。ここはご訪問者さまへのサービスの場。あんたの欲望満たす場とちゃう」

久賀「だーかーらー、みなさまへのサービスのために、おれと悟さんとのいちゃこらシーンをやねー!」

園部「あんた、今回のサブタイトルちゃんと確認したか?」

久賀「したよ。出張組を泣かせちゃうぞ♪ やろ? そんなわけで、おれは悟さんが泣いちゃうぐらい気持ちええことをいっぱいやってやって、悟さんの色っぽい泣き顔をめいっぱいみなさまにサービスする予定で……」

飯島「やめてくれ、道尚……」

園部「で? おれらの前に出た二組はどうやった? 色っぽい泣き顔サービスシーンとかあったか?」

久賀「……あれ? あらへんかったかな、そういえば……」

園部「泣いてた人はいてたやろ。各組一人ずつ」

久賀「……根岸くんと鈴木くん……?」

園部「そゆこと。つまり、今回の、泣かせちゃうぞ♪ は、報われない主人公たちに泣いてもらおうというコンセプトでー」

久賀「マジかよっ! 誰が喜ぶねん、そんなんでっ!」

園部「おれ」

久賀「そ〜の〜べ〜、お〜ま〜え〜」

園部「うひゃひゃ。苦しい、首苦しいって、久賀。ぎぶぎぶ。ぎぶあっぷ」

久賀「こんなやつほっといて、いちゃこらするぞっ、悟っ!」

飯島「え? いや、そんなこと、急に言われても……」

久賀「いっつもどおり、おれに甘えればよろしい。おれのこと好き? 悟」

飯島「いや、まあ、好きだけども…… 勘弁してくれー。なんでおれ、園部の前であんたといちゃこらしたりせなあかんねんー」

園部「まあ、そう恥ずかしがることもない。つか、おれもそろそろ耐性ついてきたんで、その辺はおーるおっけーやで?」

飯島「園部…… おまえ、いったい何がしたいねん。いったいどっちの味方やねんっ」

園部「楽しいことがしたい。楽しいことになりそうなほうの味方」

飯島「ええかげんにしてくれ…… 道尚もちょっと堪えてくれ。そりゃ、おれかっていっつもいっつも自制心があるわけやないけど、それなりに TPO ってやつは気にするほうなんだよっ」

久賀「何を今さら取り繕おうとかしてんねん。あんたが年甲斐もなく幼児退行してることなんか、このサイトに来てはる人には周知の事実やっちゅーねん」

飯島「幼児退行言うなっ。あれはあんたの前でだけで、おれもいつでもどこでもあんたに甘えてばっかいてるわけや……」

園部「どの口が言うかね。あんたが幼児退行してることなんか、うちの智弥子がいちばんよう知ってるぐらいやろ」

飯島「や、あれは、ちゃーちゃんに合わせて……」

園部「その歳で子どももいてへんくせに、なんの苦もなく智弥子に合わせられるっちゅーのは、ある意味問題やろ」

飯島「ぐ……」

久賀「諦めろ、悟。諦めておれの胸に飛んでこい。ほれ、どーんと。道尚好き好き愛してる言いながら、おれの腕に抱かれろ」

園部「やー。久賀ちゃんも成長したねー。今や飯島使いの名人?」

久賀「嬉しくないですよ、園部さん」

園部「諦めて久賀ちゃんの胸に飛び込んでみる? 飯島」

飯島「……園部。今回の主役は 40 代組ってことやったな。おれとおまえの二人やな」

園部「小見出し信じる限りはそーかなー」

飯島「じゃ、進行はおれら二人やな。おまけはほっといてまとめるで」

園部「はいはい。つか、言い切ったね、飯島」

久賀「……えと。悟さん……?」

飯島「そんなわけで、先の見通しもないまま小出しにしてきたご訪問御礼も、無事 10 回目を迎えました。今まであたたかく見守ってきてくださいましたみなさまには心より感謝申しあげます」

園部「はい。えー、今後の方向性はまったく決まっておりませんという、まったく行き当たりばったりのサイト運営がまだまだ続く予定ですが、お時間のあるときにまたご訪問いただけると嬉しうございます」

飯島・園部「今後ともどうぞよろしくお願い申しあげます」

園部「よしゃ。決まったな」

飯島「はー。これでお役御免か。そもそもなんでおれらがトリなん。今回の出演三組のなかやと、おれらがいちばん新参者やろ」

園部「最年長やからやない?」

飯島「あー。納得したよ…… じゃ、はけるか」

園部「やー。なんかやり遂げた感あるなー」

久賀「……あの。悟さん? おれのこの、広げた両腕は、どうしたらいいですか? てゆか、おれをおいてくなよー。悟、悟、こっち向いて。って、振り返るぐらいしてくれてもええやんけ! ちくしょー、やっぱあんた、本命はおれやなくて園部やろー。てゆか…… うわーん、なんでこんなことになんねんー!」

    ――暗転――


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