うらのおと ご訪問御礼

おとなのための男同士の恋愛小咄
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茶色ウサギと白ウサギからのサービスあるいは漫才


―Side A 正座―

省吾「ようこそみなさま、はるばる遠いところをいらっしゃいませ。はじめての方も、通てくれてはる方々も、当サイトへご訪問いただきありがとうございます。おれたちのその後は全然進展してませんが(いや、長いあいだすまんかった! 3 年越しで進展させました。きみらもようがんばったよ! ……ふゆ談)、他の方の話はちまちまと増えている様子ですので、楽しんでいただけたならなによりです」

元樹「みなさま、ご訪問ありがとうございます! もしよろしければまた見に来てくださいね。お待ちしております」

省吾「そんなこと言うてしもてもええの、元樹さん?」

元樹「どうして? なにか変なこと言っちゃったかな、ぼく」

省吾「たくさんの人たちに見られちゃってるんですよ、おれたち。それこそすみからすみまで」

元樹「ああ、そうか。ぼく、失礼な格好とかしてないかな」

省吾「そういうことやないよ。見られてるんですよ。元樹さんが悶えてるとことか、たっぷりと」

元樹「あ……」

省吾「なんだか恥ずかしいよね」

元樹「ぼく、失礼な格好とかしてないかな……」

省吾「失礼な格好て……」

元樹「不格好にならないように、ぼく、ちゃんと勉強しなきゃだめだね」

省吾「……勉強してどうするの……?」

元樹「え、だから、もっと、あの」

省吾「おれを喜ばせてくれるの?」

元樹「も、もちろん、それもあるけど」

省吾「ここだけの話、他の人らはおれらなんか比べものにならへんぐらい、すっごいことしてはるらしいですよ」

元樹「そ、そうなの? ……坂崎くんたちとかもそうなのかな……?」

省吾「誰とは言いませんが。もっと濃ゆぃらしいです」

元樹「濃いんだ……」

省吾「元樹さんもやってみたい? 言葉責めとか、ここにピアスとか」

元樹「えっと、それでそれをみなさまに見てもらうってことなのかな……?」

省吾「これ以上ない羞恥プレイですね」

元樹「ほ、ほかの人たちはすごいんだね。ぼくにはさすがにそれは無理かな…… ね、省吾くん、ぼくたちってもしかしてサービス精神なさすぎなのかな。努力が足りないかな……」

省吾「元樹さんはおれにサービスしてくれたらそれでええよ」

元樹「サービス……もしかして足りていない、省吾くん?」

省吾「いえ。充分やけど」

元樹「ぼくもいま以上は、あの、勇気が出ないっていうか」

省吾「せやから充分やって。いっしょにいられるだけで、おれは嬉しいよ?」

元樹「そ、それはぼくもだから」

省吾「ね、元樹さん、キスぐらいやったら、見られてもええ?」

元樹「えっと……」

省吾「いいよね、元樹さん」

元樹「省吾く……んっ……だめだよ……みんな、見てる……やっ……」

    ――暗転――



―Side B 勉強してみた―

元樹「あれからちょっとぼくなりに調べてみたんだけど」

省吾「……なんですか、その手にある揃いのエプロンは……」

元樹「でもぼくはそういうことに疎すぎて、どうしたらサービスになるのかよくわからなくて」

省吾「……元樹さん、なんでおれの服のボタンはずさはるの……」

元樹「それで、坂崎くんに相談してみたんだ。ぼくたちにでもできるサービスについて」

省吾「……よりによって坂崎さんに……」

元樹「裸エプロンっていうのがあるんだってね。ぼく、あれって、男性向けのポルノ用だと思ってたんだけど、こういうサイトでも喜んでもらえるんだってね。知らなかったよ」

省吾「……別におれはそんなの喜びませんよ……」

元樹「ぼくも、こんなのなにが楽しいのかわかんないんだけど。でも、大丈夫、ちゃんとみなさま向けのサービスになるんだって。坂崎くんのお墨付きだから」

省吾「……坂崎さん……そういうことなら自分らでしてくださいよ……」

元樹「はい、できた。えと、ぼくも……えっと、どうかな?」

省吾「……元樹さんが衝撃的に可愛いのは認めますが…… わかってる、元樹さん? おれら、もういい歳のおじさんなんですよ?」

元樹「でも、うちのサイト、ぼくら以外にも若い人ってあんまりいないらしいし。あとね、こういうのって意外性が大事なんだって坂崎くんが言ってた」

省吾「……坂崎さん、一体なにろくでもないことこの人に吹き込んではるんですか……」

元樹「あと、これ」

省吾「……ウサギ耳……?」

元樹「このサイトのなかでも特別印象の薄いぼくたちに、茶色ウサギと白ウサギっていうニックネームをつけてくださった読者の方に敬意を表して。ちなみに、裸エプロンっていうのも、もとは読者の方からの耳打ちだって坂崎くんが言ってた」

省吾「……坂崎さんは一体いまどこでなにしてはるんですかっ……!」

元樹「あ、省吾くん、わりと似合うね。すごい。えと、ぼくはどうかな」

省吾「……劇的に愛らしいですよ……」

元樹「これでよし。えと、じゃああとは、手をつないで、後ろを向くんだって」

省吾「うああ! もう勘弁してくださいっ! 助けてくださいっ! わかってんの、元樹さん! この格好で後ろ向いたら丸見えなんですよっ!」

元樹「あ、そういやそうだね……」

省吾「坂崎さんっ! 坂崎さん、どこにいてはるんですかっ! 一発殴ってやるから出てきやがれっ、この野郎っ!」

    ――暗転――

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