鎖の先の、美しい貴方


2199のガミラスは萌えだらけ!総統から名無しさんに至るまで美味しいキャラで溢れてますね!
それはともかく、ガミラスのWオオカミ、ドメル司令とフラーケン艦長、この二人は唯我独尊キャラなのにあきらかに
総統閣下に飼われているというのが萌えて萌えて仕方ないです。しかも、二人とも内心は総統に反発をしつつも
餌付けされてるものだから逆らえないという解釈を勝手にして、もうたまらん状況です。そんなお話です。(2013.05.06)
              
このSSはエルク・ドメル×フラーケン×アベルト・デスラー3Pものです。
お嫌いな方は読まないでくださいね。






 エルク・ドメル少将は通信兵からの伝達を聞き、眉を顰めた。
それはアベルト・デスラー総統からのもので、職務が済み次第中央総統府の私室まで来るように、とのことだったが
ドメルはその通信文のなかに何やら不穏なものを感じ取った。しかし、総統の命を、たとえプライベートなもので
あろうと拒否することはガミラスの軍人には出来ない。
気が進まないながらも、ドメルは定刻通りに仕事を終え、総統府へと向かって行った。



 「やあ、ドメル少将。よく来てくれたね」
にっこりと微笑むアベルトの後ろには、フラーケン中佐が控えている。
「一体、何事です」
低い声で問うドメルに、アベルトは平然と「彼に首輪をやったのだ。君にお披露目をしようと思ってね」などと言う。
「お止めください。私はそのようなつもりでフラーケン中佐を総統に預けたわけでは……」
「フラーケン。見せてやりたまえ」
ドメルの言葉など聞くわけもなく、アベルトがフラーケンに命じると彼は黙したまま首のスカーフを解いた。
「どうだい、良く似合っているだろう?ここまで躾けるのは大変だったよ、」
アベルトは意味ありげにそこで言葉を切る。ドメルの眉がぴくりと震えた。
「君の時と同じにね」

 それまで表情を変えることのなかったフラーケンが僅かに目を向けてきたが、ドメルは避けるように視線を逸らした。
「おいで、ドメル。君がどうしても結婚するというから仕方なく外した首輪だが、今日は良いだろう」
「アベルトさま!」
「来たまえ。先達たる君がちゃんと模範を示してくれねば困る」


 唇を噛み締め、拳を握りしめたドメルだったがアベルトには逆らえずのろのろと歩み寄ると、喉元のファスナーを
ゆっくりと降ろし素肌を晒した。
「さあ、」
アベルトは脇に置いていた少し使い古したような赤い首輪を取ると、自らドメルの太い首にそれをまわす。
「久しぶりに君のこの姿が見られて嬉しいよ、……わたしのエルク……」
フラーケンの視線を感じながら、ドメルは喉に与えられる圧迫感に背を震わせながら記憶を辿り始めた。
まだほんの少年だったアベルト、ゼーリックの稚児として扱われていたアベルト。
彼の細い首に巻き付いていた革の赤い首輪。
『すきだよ、エルク』と囁く幼い声。




「脱ぎたまえ。フラーケン、ドメルと共に私を愉しませるのだよ」
そう言うとアベルトはフラーケンの首輪の先の輪から垂れていた鎖を掴み、行動を促すように片手で軽く引いた。
「しかし、……ドメル閣下は……」
憮然としているドメルを尻目に、アベルトは躊躇うフラーケンの頬に優しく唇を落としながら上着をはだけてゆく。
「気にすることはない。言っただろう?彼もまた、私の飼い犬なのだから」

アベルトに見くびられても仕方なかった。ドメルはその場を立ち去ろうと思えば出来たのだから。



「さあ」


 アベルトはこの一言で何もかもを思いのままに運んでしまう。
ドメルにしろフラーケンにしろ、こんなことは望んでいないのに、アベルトに命じられれば為す術も無く互いに衣服を
脱ぎ去り、彼の飼い犬に成り下がるのだ。
床を這う鎖の手綱を辿ればその先はアベルトの手の内にある。

二人は何も出来ないまま見つめ合っていたが、アベルトの視線に耐えかねたドメルが先にフラーケンの肩へと触れた。
「……いいのですか、…これで……」
「ああ。……総統の、お望みだ。……」
「ドメル閣下」
己より階級の下の者の前で、上官に、しかも総統であるアベルトに誰が逆らえよう。
極めて私的な行動でさえ、軍人は厳格な軍規に従うものだとドメルは信じている。
「フラーケン中佐。総統の命令は絶対だ」
「……閣下も総統も、……狂っている……!」
鎖骨をなぞるドメルの指先を目で追いながら、フラーケンは小声で、しかしはっきりと言い捨てた。
「そうだ」
素肌を這う指先が色濃い乳首を掻き、フラーケンは片眉を歪めた。ドメルは無表情のままだ。
「君も狂え。そうすれば耐えられる」
冷ややかに告げると、ドメルはフラーケンの肩に覆い被さり首筋に歯を立てた。
「う…っ」
思わず掴んだ逞しい両肩がぐいぐいと己の身体を押してくる。
「ドメル閣下」
首筋に、肩に、二の腕にと歯形をつけてゆくドメルに呼応するかのように、フラーケンも固い筋肉に歯を立てた。

犬のように互いを噛み合う二人を余所に、アベルトは優雅な仕草で二本の手綱を軽やかに引いた。

「君たちは獣だろう。もっと遠慮無く盛ったらどうだ」


 床の上でぎこちなく絡み合いはじめた二人の男を寝台の上から眺め、アベルトは可笑しそうに囃した。

「それともエルク。君は僕の犬が気に入らないのかい?」
「総統、このようなことは」
フラーケンに「狂え」と言いながらも理性を捨てきれないドメルはためらいをその精悍な顔に露わにしている。
そんな表情を見、アベルトはふん、とかたちの良い鼻を鳴らした。

「まあ確かにその犬はたいして美しくは無いし、生意気だ。この私の命令もろくに聞きやしない。
エルク、君は本当に困った犬を私に押しつけたものだね」
「優秀な部下を犬扱いなさっているとは思いも寄りませんでした」
言い返してくるドメルにアベルトは己の手首に巻き付けている手綱をくい、と引いた。
「、…っ」
手綱に繋がれたドメルの口元が歪む。

「ならば君が飼ったらどうだ?」
「彼は犬ではありません」
鎖に繋がれながらもドメルは真っ向からアベルトを睨み付けた。アベルトもそんなドメルに険しい視線を向けたが
「君は全くつまらない男だね。…さあ、私の猟犬よ。お前の目の前にいる狼をもっと奮い立たせてやりたまえ。
上手に出来れば褒美がもらえるのはわかっているだろう」
アベルトがもう一本の手綱を引くと、それにつられフラーケンの首が起き上がった。
「総統……」
「遣りたまえ」

 フラーケンは僅かながら詫びるような視線をドメルに向けたが、目の前の逞しい肉体に唇を寄せ、舌を這わせてゆく。
「く……」
乳首を甘噛みされ、ドメルは思わず声を漏らした。
「ドメル閣下……」
フラーケンは命令に忠実にドメルの身体を愛撫し続ける。時折フラーケンの手に、舌に反応しぴくりと身体を震わせ、
密やかな吐息はやがて欲望に飢えた喘ぎに代わってゆく。
「フラーケン、……」
下着からはみ出しそうな程に勃ちあがってきたドメルの自身を、フラーケンは下着の上からやわく噛み形をなぞる。
「ああ」
「閣下……なんと逞しい…」
「フラーケン、こんな……」
「好いですか」
「……」
フラーケンは挑戦的な目を上に向け、ドメルを見据えた。
「狂え、と仰ったのは閣下です」
わざと舌を突き出し、太く腫れた男根を見せつけるように舐る。

 官能に抗えず天を仰ぐドメルを見ながら、アベルトは己の衣服をゆるめ、その右手で肌をまさぐり始めた。
逞しいドメルの胸が自分以外の愛撫によって激しく揺れ、肌が上気し汗ばんでゆく様をアベルトは唇を震わせながら
凝視し、彼はいつしか自分がフラーケンとなりかわりドメルの足元へ跪く様を想像していた。
自分がフラーケンをけしかけながら、彼はただ命令に従っているに過ぎないフラーケンに嫉妬しているのだ。

全裸になったアベルトはベッドを降り、絡み合う二人に歩み寄った。手に短い鞭を持っている。
「アベルトさま」
気付いたドメルがアベルトに呼びかけたが、彼はドメルに答えず、いきなりフラーケンの頭髪を掴んだ。

「アベルトさまっ」
「フラーケン、君はいつまでドメルをしゃぶっているつもりだ。私もドメルももうとっくに飽きているのだよ」
「……」
蔑まれ険しくした視線を向けてきたフラーケンを見、アベルトはほんの一瞬、口元を歪め剥き出しの背を鞭打った。
フラーケンは無言のまま更に怒りを滾らせた目をアベルトに向ける。
その喉元に鞭の柄をまわし、アベルトはフラーケンの頭をぐい、と引き上げた。
「グ……っ…」と、さすがに苦しげな呻きがフラーケンの唇から漏れたのを聞きアベルトはせせら笑う。
「調子に乗るとどういう目に遭わされるのか、いい加減に覚えたまえよ」
強引に上向かせた顔に無理矢理口づけ、唇の端をアベルトは食い千切った。傷口から流れる血液を指にとり、
アベルトはフラーケンの素肌に押しつける。
「全く手間のかかる……」
そのまま己の胸へと倒したフラーケンに対し、アベルトはその肌を執拗に愛撫し始めた。
首筋を爪で掻かれ、乳首を捏ねられる。
「く……っ……、総統……」
上向いたフラーケンの自身がひくりひくりと反応するのをアベルトは嘲るように手に握り、無茶苦茶に扱いた。
「欲しいのかい、フラーケン。駄目だよ、ほら、こんなに零して汚す子にはやれない」
血で汚れた指に弄ばれ、耐えきれず零した精液は淡く血の色を滲ませていた。
肩で息をしながら口惜しげに唇を噛み締め、アベルトをギロリと見上げるフラーケンだが、手を上げるでも、
罵声を吐くこともしない。

 そんなフラーケンを見、確かに彼はアベルトに躾けられたのだと思わずにはいられない。
以前の彼ならばこのような扱いを受け黙っていられるはずが無いのに、とドメルは思う。
それとも。

 鞭打たれた彼の、血に濡れた唇がほんの一瞬、笑みを作ったように見えたのは気のせいだろうか。


 フラーケンもまた、アベルトに魅せられたというのか。



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