朱の軛


2199のデスラー総統に関しては今のところすっかりショタ萌えしています。今後の展開が
わからないのに妄想止まらないのですみません。設定は曖昧にしています。先日アップした「誓約」の
前日譚といったところでしょうか。(2013.03.14)
              
このSSは「エルク・ドメル×アベルト・デスラー」過去話です。また、エルク16、17歳、アベルト10,11歳程度の
設定で作成しておりますので、…いわゆるショタもの18禁となります。
お嫌いな方は、どうぞお読みになられませんようくれぐれもお願いいたします。

ヘルム・ゼーリック×アベルト・デスラー を一部含みます(初めの1ページのみ)のでご注意ください。






「ヘルムおじさま」

幼いながらに媚びを含んだ声が閨に小さく響く。

「止めてください」

そう言うのは相手が望んでいるからだ。
止めて、と言えば余計に男の嗜虐心が煽られる。だからアベルトは彼の欲するようにしてやっただけだ。

「今宵はお前によく似合うものを持ってきた。さあ、首をこちらへ。付けてやろう」
「ありがとうございます、おじさま」

細い首に巻かれたのは金色の小さな鈴の付いた赤い首輪。

アベルトが苦しげに身を捩る度に、その小さな鈴は、りん、りん、と愛らしい音を響かせる。

「ああ、おじさま、…おじさ、ま……」


小さな身体が弄ばれる様を、アベルトは鏡越しに見ていた。


なかなか、似合うじゃないか。
ゼーリックもこう見えてたまには良い選択をするようだね。


 アベルトはその赤い首輪を見つめながら、これが他の誰かの首に巻き付く様を想像していた。
まるでそれは蛇のように彼をがんじがらめに縛り付け、動きを封じてゆく。


蛇。それは僕だ。
僕は君に絡み付き、君を僕のものにする。

君を。








 デスラー大公の甥であるアベルト・デスラーは早くに両親を亡くし、広大な領地と屋敷を持ちながらたった
一人で住まっている。彼を取り囲む者は家族ではなく、使用人たちと後見人をはじめとする貴族たちだ。

「アベルト様」

ノックも無しに彼の私室を訪れてきたのはヘルム・ゼーリック将軍。常に国の政治の中心を担ってきた名家の頭領だ。
彼はアベルトの両親が死去して以来、独り残された小さな少年の後見人を自ら志願し務めている。

「ゼーリック将軍。如何なさいましたか」
「何、少々時間が空きましたのでな、アベルト様のお顔を見に来たのです」
堂々たる体躯はアベルトをすっぽり覆い隠してしまうほどで威圧感たっぷりの容姿を持つゼーリックだが
妙な愛想笑いを浮かべ、アベルトに近寄ってゆく。

「ありがとう、将軍。ちょうど一人で退屈していたところです」

 アベルトは生まれたときから綺麗な子どもだった。
父親も涼しげに整った容姿を持っていたし、母親は絶世の美女と謳われるほどの女性だった。
父親が死去して以来、幾度も母親を口説くのに腐心していたゼーリックをアベルトは覚えている。
両親が結婚する以前から、ゼーリックは母に執心していたようだった。





「うむ、」
横柄に頷くとゼーリックはアベルトをひょい、と抱きかかえた。アベルトは僅かに眉を顰めただけで
何も言わない。

「小姓。これより1時間は誰も通すな」

 アベルトの脇に控えていた異星人の小姓へ言い渡す。小姓はただ土下座をし、連れ去られてゆくアベルトを
助けることはできない。

ゼーリックとアベルトが消えた扉に向かい、小姓はただひたすら頭を床に擦り付けたまま、「アベルトさま、
アベルトさま……」と慟哭した。


「薄気味悪い異星人の小姓など家に入れますな。不快以外の何ものでも無い」
アベルトの小さな身体を寝台に無造作に放ると、ゼーリックはベルトを外し上着を脱ぎ捨てる。
「いいのですよ、むしろ異星の者の方が……だって、もし彼が僕と貴方のことを口にしたとしても、
彼の言うことなど誰も信じません」
「……劣等人種など」
さも汚らわしそうに言い捨てるゼーリックの横でアベルトはするすると衣服を脱いでいった。その動作に躊躇いは
なく、まるで手練れの売春婦のようでさえある。
「きて。ヘルムおじさま」
全裸になったアベルトは膝立ちになり、ゼーリックに向かい合う。
「脱がせろ」
「はい」

 もちろん、事のはじまりを作ったのはゼーリックだった。ただ、彼の下心を察知したアベルトがそのように
誘導したのもまた事実だ。
ガミラスの有力貴族の中でも、一番に力のあるのはゼーリックだ。
アベルトにはまだ庇護が必要だった。ゼーリックならば申し分なかった。


「最近、お見えじゃないのが寂しかった」
幼い声に甘えられ、潤んだ瞳に見つめられ、金色の髪の毛に肌を撫でられれば自ずと肉欲が湧き出てくる。
「時間はさほど無いが可愛がってやろう……」
「おじさま」

時間なんて短くて十分だ。うっとりとゼーリックを見つめる澄んだ瞳の奥で、アベルトは己の肌を撫でさする
ゼーリックを軽蔑していた。

ふくらみの無い胸を揉まれても痛いだけだし、未発達の性器を弄られても大して得られる快感はない。
それでもこの男に身を任せているのは、保身と、そしていずれは彼を隷属させんが為にやっているに過ぎない。

そしてその機は熟しかけている。
丁度良い。あと一時間足らずで、亡き母が定めた自分付きの従卒であるエルク・ドメルがやってくる。
彼は優秀な、飛び級で既に士官学校でガミラス軍将校の心得を学んでいる士官候補生だ。

 母はただ息子の身の安全の為に、そして友という存在に関心の無い息子を憂い自分の死後、アベルトの守を
するようドメルとドメルの両親に依頼したのだったが、アベルトはこの青年がいずれ最強の駒となるだろうと
予見していた。大公にかわり、ガミラスを支配するための。

 その駒を、もっと強烈に自分へと引きつけておく必要がある。
だが、ゼーリックも失うには惜しい駒だ。俗な輩だが、彼の名が代々受け継いでいる権力は非常に強大で、
多方面への影響力は他の追随を許さない。

だから一挙両得の機会をずっと待っていた。
必ずその時が来ることを彼は確信していた。
しかも、もう間もなく。




「ふふ、可愛いお前には良く似合う」
ゼーリックはアベルトの華奢な首に首輪をかけた。白い身体に赤いロープの引き綱が映え、否応なく見る者の
劣情を煽る。
二人が情事を行う際、いつもこうしてゼーリックはアベルトに首輪を着け、まるで飼い犬を扱うように弄ぶ。

「ほら、舐めろ」
「……はい」
でっぷりと肥えたゼーリックの身体を下りながら、怒張した下半身へと顔を寄せる。と、ぐい、と引き綱を
引かれアベルトはうう、と呻いた。
「ほら、もっと舌をのばせ。努力が足りん」
「は、はい」
舌を必死に延ばすも届く寸前に綱を引かれ、軽い身体は容易く離されてしまう。
「おじさま、……意地悪を、しないで」
「ふふふ、お前が可愛いのがいかん。…本当に、お前はあのひとに生き写しだ……」

 アベルトは動物のように四つ這いになり、ゼーリックの上向いた性器を舐める。
彼の口にはそのものは大きすぎた。

 息子に口淫をさせておいて、その母親を思い浮かべているのか。変態め。


 ゼーリックは綱を操り、アベルトの小さな尻を自分の腹に乗せた。
「もう少し、お前が大きくなるのを待たぬとな」
そう呟くと、彼は唾液で濡らした太い人差し指を、アベルトの小さな尻の穴に差し込んだ。
「っ、ん、んんっ!」
口を塞がれているアベルトは声が出ない。
「早く大きくなれ、アベルト。ここは他の誰にもやるものか」
ぐり、ぐりと指をねじ込みいたぶられ、思わずアベルトは口を離し「痛い…いた、い」と呟いた。
「黙れ」
「あっあ、あ」
「黙って咥えろ」
両眼を潤ませ、僅かに非難の色を浮かべたアベルトだったがまた大人しくゼーリックのものを頬張る。
「お前の母はわしのものだった。わしのものになるはずだったのだ。なのに、お前の父親が…」
アベルトの小さい身体には指一本の挿入さえ苦行だった。それを知りつつもゼーリックは嬲る指を増やす。
「ん、んーっ、」
「お前は彼女のかわりだ。わしがずうっと愛してやる。ずうっとだ。お前はわしの人形だ、ふ、ふふふ」

小さな口いっぱいに男の性器を頬張りながら、アベルトはただ待っていた。


早く来て、エルク。



君は僕の素晴らしい手札。










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