laugh to himself

「お頭」
 不意に声をかけられて、あわてて周囲を見回す。と、目が合ったのは船内一の長身。苦笑いして、煙草をくわえている。
「顔。…ニヤケすぎだぜ?」
「…あ?」
 間抜けた声を発して、あわてて顔をさする。
「悪ィ悪ィ。…怪しかったか?」
「かなりな。だらしねェ顔して、何を考えていたのやら…」
「気になるか?」
「だいたいわかる」
「おッ? ンじゃ、言ってみな」
「イタズラ思いついたかルフィのことか、ってトコだろ」
「……なんでわかるんだよ」
 あからさまに口を尖らせる船長はまるで子供で(だからといって怒っているわけではないことは充分わかっている)。そんな人と応対している自分がとてもオトナに思えた。
「そりゃあ、」
 いつもアンタを見てりゃわかる、と言いかけて言葉を飲み込み、0.5秒考えた後、
「アンタは単純だからな」
 笑いながら言うと、案の定「なんだとォッ!」と返された。ただし、こちらも笑いながら。
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