激しく汚してやりたい衝動にかられる。
何度その体を組み敷いても―――たとえあんたが俺を誘ってきても。
汚れることはねぇ。
いつまでもキレイだ。
たとえあんた自身が自分を穢れたモンだと思っていようが、そんなことは関係ねぇ。
キレイなモンはキレイなんだよ。
誰より潔癖で――誇り高い。
誰より男らしくてカリスマの中のカリスマ。
俺だけか?
黒い欲に捕われそうになっているのは……
そんなはずはない。
あんたもきっと捕われている。
だが―――
なんでそんなに綺麗なんだ?
だから…壊してやりたくなるじゃねぇか。
滅茶苦茶に乱して、汚したくなるじゃねぇか。
綺麗なあんたの、汚いトコロを――――――見せろ。
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「ァ・あ…! ッベック…ッ」
背を軽くのけぞらせて、昼とは違う俺の名を呼ぶ。
―――夜、抱き合う時にだけ口にされる名。
このヒトにこの呼び方をされるのが好きだ。
時々加減なく抱くのは…聞きたいから。
俺の名だけを。――何度でも。
背中に回されたシャンクスの腕に力がこもる。
「ソコッ…もっ・と…は、ッ…」
荒い息の中、途切れ途切れの嘆願。
俺はコノヒトの中をまさぐる手を止めずに耳元で囁いた。なるべく低い…コノヒトが弱い声で。
「ココをもっと…どうして欲しいって?」
耳の後ろから喉元へと舌でたどれば素直な反応が返ってくる。…シャンクスの弱いポイントの1つだ。
体をビクリと震わせ、熱い息混じりに俺の名を呼び、まだ足りないとねだる。俺を寄越せと訴える。
眉を寄せて。
目を閉じて。
快感の中の少しの苦しみ。――だがそれさえも悦楽。
息が混ざる嬌声は、女のものより甘ったるくも高くもなく……
――― そんな声の艶っぽさにクラクラする。
望まれるがままにシャンクスの腰を引き寄せて、掻き回していた指をことさら焦らすように引き抜き、代わりに猛る俺自身をさっきより奥へと穿つ。
背が跳ね、逃げるように弓なりに反らし、腰をよがらせる。
「ッア、ア…! ハ、ッン…、ベック・ゥ…」
シーツを引き寄せてグシャグシャに握りしめ、涙を滲ませて嬌態をさらす。
甘すぎない喘ぎ声はかすれ気味。
その声と、この時にしか呼ばれない名を呼ばれたことにいっそう煽られる。
無意識に俺を煽るヒト。
少しの憎らしさと、多くの愛しさをこめて、左腕をシャンクスの腰に回してさらにからだとからだを密着させて容赦なく突き上げ、右手をコノヒトの泣いてソリ立つモノに絡めてやる。
「ン・ン…ッァ、気持ち、イ…ッ!…ッかしく、なり・そォ…!」
伝う涙を舌で掬い取る。
「かまわねぇから…おかしくなっちまえよ…」
よがり狂うその姿を、俺に見せて。
「ッン、スゲ…イイ……ァッ、もっと、おく…!」
臆面もなく、熱に浮かされたようにさらに上を望むシャンクス。
「あぁ…くれてやる…あんたが望む分だけな……」
いや、それ以上にも。
乱暴に最奥を何度も突き、シャンクス自身も強く握って根元からこすりあげてやる。
意味せぬ言葉を上げて自らも腰を振るコノヒトを貫きながら―――俺はそれでもなお満たぬ飢えを抱えたまま、シャンクスが気を失うまでからだを繋げていた。