独白:side-S

言葉で気持ちを表現するのは好きじゃない。
…嫌いかもしれない。


気持ちを言語で伝えるのは難しい。
言葉にした途端に、言いたかった事とはズレてしまうから。
一生懸命言葉を尽くしてズレを修正しようとしても、ぴったりはまることはない。
ビミョウに違ったまま、言葉では直せない。

イルカが群れて船に付いて来るのを見てどう思ったか、とか。
雲がたなびく夕焼けを見て思ったこと、とか。
敵と斬り合っている時に考えていたこととか。
新しい本を読んだ感想、とか。




―――オマエのこと、どう想っているのか、とか。




難しいんだよ。

考え込んだり悩んだりするのはおれのキャラじゃないかもしれない。
けど、おれだっていつもノーテンキやってるだけじゃない。
たまにはこうやってマジに考えたりするんだぜ?
ま、誰も知らねえかもしれねーけどさ。

…おれがそうゆうとこ、見せないようにしてるから。



「好き」ってのは言わなきゃわかんねェ時もある。

けれど、言うだけじゃ伝えられないところも一杯ある。


栗ご飯がどれだけ好きか。
新しい土地に行くたびに感じるワクワクがどんなに好きか。
お宝を見つけるまでの過程がどんなに好きか。
おれの周りにいる、おれを慕ってくれる仲間をおれがどんなに好きか。




―――――オマエのこと、どれだけ好きなのか。




言葉では伝えきれない。

フィーリングでも完全じゃない。


言いたいこととは100%完全に伝えられなきゃ気が済まねェんだ、本当は。



だから言葉は嫌い。



――――わかる?



わかったら…抱きしめろよ。

そしてキスをして。



言葉で言いきれない・伝えきれない部分は、体で…熱で伝えるから。

……きっと伝わるから。

体に触れてわかるコトってのも、結構あるんだぜ?





――――わかる?





この気持ちを、オマエに伝えたいから。





だから。







































セックスしよう。







































 
 
 
 
>>> go back