「Oh、いい格好だな。真田幸村……」

「おのれ伊達政宗…!!貴様何を考えておる!俺は負けたのだ、殺せ!」

「バーカ、やっと捕えたのにやすやすと解放してやるワケねぇだろ?」

「……この幸村をどうするつもりだ。質にするつもりか」

「Humn……それもいいがな。ま、ちょっくら大人しくしてな。自害なんざすんなよ。したら、一緒に捕まった真田隊の兵士皆殺しだ」

「…っく…………お館様……」

「おい、こいつを俺の寝所に運べ。血生臭ぇし、洗ってからな」















現實が夢















風呂上りに身体の至るところについた浅い傷の手当てを為され、用意された茶の着流しを身に纏わされ。
後ろ手に麻縄で縛り上げられたまま、幸村は米沢城の奥の部屋の布団の上へ転がされた。
蝋燭の灯火だけが室内を照らす薄暗いここは、どうやら城主の寝所らしい。
普段の派手な振る舞いに比して、存外簡素な室内である。



「待たせたな、真田」

「伊達政宗……」

「Ah……閨でfull nameたぁ色気がねぇな。ま、アンタらしいが」



政宗は可笑しげに笑いながら、布団の上で仰向けに転がっている幸村の腰の上へ馬乗りになる。
その行動に幸村はぴくりと眉間の皺を深めるが、目線から鋭さを消すことはない。



「やっぱアンタには紅が似合うな。こんなくすんだ色、じゃなくてよ」

「何を………ッ……!?」

「…アンタを喰らうんだよ。今夜のmain dishは若虎、ってな」

「はっ…戯言を!っ…やめよ!!」



幸村の着物の襟元を肌蹴けさせると、露わになった首筋に舌を這わせる。
その皮膚は度重なる戦のおかげであろう、日に焼けており、舌は少々ザラつく肌の荒れを拾った。
幸村は顔を真っ赤にして、しかし寄せた眉はそのままに首を振っては身を捩る。
それに対し政宗は口許を緩め、ガリ、と肌に思い切り歯を立てる。



「あっ……ぐ!破廉恥な…!!」

「…んだよ、アンタcherryな上にmasochistなのか?下、当たってんぜ」

「は……!?あっ、これ、は…」

「しゃーねぇ、気持ち良くしてやるよ」



どれだけ経験が無いのだろうか。
少し肌を舐められ噛まれただけにも関わらず、政宗の腰の下で幸村の雄は早くも頭を擡げ始めていた。
双方共に下帯をつけていなかったので、幸村の亀頭の先端は着物越しに政宗の太腿の付け根へ触れている。
政宗は膝立ちになって幸村の上を跨いだまま一歩、二歩と身体の位置を下げ、その股間へ顔を埋めた。

雄の幹へ手を添え、先端口を舌でちろちろと舐め遣る。
すればそこからはすぐに青臭い先走りが漏れ来て、政宗の手を汚した。
政宗はそれを、ぴちゃぴちゃと故意に幸村の羞恥を煽る音を立てながら舌で掬う。

思惑通り幸村は、ぎゅっと目を瞑って恥辱と快感に堪えているようだった。
それに気を良くしたように政宗は亀頭ばかりを攻め立てる。
親指の先では鈴口を掘り下げ、尖らせた舌では裏の部分をつうっとなぞる。



「っは……やめよ!独眼竜、気でも触れたか!!」

「Oh……男に舐められて感じてる野郎に言われたかねぇ」

「く…おのれ、武士に対する、愚弄であるぞ…!!」

「……べーつに、アンタに突っ込もうとは思わねぇから安心しな」



政宗の愛撫に幸村の男根がある程度の硬度を持ったところで、政宗は袖で濡れた唇を拭いつつ顔を上げる。
そして幸村に跨ったままに腰を上げて、片手で着物の裾を大きく持ち上げる。
幸村はその行動に目を丸め、次いで惜しみなく曝された白い肌と己と同じもののぶら下がる局部から思い切り目を逸らす。
しかしその目許には、先程以上に濃い朱が浮かんでいる。



「………オラ、舐めろ」

「…っむ!」



視線を他へ向けている幸村の隙をつき、その咥内深くへ中指を差し入れる。
骨ばった指が突然口中を荒らし始め、幸村は又もや顔へ驚きの色を注ぎ、それを噛み切ることも忘れされるがままになった。

幸村の唾液にたっぷりと塗れた指を口腔から引き抜くと、それをこれ見よがしにそれを彼の眼前へ掲げる。



「だらしなく涎溜めやがって。俺のpenis見て興奮でもしたか?この変態が」

「っな……貴様に変態などと言われとうない!!我が宿敵が斯様に穢れた者だとは思わなんだ、失望したぞ!」

「はは、そうかよ。ま、楽しませてやるからちいとばかり待ってな」



言うなり、政宗は己の脚間へそちらの手を通したかと思うとその指を己の尻穴へ突き入れた。
第二関節辺りまでを中に収め、くち、くちゅ、と小さく水音を立てながら入り口を解す。



「ン……っきちいな…、……おい、よく見てろ。アンタの視線で熱くさせてくれよ…」

「なっ、ななな何を…っ……!!?」

「Ha、…わかんねぇのか……アンタの挿入れるために、解してんだよ」

「や…やめぬか!破廉恥であるぞ!!」

「Yes、破廉恥だぜ?…これから、もっと破廉恥なことになんだぜcherry…」



幸村から弄っている蕾は見えないものの、その生々しい音、次第に荒くなる眼前の竜の息遣いに加え濡れた瞳を向けられれば本能からか幸村の雄は角度を増す一方であった。
眼下に在るその性器の様子と、それと対照的にいつまでも狼狽している男を見に政宗は愉快気に口端を持ち上げる。

政宗は指をもう一本足して、性急な様子で己の尻穴を解す。
使い込まれた形跡の無いそこは中々広がらず、苦痛の声が漏れる。



「っぐ…あ……!!いっ…てぇ」

「しからばやめれば良いではないか!」

「多少痛かろうが、っ…俺ァ、アンタとヤりてぇんだよ」



中々広さを得ないそこに早くも慣らすのを諦めたのか、政宗は穴から指を抜き出す。
そして幸村の胸元へ両手をつくと、硬くそそり立った幸村の雄を尻穴へと宛がう。



「ど、独眼竜……よせ!やめろ!!」

「こんなに硬くしといて何言ってんだ……っつーの!」



瞬間、ぐちゅりという音と共に、政宗は勢いよく腰を落として幸村の陰茎を根本まで己の胎内へ迎え入れた。



「ぐあああぁ――――っ…!!」

「っうあ……あ!!?」



血の盛んに巡る硬い逸物が体を貫く激痛に、政宗は今までの余裕から一転目を見開いて白い喉を反らした。
体は異物に対して拒絶反応を起こしたように幸村の雄をぎゅう、と締め付ける。
その締め付けに堪えられず、幸村は間の抜けた声を漏らしながら鈴口から政宗の中へ白濁を注ぎ込む。
びゅくびゅくと震える雄と胎内を満たしていく温かい液体に、政宗は肩を震わせる。
そして再度幸村の顔へと視線を落とし、彼を揶揄するように片側の口端を持ち上げた。



「ッア…、アンタ……早過ぎんだろ。んなに、俺ん中はイイってか…?」

「……っ…黙れ!!」

「Ha…まぁいいさ、まだまだ搾り取ってやるよ」



政宗は幸村の上についた手を支えに腰を持ち上げては落とし、己の腸壁といきり立った男根の表面を摩擦し始めた。
最初こそ政宗は内臓に裂けんばかりの痛みを覚えたが、先程幸村の放った精子も手伝って次第にそれは緩和されていった。
ぬちゃ、ぬちゃと粘着質な音を局部から響かせながら、政宗は腰を上下させては時折捻らせる。
己の良いところも早々に見つけては、そこを雄の先端で擦らせつつも幸村の弱い部分を攻めるのも忘れず、己の中で裏筋を中心に擦り上げるように腰を動かす。
幸村は体はされるがままでも感じている様を見せまいとでもするかのように、顔を横へ逸らしぎゅっと目を瞑っていた。



「ん…目ぇ閉じてんじゃねぇよ。ちゃんと、見ろ…」

「っこ……断る!!」

「……駄目だ、ほら……こんな絶景、中々見れるモンじゃねぇぜ?ック…アンタの、こんなに深く突き刺さってよ…」



政宗の台詞に若い幸村はやはり少しその様子が気になったのか、その目をおずおずと開いて己の腹の上へと視線を向ける。
すればそこには自ら着物の裾と睾丸を持ち上げ、互いの結合部を見せ来ながら腰を揺らす政宗が居た。
白い肌が赤く充血した幸村を飲み込んでは吐き出している。
そこには白い体液による小さな泡がぷつぷつと生成されており、政宗が動く度に増えては消えた。
時折見える鮮やかなピンク色は、政宗の内部の色であろう。
耳までを真っ赤にしながらもそこから目を離せないといった風な幸村に、政宗は満足気に笑んで腰の動きを速めた。
細やかで温かな襞に性器を締め上げられ、幸村は又もや簡単に絶頂へ追い上げられていった。

































こぷ…と、濃厚な白濁を零しつつ政宗は漸く結合を解く。
もう何度放ったかもわからぬ程散々に交わり互いに呼気は荒く、行為を強引に進めた当の政宗とて目には虚ろな色が浮かんでいた。
政宗は幸村の腹へ腰を下ろし、気だるげに上半身を幸村の上へ倒れさせその面を覗き込む。
その顔には、先程のような笑みはない。
それどころか一転、切羽の詰まったような表情で幸村を見遣る。
幸村も、最早慌てたような表情はなく、落ち着いた様子で彼と視線を絡ませる。

政宗は汗で額に貼り付く幸村の前髪を掻き上げ、露わとなった額へ軽く口づけを落とす。



「っ…はぁ……はッ…………こんだけ、ヤれば…満たされると思ったんだがな。余計に、渇いちまったぜ……」

「は……っどういう、意味だ……?」

「…俺のモンに、なれよ」

「…………」

「俺のモンになれ、真田幸村」

「………。……お館様に捧げたこの身、他の誰にもやれぬ…」



予想はしていたであろうものの、政宗はその言葉に眉間へ皺を寄せ苛立ちと哀しみに面を歪める。

――やはり自分の想いは伝わらない定めであるのか。



「Shit……帰さねぇ!絶対ぇ、帰さねぇからな…」

「…………」

「……俺のに、なってくれよ……」

「この身はやれぬ。……だが、この心は…遥か前に、不届き者に奪われてしまった」

「………What?」



政宗がその言葉の意味を聞き返すのとほぼ同時に、幸村の両腕が政宗の身体を抱き締めた。
突然のことに政宗は目を見開き、一瞬言葉を失う。
しかしすぐに我に返り、幸村の肩を握った拳でどん、と叩く。



「いつ抜けてやがった…」

「忍び隊を抱える者なれば、あのような結び方ならばいつでも縄抜け出来る」

「Oh……謀ったな、アンタ」

「男相手に斯様なことをするお方に言われとうないですな」

「チッ、いけ好かねぇ……」



悪態を吐きながら幸村の肩口へ埋められた政宗の顔は、ほんのりと赤く染まっていた。
頬を擽るその髪を、幸村の掌がやんわりと撫でる。
そして見事術中にはまった哀れな竜の顔を上げさせて、この世で一番焦がれたその唇に接吻を贈った。































珍しく逆レイプ小説でした。
幸村さん演技してただけなので実際は微妙だったわけですが。
うちの幸村はやっぱりへたれ攻めに徹することは難しいみたいです。



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