部活も終わり、二人で政宗の家で寛いでいる至福の時。 今日は政宗の遠い親戚であり同居人でもある小十郎も仕事の出張で居らず、幸村は政宗の家へ泊まりの予定である。 二人で夕飯を作り、甘く楽しく会話を交わしながら食事を終えた。 居間のソファでテレビを楽しみ、あらぬ期待感も高まってきた恋人達の時間に水をさす邪魔者は、突然やって来た。



「Shit!」



政宗は苦々しげに呟いて、己の肘の内側を見遣る。 すればそこには、紅い痕らしきものが一つ。



「ど、どうなされた政宗殿…!!」

「Ah〜…蚊だ、蚊。あの野郎勝手に俺の血を吸いやがって…」

「…政宗殿の血を…!ゆ、許せぬ!!」

「……ってまぁ…あれだ、取り敢えず薬でも塗っておくか」

「承知!しからば、某は政宗殿の血を喰らった不届者を成敗しておきましょう………ぞ……」

「あぁ、叩き潰してやれ」

「………」

「…What?」

「…………」

「…おい。どうした、幸村」























塩酸ジフェンヒドラミン























「………で?何でこうなってるんだ…?」

「む?」



気付けば、政宗は二人掛けの蒼いソファへと押し倒されていた。 政宗の上には、幸村とその影が覆い被さる。 若い恋人達が、一つ屋根の下夜を共にするのだ。 しかもこれが初めてというわけでもない。 なので、最終的にはこうなることはわかっていた。 わかっていたけれど。



「…haaa……アンタって、本当どんなtimingで発情すんのかわかんねぇよ…」

「……面目ない…」



逞しく筋肉のついた腕の半ば肘の内側、他より少しだけ柔らかいそこに紅く浮かぶ虫刺されの痕が、妙に艶かしくて。 幸村がそっと、政宗の耳へそのようなことを吹き込めば、政宗は少し気恥ずかしげに目線を逸らした。

幸村の本当の目的など、未だ知ることもなく。



「政宗、殿………」

「……okok」



幸村が政宗の頬へ手を添え軽く唇を寄せれば、政宗も顔を傾げ薄く口唇を開いてそれに応えた。 互いに唇から舌を覗かせて、その紅い先端や表面を擦り合わせる。 時折くち、という音が響き、それに触発されるように口づけは深くなっていった。 少しずつ荒くなる息遣いが空間を支配し、本来とは違う用に供されようとしているソファが不服げに軋む。 幸村が政宗の学校指定のシャツの中に着た青のランニングを捲り上げれば、政宗も幸村のシャツの内へ手を忍ばせた。



「ま、政宗殿…」

「いいじゃねぇか…気持ち良くしてやるぜ?」



政宗が幸村の腹筋から胸へかけてを指の腹で擽るように撫でれば、幸村の目がぴくりと細まる。 政宗は幸村の感じているその顔をもっと見せろとばかりに、一層その着衣の中を熱っぽくまさぐって性感を煽った。 しかしそれは、政宗の胸を硬いような、それでいて柔らかいような細いプラスチックの感触が掠めたことで中断された。



「は………あ!?」

「……気持ち良うござりますか…?」

「な……これ、ってお前……」

「ええと……新モナコーワクール、モロコシヘッド…にござる」

「んなことはわかってる!さっき俺が使ってたやつだろ……んなもん使って何する気だよ」

「言わせるのですか?わかっておられるでしょうに…」



そう言いながら幸村は、政宗の乳首を細いプラスチックの先端でぐにぐにと押しやる。 していればそこからじんわりと液が漏れだし、政宗の淡い色の乳首を濡らした。 虫さされ用の薬独特の、スッとした感覚に政宗は幸村の手首を握り行為を制止させる。 その額にはうっすらと青筋が浮かび、それと対照的に目元は少々朱に染まっていた。



「だぁれがそんな変態play許したよ。あぁん?」

「また政宗殿の照れ隠しにござろう!某、わかっておりまする!!」

「テメェ…やめ、っ……!」



幸村は空いた手で手早く政宗のベルトの前を外し、下着ごとズボンを引き下げた。 更に性器を露わにさせられ政宗が油断した隙にその手を振り切り、虫さされの薬を政宗の下肢へと運ぶ。 そして片手で政宗の一方の脚を押し開き、萎れた性器のカリ首あたりを擦ってやれば、彼の身体は未知の感覚に面白いほどに跳ねた。



「うあっ!……くそ、本当アンタって最低だな!!」

「政宗殿が好いていてくれるのなら、最低でも何でも構わぬ」

「んなことしながら言われたって、微塵も嬉しかね……んンッ…!!」



妙な快感に押し流されそうになりながら政宗は、上に被さる幸村の首や肩を掴んで反抗するも、幸村は行為を止める気配はない。 刺激の強い液体を塗られた箇所を細いプラスチックの集まる容器先端で擦られ政宗のペニスはぐんぐんと角度を増し、抵抗は反比例するように弱まっていった。 強がってはみても性的快感を覚え込んでしまった若い体は正直で、やがて政宗の手は幸村の肩を縋るように掴むだけとなった。



「あっ…あ、ッは……やめ、ろって……」

「また嘘を仰る…」



性感故に抗うことも出来ず、己の恥ずかしい場所を擦るそれが普段政宗や小十郎も使う虫さされ薬であるという事実に、政宗はいっそのこと羞恥で意識を飛ばせたらどんなに楽かなどと目を閉じ考えた。 しかし政宗の思いとは裏腹に、幸村は心なしか生き生きとしながら彼の局部を攻め立てる。 完全に勃ち上がった雄の裏筋をそれで擦られれば、政宗は眉尻を下げて切なげに声を漏らす。 容器の先が通った後に残るひんやりとした刺激がまた気持ち良くて、その引き締まった腰を捩った。



「ン……は、っ………」

「気持ち良いでしょう?」

「うっ、せぇ……この変態野郎!」

「その変態にこんなもので弄られて、おちんちんを大きくしている方も変態なのでは…?」

「はぁ…は、……も、黙れ…!」



政宗は観念したかのよう、瞼を閉じ下肢へと神経を集中させた。 幸村の肩口へ顔を埋めるのは、天邪鬼である政宗が幸村にもっと快感が欲しいと強請るサインである。 そのような政宗の所作に幸村はごくりと喉を鳴らし、政宗の鈴口をブラシの先で擽ってやった。 すれば政宗のペニスは一層大きく脈打ち、先端からとろとろとカウパー液を漏らす。 無意識の内に政宗は白い靴下のみを纏った脚を大きく開き、幸村の側へ腰を大きく突き出して自ら容器の先へと陰茎の先を擦り付けた。 熱く猛ったペニスは時折容器を持った幸村の手をも掠め、その度に政宗は身体をびくりと揺らした。



「あ…っク、も、出すぞ……ッ……!」

「構いませぬ、沢山出して下さいませ…」

「は、……ン、む……ッ―――…!!」



幸村が政宗に口づけながら手元のブラシで男根の先端口を上下に素早く擦ってやれば、政宗はくぐもった声を漏らしながら果てた。 透明感の見られぬ濃度の高い精液がペニスの先端から勢いよく飛び散り、互いの着衣や虫刺され薬の容器を盛大に汚した。 それがソファまで及ばなかったのは、不幸中の幸いか。

政宗は未だペニスの先から少しずつ精を溢れさせながらも、肩を上下させて息を整えようと努める。 そして漸く少し余裕が生まれたところで、紅潮した顔で幸村を睨んだ。



「クソ……また変なことしやがって」

「…申し訳ござらぬ」

「…あー……わかったわかった。だからさっさと退…っ!?」



政宗は溜め息混じりに幸村の肩を押し遣るが、幸村を退かすよりも先に政宗のアナルを妙な感触が襲った。 皺の集まる中心へ、ひんやりとした液がブラシによって塗り込められる。 それだけならまだ良い。 しかし幸村は、政宗の内部へその虫刺され薬の容器諸共押し込もうとしているようだった。 いくらさして大きくはないサイズではあっても、異物を胎内へ押し入れられる感覚に政宗は小さく身震いをする。



「……おい、嘘だろ。やめろって…シャレになんねぇ!」

「洒落ではござらぬ。某、政宗殿のおまんこがこれを美味そうに呑み込むところを見たくなったのだ」

「なったのだ、じゃねぇ!俺の意思はどうな…っああぁ!!」



政宗が幸村の髪を掴んで抗議する間にも、幸村はキャップの被るあたりまでを政宗の中へと挿入してしまった。 政宗のアナルは侵入し来た硬い異物に混乱したよう、それをきゅうきゅうと締め付け収縮する。 それと同時に容器の先端から漏れる薬は、政宗の奥へと流れ込んでいった。 何とも言えぬ感覚に政宗は抵抗も出来ず、ソファの背凭れへとしがみ付いた。



「あ…あ、…ッ……!」

「ひんやりとして、おまんこの中も気持ち良うござりますか…?」

「っ…馬鹿!死ね!抜け…!!」

「ぬ……手厳しい。では、これで如何か?」



幸村が容器の底を押して一層強くそれを政宗の中へ押し込めば、慣らされてもいない政宗のアナルは苦しげながらそれを丸ごと呑み込んだ。 若さと情欲と気持ちに任せ散々体を重ねてきた所為か、政宗の下肢は多少の無理にならば耐えられるようになっていた。 しかし流石に苦痛はあるらしく、内臓を無理に拡張させられる感覚に政宗は歯を食い縛り眉間へ深く皺を刻む。 そして何処か愉しげな幸村へ、視線は合わせぬよう悲痛に訴える。



「痛ぇ、痛ぇって…!」

「政宗殿……すみませぬ。しかし、政宗殿は痛がっている表情まで、お美しゅうござりますなぁ…」

「ふざけんな!ッあ、アンタ…なんざ、大嫌いだ…!」

「…その割には、おちんちんは元気なようですが」

「っ……!」



政宗の体は苦痛をも快感へ変換するようになってしまったのか、その男根は幸村の言葉通り再度天を向き血管を浮き立たせていた。 それが堪らなく恥ずかしくて政宗は膝を閉じようとするが、幸村の手がそれを許さない。 幸村は上体を起こし、照明の下自身の白濁に塗れながら後ろに異物を咥え込むあられもない状態の政宗を上から眺め、満足げに笑みを刻む。 その笑みに政宗は眉間の皺を更に深いものとして、脚を押さえつける幸村の手へ弱弱しく爪を立てた。 それでもさして表情を変えず己の後孔がずっぷりと咥える容器を軽く出し入れし続ける幸村が憎らしくて、政宗は思案を巡らせた。 一方的にされるがままのこの状況は、当然政宗にとって面白くなかった。



「っん……幸、村……」

「はい?」



政宗は幸村の手に爪を立てるのを中断し、その首裏へと両腕を回し幸村を引き寄せた。 そして甘く響く低声を、震えを抑えながらその耳へと注ぎ込む。



「……こんな味気ないモンより、いつも喰わされてるアンタの…ちんこのが何倍も美味いんだが」

「!」



政宗が滅多に口にしない露骨な言葉を耳にすれば、幸村の顔はみるみる内に紅く染まっていく。 耳の先まで朱の及んだその様子を見に政宗は目を細めてはぐ、と腹に力を入れ、丸々と呑み込まされていた薬の容器を排泄の要領でアナルから押し出していき、容器の底を外へ覗かせた。 しかし自らそれを排出するのもふしだらな行為に感じ、政宗はまた幸村の耳へと唇を近づけた。



「だから、早くこれを抜…あぁッ!」

「御免!!」



政宗が言葉を終えるよりも早く幸村は容器をその腸内から抜き去り、己のズボンの前を寛げにかかった。 そして硬く勃起したペニスを、一気に政宗の中へと沈めていった。 先程の薬液がそこを潤わせたおかげか、政宗のアナルは傷つくことなく、幸村の陰茎を呑み込んでいく。



「う…あ、まっ…、ゆ、…んァ―――!」

「っく……申し訳、ない…!」



ソファへ横たえられたまま雄を咥え込まされていた政宗であったが、ソファの背凭れのおかげで開脚にも限度があり完全にペニスを迎え入れることが出来ず、それに焦れた幸村に抱き起こされた。 そしてソファへ腰掛けた幸村の腰を正面から跨がされ、一気に突き上げられる。 太い楔を根元まで打ち込まれる衝撃に、政宗は目を見開いて声にならぬ声をあげた。



「ぐっ…!ン、…はァ、ッ……」

「政宗、殿…」

「っつ……へい、きだ…」



しかし苦痛と同時に味わうこの一体感が何とも言えず政宗の心を満たし、政宗は身体の緊張を解くべく懸命に酸素を取り込む。 自らの頭を力いっぱい抱き締めながら肩を揺らす恋人の姿に、幸村愛おしさを覚えた。 だがその陰茎を先程注いだ薬液の刺激が襲い始めれば、幸村は腰を落ち着け政宗の体が慣れるのを待っていることも叶わず、早くもその中を突き上げ始めた。 ピストンの度に薬液がぐちゅん、ぐちゅんと水っぽく卑猥な音を奏でる。 政宗の中の圧迫感と熱さ、そして薬の強い爽快感が相俟って、幸村は今にも射精してしまいそうな程の快楽に眩暈を感じた。



「…あ、っく…ゆき、…まだ…!」

「政宗殿のおまんこ、いつも以上に気持ち良くて…某、我慢が出来ませぬ…!」

「は…!?あ、…は……馬鹿、やろ…!ン、ん……!」



幸村が政宗の腰を掴んで上下へ揺らせば、政宗は歯を噛み締めながらも鼻にかかった甘い声を漏らす。 政宗もまた、幸村の熱さと薬の刺激に常以上の愉悦を感じられずにはいられなかった。 政宗のアナルは今や幸村の雄を嬉々として咥え込み、細かな襞をうねらせていた。 そして政宗自身も、自らの奥の好い場所を幸村のペニスで擦らせるべく、ソファへ両膝をついて腰を上下させた。 その口端からは、快感の余り飲み込み損ねた唾液が一筋伝っている。



「はァ……政宗殿…腰が動いていらっしゃりますな」

「ん、は、っつ……言う、な……」

「おちんちんを挿入されて貪欲に腰を振る政宗殿のお姿…助平で、とてもそそる」

「っクソ…ほんと、アンタって奴は…!」

「助平なおまんこに咥えられ、某のおちんちんも喜んでおります」

「…あ、も……言わないでくれ…!!」



幸村があられもない言葉を発する度アナルがきゅう、と強く収縮するのは自覚があるようで、政宗は幸村に回す腕の力を足しながら少々涙混じりに訴えた。 すれば幸村は笑みを深め、政宗の髪へ軽く唇を寄せる。 そして下からのピストンを更に速く強いものとして、互いを一挙に高みへと追いやっていった。



「うっ…あ、あ、あ…ゆ、きむら…!」

「政宗、殿…、政宗殿…!」

「っい……ああぁ――――…ッ…!!」































情交の後。 後始末まで終えた幸村は、ソファで横になる政宗の正面の床に正座していた。 しゅんと頭を垂れて、その後ろの尻尾髪まで心なしか垂れている。 それに反して政宗は不機嫌そうに顔を歪め痛む腰を摩りつつ、幸村と目線を合わせようとしない。



「政宗殿ぉおお…」

「………いつも以上に腰が痛いんだが」

「お、お許し下され!政宗殿が愛らしかったので、つい……」

「死ね」

「政宗殿ぉおおおお…」

「……………」



幸村がじんわりと眼へ涙を滲ませながら恋人の名を呼ぶと、政宗は呆れたように細めた目を幸村へと向けた。 そして情けなく謝罪を口にする恋人を数秒見つめた後、盛大に溜め息を吐く。



「アンタよ……本当、人格変わり過ぎだ」

「それも、政宗殿が愛らしいが故のこと!」

「妙なモン突っ込んだのも、さして慣らさずしたのもか?」

「うむ!やはり政宗殿が愛らし過ぎるが故のこと!」

「Humn………そうか」



そう言いながら政宗の頬が緩めば、幸村は目を輝かせた。 政宗は先程用に供された虫刺され薬を手に持ち、幸村に対しにこりと微笑みかけた。 その笑みに幸村は、許してもらえると確信したのかぱあっと明るい笑みを浮かべる。



「Ok!じゃあ今夜はこの中身が無くなるまで、ひたすらこれでアンタの元気過ぎるsonを可愛がってやるよ」

「………、………は?」

「これ、意外となくならないんだぜ?………赤玉が出るのと、どっちが先だかなぁ?」

「え、あ……ま、まさ………ぬわああああぁお戯れをぉおおおおお―――――っ!!!!!」

















その翌日学校では、やけに機嫌の良い政宗と、やけに血色の悪い幸村が目撃されたという。





































REBELさんへ捧げさせて下さい…!
大変お待たせしてしまいすみません(汗)
お礼の、ラブエロサナダテです〜!!
まさにやまもオチも意味もなくひたすらエロみたいなアレですが、よろしければお受け取り下さい…!


もろこしヘッド話が見たいと仰って下さった方々も有難うございました!!
もろこしヘッド活用出来てるか謎ですが…取り敢えず現物を隣に置き観察しながら書きました(笑)





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