赤はちまきちゃん 後編










つまりその封が、開いているということだ。
加えて人間よりも鋭い嗅覚を持つ鼻へも甘ったるい匂いが届いているのだから、正体は確実なものとなった。
政宗の耳が今度は違った意味で震える。



「アンタ、それ……」

「ご安心なされよ、とろけるプリンなので液体に近い」

「な…そういう問題じゃねぇんだよ!!アホ!!死ね!!!変態!!!!」

「…しかしこちらのお口は、美味そうにプリンを食うておりますぞ?」

「は、んなワケ……っ!」



そうこう言っている内にクリーム色のプリン塗れになった幸村の中指が腸内へ押し込まれた。
正直、気持ちの良いものではない。少し苦しい。
しかしプリンの滑りを借りて幸村の指は根本まであっさりと中に収まった。
異物の侵入に内壁は排泄の要領でそれを追い出すべくきゅむ、と収縮する。

すれば前立腺が自ら幸村の指先へと触れた。



「あァッ!?っつ……おい、マジ、やめ…!」

「某は何もしておりませぬ。食いしん坊なおまんこが勝手に吸い付いてきておるのではないですか」

「違っ……ぇ…!!あ、ぁ……」



政宗の尻は当人の意図に反しその刺激をもっと、と求めるように幾度も指を締め付ける。
指がいい場所へ触れる度に政宗は耳をぴくぴくと上下させ、一旦萎みかけた熱棒が重力に従いだらりと垂れる状態から少しずつ角度を持っていく。
その様子に幸村は薄く笑み、収縮に合わせ僅かずつ指を抜き差しする。
くちゅ、くちゅとプリンが掻き混ざり卑猥な音が響いた。
抜き差しに伴い入り口から漏れたプリンの一片が政宗の睾丸を伝い、ぽたりと床へ落ちる。
それを見に幸村はすぐさま袋へと唇を寄せる。



「……勿体無い…」

「あ、う……っやめ………」



精の溜まったそれの片側を口の中へ収め甘い表面をじゅる、と吸い上げる。
政宗の局部の匂いとプリンの香りが混ざり合って幸村の鼻を擽り、うっとりとした表情で舌の上にて玉を転がすように愛撫する。
もどかしいような快感からか、政宗のアナルが油断したように少々緩む。
それを見計らって幸村は更に一本の指を足して解し始める。
ぐい、と尻尾を引いてやると下肢へ力が入っていない政宗は抵抗も出来ず今度こそ本格的に幸村の方へ腰を突き出す。
辛うじて取っ手を掴み体が床へ崩れ落ちるのを防いでいる状態である。



「…は………んあっ…」

「大分慣れてきたようですな…」



幸村はこれから己の逸物を受け止める内壁の熱さに一度欲を放った雄の頭を擡げさせていたが、政宗は政宗で体温の高い幸村の指が心地よくて仕方なかった。
温かい。
あらぬ場所を蹂躙されているはずなのに、気持ち良い。
それを示すように掴まれたままの尻尾の先をゆらりと揺らす。

穴が二本の指に馴染んできた頃を見計らって幸村は指をゆっくりと引き抜く。
だが腸壁は逃すまいと言いたげに絡み付いてきて、周囲の肉ごと指に吸い付き穴の周りが少々盛り上がっている光景が何とも卑猥である。
漸く指を外へ抜き出しても、指とアナルの間では中の熱さに溶けた液体状のプリンの糸を引く。
指を抜かれた政宗が挿入を予感してちらりと振り返ったところで液体に塗れた指をこれ見よがしに舐めてやると、頬の赤が深くなってふいと顔の向きを直す。


何と可愛らしい人だろう。








幸村は尻尾から手を離して己の袴を少し下げ下帯の中から雄を取り出しながら立ち上がり、双方の手で政宗の引き締まった腰を掴む。
先端を淫穴へ宛がってやればぴちゅ、と水っぽい音がする。
その音と熱い塊に覚悟を決めた政宗はぎゅっと目を閉じる。



「ゆっくり…挿れんだぜ?」

「…御意。政宗殿、これで某のものに……」

「……馬鹿や……あぐっ…!!」



腰へ力を入れて、亀頭までを内へ挿入すると自由になった政宗の尻尾の動きが固まる。
やはり辛いのであろう。
しかし政宗はは、は、と短い呼吸を繰り返し必然的に入ってしまう力を緩めようと努める。
懸命に己を受け入れようとするその姿にいじらしさでも感じたか、幸村のペニスはぐんと大きさを増した。



「ひっ……オイ!!それ以上デカくしてんじゃねぇよ…!」

「申し訳ない。しかし政宗殿が余りにも……愛らしいので」

「…ン、あ……ぁ―――…!!」



亀頭まで入ってしまえばあとは比較的スムーズに、幸村の性器は政宗の中へ収まっていった。
政宗は弱弱しい声を漏らし耳をへたりと垂らしながらそれを受け止める。
どうにか流血は避けられたが、指とは到底比べ物にならない質量にその肩は震えている。

やがて根本まで結合し終え、指で感じた以上の内部の熱に幸村は眩暈を覚える。
潤った襞にペニスがきゅうと締め付けられ、とても気持ちが良い。

腰を一層引き寄せてずん、と中を突き前立腺を擦ってやる。



「あぁっ…!!あ、…う、動く……な…!」



ぴちゃ、と結合部以外からも小さな音がしたのを不思議に思いふと幸村が床を見れば、少量だがプリンよりも格段に白い液体が政宗の腹の下に零れていた。
政宗は前立腺への刺激に軽く達してしまっていた。
しかし己でもそれに気付いてないのか、必死に快感をやり過ごそうとしている。

気持ち良いのならば、と考えたか訴えに反して幸村は早々にピストンを始める。



「い…っ!ゆ、ゆき、んッ…む、りだっ……!!」

「何が無理なのです?気持ち良くて…ですか?」

「っ……違う…!…くる、し…!」

「こんなに尻尾を振っているのに?」



政宗がはっと振り向けば、己の尻の上では振り切れんばかりに尾が左右していた。
悲しいかなイヌ科の性、己ではそれを止めることもどうすることも出来ない。

己の体が快感に染め上げられていくのを感じ困惑している政宗に対し、幸村は容赦なく雄を抜き差ししている。
粘膜と粘膜が擦れて生まれるのは多大な熱。
圧迫感があるのは本当でとても苦しいはずなのに、それよりも気持ち良さが勝っていて困る。



「これは?気持ち良いのでなければどういうことか説明して頂きたい」

「あ…あ!は、あっ、それ、は…!!」

「っ…素直に認めてしまえば良いでしょう?まんこをおちんちんで擦られてとても気持ちが良い、と」

「ぐっ…!サイアクだ、アンタ…っ…!」

「本当のことを言うておるだけですが…。某は気持ち良いです。政宗殿のおまんこは…っ、よく締まる」

「…う、ぅン……や、妙なこと、言うな…!」

「……本当に素直でない方だ。はッ…某が卑猥な単語を口にする度、凄く締め付けてきますのに」

「っせ……!…や、うあぁ……!!」



図星をつかれた政宗はまた一段ときつく幸村の楔を締め上げる。
その顔を真っ赤に染め涙目になりながらもいつまでも意地を張り続ける政宗の腰を一層己の方へ引き寄せ、絶頂を目指して激しく粘膜を貪る。
政宗の脚はガクガクと震え遂には力を失い床へ崩れそうになるも、幸村がその馬鹿力で腰を固定している為それも許されない。
ぱん、ぱんと肉同士がぶつかり合う。
その上睾丸同士も強くぶつかり合い休む間もなく前後にぶるぶると揺れ、その感覚も興奮を煽るものにしかならない。



「あ、あ、ゆき……っ…!」

「出そうですか?某も…っ、限界のようだ。共に達しましょう…!」

「っ、ンあ…、あああぁ―――――っ…!!!」

「く…っ政宗殿―――…!!」



政宗がぱんぱんに膨れ上がった茎の先端から精液を放つのとほぼ同時、そのアナルの中へ幸村も白濁としたものを注ぎ込む。
互いに身体を強張らせ、しかし政宗は耳と尻尾だけはぴくぴくと痙攣させがら幾度にも分け吐精する。
政宗の精子がぱたぱたと音をたて床へ落ちる。
その音が消えた頃、政宗の体内に収まった幸村のペニスも漸く射精を終えた。












二人の荒い吐息だけが空間を支配する。
肩で息をしながら、幸村は繋がったまま背後から政宗を抱き締める。
温かい腕に包まれて政宗は何処か満足そうに大きく息を吐き出す。

正直、幸せを感じていた。





「…政宗殿。少し無理強いをしてしまったが……、これは某の思いに応えてくれたととってよろしいですか?」

「俺が気に入らねぇ奴にケツ掘らせると思うか?………勝手にしろ」

「有難うございます!!政宗殿……某と温かく幸せな家庭を築きましょうな」

「………バーカ。ガキに耳尻尾生えても知らねぇからな」





















こうして赤はちまきとすっかり絆され色ボケしてしまった狼は、森の中で末永く幸せに暮らした。

































もう中編と後編、タイトルと内容が全く合ってませんね!
どこが赤はちまきだよ。
しかもお館様ん家で何してんですか…!
まぁいいか…うん、いいよね。破廉恥サイトだし。

前編書いた時はプリンなんて使う気なかったんですが…ほんと、ただお館様の好物がプリンなら可愛いと思っただけだったのです。
破廉恥の神様に使えと言われたんですかね、咄嗟の思いつきです。


あ、猟師さん(佐助)出すの忘れた…。
ごめん、佐助。


そして相変わらずオチが弱ーい!



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