※いきなりもしもシリーズ
〜もしも政宗が赤幸村の部下(佐助ポジション)だったら〜





6、雁が首








深夜、上田城にて。
幸村の側近中の側近である政宗は、いきなり主の部屋に呼ばれた。



「………Hey、呼んだかよ」

「政宗………、こちらへ来い」



政宗は、己同様白い夜着を纏い掛け布を膝までかけて布団の上で上体を起こしている主の傍らへ座す。
幸村は腰をもぞもぞさせており、顔は心なしか青い。
主のおかしな様子に、政宗は片眉を跳ねさせた。



「……幸村?どうかしたのか?」

「…………政宗……政宗ぇええええ!!!」

「おわっ!!?」



幸村は突如政宗の腰へ縋りついた。
声には涙が滲んでおり、彼にとって尋常ではない事態であることを物語っているようだ。
政宗は驚き目を丸めながらも、その茶の髪を優しく梳いてやる。



「……落ち着け、どうしたんだ?」

「…政宗………俺は、もう駄目かもしれぬ……」

「What?」

「俺は、………病にかかってしもうたようだ……」

「ちょっ……マジかよ!!!?どこだ、どこが悪ィんだ!?」



幸村はおずおずと政宗から離れ己の腰までを隠す掛け布団を捲ると、そこには………。










「Oh……………」

「……だろう?このようなこと、今まで起こったことがない。」



股で幸村の逸物が、下帯をぐいぐいと押し上げていた。
当の本人は顔を真っ青に染め、眼へ涙を浮かべている。
純粋に真っ直ぐ育ってきた幸村のこと、恐らく本気で悩んでいるのだろう。
しかし、このようなことがこの年まで起こらなかったのは如何なものであろうか…という言葉は、飲み込むこととして。



「………政宗のことを考えていたら、こうなってしまった」

「……は…?」

「…政宗のことを考えると、俺は最近おかしかったのだ。動悸が激しくなったり、顔が熱くなったり。そして今夜のこれだ………やはり俺は病なのだろう」

「……………」



政宗は当惑した。
一緒に育ってきた己の主に、無意識とはいえ欲の対象として見られている。
もしかしたら、恋をされているのかもしれない。
何よりそういう気持ちを向けられていると知った自分の胸が少々躍っていることが、一番政宗を困惑へと導いた。
ずっと一緒だった主とていつか誰かと恋や、婚姻をする。
そして己から離れていくのだろうと思い、胸をツキリと痛めたことはあった。
しかしまさか、その誰かが自分になりかけていようとは………。

そうして少々頬へ朱を上らせながら固まっていると、気付けば幸村の顔が間近にあった。



「うあ!!?」

「政宗?」

「あ、え、いや………」

「どうすれば良いだろうか。やはり医者に……」

「Stop!医者なんざ行かなくて大丈夫だ」

「む?だが、このような珍妙な病…」

「…………心配すんな、俺が治してやる」

「おぉっ!!政宗は誠に頼りになるな。やはりお主に相談して良かった」



そして幸村は、目を細め極上の笑みを政宗へ向けた。
政宗は邪気のないその笑みが恥ずかしくて、後頭部をガシガシと掻く。
しかしその腰を見れば雄が布を押し上げているわけで、政宗はごくりと唾を飲み込む。
片手をそっとその場所へ持っていき、下帯越しに熱塊を一撫でしてみた。
すると幸村の腰がビクリと跳ねる。
他の男のものに触れるなど初めての経験であったが、どうされれば気持ちいいのかは当然心得ている。

政宗が下帯ごと幸村の男根を握り、やわやわと揉んでみれば当人は目を閉じ切なげな吐息を漏らす。



「ん………政宗……」

「幸村、気持ちいいか?」

「っあぁ……、とても、心地良い…。……しかし、これで治るのか?」

「………治る治る、任せとけって」



己の愛撫により快感を得ているらしき幸村の表情に、政宗の気分も次第に麻痺してくる。

―――いつまでも餓鬼だ餓鬼だと思っていたが、こんな表情もするようになったんだな……―――

気付けば政宗は手元の熱いものを撫で育てながら、幸村の唇へ己のそれを寄せていた。
幸村はその瞬間こそ目を見開くも、柔らかな唇の感触に安心したようまた瞼を下ろす。
幾度か折角度を変え触れるだけの口づけを楽しんだ後、政宗は幸村の脚の上へ跨った。
そして上体を前へ倒し股間へ顔を埋め、下帯の上から雄を甘噛みする。



「っ…政宗……!く、苦しいのだが…」

「Humn……、若いねぇ」



下帯の中で質量を増す幸村自身を取り出すべく、政宗は股間を覆う部分の布を傍らへずらした。
すると、窮屈な場所に閉じ込められていた陰茎は出来た布の隙間から勢いよく飛び出し、その茎の部分で政宗の頬を打った。
ぺし、と小さな音が部屋に響いた後、双方の間に沈黙が流れた。
そして幸村の頬は一気に真っ赤に染まる。
いきり立った股間の逸物の先からは、先走りをだらだらと垂れ流しながら。



「…っす、すすすすすすすすまぬぅうううううう!!!!!」

「Ah〜……いいって、気にすんな。健康の証だかんな」

「け、健康…?しかし、俺は病では……」

「………ま、取り敢えず今はこっちに集中しろ」

「うわっ!!」



雰囲気を削ぐ遣り取りを避けようとしてか、政宗は早速幸村の雄を咥内へ迎え入れた。
見目もそうであるが政宗が思っていたよりもそれは格段に大きく、硬かった。
ザラついた舌の表面でカリの裏を擦りながら、鈴口からは雄独特の風味を持つ体液を吸い上げてやる。
幸村はそれだけでまたぐんと楔の大きさを増させ、初めての快楽に体を震わせた。

政宗は口唇が押し広げられる苦しさだけでなく、己まで興奮してきている事を感じていた。
そして蕩けた理性に任せて、雄を加えたまま幸村の臑の辺りへ己の股間を擦り付け始めた。
下帯越しであってもその悦感は確かなもので、政宗は腰を前後へ揺らす。



「ン……っは、……ッ……」

「う…ッ政宗……?」

「……はは、俺も、…アンタと同じ病に、っ…なっちまったみてぇ……」

「だだだ大丈夫な…っあ!うあ、そこ、は………」

「いいから黙れ。っん……ったく、知らねぇ内にこんなに育ちやがって…。昔はあんなにcuteな大きさだったのによ」

「はぁ……ま、さむね………」



政宗は頭部を撫でる幸村の掌と唇に触れる男性器の熱さに眩暈を覚えながら、己の股間へごそごそと手を伸ばす。
そして幸村同様に下帯をずらして陰茎を外気へ曝し、幸村の臑へ勃起しかけているそれの裏筋を擦り付け始めた。
人の足を借りるなど動物のようではないかという理性との葛藤もあるにはあったが、そのような本能に従った下劣な行為をしているという事実にさえ悦を見出す。
政宗の雄も、見る見る内に硬度を得ていった。

幸村も目を細め両手で政宗の頭髪を撫でながら、言いようのない悦と同時に充足感を感じていた。
咥内で唾液を絡めながら敏感な箇所を舐められる感触にも、脚に擦り付けられる熱にも、政宗が懸命に愛撫し来る姿にも欲望だけでなく心の芯を擽られているような感覚を覚えた。



「っ、は………幸村、どうだ…?」

「気持ち良い……のだが、何か、何か出てしまいそう、だ…!」

「…Good。全部出しちまえ」



政宗は口許を緩ませると雄を根本近くまで咥え、息苦しさを我慢しながら素早く頭を上下させ口腔粘膜で男根表面を擦る。
それと同時に、己も夢中で下肢を動かし幸村の脚へ肉棒を擦り付け自らを絶頂へ追い上げる。



「あ、く……政宗―――ッ……!!!」

「んっ、んむ……ンンッ――――!!」



幸村が政宗の咥内へ白などとうに通り越し黄色を呈する精液を吐き出すとほぼ同時、政宗も幸村の引き締まった脚へ向け精子を噴出した。
政宗は口中に含んだだけで尋常ではない濃さと分かる精に吐き気を覚えるも、それも幸村のものと思い眉を寄せながらごくりと飲み込んだ。
そして管に残るものをも吸い取るよう幹を一度、二度と片手で扱いた後漸く口唇をそこから離す。



「ハァ、は、ッ…、………政宗」

「アンタ、溜め過ぎだっつーの…。これじゃ本当に体壊しちまうぜ?」

「そうしたら、政宗がまた世話をしてくれるのであろう?」



幸村は薄らと浮かんだ汗を袖で拭きふと表情を緩めて、政宗の体を正面から抱き締める。










「………これは前田殿の言う、恋という名の病ではないだろうか?」

「…………、………あァ?」










―解説―

・雁が首
お口ですること。
男役は仰向けに横たわり、女役は男役の足を股に挟むようにして(恥部を擦りつけながら)お口でする。






わかってる、主従するなら逆がスタンダードだってわかってる!
けど、幸村が政宗を名前呼び+お初をお世話したげる政宗+アレでびんたが書きたかったのです…!!





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