第31回チキチキかわいいあの子とくんずほぐれつ大会
「…っはあ ッ…」
ぞくりとするほど腰にクるの吐息まじりの喘ぎ。
閉じられた足の間から侵入させた指を動かせば、びくりと跳ねるように反応
する女の身体。
「…」
囁く言葉にすら感じるのか、濡れた瞼が小さく震えていた。
「…あ、…銀時ッ」
反り返る体を抱き寄せ、形の形の良い乳房を揉むと掠れた声が自分を呼ぶ。
ただそれだけで、どくりと下半身が脈打つ。
どれをとっても自分を誘っているとしか思えない艶やかさに絡めとられて、
ただがむしゃらに唇を合わせた。
「ん、ふ…」
柔らかい下唇を吸い上げ開いたそこに舌を侵入させる。
奥に逃げるの舌を絡めとり刺激すればくちゅりと卑猥な音が立った。
執拗に口づけを続ける銀時に、苦しいのだろう首を振って微かに抵抗する。
しかし、唇からずれた男のそれは引くことなくの頬を伝い、柔らかい耳朶に
吸い付いた。
「やあっ」
ぴちゃりと音をたてて耳の中に舌を這わせると、細い腕がゆっくりと銀時の
首に回された。
すっかりその気になった体は食べごろで、思わず喉が鳴る。
「も…だめ」
「…美味そうだな」
にやりと笑えばは頬を染め掠れた声で囁いた。
「…食べ、る?」
こんなに積極的だったことなどあったためしがない。
思わぬ台詞に一瞬返事が遅れると白い指が煽るように銀時の頬を撫でた。
「ね、食べるでしょ?」
愛しい女が自分に向かって微笑む。
「もちろん」
断る理由はこれっぽっちもない。
こみ上げる衝動に身を任せ細い首筋に顔を埋める。
「銀時…ッ!?」
しかし次の瞬間の驚いたような声が耳に入り、顔を上げると白い布が銀時
の目の前で揺れた。
来ている物は全部剥いだ筈だが。と、引っ張れば更に慌てた悲鳴が上がる。
「きゃあ!」
「…ん? なんでお前こんなのつけてんだ…?」
見れば、それは俗に言うエプロン。
ここの台所にも、もちろんある。
そして、そこから導き出される答えは男にとってたった一つ。
「つうことは、…裸エプロンかーッ!!」
いわば「永遠のロマン」に銀時の理性はあっけなく崩壊した。
「ッ、 いやー!!!」
「グアッ!」
鬼気迫る銀時の形相に怯え、思わず突っ張ったの両腕が、ぐんっと心拍数
を跳ね上げた銀時の心臓めがけめり込む。
「お おま…ッ殺す気か…?」
悶えながらも見上げれば、エプロンをもちろん「当たり前に」「常識的に」
着物の上につけたが怒りを露に睨みつけていた。
「さっさと起きて」
冷ややかな視線で銀時を見下ろす。
そしてようやく知る。
「そっか、朝だもんなー」
今までどれだけ非現実的で己だけに都合の良い夢を見ていたのかを。
そして、さわやかな日の光が差し込む部屋を見渡しながら昨晩彼女が万事屋
に泊まったことも思い出した。
布団の上に座り込んであぐらをかいた銀時はうんうんと一人頷く。
「って、納得出来るかー!!!」
「きゃー!!!」
が、その直後、絶叫した銀時は目の前に仁王立ちするの膝裏に腕を回し、
今まで自分が寝ていた布団の上に再び勢い良く転がした。
「銀時!?」
焦るを無視してエプロンを剥ぎ取り帯に手をかける。
「なんで! お前は! 清々しい顔して! なんもなかったかのように!」
「ま…待って!」
一語一語区切りながらに迫る銀時の目は血走り完全に理性が飛んでいた。
「起こしにきてんだよー!!!!」
叫び号泣する姿は愚劣を通り越して痛々しい…。
さてこれは、ようやく互いが想い合ってることを再確認し、晴れて恋人同士
に戻った二人のその後のお話。
某親友T氏の突っ込んだのアパートは、幸い住めなくなるほどではなく、
すぐ修復工事も入る事になり大事に至らずに済んだのだが、彼女が務める病院
の医院長 松本がことのほか心配して、ここぞとばかりに同居を言い出した。
もちろん断る理由のないは快く承諾し、先日ようやく引っ越しを済ませた
ばかり。
本心では銀時と一緒に此処に住みたい気持ちもある。しかし万事屋に厄介に
なるのはいろいろと問題があって…。
主に過激派テロリスト二名の些細な男心がその問題の大部分をしめるので、
若干気に入らない様子だった銀時も、最後には仕方なくも納得してくれた。
松本の家も万事屋からそう離れてはないので、頻繁に訪れる事が出来るし、
仕事が忙しくない時や休みの日は、なるべく万事屋に泊まっている。
それに新八と神楽が本当に良く懐いてくれていて、は二人がかわいくて
しょうがない。
だから4人で過ごす時間はこれ以上なく幸せな物だと思っている。
のだが…。
昨夜は神楽にせがまれて一緒に隣の部屋で眠った。
その前は新八も泊まったので銀時と三人川の字に布団を並べて。
そしてそのまた前は…
と、いうように未だ二人きりで夜を過ごしてはいなくて。
どうやらそれが、思いのほか大きな落とし穴だったようで、なかなか二人の
時間を取れない恋人が爆発してしまった。
ぶっちゃければ、ヤリたくてしょうがないらしい銀時の欲望が、なけなしの
理性を押さえ込んだ朝のこと。
うっかり穴に落ちてしまったは今まさに、掘った張本人の餌食になろうと
していた。
寝起きとは思えない俊敏な動きに、為す術もなく押し倒されたを見つめる
男の眼がキラめいた。
こんな時ばかりキラめかなくても良いのにと焦りながらも思ってしまうのは
不謹慎かもしれないが仕方のない事。
しかし、ほんの僅かの気が逸れた事が気に食わないのか、銀時は容赦なく
着物の裾を捲り上げる。
「やだァ!」
「相変わらず細ェーのな」
焦る女を煽るような、勝ち誇った含み笑いといやらしい声が堕ちてきた。
じたばたと無駄な足掻きをする細い足を捕まえ、露になった白いふくらはぎ
に銀時は頬擦りをする。
「ッ…」
「でもって柔らけェ」
「ぎ…んっ」
ぞわりと背筋を這い上がる震えにはぎゅっと目を閉じる。
「…美味そー」
追い詰めた獲物に狼と化した銀時が喰らいつこうとしたその時。
「ー。ごちそうさまヨー」
不意に聞こえた神楽の声にドクリと心臓がなった。さすがに、銀時も動きを
止め、二人して固まる。
痴話喧嘩をしている間に待ちくたびれた神楽は寝起きの悪い銀時を待つこと
なく先に朝食を平らげてしまったようだった。
そして聞こえる足音。
「「………」」
こんな姿をあの少女に見られたらと思うとの背にイヤな汗が伝った。
二人の視線が見える筈もないのに、襖の向こうに集中する。
「定春と散歩行って来るアル!」
しかしその足音はこちらへ近づく事なく、玄関へと遠ざかって行った。
「…どうやら運命の女神様は俺の味方らしいなァ」
にやりと笑った男がこちらに視線を戻す。
「待ッ」
のしかかって来る体を必死に押し返すと、その細腕を押さえ込もうと手首
をつかむ銀時。
ペースは完全に男に有る。
まさに、今まで溜まりに溜まったいろんなモノを、吐き出す絶好のチャンス
なのに、肝心のが往生際悪く足掻いていた。
そんなにも、自分に触られるのが嫌なのだろうか? などと余計な考えまで
沸き上がってくる。
それを頭からなんとか消そうとするが、思わず焦りが口に出てしまった。
「俺たちめでたく元鞘に納まったんじゃねーのかよ!?」
「納まったわよ!だからこうして泊まりにも来てるし、朝ご飯だって一緒に
食べようとしてるじゃない!」
もっともな理由が返ってくる。
とて、銀時に触れられるのが嫌なわけではない。ただ、こんな朝から始め
なくても良いではないかと思ってるだけなのだが。
しかしそれで男の欲望が納まるわけもなく。
「朝飯食ってる場合じゃねえ!」
「なによ私の作ったご飯食べられないっての!?」
大体において話しがズレてきている。
「先に食べさせるモンがあんだろーが!!」
それにセクハラで応酬する銀時。
あまり大声では言えないが、大人げないこと山のごとし。
暫くややズレながらも言い合いが続き、身の危険をひしひしと感じたは、
なんとかこの状態から脱出しようと冷静を装う。
「銀時。落ち着いて、ね?」
「落ち着いてるってーの。 ただよー、俺のムスコはしょーがねーだろォ?
なんせワンパク盛りだからよォ」
ねちねちと諦めの悪い男にこめかみを引きつらせながらも、ここで騒いでは
また振り出しに戻ってしまう。
にこりと笑ってはそのエロ発言をスルーする事にした。
「私、お昼から仕事だし…。それに、もうすぐ新八君来ちゃうでしょ?」
だから、また今度、時間がある時にゆっくりね?
と、言いはしないが(約束をすると後が大変な為)そんなニュアンスを含め
目の前の獣をじっと見つめる。
「…」
暴走はしても、結局はに甘い銀時が言い返せず黙った。
「さ、ご飯食べよ」
勝利を確信したがそっと男の腕をどかし起き上がると、我に返った銀時が
慌ててそれを抑える。
「待て!」
「…」(もう少しだったのに…)
チ。と内心舌打ちしながらもは顔に出さず小さく息をついた。
「まだ収めてねえ!」
それを言うなら終わってない。だと思うが同意語として見てほしい。
さすがにここまで往生際が悪いと我慢出来ず声を荒げてしまう。
「だって、納めるだけじゃ終わらないでしょうが!」
それも一理ある。というか、それがすべて。
「ったりめーだろうが!具合を確かめるべく前後左右出し入れするし、必要
とあらばねじって…ぐあ!」
とうとう堪忍袋の緒がキレたの拳が銀時の鳩尾にきまった。
昔、彼女に護身術を教えたのは他でもない銀時と高杉に桂と坂本。
万が一領地内に敵が攻めて来た時の為。…というよりは、彼女に不埒な行動
を起こそうとするバカの手に掛からないように。
だが、強さでは、トップを独占する4人が四六時中側に居るにおいそれと
手を出すような命知らずは居なかったので、ほとんど使われることはなかった
のだが…。
「………もう死んで」
はあはあと肩で息をするが疲れきった声で呟く。
「ああ!一緒に天国にイこうぜィ!!」
「ひとりで逝けええええええ!」
重ねて言うがに護身術を教え込んだのは銀時と他三人。
名目は身の危険を回避する為である。
そして本日めでたく、最も適した使われ方をした。
2007.03.23 ECLIPSE

アトガキ
アレですかね、大分はっちゃけてしまったんですけど、大丈夫ですか?
ちゃんとついて来てくれてますか?
後半戦は言わずもがな大人仕様になってしまいます。
どうぞ苦手な方はそこだけ飛ばして読んでくださいませ。
そして、お子様は決して立ち入らないでくださいね。