「オオオオオ…オマエラ、嫌だったら…やめて良いんだぞ!!!?」
がたがたと足が笑っている担任に3−Zの生徒たちは半ば呆れながらも首を横に振った。
本日は銀魂学園名物(?)夏休み納涼企画【必殺 肝試し】の日だ。
毎年逃亡を図るこの教師が今年はなぜか積極的に参加してるのにはわけがある。
「どうせ、邪な理由アル」
神楽がそう言えばぐるりと振り向いた銀八は半泣きになりながら喚き出した。
「ばばばばっかじゃねーのっ?そんなんじゃねーって、日本ではなあ侍魂ってのがあって…
「じゃあ早く行くヨロシ」
すべて言い終わらないうちに神楽たちに背中を押され、スタート地点に無理矢理立たされた
銀八はきょろきょろと辺りを見回す。
「まてまてまてまて!って、あいつ何処にいんだよっ」
冗談じゃねぇ。学園祭の次に嫌な行事に今年素直に参加するのにはワケがあるってのに、
その肝心の女がいやしない。一人で行ったところで怖いに決まって…イヤイヤ怖くないし。
バレバレだと言われようが、良いところを見せてより自分に惚れてもらおうと目論んでいるのだ、
一人で行っても全く意味がない。と焦っていると、そっと細い腕が絡み付いた。
「…!?」
「銀八先生 行きますよー」
ぐるりと首を巡らせば、浴衣姿のイイ女。っつーか、俺の女。
「銀八?」
「ッ…なんでもねー!」
「お化け怖いんだって?」
「アァ?なに言ってんだっ。ンなわけねーだろうが!」
小さな音一つにもびくつく銀八を見ながらため息をつく隣の恋人。
「そう。じゃ、つないだ手緩めてくれない?」
気がつけば力の限り小さな手を握りしめていたようだ。
「…でも、離さないでください」
「ハイハイ」
ドキドキと高鳴るこの胸の鼓動。
隣を歩くその横顔を見やれば、小さく微笑み視線を返す女に見とれてしまうしまつ。
吊り橋効果、狙って玉砕。つうか逆に自分がメロメロ。
3Zお題より。 強制参加肝試し
2008 ECLIPSE
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