余韻

カカシサイドストーリー


 
頭から離れない・・・。


が掴んだ腕の温もり。
繋いだ手の暖かさ。
俺だけを映す瞳。


『珈琲でも飲んでく?』なんてね、
いきなりはまずいでしょーよ、ホントに。
の頭ん中には、俺が思ってる様な事なんて、無かったみたいだし。
昔の俺なら、そんな事は気にせずに、
それこそ一夜限りの付き合いもした。
だけど、の事は大切にしたい。
時間を掛けて、お互いの距離を縮めてからでも・・・。
それに涙ながらに抵抗でもされたら、立ち直れないでしょ。
は受け止めてくれたかもしれないケド。


「本気の相手には、俺も臆病になるもんだ・・・。」

カカシはぽつりと呟き、組んだ手の上に頭を乗せ、ベットに横たわる。




まだ残ってる。
腕に抱いた感触。
その体から伝わる体温。
鼻を擽る甘い香り。
俺の名を囁く声と、初めて触れた唇の甘さ。

もっと深く味わいたい・・・
体中で欲してる。


どんな風に俺に応えるのだろう。
そしてどんな風に乱れるのか・・・。

早く確かめたい、を感じたい。
そんな考えが渦を巻く。


・・・・
次は俺、自分を抑える余裕ないかも・・・


任務の疲れと、アルコールのせいでカカシの瞼は重みを増す。
を抱き締めた感触と、の甘い残り香に包まれながら、
カカシは眠りに付いた。