木の葉隠れの里。
五代目火影。
彼女は無類の賭け事好き───
Volunteer
里の資金源は所属する国からの資金援助、同盟国からの資金援助の他に、戦忍と呼ばれる彼らの依頼料の一部がある。
依頼を請け負わない、事務担当や、暗号解読班、医療班、教育担当、特別上忍などの給料もここから捻出される。
忍達の給料の他にも、施設の増改築や運営にもお金が絡んでくるわけで・・・。
「綱手様、今年度の決算報告書です」
「あぁ・・・」
火の国タイムズと小さな紙切れ数枚を照らし合わせていた綱手は、小さく苦笑した後、シズネからのファイルを受け取った。
「まずまずだね」
「はい・・・・・」
「なんだい、冴えない顔して。予備費も積立も悪い数字じゃないだろう?」
「そうなんですが、これが先程届いた桔梗城修復の見積もりです」
若干曇った顔のシズネは、ファイルとは別に一枚の紙を差し出した。
「自棄に高いねぇ」
「あそこは歴史的建造物ですからね。専門の宮大工に頼まないとこれ以上の修復は不可能です」
「出せない事もないがね・・・・・・」
「分割でもよろしいそうですよ?」
「バカ者。こういう物は現金一括で支払うんだよ」
「では予備費の方から一部出しますか?」
「ふぅ・・・出来れば他から出したいんだが・・・」
机に肘を付き、見積書をひらりと落とした綱手は、その紙が一部覆った小さな数枚の紙を見て、瞳を輝かせた。
「あるじゃないか、良い方法が!!」
「何ですか、いきなり」
「これだよ、これ」
二本の指の間に挟んだ小さな紙切れを、シズネに向ってピンと弾き、綱手はニヤリと笑った。
数日後。
アカデミー内の掲示板に群がる忍達。
はランチを共にしたアンコと顔を見合わせ、首を傾げた。
「なんだろうね?あれ」
「さぁ?」
掌を胸の脇で天にかざし、次には「見れば分かるわよ」との腕を掴んだアンコは、人だかりを掻き分け掲示板の目の前に躍り出た。
「第一回…火影くじ!?」
そこには一枚の大きなポスターが貼ってあり、五代目火影である綱手がにこやかに笑っている。
「一等、上忍三本、二等、特別上忍五本。三等、中忍十本。四等、下忍三十本・・・」
なによこれ・・・と絶句するアンコの肩越しからはポスターを覗きこんだ。
「え?なに?なに?アンコちゃん。良く見えない・・・」
自分の肩に手を付いて、右に左に身体を動かすをアンコは一度振り返ると、溜息混じりに答えた。
「私等、賞品にされてんのよ。富くじの!」
「・・・・・・へ?」
「特上リストに名前が載ってるわ」
全てを読んだアンコはもう一度振り返り、の腕を引いて、この人だかりから抜け出した。
窓際に陣取り、人山を見ながら口を開く。
「今度、桔梗城の修復がされるらしいのよ」
「うん。うん」
「予算確保の為に火影くじを開催だって」
「へぇ・・・・・・。で、私達が賞品なの?」
「そう。殺人、誘拐、窃盗、人体実験、売春行為等はNG。まあ早い話がDランク任務を無料で請け負えって事よ」
「そうなんだ〜」
「なに呑気な返事をしてるんだか。ただ働きなのよ、無料奉仕!!売上は全部修復に充てらんの。通常の富くじだったら、賞金で売上が削られる。でも労働だったら、売上は丸々収益になる。綱手様の考えそうな事だよ」
「いいじゃん、アンコちゃん。最近内勤が多かったし」
「まともな依頼ならね」
「だって、Dランクって畑仕事とか、お店の手伝いとか、そういうのでしょ?」
「まあそうだけど。ただリスト内からの指名制っていうのが妙に引っかかる」
「指名制?」
はアンコに視線を移して首を傾げた。
「リストの中から当選者が選べるって事」
「ふ〜ん。適材適所って事なんじゃないの?」
「そりゃそうだけどさ。ゲンマとかイビキの名前がないっていうのも腹立たしい」
「あの二人には、そういうの似合わなそうだよ、アンコちゃん」
「ちなみにアンタの彼氏の名前もなかったわよ。上忍は新人君ばっかり。流石の綱手様も、はたけカカシは出せないって事ね」
「あははは・・・。でも売れるのかな? このくじ」
「どうだろうね」
二人は顔を見合わせ、執務室へと戻り始める。
一枚の値段は正規のDランク任務を依頼するより遥かに安いし、農作業は猫の手も借りたいシーズンで。
それに加えての指名制度。
高位の忍達がDランクを請け負う事は稀であるし、陰ながら忍個人のファンもそれなりに居るのだ。
数日後、発売開始となった火影くじは飛ぶように売れた。
そして、奉仕活動当日───。
任務前、偶然会った紅に掛けてもらった幻術で、そつなくこなせた。
・・・とは思ってる。
自分とは全く違う世界からの依頼に正直動揺した。
縁がないと思っていた空間だったから。
最近木の葉周辺の街で流行っているのは知ってる。
でも里内にはまだないから、実際に目にした事はなく。
だけどあの服を客観的に見て、ちょっと可愛いと思った事もあったりして。
実際自分が着るのはどうかと思ったけれど・・・。
「紅!アスマ!」
前方に見える見慣れた人影に、は走り寄って声をかけた。
二人は仲良く振り返り、アスマは「おう!」と返事を返す。
「おはよう、。これから任務なの?」
「おはよ〜〜そうなの、例のアレ。私富くじの賞品です」
「あ〜アレね」
「ねぇ紅。なにか、度胸のつくような幻術みたいなのってないかな?あったらかけて欲しいな」
「いいわよ」
「お願いします・・・・・・」
紅が印を結び始めるとは静かに目を閉じた。
「はい、これで今日一日あなたは別人。頑張ってご奉仕して来なさい」
「うん。ありがとー。じゃ、行って来ます!!」
大きく目を開いて、は笑顔で駆けて行く。
「いってらっしゃい」
にこやかに紅は手を振って。
その後ろ姿を見たアスマが怪訝そうに問いかけた。
「そんな幻術あんのか?」
「ないわよ。幻術にかかったっていう暗示」
「ひでえ・・・」
「あら、これで十分よ。それに女はみんな女優だから大丈夫」
米粒のように小さくなったを見ながら、紅はしれっと言い放った。
「オレの大事なになにやってるの? お二人さん」
後ろから声がする。
だけれど慌てる二人でもなく、紅は「あら、何が?」と笑いながら振り向いた。
次いでアスマも、アイコンタクトで挨拶を交わす。
「今帰り?」
「そ。随分楽しそうじゃないの。は任務?」
「そうよ。例のアレ。富くじの無料奉仕に出かけたわ。あ・・・・・・カカシはがなんの任務に就いたか知らないでしょ」
「まあね」
に任務が振り分けられた時は、既に里外に出ていたカカシ。
桔梗城修復予算の為に富くじが発売されたのは知っているけれど、がどんな依頼を請け負ったのかまでは把握していない。
紅は勿体付けたように笑うだけで、その先を話さず、アスマはやれやれと呆れたように煙草を取り出した。
「な〜に、勿体ぶっちゃって。さっさと言いなさいって」
「だってね、カカシの顔が激変すると思ったら、可笑しくて」
これから先に見せるであろう、カカシの表情を想像して紅は笑ってる。
アスマは他人事のようにそれを見ながら、煙草の煙を吐きだした。
「あのね、秋葉街が発祥の地で、そこから広がっていったカフェってなんでしょう」
「・・・・・・・・・・・・」
「行った事がなくても知ってるでしょ?『お帰りなさいませ、ご主人さま』よ」
「・・・・・・・・・・・・」
カカシはただ呆然と。
アスマは紅のセリフに吹き出して、彼女に睨まれた。
「カカシ? 大丈夫? 分からなくもないけど、妨害しちゃダメよ。正式に受けてるんだから」
「するわけないでしょ」
「まあ精々戻ったら、他の男共にかしずいたを労ってやれ。」
「・・・・・・アスマ、オレの事苛めて楽しい?」
「ああ、楽しい」
「あのね・・・・・・」
カカシは言い掛けて、「やっぱりいい」とその先を口にするのをやめた。
「でもカカシ、折角帰って来たのに、に会わなくてよかったの?」
「オレ飢えてるからヤバイでしょ」
「アホ」
「もういっぺん任務に出てきたら?」
呆れた二人は踵を返して待機所に向い、カカシは火影の部屋へと向かう。
紅が去り際に「大胆になれる暗示、掛けといたわよ。」と意味あり気に笑った。
朝のやり取りなど知らないは、店主から受け取った大きな紙袋を持って大門を潜る。
閉店は夜の九時。
開店から閉店まで二回の食事休憩と、一回の休憩を挟んで、目一杯働いた。
本職が本職だけに疲れは然程感じていないけれど、可愛い悩み事が一つ出来た。
カカシと付き合い始めて約一年。
一緒に暮らすようになってから、三か月。
明かりの灯る部屋に帰るのは嬉しいけれど、今日ばかりは自分で点けたい。
そう、それは、カカシより先に帰りたいという事。
アパートの階段を上って通路に出れば、玄関横の小窓から漏れる明かり。
カカシが帰って来てる。
すごく嬉しい反面、どうやって隠そうと考えるブツが一式。
富くじの当選品は労働力。
だから報酬はないけれど、お礼だと渡された。
「ただいまーカカシ。お風呂入るね!」
恋人に顔すら見せず、はバスルームに飛び込んで。
洗面台下の物入れに何とかそのブツを押しこみ、ゆっくり入浴を楽しんだ。
身体を拭き終って、気づく。
着替えを持って来ていない事に。
同じ物は着たくないなと、バスタオルを身体に巻いて髪を念入りに乾かし、寝室へと急いだ。
「やっぱりここに居たの」
ドアを少し開いて、は恐る恐る室内を覗きこむ。
自分の恋人は、月明かりだけで、本を読んでいた。
一緒にお風呂だって入れるのに、状況が変わるとなんとなく気恥かしさを感じるもの。
ちゃんと隠す所は隠しているのにも関わらずに。
「ん? おかえり。どうしたの? 入ってくれば?」
ベットの縁に腰掛けたカカシは、若干身体を捻って、写真立ての前に本を置こうと腕を伸ばす。
上は何も身に付けていなく、下はいつものズボンで。
カカシの伸びた背中と腕の筋肉が綺麗に浮かぶ。
見とれちゃいけない、その隙に。
はカカシの背中が見えている間に、部屋の中へと入り込む。
ずっと自分に背を向けている事はないのに、コソコソとカカシの目を盗むようにしてしまう、不思議な心理状態。
「随分と挑発的な格好だねぇ」
入って来たをチラリと見て、半裸のカカシが口角を上げた。
「着替えを取りに来たの」
カカシには近寄らず、タンスを開けようとした所では名前を呼ばれた。
「こっちにおいで」と、カカシが腕を広げて。
その中へ吸い込まれるように、は入って行く。
開いた足の間に入り込み、自然と促され、右側の太腿に腰を下ろした。
自分の肩を優しく掴む掌の感触と、背中に感じるカカシの腕。
腰に回された左手に、間近で見るカカシの顔。
何もかもに、心臓が躍る。
「どうせ脱ぐんだから、いらないでしょ」
「ごもっともです」と言いたいセリフ。
十数日ぶりに会った恋人同士なのだから、そうなるのが自然といえる。
の肩を親指でなぞりながら、カカシは耳元に唇を近づけた。
「はシタくないの? オレはすごくシタイ」
吐息とカカシの声が耳にかかって、の言葉が僅かに震える。
「私も・・・・・・シタイ」
「だけど、その前に」
「・・・・・・?」
「今日の任務はどんなだった? ボランティアしてきたんでしょ? 久々のDランク」
「・・・・・・あっ・・・ええと・・・・・・」
「言えないような事して来たの?」
は首を振りながら、言葉を探していて。
彼女が自分に、隠し事を出来ないと知っていながら聞くのだから、カカシも意地が悪い。
「ウェイトレス・・・・・・」
「へぇ〜〜なんの店?」
言い逃れが出来ない声色。
怖くはないけれど、嘘を付いてもばれてしまいそうな雰囲気に、の目線はどんどん下がっていった。
「・・・・・・メイド・・・・・・カフェ」
「オレ、その手の店、行った事ないんだよね〜〜」
「ちょっ、やだ」
思わず上がったの顔。
「ん?」
「カカシがメイドカフェなんて」
「最近流行ってるらしいじゃないの?」
「そうだけど・・・・・・」
「だったら、がどんなのか教えてよ」
「怒ってない?」
「怒るわけないでしょ。指名された任務なんだから」
「そっか、そうだよね。良かった。う〜〜んとね、エプロンドレスを着て、お店に来る人は、お客さんじゃなくてご主人さまなの」
カカシは「そう」と頷きながら聞いていた。
「ご奉仕する精神が大切?って感じかな」
「里の為にボランティアして、店でもご奉仕? 随分と献身的だね〜〜」
「でも、結構楽しかったよ。紅に術かけてもらったからかな」
「へぇ〜〜だったら、たまには俺にも奉仕してよ」
耳に届いた言葉を正確に理解する。
でも反応に迷い、の瞳が一瞬彷徨った。
聞き流すか、肩でも揉みましょうか?と誤魔化すべきか、素直に聞くべきか。
イヤな事ではないから、今日の自分は前の二つを可愛いと思えなくて。
「いいよ」とカカシの要望を素直に聞き入れた。
はカカシの前に立ち、両手で彼の頬を包み込む。
ゆっくりと落ちた唇がカカシと触れ合って、舌を絡め合った。
首筋、肩と移動するのキス。
徐々に降りて行くの唇に、カカシは両手を自分の後ろに付いて身体の角度を変えた。
床に膝を付きながら、はカカシの胸板に何度も唇を落とし、小さな飾りを口に含む。
小さな、小さな胸の先端。
それを何度も舌先で転がせば、カカシの身体が僅かに揺れる。
「男の人も感じるの?」
くすぐったがっているように見えるけれど、そんなカカシが可愛い。
「ま、少しは」
カカシの返事には微笑み、視線を絡ませながら反対の乳首を舐めて。
口に含み、舌で転がしながら、静かに目を伏せた。
吸い上げ、軽く歯を立てて口内で遊ぶ。
自分の唾液で光る硬くなった乳首にお別れをして、脇腹を摩りながら、は六つに割れた腹筋に口付けた。
「カカシの身体って、ホントカッコイイ」
「そう?」
「うん。触りたくなるし・・・・・・見ると感じちゃう」
「じゃ、オレと同じだ」
の心臓が大きく跳ねた。
欲情してくれる事が素直に嬉しかったから。
「もう大きくなってる・・・・・・ね」
布の上から隆起したカカシの雄に触れてみる。
熱くて硬い、愛しい塊。
「そりゃ〜ねぇ。に触れてから、ずっと勃ちっぱなしなんですけど。」
「そうなの?」
「そうなの」
は撫で付けていたいた手を止めて、カカシの腰に手を掛ける。
ゆっくり引き下げれば、カカシは腰を浮かしてそれを手伝い。
二枚の布が床に落ちた。
「オレにものハダカ、見せてよ」
「・・・・・・うん」
身体に巻き付けたバスタオルを自分で剥がして、カカシのそれと並べて置く。
「やっぱり、イイね。のハダカ」
嬉しいけど、少し恥ずかしいから、膝を一歩進めて、足の間に深く入り込む。
目の前の熱い塊。
それに軽く触れる。
「硬〜い。それに温かい」
「は?」
「ん?」
「オレ見て感じるんでしょ?」
「・・・・・・多分・・・・・・濡れてる」
「多分なの?」とカカシは小さく笑って。
自分の太腿を合わせれば、その奥がヌルリとぬかるみ、音まで聞こえそうな程潤っているのだから、カカシが気づかない筈もなく。
誤魔化したと思われるのがなんだかいやで、は言い直した。
「・・・・・・すごく、濡れてると思う・・・・・・」
そう言いながら、は掌を筒状にして、肉棒を包み込むと、上下に動かし始める。
「じゃ、後でたっぷりご褒美あげるね」
「うん」
指で輪を作りながら出っ張りを刺激して、竿の部分を丁寧に舐めて。
腹に付くほど威勢の良い肉棒の角度を少し起こすと、はそれをパクリと食べた。
口の中の塊を舌で愛撫し、浅く深く上下に顔を揺らす。
「上手いよ、」
褒められて嬉しくて。
が上目使いでカカシを見れば目が合った。
見られてる────
その事がの身体を熱くして、より一層濡らした。
裏筋、出っ張り、先走りの出る小さな穴。
其処にも丹念に舌をはわせて、目には見えないけれどカカシの興奮が伝わってくる。
「おいしい・・・・・・」
「そんなに美味しい?」
「うん。すごく美味しい。大スキ。カカシ、気持ち良い?」
「気持ち良いよ」
そして再び、カカシを口内に閉じ込めた。
「がオレを咥えてる。」
「んっ・・・・・・」
「可愛い顔で、口いっぱい頬張ってて最高」
「・・・・・・っ」
肉体を攻められない分、カカシは言葉で攻め始める。
上体を支えていた腕の片方をシーツから離して、の髪を優しく撫でて。
前髪を梳きながら、表情の変化を楽しむようにゆっくりと語るカカシの顔は、優越感に満ちていて。
「今日の店には、いっぱい居ただろうねぇ・・・・・・」
「・・・・・・?」
「にこうして貰いたかったヤツ」
子宮に響いた言葉に、は閉じた瞼を強く瞑った。
トロリと溢れる蜜の感触がはっきりと伝わり、そこがカカシを探して蠢くのを押さえられない。
まだ何もされていないのに、受け入れる準備の整った身体は、熱くて痛いほど。
カカシはそんなの耳を触り、頬をさすって、肩を撫でる。
それだけで、喉の奥から声が漏れた。
「ホント、感度の良いメイドさんだ」
「んっ・・・・・・っ」
「もう少しだから頑張って。そしたら沢山可愛がってあげるよ」
カカシの呼吸が少し乱れてくる。
は肉棒を吸い上げながら、休みなく往復を繰り返して。
すると、カカシの息使いが荒くなり。
「・・・・・・っ。」
一際張り詰める口内のカカシ。
これは射精の前兆。
「・・・・・・そろそろ」
それでもの口はカカシを放す事はなく、更に早くそしてキツク攻める。
すると。
カカシの喉が、「くっ・・・」と小さく鳴った。
そのすぐ後に温かいものがの口内に注がれる。
ゴクリと動くの喉は、それを飲み干し残滓を吸い上げた。
カカシを口内の束縛から解放して、勢いの弱まった雄に何度もキスを贈ると、はちょっぴり照れくさそうにカカシを見上げて。
「飲んじゃった?」
「うん」
「何か飲む? 持ってこようか」
「平気」
はカカシの腰に腕を回して、綺麗な腹筋に頬を寄せる。
「ありがとね、」
優しく笑うカカシの顔は見えないけれど、髪を撫でる手からそれは伝わってきて、は子供っぽく「えへへ」と笑った。
「さてと、お待たせ。ちゃんの番」
カカシの声は明るく、軽やかに。
ふわりと宙を浮く感覚があったような気もするけれど、気がついたらベットの上に横になる自分。
広がる足の間にはカカシが居て。
疑問符の付いたの視線を、ニヤリと笑って流したカカシは、彼女の膝を持ち上げた。
「きゃっ・・・・・・いきなり!?」
「逆からっていうのも、いいんじゃない?」
そう言ったまま、の其処を見続けるカカシに抗議する。
「・・・・・・なに、あんまり見ないで・・・・・・。」
「報告通りだーね、。濡れて光ってる」
「やっ・・・・・・」
「恥ずかしいの? 自分でも言ってたじゃない、濡れてるって」
「そうだけど・・・・・・んっっ、あぁっ」
くぷっと入り込んだ中指がゆっくり沈み、ゆるりとしたピストンを繰り返す。
「ホーント、ぐちゃぐちゃ」
粘膜の柔らかさ、開き具合に、濡れ具合、どれを取っても最高のコンディション。
既に復活した雄を埋めたくなるけれど、ここは我慢して。
に約束したんだから。
──── ご褒美をあげなくちゃーね。
指の腹で上部を擦りながら、隠れた芽に口付けて。
舌先でくるくると円を描く。
「はぁっ・・・・・・んっ」
刺激は段々とゆるやかに。
オアシスに沈めた指を抜き去り、直接愛の水を啜っては、舌を泳がせる。
の運ぶコーヒーも美味しいだろうけど、やっぱりこっちでしょ、本気で思ったが口には出さず。
だって、真っ赤になって怒りそうだから。
オレだけのものだと、無言の口は饒舌にを攻め立てる。
怒るのは筋違い。
それはもっとも。
に対しての怒りは、全くと言っていい程無い。
ただ、今日の任務が気に入らないだけ。
沸き上がる独占欲と優越感に、カカシは自分の幼さを見たけれど、愛の深さを再確認出来た、そんな日。
「」
「・・・・・・? んっ!あぁっ」
カカシはの名前を呼んで、指で広げた浅い溝の中に舌先を落とす。
左右の小さな襞を優しく舐めた後、カカシの唇は上へと上がって行く。
下腹に何度もキスをしながら、カカシの両手が白い膨らみを覆って。
徐々にカカシが近くなってくる。
肌が重なるのは嬉しいけれど、愛撫を打ち切られた其処は激しい収縮を繰り返して、納まるべきモノを呼ぶ。
そんな事、十分に分かっている筈のカカシは、時間と技をの胸に注いだ。
また少し、せり上がってくるカカシの身体。
鎖骨から首筋に移動したカカシの唇が、の唇と重なると、ぬかるみに感じた熱く硬い塊。
いれて── と全身が求めるけれど。
声に出さない言葉は伝わらないのか、カカシは耳朶を噛んで、頬に口付けるばかりで、欲しいモノをくれない。
溢れ出す程濡れて、やっと貰えたのは遠ざかっていく愛撫で。
気が狂う程、カカシが欲しい。
「カカシ・・・・・・」
「な〜に」
の首筋に顔を埋めていたカカシは、顔を上げて覗きこむ。
「いれて・・・・・・」
「もういれちゃう? まだ片道なんだけど」
「・・・・・・え?」
もうワンセットあったらしい。
そこまで焦らされたら、本当に壊れてしまう。
すでに壊れかけているのに。
「オレのがそんなに欲しいの?」
「欲しいよ・・・・・・。いれてほしい。お願い」
「いいよ。挿れてあげる」
カカシがそう言って腰を落とすと、愛液に濡れた先端が音を立てて沈んだ。
「あああっっ・・・・・・カカシ」
「お待たせ。のナカ、すごい事になってる」
半分まで挿れては、ギリギリまで引き抜いて。
の其処から溢れた蜜はゆっくりと肌を伝い、シーツを濡らす。
「はぁっ・・・・・・カカシだぁ・・・カカシが入ってる」
「そうだよ。のナカに入ってる。どう?」
「気持ちイイ・・・・・・」
だけど、根本まで埋め込まないカカシに、の焦れた身体が追いかける。
「腰、動いてるよ。可愛い〜」
「もっと・・・・・・」
「ん?」
「もっとカカシでいっぱいにして? 全部ちょうだい」
カカシはの髪をかきあげて。
「あげるよ。全部挿れて掻き回してアゲル、のナカ。いくよ」
「んっっっ!!あっっ!!」
浅い所で止まっていた杭を、カカシは思い切り打ち付けた。
「もうオレ以外の男に、ご奉仕なんてしちゃだめだからね」
「やっぱり・・・・・・怒ってる・・・・・・」
「怒ってるんじゃなくてねぇ、これは嫉妬」
話しながらも大きく動くカカシの腰。
その度に流れる蜜が音を奏でる。
「あッッ!!や・・・・・・んっっあっ」
「を抱けるのはオレだけだけど、頭ん中で犯しているヤツがいるかもしれないでしょーよ」
「やっだっ・・・・・・」
「だからダ〜メ。ま、今度があったら、手を回すケドね」
裏でという意味なのだろう。
今回は対応しきれなかったけれど、はたけカカシにしてみれば容易い。
「今夜は、嫉妬に駆られたオレに付き合ってもらうよ」
「・・・・・・可愛い、嫉妬」
「あのねぇ・・・・・・」
緩んだ腰の動きが、に少しの余裕を与えて。
「カカシだけが好き」
がカカシの頬に手を伸ばすと。
「オレもだけが好きだよ」
唇が触れあう間際に、カカシがそう囁いた。
「今夜はいっぱいしよ?その代わり明日の食事当番はカカシね」
見下ろすカカシの髪を触りながら、は笑って。
「了解。掃除もしてあげるから、ゆっくり寝てていいよ。」
「うん。思いっきり、シテね」
「そのつもりっ」
「ひゃあっ!・・・・・・カカシ・・・・・・んっ、あっ、イイ。きもち・・・・・・イイ」
奥まで挿れた己自身を、さらに深く突き挿した後、の膝裏に腕を回したカカシは、何度も最奥を貫いた。
翌朝────
幾度となく果て、そのまま眠りについたは、今だベットの中で。
目が覚めたらお風呂に入りたがる筈だからと、カカシはバスルームの掃除を丁寧に。
勿論一緒に入るつもりで、気分は上々、鼻歌混じり。
軽くなったボディソープの詰め替え求めて、浴室を出る。
置き場所はいつもの所、洗面台の下。
観音開きの扉を静かに開ければ。
───── こんな所に隠しちゃって。
詰め替えはにやってもらおう。
カカシはクスリと笑い、そのまま扉を閉めた。
───── だけど、?近々着てもらうよ。
だってねぇ、オレが見てないってのは、おもしろくないじゃない?
他の男は見てるのに。
それに楽しそうだよね。
扉の向こうにあったのは、が何処に隠そうか迷ったブツ。
メイド服一式。
物を大切にする彼女だから、すぐに捨てる事はないだろうと。
処分するのならば、家に辿り着く前に幾らでも出来る。
それこそ、火遁一発で塵と化すのだから。
色々な企みが、カカシの頭の中で繰り広げられている時、は夢の中にいた。
『おかえりなさいませ、お嬢様』
執事服を身に纏ったカカシと一緒に。
Volunteer ・・・ END
2007/10/19 かえで
10万打記念リクエスト、Volunteer いかがでしたでしょうか。
頂きましたリクエストは、シンプルに一言。
「たまにはオレにも奉仕してよ」
これだけです。
あとはお任せv
頂きまして、きゃ、きゃ、きゃ〜〜〜!!(嬉)となりました。
そう言えば言わせた事なかったな〜と。
まあ、作品を読んで頂ければ分かると思いますが、めちゃくちゃ楽しんで書きました♪
小雪さん、楽しいリクエストありがとうございました。
ご堪能頂けるとうれしいです。
小雪さんと、カカチンスキーのみなさまへ捧げます。
かえで