甘いのはの身体
古城のように気高いの肌は白くて、どんなお菓子よりも甘いんだ
オトシテ
オカシタクナル
ほら
もっと食べさせて
甘いの たっぷり 飲ませてよ
オレの城まで来たんでしょ?
オレの白は尽きないよ?
オカシ ノ シロ 2
〜 Your body to be sweet 〜
本店での会議が長引き、ビルを出ると、夜もかなり深けていた。
今日はカカシの誕生日だというのに、以前から目星を付けていたケーキ屋さんは、遭えなく閉店。
こんな事なら、午前中にでも買っておいて、店の冷蔵庫にでも入れておけば良かったと、後悔してももう遅い。
此処の有機野菜を使ったケーキなら、カカシも食べれるかもしれないと思ったのだが。
は仕方なく、24時間店を開く高級スーパーへと入って行った。
そこにはコンビニよろしく、2個1パックになったケーキが数種類並んでいる。
けれど、どれも甘そうだ。
まぁいい自分だけ食べれば、とはその中の一つをカゴに入れ、レジへと向かった。
カカシの家に着くけれど、宿主は不在。
が今日此処に来る事にはなっているが、お互い休暇を誕生日の翌日に設定している為、カカシも遅くなると聞き及んでいた。
だから取り分け慌てる事もないけれど、カカシより早く帰れて良かったと胸を撫で下ろし、
はシャワーを浴びにバスルームへ入って行った。
洗い髪を乾かしブラシで整えていると、帰宅したカカシが、ただいまのキスをしにやって来る。
「オレも、サッサと浴びちゃおう」
そう言い残し装備を外す為、寝室へと消えるが、その後すぐと入れ違いに、
身軽になったカカシがバスルームへと入った。
その間には、小さめのキャンドルを三つ用意して、ダイニングテーブルの中央に置いた。
ケーキに刺す誕生日用のロウソクがないから、その代わりだ。
火を点し、部屋の明かりを消せば、キャンドルの明かりが暗闇に浮かび上がる。
そうこうしている内、シャワーを浴び終えたカカシがダイニングにやって来れば、
二人はテーブルの角を挿んで、隣り合うように座った。
カカシの口に合うツマミも並べて、酒を注ぎ、静かにグラスを傾ける。
「誕生日おめでとう」
「ありがと」
薄いガラスの触れあう音が波紋のように広がり、琥珀色の酒がゆっくりと量を減らして行く。
氷の音、ナッツの音、ピクルスを刻む歯の音が、会えなかった時間を埋めるように話す二人の会話に交じり、数種類の皿に盛られていたつまみが、一つの皿に纏められる様になると、は空いた皿を片付け、冷蔵庫から小箱を取り出した。
「ごめん。カカシが食べれそうなケ−キ屋さん見つけたんだけど、もう閉まってたの」
は一人で食べるべくケーキの箱を自分の目の前に置き、透明の蓋を外しながら、納得のいかない様子で口を尖らせた。
「いいよ、それで。一口ちょーだい」
白く塗られた身体に赤い果実を乗せた甘味。
この時期の赤い果実は、少々酸っぱい。
手の込んだ、職人が作るケーキでないのはどれも同じなのだから、だったらいっそ誕生日らしくと、ショートケーキを選んだのだった。
「甘いわよ?」
「そうなの?」
「そりゃケーキだもの」
苦笑するに、カカシは珍しく、折角買って来てくれたんだからと、食い付いた。
今日日甘い物を食べる男は多い。
別に甘い物は女の食べる物と決まっているわけではないが、この男はたけカカシは好まないのだ。
自分の好きな物を一緒に楽しみたいと思う気持ちは、の中に無くはない。
だが、嫌いな物を無理に食べさせる程、サデスティックではないつもりだ。
しかも自分の誕生日に、無理に食べる事はないだろう。
これでは祝っているのか、苛めているのか分からない。
だからはフォークの端で僅かに掬ったクリームを、カカシの口に運んだ。
「甘い?」
が首を傾げ聞くが、カカシは苦笑する。
「甘い以前に、分からないよ」
こんなに僅かな量では甘みは然程感じなく、乳脂肪が口内に引っ掛かるように消えて行っただけだ。
「折角の誕生日なのに、何も用意出来なくてごめんね」
「何もじゃないでしょ。あれだけ用意してくれれば。それにオレは、コレとが居れば十分」
コレと言った時に若干傾けたグラスが、カカシの唇に宛がわれ、琥珀色の酒がまた一口分消える。
「でもさ……」
はボトルに付いていた金と銀のリボンを解きながら、話を続けた。
「プレゼントも間に合わなかったし」
二本になったリボンをくるくると指先で弄んで、は小さく溜息を吐く。
カカシの為に選んだプレゼントは、取り寄せの為、今日間に合わなかったのだ。
それは乾杯の後に伝えてある。
「な〜んか、全部後手後手でさ……」
誕生日にはケーキにプレゼントという、お決まりのシチュエーションが作れなった事に、は落胆の表情を浮かべている。
完璧主義とまでは謂わないが、段取り良く事を運びたいものなのだ。
「そんな事、気にしなくてもいいのに」
「本人はね。そう思うのよ。でもそれが自分だったら?
例えばカカシが任務でその日、里を離れるとかになったら、カカシ気にするでしょう?私が構わないって言っても」
グラスの中の氷が小さくなってきた事に目を留めたは立ち上がり、冷凍庫からアイスボックスを取り出した。
「あー…まあね」
恋人の誕生日に、会える、会えないでは大きく話が違うと思うのだが、店を任され、ソツなく仕事をこなすだ。
譲れないものもあるのだろうと、カカシは話の方向を変えた。
「じゃあさ……。一つお願いしてもイイ?」
カカシの言葉の間に、の落とした氷が、グラスの中の酒に馴染んでいく。
「ん?なにかしら?」
また冷凍庫にボックスを戻して、立ったままのが小首を傾げた。
「をオレにプレゼントしてよ」
「私?」
「そ、を喰いたい」
そんなのは予定の範疇と謂うべきか。
大人同士、恋人同士、今日が初めての日じゃないのだから、体調に問題がなければ、自然とそうなるだろう。
そうならない事に不自然さを感じる位だ。
何、当たり前の事をと、言おうとした唇が、立ち上がったカカシに塞がれた。
甘い酒気が鼻を掠め、何度も唇を食べられる。
割り込んで来た舌がねっとりと絡みついて、口腔を侵す。
「……んっ………っ……」
絡んだカカシの舌が抜けていき、の唇をペロリと舐めながら、カカシは話した。
「厭らしいを食べさせてよ。淫らに喘ぐが見たい」
言葉に詰まったに、カカシは言葉を付け加える。
「別人になったつもりでも、いいからさ」と。
別には、嫌で言葉に詰まったのではなく、言葉の検索に時間が掛かっていたのだ。
どう答えればスマートかと。
この雰囲気から察するに、激しさで乱されるのではなく、じわりじわりと責められ乱されるのだろう。
そう思っただけで、身体の内側から込み上がってくるものがある。
イヤじゃない、というよりも、寧ろ既に期待している方が強い。
「ヤラしい事、いっぱいしていーい?」
クスリと笑ったカカシは、ダイニングテーブルとの間にを挟んで、膨張し熱くなったモノを忍服越しに押し当てた。
「いいよ……。いっぱいして」
「沢山気持良くさせてアゲル。でも恥ずかしがっちゃダメだーよ。もヤラしくなってくれなくちゃネ」
既に情欲に犯されたの瞳。
この後身に起こる快楽を予想し、もう体制を整え始めている。
「その顔、そそられるよ」
カカシはの顎をクイっと持ち上げ、深く激しいキスを何度もした。
上段の門を攻め、下段の門が緩み、泥濘るむまで。
がキスの余韻に身を震わせている間に、カカシは手を伸ばして、テーブルの上にあった物を背後のキッチンに置いた。
そしてノースリーブのアンダーだけを脱ぎ、の首筋に唇を這わしながら囁く。
「早くの内側をオカシたいよ」
首筋に掛かる熱い息と、カカシの低い声に、脊髄を撫でられるようなビクリとした反射が起こる。
一瞬にして全身の性感帯を刺激された気分だ。
カカシがの着るタオル地のワンピースを肩からずらすと、ダイニングと腰の位置でそれは止まった。
首筋から肩へと動く唇は羽のように。
時折、食べるような動きを見せるが、さらりと動き、熱い吐息を溢す。
「オイシイヨ。の身体」
乳房の形を確かめるように軽く動く手の平も、羽の如く。
まるで五本の羽に撫でられているようだった。
「…………っ………ん…っ……」
背中に回しているカカシの片手が、さわさわと動いて肌を擦るだけでもビクつく。
「まだちゃんと触ってもいないのに、震えてるよ?」
笑いを含んだカカシの声が肩口から聞こえてくる。
手の平を直角に立たせ、その中心での立ち上がった乳首にカカシは触れた。
最初は触れるだけで、体温が馴染むと離れて行く。
次は軽く押し当て、手の平の中心で乳首の感触を感じつつ、乳房の柔らかさを試す程度に動かす。
少し沈んで、また元の形に戻る乳房。
今度は手の平で乳首を転がし始めた。
「んっ…あん………カカシ…」
「こういうの好きデショ?」
「…う…ん。…すき」
「立ってるもんね、ちっちゃい乳首が。取れちゃいそう」
「………ャ……っ」
「いやなの?」
またカカシは意地悪く物を言う。
その行為ではなく、そんな事は言わないでという意味合いなのは分かっているだろうに。
「……んっ」
はカカシの裏もちゃんと理解し、それを踏まえた抗議を吐息ですれば、カカシはの肩に歯を立て、削るように引っ掻く。
「こういうのって、どんなの?」
「………っ?」
「何が好きなの?ねぇ、言ってよ」
「カカシに…胸を触られるのが……すき」
「気持ち良い?」
「……うん」
「オレもだよ。いつまでも触ってたくなる。柔らかくて、温かくて、おまけに感度が良いからね」
カカシはの乳房に宛がった手で、やわやわと揉みし抱いた。
合間に乳首を摘まんで転がせば、の口からその都度甘美な声が聞こえ、カカシの口元は上がる。
「そんなにイイ?」
指先で挟まれた乳首が、尖り、踊り狂えば狂う程、の歌声は上がり、待ち切れない下腹部も踊り出す。
「……イイ……気持ちイイ」
「それじゃ、もうこっちは濡れてきたかな?」
右手が裾を捲り、太ももへと伸びて、内股を撫でる。
カカシの侵入に、の足が自然と開けば、その手は中心へと移っていく。
布だけを触る軽い動きがもどかしい。
そこはもう直接触って欲しくて、焼けるように痛く、泥濘るんでいるのに。
早くカカシに侵されたい。
一刻も早く、薄い防壁を取り払い、城壁を割って、城内に侵入して欲しい。
そして数多の攻撃を受けながら、白旗を出して陥落し、カカシの白星を浴びる。
そう考えただけで、城壁は狭まりながら溶け、侵攻しやすくさせる潤滑油を垂れ流す。
「これはお気に入り?」
カカシが聞くのは下着の事。
差して返答を求めない彼はそのまま言葉を繋ぐ。
「濡れちゃってるよ?下着。ほーらね」
カカシの指が割れ目をなぞり、周辺をぐにぐにと押せば、一層下着が濡れているのがの肌に伝わる。
「あっ、あ……ん……」
「の愛液でぐっしょり」
耳を舐めながら言うカカシの指が、ショーツの隙間から入り込んで、溝を往来する。
湿った熱気が、下着の中に立ち込め、溢れる蜜は糸を引くようだ。
「あーもう、のココ凄い。聞こえる?やらしー音」
「……うん。………聞こえ……る……んっ」
「どんな音?」
「…っ……え?」
「にはどう聞こえるの?オレが触る音は」
水音が際立つ触り方を繰り返して、カカシはを攻める。
「あ……っ…んっ…ぴちゃぴちゃ…って」
「イイ音デショ?」
「………う…ん……っ、あっ」
「オレ大〜好きヨ。このヤラしい音。ぐちゃぐちゃなのアソコはもっと好きだけどね」
カカシの指が動く度、新たな蜜が沸くの其処。
撫でられる粒に、擦られる溝。
下に降りた中指が、入口を叩き、奥へと侵入してくる。
「はぁ………っ……」
往復を繰り返す中指が全て埋め込まれると、その指は回転しながら内壁を刺激し、折れ曲った。
「あっ!!」
カカシは手の平をの秘部に押し当て、もう一本指を増やし、余裕の無くなった内部を広げるかのように、内壁を掘る行為を続ける。
「くっ……あッ、あッ」
「音出して喜んでるね」
のと、その後に付け加えた濡れた場所を示すカカシの言葉は、極めて卑猥なものだった。
「や……そんな……んッ、あっ」
「ホントでしょ。こ〜んなに濡らして、オレに弄られて喜んでる」
カカシの奏でる激しい水音がの耳にも良く届く。
それは快楽に正直な身体が、の気持ちを代弁しているかの様。
厚みの増したGスポットをカカシの指が優しく愛でれば、の足は震え出し、立っているのがやっとだ。
もうすぐ……
そうの心が言った時、カカシは内壁を探るのを止め、内部から撤退した。
「……ゃ」
「オレの指、愛液まみれだよ。ほら」
ショーツから抜け出た光る指を見せつけ、カカシはそれを舐め取りながら、を纏う全ての布を床に落とす。
「おーいし。そうだ。の身体だったら、オレもっと食えるかも」
一瞬何を言っているか、には分からなかった。
SEXを喰うと表現したカカシが、自分の身体だったらと言っている。
まさか本当に食べる訳は無く、は疑問に思いながらも、カカシの言動を静かに待った。
オカシ ノ シロ 3 〜 Geburtstag Kind 〜 へ イクっ
2008/10/10 かえで