結局今夜もカカシのパジャマ。

「オレ、アンダーで寝る事が多いから、殆ど着ないんだよね。適当に選んで。」

そう言われて開けられた洋服タンス。
その中からストライプ柄のを一枚選んだ。




涙の数だけ ACT 8
   【 空白の一夜 】




新しい下着は食事をした帰り道、カカシを道端に置き去りにして飛び込んだお店で買った物。
初めて入ったお店だったけれど、自分好みの物が多くて、にこやかに店を出た。
迎えたカカシが、
「オレが脱がすんだから、買ってあげたのに。」
と顔色を変えずさらりと言って、一歩先に踏み出す。
はその少し丸まった背中を思い切り叩いて、カカシを追い抜いて歩いた。

掌にじわりと広がった痺れ。

その次にすぐ感じたのは、カカシの大きな手の感触。
手を繋いで、カカシの部屋までゆっくりと歩いた。




そんなさっきまでの事を思い出し、バスルームから出ると。

「今夜はオレが先。」

宣言をして、先に入浴を済ませたカカシの姿はリビングにはなく、は寝室の扉を開いた。

「カカシ・・・。」

窓の外を眺めていたカカシはカーテンを閉めて振り返ると、のもとへゆっくりと近づく。

。」

頬に手を当て、軽く唇を重ねて。
の膝裏に腕を掛け、抱え上げた。

「今夜は寝かさないから。」
「へ?」
「なに変な声出してるのよ。でも、そのまんまの意味で捉えて頂戴ね。」

をベットに降ろしたカカシは上に跨り、自分のアンダーシャツを脱ぎ始めた。

「ちょ・・カカシ?」

剥き出しになった素肌に、の鼓動は跳ね上がり。

「ん?」

シャツから頭を引き抜き、腕を抜きながらカカシは瞳でも問い掛ける。

「いきなり脱がれたら、びっくりするよ。」

カカシは頬を染めるに笑いかけ、床にシャツを落とす。

「そう?だけど、もすぐ脱ぐんだよ?」
「え・・・ま、待って。」
「もう、待ったナシ。散々焦らされたんだから。」  
「だって・・・。」
「オレ、今まで良く我慢出来たと思わない?ご褒美頂戴よ。」

微笑むカカシに少し呆れた笑いで返して、はカカシの腕に手を伸ばした。

ふわっとカカシの体が重なり、同時に唇も重なる。

軽く触れ合うだけのキスを繰り返した後、うっすらと開いた唇の隙間にカカシは熱を送り込む。
その感触にの身体はピクンと跳ね上がり。
それを合図に入り込んで来たカカシの舌先が、ゆるゆると口内を弄って行く。
身体の中から湧き上がる何かに戸惑いを感じ、は身体を強張らせて。
カカシの硬い筋肉を指先に捕らえながら、それに応えた。

「・・・っ・・はぁ・・・」

僅かに出来た唇の隙間から、の吐息が零れ落ちる。

、オレの事好き?」

次に右耳に感じたカカシの声と吐息に身を捩じらせ、微かな声を発した。

「・・・んっ・・・・・・うん。」
「オレも。」

そう囁いたカカシは、の耳朶を軽く噛んで、唇を下に滑らせた。
首筋を泳ぎ回る舌と唇。
その間カカシの右手は素早くのボタンを外す。
胸元まで落ちたカカシの唇が、の白い肌に最初の紅い華を散らした。

「・・・んっ。」

きつめに吸われた箇所から、甘い波紋が広がって。
素肌に感じたカカシの掌の感触に、の背中は反り返り。
出来た隙間にカカシは手を差し入れ、ブラのホックを容易に外した。
流れるように全てを剥ぎ取り、カカシも全てを曝け出す。
床の上にはベットの上の二人と同じく、重なり合った布。

目を閉じて震えるの身体を、自分の身体で覆い隠し、カカシはその身体をそっと抱きしめた。

の身体はやわらかいね。」

目を細めて、の頬に口付けると。
肩口を舐め上げて、カカシの右手がの胸の形を確かめるように、包み込んだ。

「あっ・・・。」

やわやわと揉まれるだけで、声が上がる。
時折胸の蕾に与えられる繊細な愛撫が身体を一層熱くし、快楽の波に引きずり込む。

「や・・・だめ・・・カカシ・・・。」

クスっとカカシは短く笑い、の蕾を口に含んだ。

「ひ・・・ぁ、や・・・ほんとに・・・だめ・・・」
「気持ち良くない?」

蕾を舌先で転がしながら、カカシは意地悪く問い掛ける。

「・・違っ・・・その逆・・やめて・・・おかしくなる。」
「いいじゃない、おかしくなってよ。」
「ムリ・・・ムリだってば・・・。」
「まったく・・・素直じゃないんだから。いいから大人しく感じてなさいって。」

カカシは笑いながら言うと、の口に、中指を差し入れた。

「噛み付いてもいいよ。」

言い終わると同時にの蕾に軽く歯を立てる。

「あっ!・・・はぁっ・・・ん・・・。」

言葉を紡げない口からは、喉の奥から漏れる甘い吐息だけで。


―― カカシの指を噛むなんて、出来っこないじゃん・・・バカ。


頭の中で抗議の言葉が過ぎるけれど、それは一瞬。
すぐにカカシの愛撫に翻弄される。

強弱をつけて蕾を吸い上げられて。
目を閉じてそれに応えると。
差し入れていたカカシの指先は、の脇腹を滑り落ちる。

「んっ、カカシ・・・」

撫で上げられる脇腹から、甘い痺れにも似た波が幾重にも広がり。

「あ・・・ん・・・あっ・・・」

くすぐったさと紙一重の快感に、カカシを煽る啼き声を聞かせた。

「もっといっぱい聞かせて。の啼く声。」

はカカシの声を胸の蕾で聞いて、もう片方の蕾を嬲るカカシの指使いに嬌声を漏らす。

「あ・・・んっ・・カ・・・カシ・・・」

じんと痺れ、少しの刺激でも求める下腹部の芽は、カカシの身体が揺れる度にその刺激を拾い集める。
カカシによって与えられる快感に、自然と力が篭って。
早く欲しいと其処が話す度、その刺激が子宮に伝わりもどかしさを感じた。

カカシは少し横にずれると、太腿を弄り、きつく閉じたの足をこじ開ける。
そして、自分の愛撫を待ち焦がれて涙を流す場所へと手を差し伸べた。

「はあん・・・んっ・・・。」

夜露に濡れた茂みの奥には、トロリと溢れ出す蜜。
カカシはそれをたっぷりと指先に絡めて、隠れた若い芽を探り出す。
ゆっくりと掻き分けて探し当てた芽を、優しく指先でなぞった。

「あん、あっ・・ん、んっ・・。」

円を描くカカシの指がの粘膜と蜜によって、くちゅ、くちゅと音を奏でる。

「・・・っ・・あぁ・・・」

上下に大きく揺れるの胸。
カカシの指先は、芽と蜜壺との間にある溝を行き来して、
再び敏感な反応を見せる箇所を撫で回した。

「・・・んっ。」

全身が熱くなって、身体中を染めるが大きく息を飲み込むと、
今まで揺れていた胸の動きが止まり、カカシの肩を強く掴んだ。
息が止まり、声も出さず、階段を登る
それを導くカカシの指先は速さを増し、をその緊張から解き解した。





の跳ね上がった心拍数と荒れた息が穏やかになってくると、
カカシはこめかみに唇を落として甘く囁く。

って、ホント感じやすいね。」

一度下がった熱がまた上がるのを感じて、はカカシから顔を背けると、
恥ずかしそうにポツリと呟いた。

「それは・・・カカシだから。」

カカシは、耳を染めて自分に背くの頬に手を添えて、己に向き直させた。

「ねえ、。オレの事煽ってる?」

まるで、燃え盛る炎に油を注がれた気分。

「別に・・・そう言う訳じゃ・・・だって本当の事だも・・!」

の言葉は重なったカカシの唇によって消されて。
途端に熱い舌が捻じ込まれる。
カカシは今すぐにでも貫きたい衝動をキスで誤魔化して、激しく舌を絡めた。

ゆっくりとカカシは手を伸ばし、の膝を立たせると、水源に指を忍び込ませる。

「・・ん・・・。」

唇を塞がれたの甘い喘ぎが、鼻から抜けて。

柔らかい内壁がカカシの指を押し返す。
その感触を楽しみながら根元まで差し込み、内部をかき回した。

「んっ、んっ・・・。」

やんわりとした蠕動を繰り返し一旦引き抜くと、指をもう一本増やして、再びの中に埋める。
狭い内部をかき分けながら進めば、の其処はカカシの指をきつく締め上げて奥へ奥へと誘う。

早くこの締め付けと蠢きを、熱り立つ己自身で感じたい。

そんな思いを殺しながら、カカシは指の抽挿を繰り返した。

唇が離れると、の透き通った声が部屋に響く。

「はあ・・・ん、あっ、あぁ・・・カカシ・・・。」

の声と艶のある表情。
白い肌に咲かせた所有の印と、自分の愛撫に敏感に反応する身体。
その全てがカカシを限界へと導く。

カカシは指の動きを止め、軽く唇にキスを落として、の名前を読んだ。
薄っすらと開いたの瞳は、カカシを見返して。

の中に入ってもいい?」

カカシは微笑み、限界なんだよね・・・と照れくさそうに笑った。
がコクリと首で返事を返せば。
カカシはの足の間に滑り込み、己を其処に宛がう。

先端を溝の隙間に埋め込み、上下に揺らすと、淫猥な水音が響く。
何度か往復を繰り返して、ヌルリと入り口まで降りたカカシの先端。
その熱さと硬さと大きさには腰を僅かに引いた。


―― ムリ・・・。


自分の許容量を超えていると一瞬で判断した。
いくら最近、そういう行為に縁がないとは云え、多少の経験値ならある。
だからこそ、その質量にたじろいだ。

だけれど。

カカシを受け入れて、繋がりたいと云う気持ちの方が強い。

「大丈夫だから。」

そう優しく囁かれて、は目を閉じてカカシの背中に手を回した。

再び触れた硬直の先端に、身体が強張る。

「ゆっくり力を抜いて。」

言われるがまま、身体の力を抜く。
少しつづ探るように打ち込まれる楔。
深い呼吸を繰りかえし、カカシを迎えて。
内壁を引き剥がされる感覚と、入り口に感じる軽い痛み。
それすらも愛しく感じる。

「ほら全部入った。」

カカシの声が聞こえると、はゆっくり瞼を開いて。
ね、っと微笑むカカシに頷いた。

柔らかく濡れた内壁がカカシをきつく包み込む。
その中でゆっくり自身を動かすと、内部がざわめき奥へ導く。
気を抜けば一瞬で果ててしまいそうな程、その刺激は強く。
駆け上がる精をカカシは押さえ付け、律動を繰り返した。

「あん、あっ・・だめ・・・もう・・。」

最奥を衝かれる感覚には声を失い、カカシを締め付ける。
カカシの肩を強く握って白い喉が仰け反ると、
の其処は不規則な収縮をみせ、カカシの熱を解放させた。





・・・。」

甘く混濁した意識。
その中で聞いたカカシの声に、ゆっくり瞼を開く。
熱を帯びた瞳で見上げられ、未だの胎内に留まるカカシの肉棒はドクンを脈打ち、
若干失いつつあった硬さを取り戻す。
の反応を確かめるように腰を突き上げれば。

「あ・・っ・・ん・・・カカシ・・・?」

悩ましげに声を上げる

そこからは押さえが効かなく、今まで堰き止めていた全部が一気に決壊した。

の足を持ち上げ、膝が胸に付きそうな程折り曲げると、激しく腰を叩き付けた。

「んぁあ!!」

交じり合う二人の蜜が流れ出し、カカシが楔を打ち込む度に、淫らな水音が鳴り響く。
その音が更なる欲情を呼び起こし、二人を燃え上がらせて。

・・・。」
「あ・・・っ・・カカシ!・・・」

カカシは己をギリギリまで引き抜き、一気に最奥を貫く。

「ひゃああん!」

腰を回して、の中を掻き回せば。
結合部が擦れ、丘全体にも、また別の刺激が広がり。
の其処はくちゅり、くちゅりと喜びの唄を歌う。

「ごめんね。優しくは、出来そうにもない。」
「・・・平気・・私も・・・もっと・・・。」
「もっと、な〜に?」
「カカシ・・・が・・欲しい・・・の・・・。」
「ホント?」
「・・うん。」
、愛してるよ。」
「私も・・・愛してる・・・。」

カカシはの足を自分の肩に掛けて、激しく腰を揺らした。

「あッ、あッ、あぁッ、カカシ・・・ダメ・・また・・。」
「いいよ、イって。何度でも、連れてってあげるから。」
「んっ・・・・・・」

の締め付けと痙攣を味わい、カカシは奥まで咥え込ませた肉棒を再び衝き立てた。



空が白み、鳥達の囀りが聞こえ始めた頃。
は何度目かの絶頂を向かえて、そのまま意識を手放した。





BGM iza‐yoi