ちゃん

オレに、お薬ちょーだい





≪花信風続編≫
Medical Service







まるで人形のように、ヒラヒラと靡くカカシが、マイト・ガイに背負われ木の葉病院に運ばれて来たのは5日前。

一週間はベットの上だと綱手に宣告されたカカシは、「やっぱり、そうですか」と声を落としたのだけれど。
その後すぐ、入院も悪くないと思いなおす。
それは勿論、恋人であるが、自分の担当看護師になったからだ。



いつもしている口布。
見た者の目をハート型にするカカシの唇は、木の葉の最重要機密。
カカシを気遣っての事か、それとも仕事に支障を来す看護師を増やさない為か。
この場合、前者であるとは思われるが。


「それからカカシ。専属の看護師を一人付ける。私もそうしょっちゅうお前ばかり診ておれんからな。信頼のおけるヤツを選んでおいた。」
「すいません……」
「医療忍術は使えないが診察は出来る。この一年、みっちり仕込んで……ってお前の方が詳しいか。まぁ文句はないだろう」

入院当日、一旦シズネと退室した綱手がまたやって来て、得意げにそう言い残すと病室から出て行った。


肉体的疲労が著しい。
チャクラを根こそぎ使い果たし、身体機能が低下。
筋肉、神経、内臓全てが、本来の働きをしなくなっている。
それが運び込まれた時のカカシ。

静養が一番の薬なのだと、カカシ専属の看護師は穏やかに笑っていた。

でも五日も経てば、それなりに回復してくるもの。




病室のドアを叩く音がカカシの耳に届き、空気の流れが変わる。
窓の外は深く蒼い夜の色。
静かに閉まるドアの音と、鍵を掛ける金属音。
この気配を持った人物がやって来て、鍵を掛けたとなれば、する事は決まっている。

ベットを取り囲む薄黄色のカーテンの隙間から、いつもの笑顔がひょっこり顔を出した。

「カカシ。どう?」
「まずまずってトコロ?」

ベットに枕を立てて座るカカシの目が、ふわりと和らぐ。

「やっぱり退屈?」

はカーテンを隙間無く引き、そう問いかけながらサイドテーブルにカルテを置いた。

が来ない時はね〜」

カカシはポツリと呟いて。
その呟きには微笑みで返すと、窓枠に掛るカーテンを閉じた。

それもそのはず。
当初に比べると、カカシはかなり回復して来ている。
四日目からは、室内にあるシャワーもなんとか使えるようになった。
それでもする事といったら、食べて寝て、本を読むくらい。

それにいくら専属と言っても、に会えるのは一日数回で。
24時間張り付いている訳ではない。
はその間カカシを最優先としながらも、他のヘルプに回っている。
夜のこの時間が一番ゆったりと出来る時。
カカシの診察をした後、は自宅へ帰るのだ。

「胸の音、聞かせてもらえる?」

カカシの右側に立ったが、首に掛けた聴診器を耳に当て、膜部を掌で温めながら話せば。
徐にカカシはアンダーシャツを脱ぎ始めた。

「えっ?あっ……」
「ん?」
「脱がなくても、平気なんだけど」
「だってねぇ〜。捲ってる方が妙に照れくさいんだよね」

はクスクスと声を立てて笑い、そうかもと付け足した。

戦地へ同行する医療忍者と違って、は看護師。
分類で言えば一般人だ。
それでも、忍担当となりカカシと付き合うようになってから、自分に出来る事はないかと綱手の指南を受けた。
医学に関しては医療忍者との差は無い。
ただ忍術が使えないだけ。

カカシが脱いだノースリーブのアンダーをは受取り、カルテの上に置いた。

なんとなく、目が泳ぐ。

カカシと視線を絡める事が出来ずに、は聴診器をカカシの胸に宛がう。

「ドキドキしてるでしょ?」
「えっ?」

ビクっと肩を揺らしたが、耳に当てた聴診器を少しずらした。

「オレの心臓。に会えたから」

付き合って一年が経つというのに、サラリとこういう事を言ってのける。
嬉しさと。
そして、自分の心拍数が上がった事を悟られたのではなかった、という安心感と、二つの気持ちが混じり合った。

「少し、早いカナ……」

はそう言うと、ずらした耳の部分を元の位置に戻した。

「横になって」
「りょ〜かい」

上半身裸のカカシが両膝を立ててベットに寝転ぶ。
ベットサイドの明かりだけが彼を照らし、オレンジ色に光るカカシの肌に、の心臓はドキリと大きく脈打つ。
それをすぐ掻き消して、カカシの腹部に聴診器を当てた。

腸管の蠕動音と、腹大動脈および左右の腎動脈の血管音を聞き、聴診器を首に掛けた後、打診へと移る。
トントンと、の手が軽くカカシの腹部を叩く。
そしてその指先が、腹部に沈んでは離れてを繰り返した。

「痛くない?」
「平気」
「ここは?」
「大丈夫」
「カカシ、だいぶ元気になってきたね」

良かったと微笑みながら、の唇がカカシの頬に触れた。

「あのね、ちゃん……。こっちも元気になっちゃったんですケド」

カカシの腰がふわりと揺れて。
そちらに視線を送れば、紺色に覆われた中心が大きく盛り上がっている。

「あっ、ホントだ。…………つらい?」
「そりゃぁねぇ〜。こんなに腫れてるんだから」
「………じゃ、治して、あげるね」

は聴診器をアンダーとカルテの上に置いた後、カカシの顔を覆うように体を伸ばして、左側にあるライトのスイッチに手を掛けた。
──パチン
と音が鳴って、ベットを照らす明かりがふっと落ちる。

その時カカシの鼻を掠めたのは、消毒薬の匂いに混じったの持つ甘い香り。
目の前には揺れる二つの乳房。
これに飛びつかない肉食獣は、いないだろう。

素早く両手での胸を覆い、揉みしだく。

もどうなってるか調べないとね」

カカシはそう言いながら、白衣の前ボタンを腰の位置まで外した。

「…ちょ……えっ?」

露になる肌と下着。
の匂いだ」と、微笑んだカカシの腕が、白衣の隙間に入り込んで、の背中を押した。

自分の胸にカカシが顔を埋めている。
母性をくすぐられるような仕草に、はやわらかく微笑むと、片腕でなんとか自分を支えながら銀髪を撫でた。

「カカシ……元気になって本当に良かった」
……。の心臓も早いよ」
「だって……」

砂までは片道三日。
もう彼是二週間以上触れ合っていない。

カカシの腕が緩んだ拍子に、が身体を起こそうとすると、彼の両手がまた乳房を覆う。
やわやわと揉まれて、的確に見つける指先が中心を引っ掻く。

「……んっ」
ちゃん? ココ硬くなってるよ」

ブラの上から簡単に見つけた乳首を、カカシは二本の指で摘んだ。

「あッ……んっっ」

布地の上から強く摘まれる感触に、の身体が震える。

「どうしちゃったんだろうね、ココ。見てみないと」

谷間に降りたカカシの指先がフロントのホックを外せば、形の良い二つの乳房がこぼれた。

「ん〜食べ頃。美味しそうに熟してる」

鼻先で掠めるように何度も挨拶をして、硬く立ち上がった乳首の感触をカカシが唇で楽しめば、はもどかしそうな声を上げる。

「んっ………」

それを合図に、カカシは濡れた舌先でのそれを舐めた。
ぴちゃぴちゃと音を立て、まるで子犬が皿に注がれたミルクを舐めるかの様。
左を楽しんだ後は勿論右。
同じく、下から上へと舐め上げる。
丹念にゆっくりと。
カカシの右手で覆われたの左胸は、指の間から唾液で光る乳首を覗かせた。

「だめ……カカシ、感じちゃう」
「な〜に、まだ感じてくれてないの? オレが愛撫してるのに。」
「あの、そうじゃなくて……」
「気持ち良いですか?」
「…………はい」
「素直でよろしい」

舌先で弾かれた乳首が小刻みに揺れる。

「あんっ」

の身体が少し仰け反れば、カカシは口に含み、優しく吸い上げて、軽く噛んだ。

「ひゃっ……はぁん……」

胸への刺激は下腹部の疼きと潤いを齎す。

もっと深い所へ。
ドロドロと溶けだした部分への刺激が欲しいと。
は太ももをすり合わせるようにしながら、無意識に腰を揺らした。

「欲しいって、こっちが泣き始めたかな」

胸を弄っていたカカシの右手は、白衣の上から脇腹を撫で、スカートの中へ忍びこむ。

「ねぇちゃん? 最近の看護師さんはこういうの付けるんだ」
「えっ…? あっ!!」

一瞬何の事か分らずにいただが、すぐに思い出して、反射的に上体を起こした。

ベットサイドに手を付いて、カカシを見下ろせば、どこか嬉しそうなカカシがいる。

「あの……これはね」
「うん」
「なんだか、カカシ嬉しそう」
「だって、やらしいじゃないコレ。オレの前でなら大歓迎だけど」

カカシは太ももから双丘を撫で上げながら、ニヤリと笑う。

「他に誰が見るのよ、……バカ」と、最後は小さく言ったが、そのまま言い訳を始めた。

「ストッキングが伝線しちゃって、換えがなくて。……前に友達から貰ったのがロッカーに入ってて、だから……」
「へ〜良いお友達を持ったね、ちゃん。オレ感謝しなくっちゃ。益々元気になりそう」
「もう……」

ニコニコと笑うカカシを見て、の中から恥ずかしさも消えて来た。


職場の友達から誕生日に貰った白いガーターベルトと一式。
使うとしたら、緊急時。
ストッキングが伝線した時位だろうと、そのままロッカーの中に入れて置いたのだ。
プライベートでは使う事がないと思ったから。

しかもセットで付いてたショーツにも履き替えてる。
布の面積が極めて少ない、普段は身に付けないタイプで。
理由は面白しろそうだから。
興味本位。
それだけ。
今日こうなる為に履き替えた訳じゃないのだけれど。


カカシは太ももにあるナイロンと生肌の境目を中心として、手の平を上下に動かす。
ベルトで吊り上がるストッキング。
その上には軽く爪を立てて。

くすぐったいの更に上。
ゾクリとするような快感に、の身体がピクンと跳ねる。

「イタズラしやすいね、コレ」

またニヤリと笑ったカカシが、ショーツの上から濡れた秘部を撫でた。

「あっっ……」

滑らかな布の上をカカシの指が行き来する。
蜜の溢れる場所を押したかと思えば、割れ目に沿って這い上がり、その上の突起をクリクリと弄ぶ。

「こういう下着も履くんだね」
「あっ…だから……これも貰ったの。どうせならと思って……」
「じゃ、換えはあるんだ」
「な……んで?」
「気持ち悪いでしょ、このままじゃ。だってねぇ……」
「あんっっ、はぁっっ………」
「いっぱい濡れちゃってるよ、下着」

意地悪く言いながら、弄んでいた突起を強く押した。

「ひぁっっ!!んっ……」
「ココでしょ?のイイトコロ」

濡れた布の上から、痛いほどに立ち上がる粒を、カカシはぐにぐにと押し潰す。
そしてまた溝に沿って上下に動かせば、面積の少ない薄く滑らかな下着は、の熱と溢れる蜜の多さをカカシの指先に伝えた。

濡れやすいのは、いつもの事だけれど。

「今日は特に濡れてる? 久しぶりだから? それとも病院だからかねぇ〜」

ナカはどんなになってるんだろうね……と囁いたカカシは、ショーツの隙間から長い指を送り込んだ。

「あっ……はぁぁん」

途端にぴちゃという水音が上がる。

水源の入口に触れただけで、滴る蜜が絡みつく。
そのままカカシの中指は、割れた肉の隙間を滑った。

「あんっ……あっあっ……」


気持ち良い──

する方も、される方も。


蜜壺から、粒の手前まで。
親指がヒップに触れ、ヌルヌルとした粘膜をカカシの中指が往復する。
素直に泣き声を上げ、それが一層涙を呼んで。
トロリと流れる喜びの涙。
それが潤滑剤となり、激しい往復を繰り返すカカシの攻めは、立っていられないほど。

「あっはぁぁ……んっ……」

足が震える。
力が入らない。
でも、もっと快楽を貪りたい。

だけど──

「すごいね、

カカシは淫らに上がる水音の事を言っているのだろう。
そしてその音源。
の体内から溢れ出る、愛の水。
それをたっぷりと含んだカカシの中指は、痛い程に熟れた赤い粒を今度はゆっくりと撫で回した。

「んっ!!……カカシ……ダメ……これ以上したら、我慢出来ない」
「今なら我慢出来るの? こんなにぐちゃぐちゃなのに」
「ちがっ……う。カカシの方を……気持ち良く……んっっ……あっ」
「じゃ、舐めてくれる? オレもちゃんの舐めたい。だからコレ脱いで上に来て」

濡れた果実を弄っていたカカシの指先が離れ、覆う薄い布を下にずらした。

「………うん」

はナースサンダルを脱いで、降りた下着を足から引き抜く。
そして小さく丸めて、白衣のポケットに入れると、カカシの忍服と下着を同時に剥ぎ取って、彼の足元に置いた。

「ほら、おいで」

カカシが笑って手を差し伸べる。
静かにベットへ上がったは、カカシの直立した雄を手に取って、優しく包み込んだ。

もね。気持ち良くしてあげるから」

自分の脇で獣のポーズを取っていたを促し、カカシは顔の上を跨がせた。
白衣をめくり、ナイロンの糸で覆われたの足を摩り、開いた華に息を吹きかければ。
「……んっ」とは小さく声を漏らす。

するとさっき聞いたパチンという音が聞こえて、辺りが少し明るくなった。

「や……カカシ、電気付けないで。」
「だってこうしないと、よく見えないでしょ」
「見なくていいよ……。やだ……恥ずかしい」
「そう? でもオレによ〜く見せて。の全部」
「……そんなところまで……見なくても……」
「綺麗だよ、すごく。それにね、オレの為に、こんなに濡れてるんでしょ?早く舐めたい、のココ。舐めてもい〜い?」

カカシはの濡れた華には触れず、息を吹き掛けるだけ。


弄り、挿し込んで、掻き回して欲しいと。


のそこは唇の代わりに話している。

焦れた感覚に、の首が小さく頷けば、カカシは舌全体でのそこを舐め上げた。

「はぁっう……あっ……カカシ……」
「美味しいよ、。もっとオレにお薬ちょーだい。」

カカシの唾液と自分の愛液が混じり合う音を聞きながら、はカカシ自身を包み込んで、手の平を上下に動ごかした。

両方の親指で開かれるの粘膜。
襞と襞、その隙間をカカシの舌は丁寧に泳ぎ回る。

「んっっ……あっっ」

カカシが齎す快感に身体を預けながら、は熱り立つ肉棒を口に含んだ。

……」

温かく絡みつくの口内。
の体内を彷彿とさせるその感触に、カカシの雄からは先走りの蜜が滲み出る。


「上手いよ、ちゃん。ご褒美ね」

の華を間近で眺めながらカカシは話すと、指先で隠れた粒を正確に捕らえた。
その感触には喉の奥で吐息を漏らす。

「んっッ」

次に来るのは、くるくると円を描く刺激。
ゆっくりと、そして段々早く。
カカシの速度に合わせて、くちゅくちゅくちゅと淫らな音が響き渡る。

「んッんッ……んっーー」

声にならない、の喘ぎ。

「気持ち良い? ちゃん。ココなんて言うの? ちゃんの好きなトコロ。看護師さんなら知ってるよねぇ……」

悪魔の微笑みを浮かべながら、カカシはそこを小刻みに揺らし、指先を叩き付けた。

「んっっっーーんッ」

声を漏らしたい。
啼き濡れる自分のそこと同じ様に。
でもカカシから口を離したら答えを求められそうで、は懸命に口内のカカシに舌を這わせた。

「知らないのかな? ダメだよ、ちゃんと勉強しておかなくちゃ」

の身体を少し動かしたカカシは、花弁を広げて、粒に唇を落とした。

「それとも、オレが教えてあげようか」

カカシが舌を出し、そこを舐め回す度、の身体はビクビクと震える。

「んっ……ッ」
「……ここはね、陰核」

クリトリスって言うんだよと、カカシはを攻めながら付け足した。

性的興奮の為に特化した器官。
発生学的には男のそれと同じ物。

ここで数えられない位、カカシに逝かされた。
そして今も、滑落寸前。
中から蜜の溢れる感触がはっきりと伝わる。

ちゃん、お薬沢山出て来たね〜」

カカシは粒の攻めを中指に変えて、再び花弁を舐め始める。

「あっっ……あッ……カカシっ」

舌先を硬くし、愛液の溢れる膣内へねじ込んだ時には、の口からカカシの雄は離れていた。
かろうじて右手を動かしながら、は嬌声を上げる。

「カカシッ……もう……はぁ、んっっ、あッ…………」

身体が熱い。
白衣の繊維が、ピリピリと肌を刺すように。

「んっっーー!!」

動きが止まり、固くなったの身体は、次の瞬間痙攣を起こした。

「イっちゃったね〜」

はぁ、はぁ、とは肩で呼吸をして。
気持ち良かった?とカカシが尋ねれば、コクリと首を縦に動かした。

「どうする? ココにはもういらない?」

ヒクヒクと収縮を繰り返すの其処に、カカシは中指を宛がい、第一関節を沈めた。
するとの其処は、カカシの指を締め付ける。

「はぁぅッ……」
「欲しそうだね。もっとかな」

緩やかに中指を根本まで埋めて、内部を掻き回しては引き抜いて。
重なる二本の指が、またの其処に沈んだ。

「ナカ、熱くてドロドロだよ、ちゃん」

抜き差しを繰り返すカカシの指は、強い快感をに齎す。
カカシも気持ち良くなって欲しいのに、の指はそれとは反対に、動きを止める。
包み込んでいるのが精一杯で、口での愛撫は勿論、手の平を動かす事さえ儘ならない。

「あッっんっ……カカシっ」
「このまま掻き回して、もう一回イかせてあげたいんけど、そろそろナカにオレを挿れてくれないかな〜?」

カカシは言葉の最後で腰を突き上げた。

「……うん。私も挿れたい」
も欲しいの?」

カカシの指は、の中から引き抜く間際、鉤状に曲がり内壁を強く擦った。
の一際高い喘ぎ声と共に、それは抜かれて、余韻だけが彼女の身体に残る。

くるりとカカシに向き直るの身体。
「欲しいの……」と囁いた唇が、カカシの唇と重なった。

見た者を虜にするカカシの唇と、男を魅了するの濡れた唇。
重なり合う唇から、甘い電流が二人の身体を流れた。

そういえば、キスをしていない。
今日は一度も。
カカシの頬にはキスを落としたけれど、唇は触れ合ってない。

カカシはの頭を抱いて、激しく口内を貪る。
それでいて甘く絡んでくる舌に、は酔いしれた。

だけど、いつもとは反対の位置。
ベットに背中を預けて、カカシのキスに酔っているのとは違う。
しかも序章ではなく、頂点に登る寸前の身体。
開いた場所からは、トロトロと蜜が溢れ出し、自分を支える腕が震えてくる。

「……ぁ……ん」

唇の隙間から漏れるの溜息。



── もうダメ


── もう限界



二つの心の叫びは同じ意味。

離れた凹凸もお互いを呼び合い、糸を引く。



── もう耐えられない




言葉にしなくても分かる。
求め合う感覚。


一つになりたい───と


唇が離れ、カカシの手はの腰を掴んで。

はカカシの其れを開いた花弁に宛がうと、一気に腰を沈めた。

「あああッッ!!あッんっっ……カカシっっ!!!」
「……くっ……

弾ける。

翔ぶ。

カカシを得た事で溢れ出した蜜が、カカシを濡らす。

「ひゃぁん、あっ… んっっ」

乱れた白衣から覗くのは、揺れる二つ乳房。
スカートは足の付け根まで捲れ上がり、隠れた結合部からは、くちゃくちゃと音がする。

カカシの右手が、留まっていた白衣のボタンを外し、前を肌蹴けさせれば。
彼女の動きに合わせて、肩からすり落ちるブラと白い布が後方へと落ちた。

上下運動をし、仰け反る声とナースキャップ。

「あんッ、あんッ、あッ」

白いガーターベルトに、白のストッキングで覆われたの足。
それとは対照的な中心の色からは、濡れて光る己が見え隠れする。
そう、己の凶器がを貫く様。
オレンジ色のライトは、の身体を妖しく照らした。

「カカシ!!んっ、んっ、イイ、あ、あっ」

が前後に腰を動かせば、擦れる結合部は激しい水音をたて、カカシの矛先が内壁をえぐる。

「オレも、最高ッ。のナカに、ずっと、いたいよっ」
「あんッ!はあッあっあっ……カカシ……」

腰に置かれていたカカシの両手は、の脇腹を摩り、踊る胸の先端を強く摘む。

「ひゃあぁぁ!!」
「……っ。、締めすぎ」

カクンと前に倒れたは、カカシの胸に手を付いた。

二つの乳房を揉まれ、指先が先端を弄る。
カリカリと引っ掻いては摘んで。
するりと降りたカカシの右手は、繁みに隠れたクリトリスを弾いた。

「はぁん!!!」

息を飲んだに、カカシは更なる攻めを与える。
今まで受け身だったカカシが、攻撃に転じたのだ。

右手はそのまま円を描くように。

そして腰に力を入れ、下から突き上げる。

何度も、何度も、を揺さぶって。


奥深く、突き刺す───


「ひゃあ!!もう……もうダメ……カカシっ!イっちゃう!!」
「オレは、いつでも。……ッ」
「んッ!!……ッ……っ………」

一気にの体温が上昇する。
筋肉が固まり、汗を掻いて、もう嬌声もカカシの耳には届かない。
聞こえるのは、ぶつかり合う肌の音と、粘膜が擦れる官能的な音。

「……っ、
「…………………ぁっ」

ビクン、ビクンとの身体が震えてくれば、カカシを受け入れる(なか)は強く締まり、二人の快感は頂点に達した。



脈打つカカシと、収縮を繰り返す

バサリと倒れ込んだを受け止めたカカシは、優しく彼女を抱きしめ、髪を撫でた。




少しづつ、の息使いが整ってくる。
最初は全身で、大きく息をして。

カカシはを労わり包み込みながら、くるりと身体を横に向けてベットに横たわる。
丁寧に後始末をした後、汗で光るの額に何度もキスをして、情事の余韻に浸るを胸の中に閉じ込めた。

。可愛かった」
「…………ん」

漂うが僅かに声を出して、カカシの身体に置かれていた手に意志が戻る。

「あんなに乱れて、すごく感じてたね」

僅かに動いたは、照れているのだろうか?
今更でしょ?と笑うカカシと、そんな彼女が可愛いと思うカカシと、彼の中には二人居る。

「オレはすごく気持ち良かったよ、
「……うん……私も、気持ち良かった。カカシが元気になって良かったナ……」
のお蔭だよ。ありがとね」

ちゅっと音を立てたカカシの唇が、の額から離れて。
鼻をくすぐる甘い香りと、顎に感じる柔らかな前髪の感触をカカシは楽しんだ。

「心配したんだよ、カカシ」
「寂しかった?」
「…………うん」
「だからあんなに燃えてくれたの? 色っぽかったよな〜ちゃん。熱病に魘されたみたいに」
「……だって、カカシが居ないとダメな病気なんだもん、私」

カカシの腕の中で目を閉じ、存在を確かめるようにの手は動く。

カカシが居る事への喜びと、拭われた不安。

「オレもが居ないとダメな病気だよ」
「……カカシ」

は名前を呼びながら、回した腕に力を込めた。

「その病気が、オレと出来なくて悪化しちゃったわけだ?」
「なっ!……もう!! すぐそういう事を言うんだから!」
「だって欲しかったんでしょ?」
「…………それは……ね。うん。すごく欲しかった。でも適切な処置を得ましたから大丈夫です」

照れくさそうには言うと、最後にクスッと笑った。

「あのね、。オレ、再発しちゃったんだケド、もう一回お薬くれる?」

の身体にグイっと押しつけられた熱い塊。
それが何であるか、言わなくてもすぐに分かる。

「今日はもうだめ!一日一回」
「なんでよ〜〜」

いつもはカカシのおねだりに弱いも、今回ばかりは流されない。
「依存性が高いっていうより、100%依存してるんだから、しょうがないでしょ」と、ブツクサ言いながらも、縋るような目のカカシが愛しいけれど。

「まだ本調子じゃないんだから」
ちゃんのお薬でもっと良くなるよ!」
「だめなものはだーめ」
「じゃ、一日一回ならいいんだ?」

今シタんだから、ダメとも言えないだろう。

「……ん?……うん」
「って事は、明日ならいい訳だ」
「え、あ、ちょと待って!」
「ダ〜メ、もう聞いちゃったから」
「ダメじゃないの!次回は退院してからです!!」

「分かりましたか〜はたけさん!」と耳を引っ張りながらが言えば、カカシは大袈裟に痛がって。
二人の唇が軽く重なった。

「でも退院したら、一日一回じゃ足りないからね。今日のお返しもたっぷりしたいし」
「……うん。待ってる」
「アラ、素直」
「いいじゃん」
「いいね〜素直最高」
「それにカカシが退院したら、私も休暇だから」
「そっか、じゃ、沢山可愛がってアゲル」
「うん。もう少しここに居てもいい?」
「勿論」
「泊まっていこうかな?」
「大歓迎です」


笑い合って。

抱き合って。

軽いキスを何度もして。

眠りに落ちたをカカシは見守って。


鳥達が動き始める頃、はカカシの呼びかけで目を覚ました。
クスリが効いたのか、短時間でも質の良い眠り。
そう、カカシが居れば大丈夫。

「また後で来るね」

そう笑ったの影が離れて行き、バタンとドアの閉まる音が聞こえた。


カカシの退院まであと少し。


禁断症状を楽しもうと、カカシはゆっくり立ち上がってカーテンを開けた。
その目に、自宅へ帰るを映して。


一日数回、朝昼晩。


食前、食後、それとも食間?


お好きなだけ、お好きな場所で。



Medical Service *** END




お薬、ちょう〜だい(笑)
次回作の参考に、そして今回はちと不安;





2007/11/22 かえで