今夜も見上げれば、満天の星空


できることなら天翔る流星となって


君のもとへ飛んでいきたい





在星空想?   ― 星空に君を想う ―







空気が澄み渡る季節は星も更に輝きを増す。
まして新月の空は星たちの世界、無数の煌きに溢れて。
白い息で指先を温めながら、は今夜もひとり空を見上げた。



「・・・昔・・・まだガキの頃ね・・・・・・一晩中自分責めた日があったのよ・・・
 オレはまだまだだね・・・あの頃と何も・・・変わっていない・・・」



一緒に任務に就いていた頃、何度か彼が夜中にひとり空を見上げるのを見た。
それは決まって任務失敗か仲間の犠牲があったとき。
あの日、かける言葉が見つからずただ一緒に空を見上げた私にぽつりと話してくれたっけ・・・



いつ、帰ってくるのかな・・・



行先や目的、期間を告げないのは当然のこと。
「行ってくるよ」の言葉とともに残した表情から今回かなり厳しい任務と読み取れた。


私も暗部だから・・・・・・解る。




「おまえたちのことを反対はしないが、わかっておるな」

火影室に二人呼ばれたのは、結ばれた夜から3日後だった。
隠しても見抜かれる、そういう者たちの集まり。
そして恋仲になった二人は同じ部隊にいられない。
正規部隊なら許されることでも暗部では違う。
任務時に私情を忘れることに熟達しているが、己も、周りも、
極限での一瞬の判断を誤ることが無いよう万全を期すため。


。おまえは明日から他の部隊に移ってもらう。カカシはこのまま部隊長を続けろ」




あれからもうすぐ半年・・・




「おまえを想うと、もっと強くなれる気がするよ」
案じる私にそう言ってくれるけど、前のように同じ任務につけないのは辛い。
助けることより助けられることのほうが多くても、共に闘い、少しでも力になりたいのに。
傍にいられないのなら、せめて心配掛けることがないようにと頑張るしかない。


今日もこの空の下、カカシも何処かで頑張っているんだよね・・・


便りがないのは無事な知らせっていうけれど
今日も何もなく終わろうとしているから、きっと元気にしてるよね・・・大丈夫だよね・・・



でも・・・



もしも・・・



もしも、この夜空見上げているのなら
あのときみたいに、その気持ち少しでも受け止めてあげたくて
毎晩、空を見上げちゃうんだ。



それでね・・・



こうしてずっと見てるとね・・・



いつか流れ星になって、カカシに想いが伝わりそうな気がするんだよ。

できることなら流れ星になって、会いに行けたらいいのにね・・・





 ──





あっ

星が、流れたよ・・・





カカシ・・・・・・ 今、何してる?

















「先輩。星、好きなんですか?」
「いや、別にそーいう訳じゃないけどね」


時間や方角を知るために星を見ることは、忍にとって特別なことではないが
気が付けば今夜も随分と長く空を仰いでいた。


無事に・・・元気でやっているかな・・・


詳しいことを何も告げずに里出てから、もう半月が経つ。
解っているだろうけど、きっと心配してるよね。


おまえの元に早く帰りたいよ・・・


里に戻るまで、通信は火影への緊急連絡以外はしない。
だからオレのこの想い、流れ星にでもなってのいる空に飛んでいってくれたらいいのに。



昔は至らぬ自分を責めて悔いて夜空を見上げた。



いつからだろう。
おまえと一緒の任務がなくなってからか?
まるで大地を抱くような星空に、を想うようになったのは・・・



帰りを待っていてくれるから。


おまえをまた、この胸に抱きたいから。


負けられない。


倒れられない。


オレ、強くなってるよ。



のおかげだよ。





 カカシ・・・





呼ばれた気がして
視線を東に流した。





あ・・・


流れ星だよ・・・





・・・・・・おまえに今、会いたいよ・・・










To Dear kaede.
Thank you for your kindness to me.
And Congratulations 200,000 hits!


BY 金鳳花
2008/06/12 サイトアップ


BGM オルゴールの詩



off of... の金鳳花さんより頂きました♪(↑バナーより旅立てます)
金鳳花さんの書かれるお話は、私にとってどれもツボど真ん中なのです。
同じ空の下、同じ流れ星を見上げて想いを馳せる。
なんて素敵なんでしょう。
私もカカシに逢いたいよ・・・・・・・。
金鳳花さん、本当にありがとう!!

かえで