「お茶が入ったわよーー」

特上執務室にアンコの声が響き渡った。
仲間達はそれぞれ仕事の手を休め、室内にある応接セットに腰を下ろす。
一人一人の好みに合わせて淹れられた珈琲や紅茶。
テーブルの中央には、大きな箱に入った小粒のチョコレート達が綺麗に並んでいる。
そう今日はバレンタインデー。
アンコが海老で鯛を釣る日なのだ。
勿論鯛は、同僚達から贈られるホワイトデーのお返しだ。
心穏やかな彼等はこのイベントをめんどくさがらず楽しみ、毎年個別でプレゼントをする。
お菓子一つで満面の笑みを見せる同僚は、恋心を懐いていなくとも可愛かったりするから。






Great Energy  2008VD夢
〜 He takes advantage of every situation. 〜





「誰が来るんですか?」

テーブルに並べられた自分達のマグカップの他に、来客用のティーセットが四つ並んでいた。
誰かが来るのは決定事項の様なもの。
だからそれに目を留めたハヤテは、誰か来るのかと問うのではなく、誰が来るのかと聞いたのだった。

「うんとね、イワシ達も呼んだのよ。そろそろ来る頃……あーー来た来た」

執務室前の廊下が人の気配で賑わって来たのを、アンコの他全員も感じ取った。

ドアをノックする音が響き、入ってーーと1オクターブ高い声でアンコは叫ぶ。
するとこの部屋と廊下を隔てていたドアがゆっくりと開いて、イワシ、イズモ、コテツ、トンボの四名が入って来た。
彼等は中忍選抜試験で同じく試験官を勤め、部隊編成でも何かと一緒になる事が多い。
一回で全て済ませてしまおうと、手を抜いたアンコが呼び付けたのだった。

「お邪魔しまーすっ」

ペコリと頭を下げた中忍達は、座れ座れとアンコに促された長椅子に腰かけた。
目の前にはゲンマを筆頭に、ライドウ、ハヤテ、アオバが鎮座する。
だけれど、気後れする程の仲でもない。

「さ、さ、食べてよねーー」

今年は趣向を凝らしたのよと、ニタっとした笑いを浮かべたアンコの手には、自分専用の大きなチョコレートが握られていた。

同僚達はチョコを一粒づつ手に取り、各馬一斉にスタート!もとい、摘んだチョコレートを口の中に放り込んだ。
噛み砕く者も居れば、口内で溶かす者の居る。
食べ方は様々だ。

二順目に入った時、その中の一人、ライドウの顔が僅かに歪んだ。

「どうかしましたか?」

ハヤテは何事が合ったのだと、ライドウの様子を伺った。

「辛れ〜〜〜〜」

一時黙って次に発せられたライドウの言葉に、アンコ以外の人物は納得がいかない様で。
それもそうだろう。
自分達の食べている物は甘い物、チョコレートなのだから。

「ん?でも結構イケるな」
「でしょー。ライドウ当ったりーー。山葵と唐辛子どっちだった?」
「唐辛子の方だ」

そう言い終わると、喉が渇いたのか、ライドウは目の前に置いてある珈琲に口を付けた。

「今回のはね、ロシアンチョコレートなのよっ」

アンコは再びニタっと笑う。

彼女の説明によると、このチョコレートの詰め合わせは、限定品だかなんからしい。
ミルクやビター、洋酒入りのノーマルチョコレートの他に、塩、唐辛子、山葵に山椒入りのチョコレートが含まれているのだそう。
この所変り種なチョコレートもブームな所為か、男性陣にあまり驚いた様子はなかった。
初めて食ったけど案外美味しいだの、こんな味なのかと、反応はその程度。


が────


残りはあと三つ。
皆それぞれ三、四個は口にしただろうか。
そんな時、ハヤテは何処のチョコレートなのかと、ふと気に掛かり、重ねられた上箱を剥がして見ると、箱の表面に小さく成されてあった奈良家の家紋を見つけた。
奈良家とは言わずと知れた薬のエキスパート集団だ。

「奈良家が販売したチョコレートなのですか?」
「ん、あぁ、そうそう」

問い掛けられたアンコは何故か落ち着かない様子で。
大体この手の詰め合わせ類には、説明書きが成されている場合が多い。
それは大抵上下どちらかの箱。
もしくは別紙だ。
ハヤテが探し見た所、箱にはそんな説明書きは無く、アンコの挙動を不審に思った男達は口々に詰め寄った。
ロシアンチョコレートはメニューを隠したアンコが勝手に仕組み、いや命名しただけの事なのは皆に明白である。

「オイ、何かあるんだろ、話せ」
「説明書きの紙はどこに遣ったのですか?アンコさん」

口を開かなかったライドウは席を立つと、アンコのデスク後ろにあるゴミ箱から一枚の紙を見つけ出した。

「コレだろ」
「あーーー!!」
「うるせぇなぁ、いいじゃんよ見たって」
「全くアンコさん、あるなら出して下さいよ。見ながら食べるというのも面白い物ですよ」

ハヤテは乙女と同じ思考で物を言う。
ここまではアンコの思惑通りだ。

「で───特に変わったのは先程の四種類位ですかね」

説明書きをライドウから受け取ったハヤテは、流し見ながらそう言うが、一番下の段でその視線はピタリと止まった。

「ア、アンコさん?? これは……」

その視線をアンコに流し、手に持った紙はテーブルの中央へ。
何事かと覗きこんだ他の輩は、悶絶、絶句、阿鼻叫喚。
冷静な二人の特別上忍も居る事は居るが。

「あーーーばれちゃった?」

首を傾げて可愛く笑って見せる同僚を、可愛くねーーー!!と心の中で叫ぶ者達数名。

「な、なんなんだ! このシークレットってのは」

チョコに向ってイワシは叫び、アオバは紙を拾い上げ再度マジマジと眺めていた。

十五種類のチョコレートの内、二つがシークレット。
その他はチョコレートの絵と共に味の説明がされているが、コレに至っては絵が記載されていなく、クエスチョンマークが付いているだけ。
そして下の説明書きは、味形状には触れていない。
だた食せば官能的な日を過ごせる事を約束していた。

今はもう、どのような形であるか解らない。
何故なら誰かの腹の中に納まってしまったからだ。

此処まで来ればシメたもの。
最初から見せていれば、多分避けられていたであろうチョコレートは姿を消している。
もしかしたら、自らチャレンジする者が現れたかもしれないが。

「まぁ落ち着けイワシ。オレ達にそんなモンは通用しないだろ」

ゲンマの落ち着きはらった態度に、彼の勢いが弱まった。

「そ、それもそうですよね」
「だろ?」
「ああ。これ位食っても変わんねぇな」

多分だけどよと、ライドウは繋げるつもりだった言葉を飲み込んだ。

「俺達が使うような媚薬の類は入ってなさそうだぞ。薬草なんかの名前はいくつかあるが……」

アオバは箱裏の原材料を眺め、そう話す。

「だったら、特に心配する必要もなさそうですね。色々耐性はありますし、微量でしょうから。」

ハヤテもまた、安心し切ったようにそう言った。

一粒が然程大きくはないチョコレート。
洋酒入りのチョコと同じレベルだと、彼等は笑う。
この中で酒の入ったチョコレートを食べ、それに酔っぱらうヤツは居ない。
だから例え媚薬入りでも大丈夫だと。
一般人ならば、多少元気が出る者も居る。
その程度の代物だろうと。

「大方どっかの金持ちが、遊び半分に作らせたんだろう。大名辺りだろうけどな」

ゲンマがぼそっと呟いて、端に退けられた紙を手に取った。

自分の食べたチョコレートの味、形状は覚えている。
ブランデー入りのガナッシュを、包み込むようにコーティングしていたのは、ビターなチョコレート。
これは紙に絵が描いてあるから謎のチョコレートではない。
しかし、後の二つ。
記憶の糸を手繰り寄せ、形を思い出してみるが、当て嵌まる物は紙に描かれていなかった。
チョコと薄い砂糖の殻に閉じ込められていたシロップ。
甘さと仄かな酒の香りであまり気にしてはいなかったが、今思い返せばカカオの苦味とは違う苦さを舌先が感じ取っていた。
きっとあれは生薬の苦さだったのであろう。
ゲンマはフッと鼻で笑い、長楊枝を咥え直した。

「オレ、喰ったみてぇだな、ソイツ」
「あ、なんだ、ゲンマさんなら尚更平気です!!」

イズモとコテツが口を揃えて力説すると、他の男達も安心したように納得する。

こういう言い方は悪いかも知れないが、恋人の居るゲンマだ。
しかも中忍である年下の自分達より、様々な薬に対しての耐性もある。
そう易々と火が付く身体では無いだろうと思ったのだ。
最近ご無沙汰な自分達よりも、更に危険度は低いと。

ただ、全てを知る紅一点を覗いては───


─── あちゃーゲンマか……。、ゴメン!!


きっと記憶力の良い彼等の事だ、名乗り出るやもしれないと予想はしていた。
中忍達なら、笑って受け流す。
ハヤテなら、暗部の友人に何か言われなくもないが、それはそれで然程文句も出ないだろう。
ゲンマが食べたらとほくそ笑んだりもしたが、親友の身体を心配すると、そうもいかない。
アンコは心の中で親友に謝り、合掌した。







しつこいけれど、今日はバレンタインデー。
年に何回かの特別な日。
特上執務室のメンバーにとってもそれは同じで、急ぎの仕事以外は明日に回し、今夜は早々に切り上げ各自夜の街へと消えて行った。

『 14日は少し忙しいから、夜ゲンマの家に行くね 』

前回と会った時、そういう段取りになっていた。
だからゲンマは鍋の材料を買い込み、自宅へと続く近道を歩いている。

仕事を終え建物から出た時には、西に沈み始めた太陽が長い影を作っていたけれど、今はすっかり陽も暮れて。
火種を失った暖炉の様に、寒さが身に沁みた。
春は掛け足で其処までやって来ているけれど、冬もまだまだと言わんばかりに幅を利かせている。

こんな日は鍋に限るなと、自分の選択を良しとしながら、ゲンマは玄関の扉を開けた。
部屋に入り鍵を閉め、テーブルの上に買って来た食材を置く。
冷蔵庫へ入れるべき物は納め、テーブルセットの椅子に脱いだベストを掛けた。
腕捲りをして手を洗い、包丁を取り出す。
水で洗った食材を軽快に切る音が、キッチンに響いた。

火はまだ使っていない。
なのに湿った自分の両手は、湯気が出そうな程に温かい。
冷たく冷える筈なのにだ。
そして、下を向く己も顔も。
そうこうしている内に、全身が温かくなって来た。
血行が良くなり、血液が体内を駆け巡っているのが良く分かる。
酸素と結びついた血液が喜んで走り回っているようだ。

これは食べたチョコレートの所為かと。

アオバに見せられた、成分表示。
そこには、知っている原材料名が幾つもあった。
チョコレートの成分の他に、多種多様な漢方薬。
地黄に丁子に生姜に芍薬は勿論、冬虫夏草、鹿の角、サソリやマムシ。
自分の知っている生薬の名前だけでも、わんさかと。
勿論、知らない物も有るには有るが、自分達の使用する薬品とは異なる成分だ。
それに一般人をも対象にしているであろうアレに、それ程強い成分は含まれていない筈と高を括っている。
現に即効性は無かったのだから。
今はポカポカと身体が温かく、逆上せた感じがあるだけだ。
ふと思い出してみると、あのチョコレートすべてに、何らかの生薬が含まれているのだろうとゲンマは思う。
滋養強壮、免疫力強化、冷え予防と効能は様々で。
自分はその中で精力増進の類と何かを口にしたのだと。

忍対応の媚薬は、何度か身を持って経験しているゲンマ。
その感覚はもっとドス黒く、狂気にも似ていた。
麻薬中毒にはなった事は無いが、禁断症状が出るとしたら、これに近い物があるだろう。
只、只、雌を求める。
体内で噴き出した性という欲望が渦を捲き、捌け口を求めて暴れ回るのだ。
欲しい、欲しい、欲しいと、飢え、枯渇し、与えられれば貪欲に貪り喰らうだろう。
性の快楽を交渉や尋問、足止めに使うのだから、そうなって当たり前共言えるが。
幸い経験と言っても、解毒薬を入手出来たから問題は無かったが、これを敵陣営の中で打たれたらと想像しただけで身震いする。


ゲンマは殆どの食材を切り終え、スープを張った土鍋の中に火の通りにくい物から入れ始めた。
が好きな不知火家特製の鍋。
特に母親から教えて貰った訳では無いが、その味を再現出来てからは、ゲンマの得意料理の一つでもある。
の喜ぶ顔を思い浮かべ、丁寧に食材を入れて行く。
すると、体内を駆け巡っていた血液が、一点に集中し始めて来た。
徐々に鎌首をもたげる己の分身。
中心が熱く膨張し、脈を打ち始めると、その先端からは露が滲んで来た。


─── まったくよぅ……。やっぱ効いちまったか・・・・・・


ゲンマは自嘲気味に笑う。

若く、健康体であるゲンマには当然の現象と言えよう。
まして、あらゆる面に置いての力は、一般人の比ではないのだから。
体力然り、精力然り。
そこに奈良家特製の漢方薬という推進力を得た今、自分の意思とは反し、力が充ち溢れ納まり切らない。
理性という抑止力が保たれているのが幸いだ。

さて、この湧き上がってくるモノをどう抑え付けようか。
抑え付けるのは不可能だと判断したゲンマは、コンロの火を止めると、浴室に向った。




一度熱と欲を削ぎ落として、落ち着きを見せたゲンマの身体。
ついでに今日の汚れも落とし、浴室を出た頃、の気配を感じた。
訪問を告げるブザーが鳴り、ゲンマは大急ぎでバスタオルを腰に巻くと、玄関のドアを開ける。

「よぉ!」

声こそ上げないものの、の目は大きく見開き、そしてゲンマの部屋へと入って行った。

「お風呂に入ってたの?」

首を少し傾げて笑うの鼻が、何かを感じ取ったようだ。

「わ〜〜お鍋作ってくれたんだ」
「まぁな」
「ありがとう!」

少々自信有りげに、得意そうに、ゲンマは笑う。
彼は服を着ないまま、鍋の蓋を開けて、中の様子を伺った。
放置してしまっていたが、味が沁みて、これはこれで美味いだろう。
後は温めればいい。
オマエも風呂に入ってくれば?と声をかけようとした時、ゲンマは背中に温かく、そして若干冷たいものを感じた。

「ゲンマの身体、あったか〜い」

そう言ったが、後ろから抱きしめて来たのだ。
台所に立つ愛しき我が姫に、男が行うように。

手袋を外したの温かな手のひらが胸板に。
冷えた布地と急に暖められた温かな頬が、ゲンマの背中に押し当てられる。
素肌に感じた、好きな女の体温と感触。
それにゲンマの身体がピクリと反応を示した。
そしてまた感じた、血の巡りの変化。

「ご、ごめん。冷たかった?」

は慌ててゲンマから離れた。

「いや、大丈夫だ。寒かっただろ?先に風呂でも入って来いよ」

向き直ったゲンマは、の前髪を掻き上げながら控えめに笑うと、彼女はまた首を傾げて微笑んだ。

「ゲンマ、かわいい」
「はぁ??」

何を言い出すのかと、ゲンマの目が丸くなる。
慣れてはいるが、たまに思い掛けない言葉を口にする

「ほっぺ、赤いよ。外遊びしてた子供みたい」

そう言いながら、クスクスと笑い、ゲンマの頬に触れた。

「お風呂熱かったの?まだあったか〜い」

微笑む彼女の表情に、頬に感じる柔らかさに、またもやピクリと動くゲンマの身体。
普段ならば“そんな事してると喰っちまうぞ”などと余裕で返すのに、今日はそうもいかない。

「兎に角、風呂入って温まって来い」

ゲンマはそう言いながらの手を剥がした。

「うん、わかった」

そんなに冷たかったかな?と言っているの後姿。
自分の手のひらを頬に押し当てながら、は着替え一式を取りにゲンマの寝室へと入る。
そのまま着替えのワンピースを持って、入ってくるねと一声残し、浴室に消えて行った。


─── オマエの手が冷てぇんじゃねぇ。オレの身体が熱いんだよ


既に立ち上がったモノを持て余しながら、ゲンマは心の中で呟いた。




さて、再びこの湧きあがって来たモノを、どう抑え付けようか。
ゲンマはいそいそと寝室に向い、床に腰を降ろした。
ベットに背中を預け、分析を始める。

吐き出してしまえば落ち着くだろうが、幾らなんでもソレは気が引ける。
別にを処理の対象としているのではなく、彼女が来て居るのにその行為を行うというのが引けるというか、嫌なのだ。
女の風呂は男よりも長いと相場が決まっている。
も例に漏れず、行水タイプではない。
時間はあるが同じ領域に居て、する事ではないだろう。
だからゲンマは胡坐を掻き、精神統一を始めた。

己自身の変化が意に反する事だとは、此処まで来て言わない。

好きな女を抱きたいと願うのは、当たり前の事。

だが物には順序というのがある。
今夜は話をしながら食事を楽しんだ後で良いのだと。
だから取り敢えず治まれ──と。

そう言い聞かせても、言う事を聞かない己のブツ。
マシンガンに詰め込まれる弾が、体内で無制限に作られているような気さえする。
留まる所を知らなそうだ。
頭の半分は冷静に分析し、もう半分は勿論の事、欲求が蠢いている。

男も、女も、勃てば、濡れれば、イキたいと願うもの。

敵忍使用の媚薬とは違い、自我を忘れる事は無さそうだが、その部分だけ常にエネルギー満タン、出力最大級といった感じ。


─── はぁ……。とんでもねぇモン、食っちまった気がする……


リミッターを外し、潜在能力を引き出し助長する、奈良家製造漢方薬の其処力をゲンマは思い知らされた。







「ゲンマ。まだそんな格好してるの? 風邪引いちゃうよ」

キッチンにもリビングにも居ないゲンマを探して、は月明かりだけが射し込む寝室に辿り着いた。

……今日は帰った方がイイかもしんねぇ」

赤みの差した顔でゲンマはボソリと言い、ベットの中に潜り込んだ。
寝るのではなく、座っているのだが、その腰にはしっかりと布団が掛けられた。

の目にはあっと言う間の出来事で。
ゲンマの変化に、気が付く筈もなく。
全てを知り得るのならば、その瞳にはきっと可愛く映る事だろう。

「え?…あ……。もしかしてゲンマ具合悪い? 熱が出て来ちゃったとか?」

足音を軽く鳴らしゲンマに近寄ったは、その額に手を当てた。

「熱はなさそ…う?」

頬は赤く温かいが、額に熱を持ってはいなそうで。
手のひらでは感じ取れないという風に、次に重なったのはのおでこ。
ゲンマはそれから逃げるように身体を反らした。

「いや、風邪引いてる訳じゃねぇよ」
「そうなの? 具合が悪かったら言ってね。私、今日、此処に泊まるから」

は床に座り込んで、ゲンマを見上げた。

『 だからそれがマズイっつうのに…… 』
ゲンマは心の中でそう叫ぶ。

潤んだ瞳で
艶やかな唇で
オレを見るな、オレを呼ぶな、とも付け足して。

「あ!!」
「なんだよ!」

の声に、大きく返すゲンマの声は驚いた風に。

「これから任務とか……?」
「仕事でもねぇよ」
「じゃあ、どうしたの?」

真っ直ぐ伸びてくるの視線には、やはり隠し事は出来なく。
ゲンマは事の顛末をに打ち明けた。





「全く、アンコちゃんも悪戯好きなんだから」

恋人がそういう目に合った割には怒ってもいなく、は笑顔で語る。

「もう薬が効いて来てるんだよね?」
「……まあな」
「どうしよっか?」

直球で受け取ってしまう今のゲンマに、この問い掛けは酷である。
スル、シナイの選択を委ねられているようで。
媚薬とは違い、気の狂う様な感覚は無いにしろ、喉から手が出る程欲しいのには変わらない。
かと言って真相を話した今、余計にを抱きたいと口に出来ないのだ。

それに、一度抱いてしまったら
枷が外れる
手放せない。

極限にまで飢えた状態で、好物を食べたら一口では済まないだろう。
きっと食べ尽してしまう。
それと同じ事だ。

にしてみたら“スル”は大前提の上、どういう方法が良いかとゲンマに問いただけなのだが。

「だから、帰れって」
「それは却下!!」
「なっ!オレはオマエの事を思っ……」

ゲンマの声は言葉の途中で止まった。

“オマエの事を思って言っている”は、“だから我慢している”とイコールで繋がる。
負担を掛けさせたくないと、身を案じて。
でもそれは、も同じなのかと。
彼女からすれば、自分の事を思って言っているのだから。

男と女、自分と、違いは多々あるが、もしもが似たような立場に陥ったら、その時自分はどうするだろうか。
壮絶な死闘を繰り返し、体が鉛のように重くなって帰って来たとしても、自分はに手を伸ばす。
包み込み、そして解放させてやる。
絶対にだ。
自分の事をが気遣うようなセリフを吐こうもんなら、「関係ねぇ!」と叱り飛ばすだろう。
同等な立場、同じ目線。
遠慮も、変な気遣いも、妙な優しさもいらない。
嘘も、隠し事も。


─── そうだよな、オマエもオレと同じか


ゲンマはの髪にそっと触れた。

それにこうなった時のは聞かない。
三代目に太鼓判を押された彼女。
伊達にゲンマの女はやっていないのだから。

「……いいのか? 襲われるぞ」

気遣う言葉は掛けているが、その目は既に活気に満ち溢れている。

「その前に── 私がゲンマを襲ってあげるね」

よいっしょっとベットに手を付き立ち上がり、はゲンマの腰に掛った布団を剥ぐ。
一連の動作が然程軽やかで無い辺りが、自分とは職種が違うなと。
ゲンマはそれを見て、小さく笑った。

「あー随分と余裕ありそう。イジメちゃうよ?」

そんな言い草も可愛くて、たまらない。

「オレをどう虐めるんだよ」

やれるもんなら、やってみろとでも言いたげに、ゲンマはまた笑う。

「う〜〜〜ん……こうかな?」

はゲンマの足の間に座ると、その身体を見回し、胸板に飾る小さな突起を口に含んだ。
吸い上げ、口内で舐めまわすと、前歯でカリッとソレを噛む。
ゲンマの身体が揺れ、吐息が漏れるのが、何故か楽しい。

今までの、お・か・え・し。

スルリと伸びたの両手は脇腹を弄り、反対の突起も口に含んだ。
小さな突起が口内で硬く、より小さくなっていく。
今までに感じた事のない感触、立場の逆転した状況に、やはりの胸は躍った。

綺麗な腹筋に口付けながら、脇腹を通った両手が中心に伸びる。
熱り立つゲンマのモノは、腰に巻いていたバスタオルを押し上げていた。

タオルの上からそれを優しく包み込むの手のひら。
そんな一枚を隔てた軽い刺激さえも、今のゲンマには極上の快楽だ。
我慢していた分、尚更。

「……っ………」

僅かに彼の口から吐息が漏れた。

ゲンマを包み込んだの手のひらは、ゆっくりと上下に動いている。

っ……出ちまうって」

喉を幾分潰した声でゲンマは言った。
出ると言われて、そうですかと止める筈もない。
予告なのか、制止なのか、どっちとも取れるゲンマの絞り出した声。
自身も楽しみ、ゲンマも気持ち良くは当たり前だが、事の詰まり出さなきゃ終わらない。

はさっきよりも早い刺激をゲンマに贈る。
タオルの摩擦との動きに、ゲンマの怒張は震え、白いマグマを吐き出した。

「…………っ……くっ……はぁ………」




ゲンマの身体から力が抜け、白く熱いマグマを吸い取ったバスタオルは、外気に晒され温度を下げて行く。
冷えちゃうよねと、はバスタオルの組目を解いた。
ハラリと広げられるバスタオル。
ゲンマは腰を浮かせ自ら引き抜くと、それを丸めて床に放り投げた。

クタリと頭を垂れ、波が引く様に怒りを静める筈のソレは、今だに大きさを保っている。
多少勢いは無くなったように見えるものの、の手が包みんだ途端、先の勢いを取り戻していく。
ピンと伸びて空を指して。
バスタオルをめくり、目に映った一瞬は恥ずかしそうにしていたも、ゲンマのソレにすぐ慣れたようだった。

「復帰したね。やっぱり性能上がってる?」

この状況を楽しでいる口調だ。
喜んでいるとも取れる。
呆れられればゲンマでも傷つくのだから、有難いと言えるけれど。

「あのなぁ……」

ゲンマはそう呟いて苦笑した。

の言葉の選び方は時々笑いを誘う。
間違ってはいない。
いないのだが、使い方がたまに笑えるのだ。
幼い頃他国に長く居た所為でもあるが、本来の性格だろう。
復帰は元の位置や状態などに戻る事。
性能は性質と能力、または仕事をなしうる能力の事であり、間違っても性的能力を指して言っているのでは無い。

『 また大きくなったね。やっぱり感度良いんだ 』

この状況ならば攻めに身を転じて、そんな言葉を用いるのかもしれない。
そう言わないがまたまた可愛く、そして愛しかったりする。

「これ位、いつもと変わらねぇだろ」

ゲンマが自信有り気に言えば、はクスっと声を上げ笑う。
何もしない夜もあれば、一夜に一度の日もあり、そして朝まで何度も求め合う事もある。
吐き出しても形状を変える事の無いゲンマのソレに、狂わされた事は一度や二度ではない。

「う〜〜ん、そうかも」

そんな夜を思い出し、は自分の身体を折った。
ゲンマの足の間で正座し、落ちて行く髪。
そそり立つゲンマを片手で包み込み、その丸い先端に口付けた。

「オ、オイ」
「なに?」

は顔を上げる事なく、返事を返す。

「無理しなくて、良いんだぜ。ヤダろう?」

ゲンマはそっとの頭を撫でた。

この行為は初めてだ。
ゲンマも男。
の口内で果ててみたいと切望してはいたが、今まで機会にも切欠にも恵まれず現在に至る。

「イヤじゃないよ。ゲンマのだもん」

は全体に満遍無くキスを贈った。
そうこうしている内、の舌先はゲンマの怒張の上を滑り始める。
棒付きのキャンディーを舐めまわす様に。
ぎこちない動きだけれど、それが余計にゲンマを煽った。

何処でこんな知識を知り得たか。
僅かに浮かんだ、そんな疑問。
だって自分は教えていないのだから。

を開花させたのはゲンマだ。
だけれど、も大人。
情報源は幾らでもある。
何処かの野郎に教え込まれたのでは無い事が、手に取るように解るのだから、詮索は無用だ。
有難く、この快楽に酔いしれよう。

は流れ落ちる髪を掻き上げ、舐め回していたゲンマの雄を食べた。

「……っ………」

その刺激に、彼女の頭部に置かれていたゲンマの指先がピクっと動く。
今度は口内にある飴玉を舐め回すように、の舌が泳いだ。
大きく口を開けても、口内で舐めれるのは先端と幹の一部分のみ。
根本まですっぽりと咥えるのは、不可能な大きさと長さだ。
それでも出来るだけ多くを口内に納めようと、更に大きく口を開けば、顎の間接が軋む音がした。
唇を窄め、首を上下に動かす。
頬の疲労を感じながらも、は健気にゲンマへの奉仕を続けた。

「……くっ……っはぁ…………」

マグマはもう其処まで湧き上がって来ている。
滲み出る露と、熱く張り詰めるゲンマの雄。
硬さを増したゲンマの雄に歯を立てる事の無いよう、は気遣いながら愛撫を繰り返す。

「……顔、放せ……」

切羽詰った相手の声に火が付くのは、男も女も同じだろう。
愛している相手ならば特に。


─── ヤベ……マジで気持ち良い……イっちまう。、顔放せ、出ちまうって!!


そんな言葉達がぐるぐると脳内を駆け回るが、口から出るのは官能の吐息だけ。
立てた自分の片膝をゲンマは強く握りしめ、迫る射精感に堪えていた。
だからこそゲンマの喘ぎ声が漏れるのだ。
息を乱さず、顔色を変えず、射精までのプロセスを味わい、平然と白濁を放つ。
それが出来る相手では無い。
このままいつまでも酔っていたいという思いと、最後の負担を彼女に負わせたくないという思いと両方だ。

だけど、吸い上げを始めるの口内。
物覚えの良い彼女は無意識にゲンマの反応を感知し、事の最中から成長を始めている。
絞り出される様に吸い上げられつつ、上下に動かれればもう無理。
ゲンマは吐息と共に、抑えつけていた白濁を解き放った。


首を後ろに倒し、肩で息をするゲンマが、身体の力を抜いていく。
余韻という海に漂いそうになった時、聞こえた小さな咳で我に返った。

は上体を起こして、濡れた唇の端を手の甲で拭っている。

「わりぃ、出しちまって」

そのまま次の言葉を繋げようとしたその時に、の口が音を発した。

「平気」と控えめな声で。

その口から、白濁が流れる事も、貯め込んでいる様子も見受けられない。

「もしかして、飲んじまった?」
「……うん」
「そういう時は吐き出せって。……大丈夫か?」

ゲンマの問い掛けに、は頷く。

口内に広がったゲンマの熱いヌメリは、若干の苦味を伴っていた。
三度目の射精で、かなり薄まってはいるけれど、初体験のには味の違いは解らない事で。
吐き出すなどと頭に無かったは、そのまま飲み干したのだった。

「ちょっぴり苦かっただけだよ」

心配そうに自分を見つめるゲンマが不思議に思えて、はそう言いながら小首を傾げる。

ここでその仕草は危険行為に他ならない。

怒りを鎮め、お辞儀を始めたゲンマのソレが、勢い良く腹に付いた。


─── オマエがオレにとっての媚薬だよ。それも最強のな


「今度はオマエの番だ、。めーいっぱいイジメてやる」

不敵な笑いを浮かべ、ゲンマはの着衣を剥がしに掛る。

「ええと、あの〜〜お手柔らかにお願いします……」
「申請却下!」

ゲンマは身を翻し、えー!!と叫び声を上げるに跨った。

「ウソだ。冗談だ」
「もう……」
「だけどお返しは、たっぷりしてやんねぇとな」

ゲンマが言い終わる頃には、唇は塞がれていて。
言い方を変えただけで、同じなのではないか?というの思いは、キスの波に流された。

唇を貪りつつ、空いた片手はの乳房を揉む。
立ち上がった先端を指で遊び、そして嬲る。
徐々に降りてくるゲンマの唇は、の肌の上を滑りつつ、山の頂点に辿り着くと、口内でそれを弄んだ。

「んっ……あっ……」

平然と語らってはいたが、先程の行為で身体に火は点いている。
ゲンマの愛撫により、その火は一気に燃え上がった。

自分の胸に吸い付くゲンマの髪を乱しながら、頭を抱きしめる

「あんっ、あっ、んっっ………」

するとゲンマは色づく頂点を軽く噛んだ。

「ゲンマ……ゲン……んっはあ!!」

吸い上げ、転がし、舐め回す。
舌先を出して転げ回しながら、ゲンマは意地悪く語った。

「胸だけでイっちぃまいそうだな、
「あっ、んっっ、んっ……ヤ……」
「ヤじゃねぇだろう? それとも、こっちが淋しいか?」

ゲンマは胸に添えていた右手を下に降ろして草叢を掻き分けると、その奥からは昏々と愛の水が湧き出ていた。

「なんでこんなに濡れてんだ?」
「そ……そんなの………わかんない……」

隙間に指先が割り入った事により、溢れ出たの愛液は、肌を伝い流れ落ちて行く。

「オレだから濡れるんだろ?」
「………………う…ん」
「オレもオマエだから勃つんだぜ」

卑猥な音を立て、行き来するゲンマの指先が、敏感な小さな粒を捕らえた。

「ひゃ、あんっ」

巧みに動く中指は、時折襞を滑り落ち、また粒へと戻って行く。
トロトロと湧き出る愛液と、襞に挟まれヌルリと滑る己の指先が気持ち良い。

愛液を垂らす其処はすでに門を開け、侵入者を捉えようと待ち侘びている。

「オレが欲しいのか」

ゲンマはの顔横に両手を付き、見下ろしながら言った。

既にの膝は立てられ、間にゲンマの身体が入り込んでいる。
彼の厚い胸板をおぼろげに見つめたは、小さく頷いた。

そして感じた熱く、硬い、雄の感触。
襞の間をゲンマのそれが上下に動いたのだ。
丸みを帯びた矛先がの愛液を絡め、より滑らかに滑る。
己の武器に手を添えているゲンマは、くちゅりくちゅりと淫猥な音を響かせて割れた中心を摩擦し、膨らんだ粒を矛先で刺激した。

「あっっ……あっん……」

角度を少し変えたゲンマの矛先が、引っかかる。
エラに引っ掛け滑り落ち、先端で射れば、は一層甘美な声を上げた。

「ひゃあんっっ!……ゲン…マ……」

押し潰される紅い粒。
その刺激で果てそうになると、ゲンマの雄はそこから離れ、襞の間を行き来する。
開閉を繰り返す場所へは進入せず、愛液を掬い取る程度。

「や……ゲン…マ……もう……んっっ……」
「オマエが欲しいのはココだよなぁ」

襞の間で肉棒の先端を回し、押し付ける。
の欲しい場所までスルリと滑り落ちて行くけれど、再び戻され、押し当てられるのは其処の少し上。

「ち……がう……」
「じゃあ、何処だ?言ってみ?」
「……もう少し……下……」

ゲンマはの言う通り肉棒を下に降ろして、咽び泣く入口に押し当てた。

「ここか?」

快感と羞恥で肌を桃色に染めたはコクリと頷く。

「オレが欲しくて泣いてるみてぇだな、此処がよ」

入口に押し付けた先端をくるくると回せば、水源である其処は制限無く卑猥な泣き声を上げる。
ヌルヌルと滑る竿の先端。
の柔らかな肉と、止めどなく溢れる潤滑油が絡み付く様を、ゲンマは楽しんでいる。

「いれて……」

が小さく言うと、ゲンマの先端が僅かに沈んだ。
矛先全てが沈む事はなく、ギリギリで止められ、そしてまた離れて行く。
静まる部屋には、の吐息と、水を掻き回す音。
少し沈んでは浮いて行くゲンマの肉棒を放すまいとして、の身体が見せる収縮が余計にゲンマを逃がしている。

引き裂くように肉棒を突き立てられたい。
ゲンマが欲しいと力の入る場所を押し広げ、強引に割り込んで欲しい。
そして激しく突き上げ、掻き回して欲しい。
快楽を求める感情が渦を巻く。

「……もっと……ゲン…マぁ……」

自分を切望するの声に、ゲンマは腰を少し沈めた。
くぷんと入り込んだ矛先。
でも、また離れて行こうとするゲンマ。

「や、ゲンマ、やだ。お願い、全部入れて!」

の泣きそうな声に、ゲンマは漸く肉棒全てを突き入れた。

「はぅ……あぁッ!!んっ…………っ……」
……」


─── いきなり、そりゃねぇよ……


ゲンマを得ただけで、不規則な収縮をみせたの其処。
締め付け、内部が痙攣を起こすと、ゲンマも堪らず頂点に達した。

「挿れただけだぞ」
「だって………」
「オレもイっちまったがな」

そう罰悪くゲンマは言い、の耳元に唇を寄せる。

「もう一回位、付き合えよ」
「うん、もっとシタイ……」

繋がったまま囁き合って、再び二人は頂点を目指した。



余韻に浸っていると、いつの間にか寝ていた様で。
二人が目覚めたのは日付が変わる頃。

夕食を取っていなかった事に気が付き、いそいそとキッチンへ足を運ぶ。
ゲンマが作ってくれた鍋を食べて、が作って来たバレンタインデーのチョコレートケーキを切り分けた。

「夜中に食べたら太っちゃうかな?」
「これ位どって事ねぇだろ。心配すんなら運動すりゃいいんじゃねぇ?これからまたスルか?」
「は……い??」
「新記録に挑戦してみるってのも手だぞ。今なら更新出来る」
「ウソでしょ?本気??」
「さぁ、どうだろな」

次は騎乗位だ、とゲンマは心の中で誓いを立てた。
身体を重ねて果てたのは二回。
にもそれほど負担は掛けていないと、ゲンマは思っている。

「もう!」っと怒った口調のも、顔は笑っていて。
でもその顔が急に歪んだ。

「どうした?」
「ん、っとね、顔が痛い」
「はぁ?」
「頬っぺたが痛い……筋肉痛みたい……」

自分の頬を押さえるを見て、ゲンマは声を上げて笑う。

「鍛え方が足りねぇんだよ」
「こんなとこ、鍛えないもん、ふつう」

はぶー垂れるが。
顔痩せ、するんじゃねぇか?というゲンマの囁きには触覚が動いたようだ。

「いつでも大歓迎だぜ。それに筋肉痛になった時は、同じ運動をすりゃイイ」
「今日はもういい!!もうご馳走様!!」
「オレは喰い足りねえんだよ」

ゲンマはニヤリと笑って、チョコレートケーキを頬張った。

バレンタンデーの夜は、まだ半分を過ぎた所。
の長い夜はまだまだ続く……。



一か月後、ホワイトデーとなった木の葉の里。
ゲンマからアンコに贈られたのは、老舗和菓子屋の詰め合わせセット。
おいそれとは手に入らない最高級品だった。




2008/03/07  かえで