Be careful in the expiration date
今日は土曜日だが、久しぶりにバイトが休みで、昼まで爆睡してしまった。
腹減ったな〜、と思ったが、どうせ雅史と会ったら、家で何か食べるんだし、
面倒だから、いいや、と思って、出掛ける準備をして、自転車に跨った。
途中の自販機で、ポカリスエットを買って、飲みながら、雅史と待ち合わせしているレンタルDVDショップの横に、自転車を止めた。
どちらかに用事がない限り、土日は大抵一緒に過ごしている。
二人とも、料理は得意ではないから、適当に買った材料で、簡単な料理を作るか、デリバリーのピザを頼むか、出来合いの物を買ってくるか、いつもそんな感じだ。特に食べ物にうるさくないから、そこんとこは、俺たち、合ってるんだよな。
俺がいつも借りるDVDは、アクション物とか、SFとか・・・
雅史はいつも、洋画をそのまま原語で見るので、俺も横で聞き取れないながらも、一緒に見るようにしている。
『こうして言葉の響に耳を慣らすのが大事なんだ』って、雅史が言うから。
でも、ほとんどの場合、途中で意識無くなってるけどな・・・
俺は前から見たかった、香港映画の『カンフーハッスル』を選び、
雅史はなにやら、聞いたことのないアメリカ映画を選んだ。
雅史のマンションまではすぐなので、俺は自転車を押しながら、雅史と一緒に歩く。
「暁、どうしても今日中に終わらせなきゃならない翻訳があるんだ・・・
俺、寝室でやるから、お前はDVDでも見ててくれ。」
雅史は時々バイトで、翻訳の下訳をしている。
いつもはリビングでやっているが、集中してやる時は、ノートパソコンを持って寝室に篭っている。
何か、鶴の恩返しのおつうが、部屋に隠れて機を織ってるようだ・・・
って、雅史には言わないけど。
今日は久しぶりに、土曜の昼間から一緒にいられるのにな・・・
まあ、仕方ないか、仕事なんだし。
家に帰ると雅史は、
「今日は何にする?
適当に、好きなもの買ってくるか、デリバリー頼んでもいいぞ。」
と言いながら、早速寝室に入ってしまった。
(つまんねーなー)
と思いつつ、DVDをセットし、リモコンで操作しながら、冷蔵庫の横にある、デリバリーのカタログを取りに行く。
ついでに冷蔵庫を覗くと、ほとんど食べ物はなく、いつものように、調味料がいくつか入っているだけだった。
(忙しくなると、何も入ってねーもんなーー)
朝は時々コーンフレークを食べてると言ってたから、牛乳のパックが入っていた。
本当はコーラかなんか飲みたかったな、と思いつつ、喉が渇いていたので、1リットルのパックの半分ほど入っていた牛乳を、そのまま口を付けてラッパ飲みした。
「今日は、ピザにするか・・・」
カタログを眺めていると、無性に空腹を感じた。
(他に、チキンとポテトのセットも頼もう・・・)
そう思いつつ、DVDを見始めた。
特撮をふんだんに使ったカンフーハッスルは、呆れるほどくだらないが、暇つぶしにはもってこいだった。
チャウシンチーの可笑しな動作に、自然と笑ってしまう。
見終わっても、雅史はまだ寝室から出てこない。
そっとドアをノックし、
「ピザでいいかー?
そろそろ、頼むぞ。」
と言うと、
「オッケー。
来たら先に食べててくれ。」
と、返事が返ってきた。
ってことは・・・まだ終わらないって事だよな・・・
ピザとチキン、ポテト、サラダ、コーラを注文し、その後、テレビでちょうどやっていたお笑い番組を見る。
暫くすると、ピザが届いたが、雅史はまだ出て来ない。
(ちょっとだけ、先に食べるぞ)と、
ポテトを摘んで口に入れるが、二つめに手が伸びない。
さっきまであんなに空腹だったのに・・・
そう思いつつ、なんとなく、胃の辺りが重いような気がする。
(腹、減りすぎか・・・?)
そのうち、胃の辺りの重い感じが、だんだん、痛みに変わっていった・・・
「暁、待たせたな。」
そう言って、仕事を終えた雅史がリビングに入って来た時、
俺は痛みのために両手で腹を押さえて、ソファの上で体を丸めていた。
(はぁ〜、腹いてー・・・
気持ち悪ぃー、吐きそう・・・)
雅史に、
「どうした、具合悪いのか?」
と聞かれ、頷いた途端、堪えきれずに口を押さえてトイレに駆け込み、
何度も吐いた。
朝から何も食べていなかったので、出るのは水ばかりだった。
雅史が後ろから、背中を擦ってくれる。
暫くして、吐き気も何とか治まり、
(吐くのって、こんなに苦しかったんだ・・・知らなかった・・・)
と思いつつ、雅史に支えられてリビングに戻る。
朝から具合が悪かったのかと聞かれるが、悪くなったのはちょっと前からだ。
「正露丸ならあったと思う・・・」
雅史がカップボードの引き出しやその辺りを捜していて、
「・・・、暁・・・」
と俺を呼び、ゴミ箱から牛乳のパックを拾い上げて、俺の顔を見た。
「これ、飲んだのか?・・・」
「ああ、喉渇いてて、来てすぐ飲んだけど。」
「これ・・・、二週間前に、賞味期限切れてる・・・」
(なにぃ〜〜〜??
おいーーー、そんな物、入れとくなよ・・・)
『ここのところ、忙しくて冷蔵庫に何が入っているのか、全然気をつけてなかった、牛乳のパックを見て、最近買った記憶がないな・・・と思って、なんとなく日付を見たら・・・』と、すまなそうに謝る雅史に、
苦笑いしながら大丈夫だからと言う。
「お前が飲んでたら、もっとひどいことになってただろ。
大丈夫だから、心配すんな。」
口では大丈夫と言いつつ、体は大丈夫ではなかった・・・
正露丸を貰って飲むが、飲んだ途端に強烈な吐き気に襲われて、又トイレで吐いてしまった。
その後も、喉が渇いて水を飲むが、いくらも経たないうちに、全部戻してしまう。
体が水分を受け付けなくなっているようだ。
嘔吐に続いて、腹が下り始めた。
下腹部の鈍い痛みに、腹を押さえながら、何度もトイレに通った。
急激に体力を消耗して、ふらふらしている俺を見て、雅史は、病院へ行こうと言う。
『この間三上に会った時、彼女、看護師なんだが、、俺の家から近い病院へ移って来たって言っていた。
暁の家に行って、保険証も取って来なきゃなんないしな・・・』
と言いつつ、雅史は三上さんに電話をしている。
事情を話すと、三上さんはこれから、雅史の家に迎えに来て、
俺の家に寄って保険証を取って、その後病院へ送ってくれると言って、電話を切ったそうだ。
「暁・・・、本当にすまなかった・・・」
「雅史って、どっか、抜けてんだよな・・・
学校では、偉そうなくせに。」
ソファに座って、だるくて雅史に寄りかかったまま、俺は言って、ちょっとだけ笑った。
(暁、俺が忘れてたばっかりに、こんな目に遭わせて、悪い・・・
暁・・・、いつも元気だから、
お前がこんなに具合悪そうにしてるのを見るのは、本当に辛い・・・)
「だから、大丈夫だって、言ってんじゃん。
お前のほうが、病人みたいだぞ・・・」
俺はそう言うが、いつもより声も出ない。
「暁、吐くのって、苦しいよな・・・
俺・・・、バイト始めて、慣れるまで、結構時間かかって、
慣れないうちは、毎回、終わってから、吐いてたから・・・
だから・・・」
「雅史、これからは、そんなこと絶対ないから。
もう、二度とそんな思いしなくていいんだから。
忘れられないだろうけど、あんまり、思い出すなよな・・・」
「ん・・・
ずっと、思い出してはいなかったけどな。
さっきのお前見てて、ちょっと・・・」
「ごめんな、嫌なこと思い出させちまった・・・」
「元はと言えば、俺が悪いんだ。
暁が謝ることじゃない。
お前って・・・、ほんとに、根はいい奴なんだよな・・・」
「根、だけじゃないだろ?」
「口は悪いし、他に、どこがいいんだ?」
「顔とか・・・?」
俺が言って、二人で噴き出した。
(見ただけでも、暁が本当に、かなりひどい状態なのが
分かるのに、それでも、俺に気を遣ってくれている・・・
心配させまいとしてくれていることが嬉しくて、益々お前に惚れた・・・)
三上さんの車で俺の家に行き、保険証を取った後、
三上さんの彼女の勤めている病院へ連れて行ってもらう。
車が向かった先は・・・
前に、雅史が熱を出した時診てもらった、あの、総合病院だった。
三上さんの彼女、葉子さんと言うそうだが、その人が予約を入れてくれたらしい。
今日はちょうど準夜勤で、病棟にいるが、連絡をくれれば、外来に降りて行くからと言っていたそうだ。
駐車場から電話を入れ、待合室で待っていると、葉子さんが小走りにやって来た。
三上さんは175センチの俺と、ほとんど同じくらいだが、葉子さんは、とても小さかった・・・
150センチ、あるかないか位だろう。
「まあクン、久しぶりだね〜〜」
(まあクン・・・?)
俺が驚いて雅史の顔見ると、雅史は溜息をついている。
三上さんが苦笑いをしながら言う。
「葉子、小児科の看護師なんだよ。
普段、入院してる子達を、ニックネームで呼んでるから、
知人友人みんな、勝手な名前、つけられちまうんだ・・・」
「かずぴーは黙っててよ!」
(雅史が、まあクンで、三上さんは、かずぴー・・・?)
「俺、和彦って言うんだ。」
三上さんがちょっと、困ったような顔をしながら言う。
「所で、詳しくは聞いてないんだけど、
どうしたの?」
葉子さんに聞かれて、雅史が事情を説明する。
「まあクンらしいわねえ・・・
まあクンのお友達、災難だったね。
名前、なんていうの?」
聞かれて、口ごもりながら、
「・・・おおと、も・・・さと、る・・・」
と言うと・・
「そう、さとるっち、
どう、まだ、お腹、痛い?」
聞かれた俺は、吐き気も腹痛も忘れて、暫しボーッとしてしまった・・・
(さとるっち、って・・・
おれ・・・?の、ことだ、よな?・・・)
頭の中が、ひらがなと???でいっぱいになった・・・
「大友暁さん。」
名前を呼ばれて、雅史と葉子さんと一緒に診察室に入る。
雅史を診てくれた初老の医師ではなく、もっと若い、闊達な感じのする医師だった。
雅史が前にしたのと同じように、血圧を測ったり、心音肺音を聞いたりした後、
診察台の上で触診を受ける。
下腹部を押されて、痛みのために、呻いてしまった。
「ここ、痛むの?」
聞かれて頷くと、もう一度押された。
(いてーって言ってんじゃん、押すなよ・・・)
雅史から事の起こりを聞いて、医師はちょっと笑った後、真剣な顔をして言う。
「食中毒って、軽く見られがちだけど、時と場合によっては、
命に関わることもあるんだ。
大友君はもう急性期を過ぎたようだから、これからは回復に
向かうだろうけど、ちょっと、脱水がひどいようだから、
点滴をしたほうがいい。」
俺は診察室の隣にある処置室のベッドで、点滴を受けることになった。
急性期を過ぎたようだという医師の言う通り、吐き気だけでもう吐いてはいなかったし、腹が痛むだけで、下痢も止まっていた。
だた、どうしようもないくらい、体がだるく、それは脱水によるものらしい。
点滴は一時間半位かかると言われた。
ベッドの周りにカーテンを引いてくれて、ベッドの横の椅子に座った雅史と
二人きりになった。
「腹、痛むか・・・?」
「ん、ちょっとな・・・」
俺が言うと、布団の横から手を入れて、俺の腹を擦ってくれる。
普段は冷たい雅史の手が、暖かく感じた。
(何か、優しいじゃん・・・
雅史が優しくしてくれるんなら、たまに病気になるのも、
いいかもな・・・)
俺がそう思っていると、
雅史が俺をじっと見ている。
「暁、俺に優しくされるんなら、たまに病気になるのもいいなって、
思ったな、今。」
・・・何なんだよ、読心術、使えるのか・・・?
「単純なお前の考えることだ、分るに決まってるだろ。
そんな、あほ面するな。」
・・・あほ面って・・・それはないだろうよ、まあクン・・・
点滴が終わる頃になると、あんなにだるかったのが、
かなり回復していた。
吐き気はなくなり、下腹の痛みがちょっとあるだけだった。
「あれ・・・、こんにちは。」
点滴を抜きに来てくれたのは、雅史が診てもらった時、勤務していたあの若い看護師だった。
葉子さんも入ってきて、実は二人は知り合いだったことが分る。
世間は狭いぜ・・・
「さとるっち、今日は大人しくしてるんだよ。」
葉子さんはそう言って、俺の頭を撫でようとしたが、俺は直立のままだったので、手が届かなかった。
(よかった・・・この背に感謝・・・)
優しい(…?)葉子さんとあの看護師、(坂口さんと言うそうだ)に、お礼を言って、待っていてくれた三上さんに送ってもらい、雅史の家に戻った。
リビングの時計を見ると、10時を過ぎていた。
「雅史、腹減っただろ。ピザ、温め直して、食べたほうがいいぞ。」
俺がそう言うと、
「暁は、今晩は食べないほうがいいって、医者も言ってたし・・・
俺も今日は要らない。」
と言って、テーブルの上のものを冷蔵庫に仕舞い始めた。
「暁、喉渇いてないか?」
雅史に聞かれ、そう言えば・・・と答える。
「もう、飲めるよな・・・?
今、何もないから、俺、買ってくる。
暁は風呂入ってろ。」
雅史はそう言って、独りで出掛けた。
俺は体を洗った後、ゆっくり浴槽につかる。
もう、大丈夫そうだな・・・、腹の痛みも治まったし・・・、
それにしても・・・、ちょっと、苦しかったな・・・
今度からは、ちゃんと賞味期限、確認しなくちゃ・・・
湯船の中で、両腕を伸ばすと、右腕の傷痕に左手の人差し指で触れてみる。
十数針あるそれは、抜糸した後は暫く、結構目立っていたが、今では大分薄くなっていた。
雅史を抱いている時、時々、雅史がそこに口付けたり、愛おしそうに指で触れたりする事がある。
俺たちがお互いの気持ちを強く感じた出来事に、直接結びついている証だからか・・・
雅史は申し訳なく思っているようだが、俺は勲章だと思ってんだぜ、この傷痕。
Tシャツにイージーパンツを穿き、
リビングで頭を拭いていると、雅史がコンビニの袋を提げて帰ってきた。
「お帰り。
雅史も風呂、入っちゃえよ。
・・・
独りで入るか?
それとも、俺、背中流してやろうか?」
雅史は俺をちらっと見た後、ちょっと赤くなって、『独りでいい・・・』と
小さく言った後、リビングを出て行った。
雅史の買ってきたものを、冷蔵庫に入れる。
ミネラルウォーター、買ったことのない銘柄だった。
その他、スポーツ飲料が何種類かと、りんごジュース、トマトジュース、
ヨーグルト、そして、ヤクルトが入っていた。
(何で、ヤクルト・・・?
雅史、好きだっけ?)
と思いながら、ミネラルウォーターを一本開ける。
いつも飲んでいるのより、口当たりが柔らかい感じがする。
一口飲んでみて、特に吐き気も感じず、そのまま暫くしても、体には何の変化もない。
(よかった・・・、これで吐いたりしたら、雅史に又、嫌なこと思い出させちまうからな・・・)
水をちょっとずつ飲んでいると、雅史も頭を拭きながら、リビングに戻ってきた。
タオルを椅子の背に掛け、本棚のところに置いてあったメガネをかける。
今日は丸型の、ちょっと、ハリーポッターがかけてるのに似てるやつ。
これをかけると、何か、いつもより幼く見える。
実は結構、俺のお気に入りなんだよな・・・
「雅史、このミネラルウォーター、何か、味、違うな。」
俺が聞くと、にやっと笑い、
「味音痴かと思ったら、ちゃんと、分ったんだ?」
と言う。
冷蔵庫からトマトジュースを取り出して、コップに注いで、一口飲んで、ふぅ、っと息を吐いた。
「それ、ミネラルが少なくて、軟水なんだ。
ミネラル分が多すぎると、腸に刺激が強すぎるから。
今のお前には、ヴォルビックなんか、絶対だめだからな。」
・・・ミネラルウォーターなんて、全部一緒かと思ってた・・・
「だから、あほ面するなって言ってるだろ。
ミネラルウォーターって言うんだから、ミネラルが含まれていて、
成分や割合によって味も違うし、効果もいろいろなんだ。
知らなかっただろ?」
そう言って、トマトジュースを一気に飲み干した。
仰け反らせた首の喉仏が上下して、雅史が男なんだと改めて感じるが、
それもまた、妙に色っぽく見えるんだよな、こいつの場合・・・
それにしても、口から出てくる言葉は、何で、いちいち、
こんな憎らしいんだよ・・・
でも、ちゃんと俺の体のこと考えて選んでくれたんだと思うと、
やっぱり嬉しい。
「憎らしいけど、嬉しい、って思っただろ、今?」
・ ・・、心を読むの、やめろって・・・
「その、単純な思考回路、北京原人と一緒かもな。」
・ ・・、いい加減にしないと、襲うぞ・・・
「ちなみに、何でヤクルトを買って来たかってことの答えは、
食中毒の後は、腹の中の善玉菌が少なくなってるから、乳酸菌を
補給したほうがいいって言う、葉子からのアドバイスがあったから。
ヨーグルト、しかり。」
・ ・・、きっちりと俺の頭の中の疑問に答えてくれたお礼に、
襲わせてもらうことにする・・・
雅史の顔を見つめながら、左手でメガネを外してやる。
雅史がそっと唇を合わせてきた。
リビングの床の上で、雅史を抱き締め、キスをしながら服を脱がせた。
舌を絡めた深いキスをし、その後はお互いの唇をついばむ様な、軽い、でも、お互いが愛しく感じられるキスを何度もし、その間に、俺も着ているものを脱ぎ捨てた。
「病み上がりなのに・・・、大丈夫、か・・・?」
甘い溜息と共に、俺を気遣う雅史・・・
「お前と一緒にいるのに、何もしないなんて・・・
俺には、無理だ・・・
北京原人並みに、単純だから、好きなやつと一緒にいたら、
襲わずにはいられない・・・」
「・・・ばーか・・・
仕方ないから、襲わせてやる・・・」
雅史の上に覆い被さり、首筋から順にキスを落としていく。
色っぽい鎖骨・・・、ちょっとだけ、痕を付ける。
俺は、右手で雅史の左胸の突起を摘み、左手ですでに先端から透明な液を滴らせている雅史のモノを優しく扱き、右胸の突起に舌を這わせた。
唇と舌を使って、挟んだり転がしたりすると、雅史は一気に昇り詰める。
「・・あぁっ・・・、さと、る・・・あ、っ・・」
雅史は元々、胸がとても感じやすかったが、特に右胸の突起が感じるのだと気が付いてからは、最近は大抵、この、三点攻撃で、まず一回イカせて、雅史の反応を楽しむことにしている。
今日は、益々、色っぽいな・・・
俺の腕の中で、荒い息をしながら、潤んだ目で見上げられると、それだけで、何もしなくても、イキそうになってしまう・・・
付き合い始めてこんなに経つのに、雅史を抱く時はいつもどきどきする。
イったばっかりなのに悪いな・・・、と思うものの、
こっちももう、限界なので、雅史が放った白濁液で、雅史の後ろを慣らし、胸と同じくらい雅史の感じる部分を指で擦り上げると、又すぐに、色っぽい喘ぎ声が聞こえてきた。
雅史の両足を大きく開かせ、俺はちょっと乱暴なくらい性急に雅史の中に入っていく。
雅史は左手で俺の右腕の傷痕をなぞっている。
右手は俺の腰に廻している雅史の切ない喘ぎと、自分自身の快感とで、俺は眩暈を感じ、雅史の痙攣と共に、雅史の中に熱い精を放った・・・
次の日の朝、
俺は葉子さんのアドバイスにより、ヤクルトを飲まされ、ヨーグルトを食べさせられた。
いくら善玉菌が豊富でも、ヤクルト5本と、500mlのヨーグルトは、ちょっとキツかったぞ・・・
食中毒とは違った腹の痛みが襲ってきそうで、俺は嫌な予感がした・・・
おしまい。
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