ソフトクリーム



「このソフトクリーム美味しい」
ウラの部屋でリュウタは美味しそうにバニラのソフトクリームを舐める。
食堂車からわざわざ持ってきてウラの部屋で食べているのだ。
しかもいきなりやって来た。
ウラが良いとも悪いとも言う暇もなく居座った。
ソファーにゆったりと座り雑誌を読んでいたウラの横にリュウタはちょこんと座る。
「いただきまーす」
リュウタはウラを気にせずにソフトクリームを食べ始める。
クリームを舌で丁寧に救いながら上下に動かす。
ウラの瞳にはリュウタのその行為が卑猥に映った。
自分の心を読まれないかのように雑誌を読んでる振りをし
横目で盗むようにその光景を黙って眺めていた。
部屋が暖かいのかソフトクリームが溶け出してきた。
溶けたアイスは白い液体となって一筋、コーンから流れ出るとリュウタの手を汚す。
「早く食べないとソフトクリームが溶けちゃう!」
流れるアイスに慌てるリュウタは大きな口を開け上からかぶりつくと
吸い付くように上下にソフトクリームを動かしちゅぱちゅぱと音を立てる。
それでも溶けて流れるアイスがリュウタの手を口を汚していく。
その姿に行為にウラは唾を飲み込む。
まるで自分のモノをくわえてるかのような錯覚がする。
アイスは自分のそそり立つ欲望。
そして流れ落ちる白い液体は自分の放つ白い欲望の印しに・・。
ウラは頭がクラクラしてきた。それでもどうにか平静を理性を保っていようとする。
ここは紳士的にいかないと・・・。
そんなウラをお構いなしにリュウタはアイスを食べ終え最後のコーンまで食べた。
「ご馳走様でした」
リュウタの口からは一筋の白い液体が垂れている。
まるでアノ時の行為のように。自分の欲望を飲んでもらった時の・・・。
ウラの少ない理性が飛んで行った。もう我慢出来ない。
だが肝心のリュウタはまったくその気が無いようだ。
「リュウタ、口のまわりベタベタだよ」
ウラは雑誌を床に捨てるとリュウタの顔を覗き込んだ。
「え?本当!?」
「僕が拭き取ってあげる」
ウラはリュウタの顔をそっと掴む。
だがウラのした事は拭き取りとは違った。
リュウタの口の周りを舐めたのだ。
「ちょっ・・ちょっとカメちゃん!それ拭いてないよ」
驚くリュウタにウラはニヤニヤしながら舐める。
「いいんだよ。僕もソフトクリームを食べたいと思ってたんだから」
「じゃあ、ナオミちゃんに頼んであげ・・」
立ち上がろうとするリュウタをウラは強引にソファーに押し倒す。
「いいんだよ。リュウタの方も食べたくなっちゃったからね」
上から覆い被さりながらリュウタの口の周りを舐める。
「こうしたらアイスもリュウタも一緒に味わえるでしょ」
「どういう事?」
リュウタには言っている意味がよく解らない。
不思議そうな顔をしているリュウタにウラは答える。
「こういう事」
そう言うとリュウタの口を自分の口で塞いだ。
ねっとりと舌と舌を絡ませる。
「んっ、んんっ」
いつもより絡んでくる舌にリュウタは息苦しさを感じる。
じたばたし始めるリュウタにウラはちゅっと音を立て口が離れた。
解放されリュウタはぷはーっと息を吐く。
「あー、苦しかった」
まだこの行為を慣れてないのか、快楽にいたらないのか、
リュウタにはディープキスの良さや意味が解らない。ただ、苦しいだけだ。
「本当、子供なんだから。そろそろ大人のキスも慣れたらどう?」
苦笑いしながらウラはリュウタのアイスで汚れた手を取るとキスをした。
「怒った?カメちゃん・・・」
リュウタはウラに恐る恐る尋ねる。
答えずウラはリュウタの甘い指先を舐めているだけだ。
「ねえ、カメちゃん・・・」
不安混じりの声でウラを呼ぶ。だがウラはリュウタには答えない。
「嫌わないで・・カメちゃん」
声が震えてる。
「心配しなくてもいいよ。僕は怒ってないよ」
「本当!?」
「リュウタの手があまりにも美味しいから返事しそこねただけ」
「あ、アイスがいっぱい、ついちゃったしね」
「それだけじゃないよ」
ウラは舐めていたのを止めるとリュウタを見つめる。
「リュウタがもっと美味しかったから」
「え?」
「手だけじゃなく、もっともっとリュウタを味わいたいな」
そう言われてリュウタは困惑した。
「ボ・・ボク・・でも・・美味しくないかも・・固いし・・紫だし・・」
「え?」
なんだか会話が噛みあわない。
「でも、カメちゃんが望むならボク・・ボク・・」
そう言うとリュウタの大きなオレンジの瞳から涙が溢れてきた。
「怖いけれど、食べられてもいい・・。でも、痛くしないでよ」
リュウタの勘違いにウラはぽかーんとした。
「カメちゃん?」
「あのね意味が違うよ、リュウタ」
「だって・・食べるんでしょ?」
ウラはフフフと笑うとリュウタの手を離す。
「こういう事だよ・・・」
離した手はリュウタの太股を触ると撫でながらゆっくりと中心部へ這わせていく。
中心部に着くとウラはいやらしい声で囁く。
「こういう事したいっていう事だよ」
触れた場所を強く押す。押されてリュウタが小さく声を上げた。
「リュウタをじっくりと味わいたいんだ。外からだけじゃなく中からも」
何度も何度も指先で強く押す。そこに入りたいかのように。
入りたいのは指じゃなくもっと大きなモノなのだが。
ウラの欲望を感じたのか固く閉じてた入り口が現れてくる。
指に答えるかのように岩戸が開くように小さな入り口が徐々に開いていく。
「解ってもらえたみたいだね」
ウラは頭を下げるとリュウタの胸にキスをする。
「いいよね、リュウタ。しても」
「・・うん・・カメちゃんがしたいなら・・ボク」
吐息混じりの声でリュウタが答える。
「ダメだよ。リュウタもしたいんじゃないと」
ウラは口づけを胸から腹へと下腹部へとしていく。
「リュウタもしたい?」
ウラの指が強く押される。
小さな入り口は押しこまれるウラの指をゆっくりと呑み込んでいった。
「下のお口は凄くしたいって言ってるんだけれど」
意地悪く言うウラにリュウタは顔を真っ赤にした。
「カメちゃんの意地悪。答は知っているくせに」
喘ぎが混ざる声でリュウタは言う。
「ボクもカメちゃんを味わいたい。ボクの中で・・」
「本当?」
「うん」
「どっちのお口で?上のお口?それともこの下のお口で?」
ウラの指が出たり入ったりする。
強い刺激を受けリュウタの体がビクンと跳ねた。
「ねぇどっち?」
意地悪なウラの質問に吐息混じりにリュウタは答える。
「両方・・・欲しい。両方でカメちゃんのを飲みたい」
そう言うと両手で顔を隠してしまった。
リュウタにとってこんな事言うのはよっぽど恥ずかしかったのだろう。
そんなリュウタがウラにはとても可愛く愛しい。
「欲張りなんだから。いいよ両方あげるよ」
ウラはゆっくりとリュウタの中から指を抜くと
リュウタの上半身を抱き起こし座らせた。
「最後の一滴まで飲み干してよね。
さっきのアイスみたいに垂らしちゃダメだからね」
リュウタはうんと頷くとウラの下半身を見る。
そこははち切れんばかりの欲望で大きく固く天を突いてそそり立っていた。
リュウタはゴクリと喉をならし唾を飲み込む。
「うん、全部飲むよ。カメちゃんのだから」
そう言うとうっとりとした表情でウラの欲望を両手で大事に掴み
さっきのソフトクリームのように嘗め始めた。
リュウタの頭を優しく撫でながらウラは
美味しく食べられるのは自分の方かも知れないなと思った。


おわり