ある日、ぼくはしびれをきらしました。

「きみにはぼくが見えているのか。会いたいと言ってくれないのか」

連絡するのはいつもぼく。
今までとちがう恋に、いささか不安だったのかもしれません。

彼はけろりとして 「先客があれば悪いでしょう」 と答えます。
ぼくはカッとなり、声をあらげてしまいました。

「そういうときは悪いじゃなくて、くやしいって言うんだ!」


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