NOVEL

堂森食品(株)営業二課番外編 -危険物につき。-

 俺、黒崎真樹[くろさきまさき]は不幸だ。明日は誕生日だと言うのに、俺ほど不幸な男もいない。職場に忘れ物をして取りに戻ったら、とんでもない場面を目撃してしまった。同僚同士の濡れ場。しかも、片想いの相手・神田川俊行[かんだがわとしゆき]と恋敵・都倉祐二[とくらゆうじ]の。俺は最悪のカタチで失恋を知った。神も仏もあるものか。なんでよりによって、好きな人の濡れ場、マジでヤっちゃってるトコなんか目撃しなきゃならないんだ。しかもソレ見て勃ってるし。サイテー。ていうか、相手俺じゃないんだぞ? なあ、ムスコよ。節操なさすぎるとは思わないのか?
 今週末。神田川と過ごしたかった。でも、飲みに誘ったら即、お断りで。未練あったけど、ここでしつこくして嫌われたら元も子もないし、とか思ったら。
 ナンデスカ? 君達そーゆー関係だったワケ? だったら、そう言ってくれれば、俺だって期待もしなかったのに。……まあ、そんなの言い出しにくいだろうけどさ。俺、結構わかりやすかったと思うワケよ。隠し事苦手だし。喜怒哀楽激しいし。感情表に出やすいし。都倉はいつも穏やかそうに笑ってるけど、底の知れない得体の知れないヤツで。神田川ときたら、全くその逆で、明るくて素直で屈託無くて、物怖じしない、カワイイヤツで。なんていうか、人が落ち込んでると、誰より一番に気付いて、さりげなく優しくしてくれる。そこんトコの匙加減は結構微妙で、一歩間違えれば『お節介』なのだけど、俺は神田川のそういうところが好きだった。俺は、厳格な家庭で育てられたクチで、甘やかされたことなんてただの一度もない。そういうのに反発して、家を出て一人暮らし始めてからも、甘やかされるのにはどうしても慣れることができなかった。軽い調子でふざけた楽天家を気取ってみても、板につかない。コミュニケーションが不得手で、人と会話する度に自分が分離し、乖離していってしまう気がする。生まれて二十六年目にしてようやく気付いた。俺という人間には独自性[アイデンティティ]というものがない。だから稀薄で、誰といても落ち着けないし、くつろげない。そんな自分がイヤで、変わろうとしても、変われない。神田川は俺がなりたかった『自分』だ。だけど俺は、神田川になりたいとは思わない。神田川に傍にいて欲しい、と思っただけだ。……失恋決定の今となっては、虚しいだけだが。
 しかし。現実問題として。勃起してテントを張ったまま、落ち着こうとしない我がムスコを見る限り、これはどこかで消火しとかないと、どうにもならない。虚しいことこの上ないが、やはりここは失恋相手の神田川オカズで処理しなきゃダメなのか?と自問してみる。
 誰でもいい。神田川じゃなかったら。……そう思ったが、俺の貧相な想像力(または妄想力)は神田川俊行の姿しか思い浮かべてくれなかった。……我ながら、なんだか自分が可哀想になってきた。誰も言ってくれないから、とりあえず自分で自分に言ってやろう。おい、真樹。お前、本当不幸だな。……言ってみたらますます自分がミジメになってきた。自滅。
 仕様がないから神田川でマスターベーションだ。畜生。なんだかヤケになってきた。しかも自分が全くの素面だということがミジメさ加減に拍車をかけてる。いっそ、酒に酔った勢いだとでもいうなら、イイワケのしようもあるのに。……ソレはソレで虚しいか。クソ。
 とは言え、誰が通るかわからない通路でムスコをしごくのは抵抗が。……となると、ここはこの時間なら人が入る可能性のほとんど少ない、書庫室だ。

 堂森食品株式会社。乾物・レトルト・チルド・冷凍ありとあらゆる食品、調味料、食材を、製造・販売している食品・飲料メーカーだ。日本を中心に、海外にも輸出してたりする。その国内・外食部門の営業は、一課と二課があるが、俺は営業二課に所属する。一課の業務は従来顧客の担当及び販促で、二課の業務は新規顧客開発。当然、一課の方が人が多く、二課は少ない。俺や課長を含めて八名だ。俺、神田川、都倉と同期の篠田[しのだ](マジメが服着て歩いてる)、[なだ](わかるようでわからない)に、上司の利根崎[とねざき]課長(顔も体格もケンタッキーおじさん像そっくり)、後輩の長田[ながた](見るからに体育会系)、砂原[さはら](小動物系)。
 一課は男だけで二十名、女の子が(こういう言い方するとセクハラとか言われる場合があるらしいが)八名の大所帯だ。すぐ向かい側が一課の事務所だが、二課の事務所とロッカー・ルームと書庫室を合わせたくらいのスペースだ。いくら一課が人数多いといっても、広すぎないか?と時折思う。その代わりと言っちゃぁなんだが、二課メンバーはとても仲が良く、結束力も強い。それというのも、二課の『特別儀式(笑)』のおかげでは、と思う(言い過ぎか?)。ちなみにソレは、具体的には挨拶代わりにタマを揉む。たまに大サービスで他のところも揉む。やりすぎると危険なので、程々に。大抵、そのままイカせては貰えない。揉むだけだ。ソレ以上は自分で始末しなくてはならない。タマ揉み行為に意味はない。ただ、二年前まで二課にいた、二年先輩の玉城[たまき]先輩が、当時(四年前)ぺーぺーで緊張していた俺達に、緊張をほぐす意味合いで、予告なしにいきなり揉んだのがきっかけだ。最初は相手が堅くなってたり、必要以上にリキ入ってる時だけだったのが、気付いたら日常挨拶になっていた。最初はびっくりしたけど、慣れればないと淋しいものだ。玉城先輩が異動になって、二課から転勤した後も、俺達後輩がその伝統を受け継いだ。と言っても、現在残っている俺達より上の世代と言ったら、課長だけで(課長の股グラに手を伸ばす強者はさすがにいない)下には二人いるが、二人とも拒否したので、実質、同期同士の間(ただし篠田を除く)だけになっている。やってみると何でもないのに。これというのも、クソ真面目な篠田が、俺達が巻き込む前に、『やらなくていいからな』なんて釘差したりするからだ。つまんないやつ、と俺は思うんだが、神田川はそんなヤツにまで気を遣ういいヤツだ。失恋したが。
 書庫室の鍵はまだ開いていた。ラッキー。さっさと済まして帰ろう。暗いままの書庫室に──だって明るかったら、まかり間違って途中で誰か入ってきたら取り繕えないし──入って、壁際に身をもたせかける。二課側の壁に耳をつけると、隣室の神田川の声が聞こえる。喜ぶべきか悲しむべきか。情けなさ倍増。ミジメ度UP。都倉の声は幸いにも聞こえてこない。
 腰を下ろして、突っ張って下ろしにくいジッパーを、注意深く下ろして(引っ掛けると痛いしな)パンパンに張りつめたイチモツをゴソゴソと取り出す。完全勃起状態だよ、俺。すぐイケそうだな。なんつーか本当微妙。苦笑するしかないっつーか。気を取り直して耳を澄まし、神田川の声に合わせてしごき始める。妄想の中の神田川は煌々とした蛍光灯の下、紅く上気し潤んだ瞳で俺を見上げている。卑猥な言葉を囁きながら、突き上げると、神田川はあらぬ嬌声を上げる。俺は楽しくなって、回転を加えながら、ぐいぐい突き上げる。肉を打つ音と、濡れた音と荒い息が、狭い部屋の天井にこだまする。デスクの上で体を二つに折り畳むようにされて、俺のナニを根本まで埋め込まれた神田川が、哀願にも似た声を上げる。淫靡に濡れてくる瞳に、俺はくらくらしながら、ますます動きを早め、更に奥へ突き入れるように腰を振る。クリクリと乳首を揉み上げたりつねったり、舐めたりしゃぶったりすると、神田川は耐えきれずに高く甘い悲鳴を上げた。そんな姿を見て更に悲鳴を上げさせたくなる。神田川の両足を抱え、挿入したまま体を回転させ、横向きにする。そのままグン、と突き上げると、神田川は悲鳴を上げた。……すごくイイ。夢中になって突き上げる。神田川がイク、と悲鳴を上げる。俺もイキそう。こんな早い展開は初めてだ。フィニッシュ。
 白い飛沫が飛び散った。……我に返るととても虚しい。独り遊び。ちょっと憂鬱になりながら、溢れたザーメンをティッシュで拭っていると、ガタッという物音がした。……ナニぃっ!?
 書庫の奥の方に誰かいる。ギクリとした。ヤバイ。とっさに駆け寄った。薄暗い中、相手は逃げる。しかし、出入り口とは反対方向だった。奥の壁へと追いつめる。
「すっ……すみません! 見る気はなかったんです!! 」
 若い男の声。クソ。もうヤケだ。こうなったら口封じ。相手の声のした辺りから、肩を掴んで壁に押しつけ、無理矢理唇を奪い、手探りでジッパーを探り当てて下ろし、中身を取り出す。
 抵抗しようとする男に、ここぞとばかりに濃厚なキスをぶちかまし、相手のイチモツをまさぐり、しごく。
「んっ……ぁっ…………っ……!」
 男の吐息に快楽が混じり始める。更に濃厚なディープで息もつかせぬほどに攻めながら、上から下まで指を滑らせながら、軽くマッサージするように指全体を使って揉みしだきながら、強く弱くしごき上げる。この微妙な匙加減は、四年間毎朝毎晩欠かさずタマやチ●コを揉み上げてきた、日々の訓練(?)のタマモノだ。強すぎると痛いだけだが、ソフトタッチに撫でるように揉む。俺の手の中で、男のイチモツが堅く大きくなっていくのにつられて、さっき終わったばっかりなのに、俺のイチモツまで勃ってきた。ヤバイ。はぁ、と息をついたら、男が言った。
「黒崎さんも勃ってるんじゃないですか? さっきから当たってますよ」
「っ!?」
 なんで俺の名前を!? っていうか、コイツ誰!?
「おっ……おまっ……!!」
「俺も黒崎さんの、触ってあげます。つらいでしょ?」
「ちょっまっ……!」
 俺のチ●コは出しっぱなしだった。きゅっと握られて、思わずチビリそうになった。
「おっ……おい!!」
「お互い様ですよ」
 そう言って、男は俺のナニをしごき始めた。ヤ、ヤバイ。マジ気持ちイイ。
「ぁっ……は……ぁ……っ! 」
「……イイ声出しちゃって。そんなに我慢してたんですか? 黒崎さん」
「お、お前、誰だ?」
「……俺が誰かも知らずにこんな事したんですか?」
 二課のやつじゃない。それだけはわかる。けど、誰だ?
「おっ……俺の知り合いか?」
 思いつかない。社内であることは間違いない。しかし、この声に、全く心当たりがない。
「誰でもいいじゃないですか、ここまできたら。ソレより、楽しみましょう」
「……ぁっ」
 ソフトタッチに、ゆっくりしごかれる。もどかしいくらいに。
「……ちょっ……!」
「ゆっくりしてあげますよ。そっと優しく、じっくりとね」
「ちょっ……待っ……」
 触れているかどうか、ギリギリのところで。空気越しに撫で上げられてるような、そういう感じの。思わず腰を振っていた。手が、足が、体が震える。
「もっと……もっと強くっ……早くしてっ!!」
 切羽詰まって叫んだ。その言葉に、男は手を止めた。
「ちょっ……なんだよ。なんでやめるんだよ?」
 そう言った途端、スラックスに手をかけられ、下ろされる。
「あっ……?」
 下着ごと足首まで下ろされ、ぽかんとしている間に、手際よく片足ずつ抜かれる。
「え? ちょっと」
  ぴちゃり、と濡れた感覚を後孔に感じて、ギクリとした。
「なっ……!?」
 熱い舌が、入り口をつつくようにしながら、這い回る。思わず生理的な悪寒を感じて逃れようとすると、無理矢理腕を掴まれ、半ばうつ伏せに肩先が床につくように、押さえつけられた。
「やっ……やめっ……!!」
 そんなつもりじゃなかった。そんな気は全くなかった。慌てて抵抗しようとするが、男の力は強かった。急に恐くなった。ずぶり、と指を挿し込まれた。
「ひっ……!」
 強烈な痛み。強い拒否感と圧迫感。ムリヤリ指を押し込まれて、痛みで気が遠くなりそうになる。
「……ちょっと無理かな」
 ガクガクと体が震えた。
「仕様がない、これで」
 たらたらと何か、オイルのようなものを垂らされた。
「……ひぁ……っ……!」
 入り口をゆっくりと揉みほぐされ、再度そのオイルのようなものを塗りたてながら、指を進めてくる。
「ぅぁっ……ぁっ……あっ……!!」
  ガタガタと震えが止まらない。
「そんなにイイですか?」
 違う!!
 逃げ出したくて仕様がないのに、声も出なけりゃ体もまともに動かない。じたばたと腕だけが宙を掻く。想いとは裏腹に体だけは開かれていく。男はオイルを塗り込みながら、更に指を増やしてくる。つぷりと音を立てて、二本目が侵入してくる。
「あったかくて狭くてイイ感じですよ。指に内壁が吸い付いてくる感じです」
 やめろ!!やめてくれっ!!
「すごい。こんなの初めてです。ね、入れてもいいですか?」
 ぶるぶると首を横に振る。
「駄目だ。もう我慢できない。……入れますよ」
 い〜や〜だ〜っっっ!!!!!!!!!!
 声を上げる間もなく、ずぶりと挿入された。
「うああああぁぁあぁっ……!!」
 悲鳴を上げた。男は興奮したように押し入ってくる。
「すごい。すごくイイですよ、黒崎さん。痛いくらいだ。こんなに締め付けられたら、今すぐにもイッちゃいそうです」
 ヤだ!! 絶対ヤだ!! これ以上されたら、俺、死ぬ!! もう死んじゃう!! 痛い!! 痛いってば!! 抜けよ!! このバカ!! ってゆーか、一人で逝ってろ!!
 グッと奥まで突き込まれて、悲鳴を上げる。
「イイ声ですね。ゾクゾクする」
 やめろ!! 痛がってるのがわからないのか!? 男は俺の気持ちなんておかまいなしに、腰を動かす。ぬるりとしたオイルを潤滑油に抜き差しされる。……ごめん、神田川。お前もこういう気持ちだったんだな? すまん。二度とお前を俺の妄想のネタにしないから──だから誰でもいい! 俺を助けてくれ!!
  脅えきり、痛がる俺の気持ちに男はまるで気付かない。だんだん俺は絶望的な気持ちになってきた。とにかく早く終わってくれ。誰も来ないうちに、さっさと終わらせて欲しい。半ば諦めだった。もう、どうでもいい。
 と、突き上げられて当たった箇所に、ぞくりとした。思わず声を上げると、男は夢中になってそこを攻めてきた。痛みの中に、少しずつそうではないものを感じ始めて、俺は混乱しながら必死で宙を掻いた。突き上げられ、悲鳴を上げ、ぞくぞくと這い上ってくる衝動に、目の前が真っ白にスパークした。

 ふと気付くと、男に全裸で抱きしめられていた。頭と下半身がひどく重い。
「……あ、気付きました?」
 暗かった。一瞬ここがどこかわからなかった。
「……ここ」
「書庫ですよ。どうしようかとも思ったんですけど。暖房切れて寒くなったんで、こうして暖を取っていたんです。冬はまだ先ですけど、寒いですね」
 ……何だと?
「ちょっと待て!! 今、何時だ!?」
「今ですか? ようやく二時を回ったところですね」
「に……二時」
 思わず声がかすれた。
「あれ? 何か用事でもありました? 」
 男の脳天気な声に、ブチ切れる。
「帰る」
「え? でも、もう鍵閉まっちゃいましたし、終電終わってるし、もう諦めてここで一晩過ごした方がいいですよ。ねっ?」
 ……冗談じゃない。
「こんなところで一晩過ごせるか!! 」
 しかもお前みたいな危険物と!! 人はあえて省略だ!!
「でも、黒崎さんのマンション、遠いでしょう? タクシーで帰ったら一万円近くかかるんじゃないですか?」
「なんでそこまで知ってるんだ!? 」
 もしかしてこいつ、ストーカー?
「なんでって俺、黒崎さんと同じマンションに住んでるんですよ」
 なっ……何ぃ!? ガァン、とした。
「じゃあ……何か? 俺の住んでるところも名前も全部知ってて、こういう事したのか?」
「っていうか、仕掛けてきたのは黒崎さんでしょう?」
 ……確かにそうだが。でも。
「だけど俺はヤるつもりなんか全くなかったんだぞ!?」
「あんなことしといて、よくそんな事言えますね?」
「あのくらい普通だろうが!!」
「冗談でしょう!? 俺は二十四年生きてますけど、一度もそんなのした事もされた事もありませんよ!!」
「営業二課じゃ普通なんだよ」
 そう言うと、男は溜息をついた。
「……まあ、二課は普通じゃないって噂はよく聞いてますけど」
「そういうお前はどこの課なんだ?」
「営業一課です」
 俺は舌打ちした。そもそも、二課と一課はあまり仲が良くない。似たような業務内容だから、まあライバルみたいなものだ。一課の連中とは近い部屋でもほとんど挨拶も交わした事はない。
「……道理で知らないと思った」
「本当に知りませんか?」
「全然知らない」
「……本当に?」
 しつこいな。そう思ったら、男は突然書庫の電気を点けた。眩しさに目がくらみ、思わず目を瞑った。
「俺の顔、見てください」
 ゆっくりと目を開ける。浅黒い肌。黒い短髪。きゅっと引き絞られた濃い眉とくりっとした瞳。鼻筋が通った顔立ちは甘く端正だ。少し泣きそうな顔。唇をきゅっと引き絞って。
「俺、前からずっと黒崎さんのこと好きだったんです」
 男は真剣な顔で、俺の目を強く見て言った。
「……なっ……!?」
 思わず相手を凝視した。ふざけている感じはない。男はそっと目を逸らし、少し頬を赤らめて、顔を伏せた。
「……ところでお前、誰なんだ?」
 そう言ったら、男は愕然とした顔で俺を見た。
「俺、実はあなたの隣に住んでる木崎邦雄[きざきくにお]なんですけど」
「そんなヤツいたか? 」
 そう言ったら、鳩が豆鉄砲食らったような顔で絶句した。
「……これから覚えてください」
 暫く沈黙した後、男──木崎はそう言った。その言葉に、俺は頷いた。理由は──顔が、好みだったから(笑)。
「……それと言い忘れたけど、誕生日おめでとうございます」
 その一言で、俺は嬉しくなって、思わず笑みこぼれた。

The End.
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