NOVEL / COMMENT

週末は命懸け外伝「光の当たる場所」について

2001/07/19 (THU)

 中原龍也、十四歳、中学三年の春から初夏へ掛けての話。中原が溺愛する妹広香と、結婚前の貴明様(旧姓四条)との出会い。何となく貴明パパは、様づけな気がします。
 四条というネーミングは「落ちぶれ貴族風の由緒正しそうで、でも主流から外れてるっぽい」というイメージより。四条家は昔ながらの地主の血筋(勿論旧家)で貴明様は生まれた時の状況等により母に捨てられ、一族皆に疎まれ侮蔑され、しかし世間体と体裁の為に、一族の血を一滴も引いてないにも限らず、表向きは一族の者として扱われ、しかし実態は……という感じ。本編の時より十五歳若い頃なので、物凄くおとなげないです。彼の少年・青年時代はこのシリーズ全キャラの中で一番悲惨で悲愴で凄惨な気がします。でも貴明様は王者だからそういう事を人にさらけ出したりしませんが。彼の「金」や「力」に対する執念は物凄いです。情を切り捨てる事によって生き残ってきた人。そして同時に、それを淋しいとも思っていたり。向上欲が強く、その為になら大切な存在すら欺いたり利用したりします。結局、愛情の与え方と与えられ方を知らないというだけな気もしますが。自尊心は物凄く高い人です。人との深い関わりを拒絶して生きてる人。でもそれを博愛主義とか言って誤魔化してたり。一番傷付きながら生きてる人な気もしますが、それでもとんでもない人であるのは間違いないです。でも彼をとても気に入ってる人が「彼は絶対に謎の存在にしておいて!」と言うので、現在のところ、彼の外伝を書く予定は無いです。
 中原龍也の心の変遷。……たぶん最初からそうだと気付いた人の方が多い気がしますが。広香、貴明様、そして郁也へと。心をその過去に少しずつ残しながら。中原は複雑キャラに見えて実は一番単純キャラ、だと思ってます。中原龍也のコンセプトは「物理的には一番強くて精神的には一番弱いキャラ」です。ちなみに郁也のコンセプトは「外見も中身も王子様。何があっても王子様」です。外伝ではまだそんなに強くなってませんが。
 そのうち書けたら、続きも書いてみたい気がしますが。でもやたら長い外伝です。

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