NOVEL / COMMENT

週末は命懸けシリーズについて

2001/07/08 (SUN)

 「週末は命懸け」シリーズは九年前にプロット立てた物語です。元はと言えば主人公の久本郁也の親友、藤岡昭彦が主人公の「鳥になりたかった少女」(第二話「罪」の昭彦側の話)という学園物で「この郁也ってキャラ良い!」という声があったため(発言者は高校時代の部の後輩の女の子)、ならば郁也主人公で話を書いてみようと思ったのが、きっかけ。しかし書いてみたら、何故かBLに。当時その手の話は書くつもりが無かった上、周りにそういうの読んでくれる人もいなかった為、封印されました。何故そうなったかと言えば、中原龍也の存在で、しかしこのキャラを欠かしてこの話は有り得ないので、どうにもならなかったのでした。
 それから八年後、あるお嬢さんと意気投合し、自作の小説を読んで貰った処で「こういうのもあるんだけど読む?」とプロットの概略を話したところ「読みたい!」と言われ第一話と第二話を同時進行で書き上げ、見せたところ「続きが読みたい!」と言って貰えた為、更に残りを書きました。という訳で外伝一本含む、第五話までが出来上がっている……のですが、第一話から第三話までの分がFDデータ丸々一枚消失し、バックアップ取っていなかった為、一度人様(と言っても一人だけですが)に渡した代物をお借りして、再度打ち込みする事に。という訳で第三話までは現状の分が全てです。それが終われば定期的に更新出来ます。FDがまた壊れない限りは(つまりバックアップは未だに取って無い…)。
 第一部は「週末は命懸け」「罪」「観察者」「慟哭」「抱擁」「報復」の全六話構成です。これで仮に「鷹森編」と題した一連のエピソードが終了します。郁也と中原の関係は第三話まで近付いたり離れたりを繰り返し、四話以降から急速に変化して行きます。その変化の為には第三話は無くてはならず、第二話は……一番このシリーズから言うと、離れた話なのですが、伏線を張ってある為、読んだ方が内容が判り易いと思われるので、挿入しました。たぶん、BLを期待して読むと、物凄くがっかりな話な気はするのですが。
 書いていて楽しかったのは、第一部では「観察者」と「報復」です。特に人の感想が欲しいと思うのはこの二つです。
 こちらの小説群は、たぶん読みたいと言ってくれる人がいなかったら誰の目にも触れずにいた小説です。誰にも見せようと思わなかった代物です。見られるのが厭だった、というのがたぶん本音。でもそれを人に見せようと思ったのは、自分以外の人がこれを読んでどう思うかが気になった時。面白いでもつまらないでも良いので、感想を頂けたら幸いです。

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